冬です。
寒いです。
雪が降ります。
雪は好きです。
でも増産の方がもーっと好きです。
「何を増やすの!?」
「えーっと……蛙の氷付け?」
「カレイの煮付けみたいに言ったよこいつ」
「おいしいよ?」
「しかも食べるんかい!」
「一個食べる?」
「うん。もらうわ」
『背の高いほう』の少女がおもむろに胸元に手を突っ込むと、氷付けになった蛙を取り出し、
『背の低いほう』の少女へと手渡した。
こりこり
「鳥のささみみたいで美味しいけど、冷たいわね」
「大ちゃんの味付けは完璧ね!」
「珍しい。いつもなら、あたいったらさいきょうね! て言うのに」
「そんな分かりきったこと今更言っても仕方ないもん。むしろ今は、あたいったら最胸ね! だよ」
「以前にもまして生意気になったわね。それも悪い方向に」
「えっへん!」
「でも根っこはやっぱり変わってないのね」
背の低い少女が背の高い少女を睨む。主に胸部を。
もう懸命な読者なら既にお気づきだろう。
この場にいるのは、常時飢えに苦しんでいる腋巫女と、爆乳を見せびらかすように胸を張っている氷精である。
うん、なにも違和感は無い。完璧すぎるマイスイートエァリア。
寒い日はドロワーズの上に毛糸のパンツ(ピンク)を穿くのは常識だ。幻想郷では常識なのだ。だって直穿き痒いもの。
「ところでチルノ」
「なぁに?」
「寒いからそろそろ帰りたい」
「却下」
「漢字まで使えるようになるなんて。正直びっくりね」
「知恵の種を食べて知力が3になったからね!」
説明しよう。
わずか数分前……
チルノは知恵の種を使用した。
知力が3あがった!
知力3あるだけでチルノが賢く見える不思議。知力3すごい。知力さん結婚して!
ついでに身長とバストも30cmあがった!
幻想郷はここにあった。
服はそのままだから露出度が、かーなーり危険なのだ。
ドロワーズだから恥ずかしくないもん!とはチルノの弁。
「この知力の種…でっかい柿の種と思ったからチルノに食べさせて面白い反応を見ようと思ったのに」
「柿の種に足をつけたらアブラムシになるのよ。知ってた?」
「やめて二度と食べられなくなるからやめて」
霊夢はいやんいやんと首を横に振る。
脳内に大きな柿の種型ABURAMUSHIがうようよしているのだろう。
そんな脳内映像を消すべく、チルノの胸に顔をうずめて横に振る。ぷよんぷよん。
「ところでチルノ」
「なぁに?」
「この大きな胸頂戴」
「いきなりグロテスクな話に!?」
「ちがうわ。リョナ話よ」
「リョナってなぁに?」
知力3のデータベースには特殊ワードは入っていないらしい。
ついでに『マイナスK』の表記は、まちがっ輝夜ということも分かってないらしい。
知力3はやっぱり微妙だった。
結婚してみたら超アニオタだったというくらい微妙だった。
「残念だけど此処では出来ない話だからまた今度ね」
「うん! 寝る前にお話として聞かせてね」
「いいわ。じっくりと聞かせてあげる。100話くらいね」
「やったぁ100日間も霊夢と一緒に寝れるんだ」
「多分1日持たないわ。私が。寒さ的な意味で」
「一緒の布団で寝よ?」
「ぶっさすわよ」
「霊夢になら……いいよ?」
「てゐ☆」
ぶすっ!
「はぅぁ、お払い棒が大事な穴に刺さった!?」
「そういう表現好きねあんた。いつか干されるわよ」
好きなものは仕方が無い。我はそれを貫き通すと誓った。
どんなに好きでも、想いを形にしないと伝わらないんだぜ?
「はなが~はなが~……て霊夢だれと話してるの?」
「気にしたら負けよ。じゃぁ私は帰るわ」
「陛下」
「チルノそれちがう」
「うにゅ?」
「それもちがう。それは空専用言語よ」
「そーなのかー」
「チルノ貴女わざとやってるでしょ」
「えっへん!」
「はぁ…頭痛くなってきた。 熱冷やすためにちょっと体貸しなさい」
「うわ、服の中に頭突っ込むなー!くすぐったいよー……あっん」
「く…柔らかさが幽々子以上だと。なんという怪物」
それは「柔らかい」や、「ふよんふよん」等という言葉では言い表せないほどの感触だった。
一番近い言葉は……幻想。そう、幻想が一番近しい表現だろう。
その胸は明らかに異質で出来ており、原子、分子にわたってまで新種である可能性が高い。
新種発見チルノッチである。
「れいむぅ……なんだか体が熱くなってきたよ~?」
「おっとこれ以上はいけない。場所を移してやりましょう。さぁチルノ、一緒に帰るわよ」
「うん! えへへ~、ふかふかのお布団が私をまっている~」
「布団は私が使うからあんたは床下で寝なさい」
「あれ!? 一緒に寝るんじゃないの!?」
腋巫女はいつでも移り気である。乙女心と秋の空。
ぶっちゃけノリで適当にしゃべっているに1ペガス。
「あ、床下には猫がいるから、あんたはやっぱり私と一緒に寝るしかないのね」
「えっと、つまり……あたいは猫から居場所を奪い取る!」
「なんでやねん。一緒に寝ましょうって言ってるの。ただし溶けても責任は取れないわよ」
「責任? うん、大丈夫! 既成事実ってのを作ったら責任は取らざるを獲ないって大ちゃんが言ってた!」
「OK、ちょっと零時間移動して大妖精をリョナって来るから先に帰ってて」
「あ、大ちゃんの所行くなら今晩の焼肉はいらないって言っておいてー」
「晩御飯は焼肉だったのね。それなら大丈夫よ。大妖精も来ることになるから」
「わぁい、みんなで焼肉パーティーだ」
「おいしぃお肉を獲ってくるわ。調理は床下の猫に頼みましょう」
「にーくにくにくにくやっきにくは⑨極のグルメよ♪」
知力3の歌詞リストは108式まであるらしい。
やったねチルノちゃん! それだけあったらフリータイムずっと歌い続けられるよ!
「あ、霊夢!」
「なに?」
「結婚して?」
「いいわよ」
その後、湖では瞬間移動と零時間移動の攻防が繰り広げられた。
そして愛するものを取られた恨みは妖精の力の枠を超え、神をも超えた!
「チルノちゃんが居ない世界なんか滅びればいいんだ!!」
「くっ……この力、ノ○ベル賞物ね」
「幻想郷もろとも死んじゃえっ!」
「だけどね、私もチルノを愛しているのよ! あんたにだけは…負けられないのよーーーー!!」
純粋なる愛と愛のぶつかり愛。幻想郷全域を揺るがすほどの大きな爆発が起こった。
そしてその爆発によって紅魔館が壊れたが、誰も気にするものはいなかった。なむー。
ゆっくりと煙が消え、視界がクリアになっていく。そしてそこに立っていた者は……
「あと3フレーム、食らいボムが遅かったら、ピチュってたのは私だったわ」
巫女服とリボンがぼろぼろになりながらも、辛うじて生きていたのは霊夢だった。
「……帰ろう。愛する胸が待っている」
空に煌々と輝く三日月の夜。
悲しい愛憎劇の終焉がそこにあった。
「おっとソノ前にオニクをカイシュウよ♪」
その夜、無事に二人は焼肉を食べることが出来ました。
りんりんりりんりんりんりりんりん♪
「え、これで終わり? 落ちて無いじゃん」
「さぁチルノ。リョナ話の時間よ。せっかくだから大妖精の話をしましょう」
「霊夢……なんだかあたい怖い」」
「大丈夫。私に全てまかせて。痛いのは最初だけじゃなくずっとよ。でもすぐになれるわ……ねぇ紫?」
「んーーーー!!んーーー!!」
「っていう夢をみたのよ」
「悪いことは言わない。永遠亭行こうぜ、な?」
終わってない?
オワレ
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夢の中とは不思議なもの。
意味の無い言葉の羅列、行動、そして想い。
全ては幻想となり、掌から零れていく。
その世界では本当の、かけがえの無い想いでさえも。
幻想はすべてを受け入れ、そして……
画像を見た瞬間にひらめいたんだ
これしかない、否このためにあのコマは存在すると!
>この作品はカオスだが作者は現実である。
現実があるからこそのカオス。カオスあるからこその幻想。
そして幻想あるかたこその現実。すべてが合わさるとき、一つの作品が完成するの、さ!
>知力が上がって何故身体が成長する……っ
だってチルノですから!
他にも冬の湖で泳いでたら冷気吸って成長しちゃったというネタもデスネ。 ぽいんぽいん
>大ちゃんは美味しく(ry
妖精って確か復活するんだよね
ツマリタベホウダイ
え、なにそれこわい