(はぁ…はぁ……)
今、私は絶体絶命の窮地に置かれていた
(…ふふっ…なんてざまだ…)
自分の情けなさに笑みすら覚える
ご主人の力を借りずとも
目的を果たせると判断したのが間違いだった
(自分の体力が…此処まで衰えているなんて)
大した事が無い目的のはずだった
ご主人の手を煩わす事も無いと単独での行動
そのミスが…その油断が今の自分に繋がっていた
(…くっ助けは来ない…一人で何とかしないと)
この絶体絶命のピンチを乗り越える為に
冷静に今の自分を分析する
(体力の衰え…足に来ている)
目的を達成する為に必要な足が動いてくれない
(そして、敵の総戦力)
今は敵の攻撃も少しはましになっているが
それでも、次の突撃が来ると今の自分では守りきれそうに無い
(…そして、今の状況)
目的の場所まで向かう体力は
今戦っている敵との交戦に使い切ってしまう寸前であった
(…打つ手無しか)
倒れこんでいる地面から起き上がる体力も敵との交戦に宛がっている
(…もうそろそろ第二陣が来る)
それすなわち身の破滅である
(ご主人…いや、最後ぐらい名前でも良いかな?)
この身はもうすぐ穢れる
そうなれば、私はもう二度と大切なご主人
毘沙門天の弟子であり、自分の大切な人…
(星…ごめん…)
自分が仕えるべき寅丸星の傍に居られなくなる
(星に仕える事が出来て…私は幸せだった)
ナズーリンが最後の時をゆっくりと待ち構える
「ナズーリン!」
そんな時だった、背中の方から声をかけられたのは
(まさか!?)
思わぬ声に、ナズーリンが倒れながら首を後ろに向ける
そして、背後に居る者の姿を見て呟いた
「…ご、ご主人……」
その呟き声で星はナズーリンが
敵と交戦している最中だと言う事に気が付く
「…言いたい事は沢山ありますが後にします!」
そう呟くと倒れているナズーリンの傍に星が座り込む
「後どれだけ持ちそうですか!?」
「…耐える事だけに力を注げば…30秒」
その言葉を聞いて星が力づよくうなずく
「ナズーリン!貴方は耐える事だけに力を注いでください!」
「…わか…った」
その言葉にナズーリンは信頼を込めてうなずく
それと同時に、星がナズーリンを抱きかかえて目的地まで急ぐ
(毘沙門天様…どうか間に合わせてあげてください!)
敵の第二陣が来る前に…星は全速力で急ぐ
「着いた!」
そして、敵の第二陣があと少しと言う所で星が目的地にたどり着き
「ナズーリン!早く!」
目的の場所にナズーリンが一人入り込み
「ま、間に合った…」
間一髪でナズーリンは身の破滅から救われたのだ…
「ご主人…」
「何ですか?ナズーリン」
命の危機から身を救われてホッとしているナズーリンが
表で待ってくれている自分の主に声をかける
「…正直に言うと…もう駄目かと思っていたよ」
事実、あそこで星が間に合わなかったら人生は終わっていた
「だから…改めてありがとう」
ナズーリンがそう言って頭を垂れながら告げる
その言葉に星は、苦笑すると答えた
「…ナズーリンはもっと私に頼ってください」
「…はい…ありがとう…ございます」
その言葉を聞いたナズーリンは少しタメ置いて
泣きそうな声で感謝の言葉を伝えた
「さあ、腕を掴んでくださいナズーリン…この数日で体力も衰えているでしょう」
目的地から出てきたナズーリンを星が抱きかかえる
「ご、ご主人!一体何を!?」
その行動にナズーリンが慌てたが
星はそんなナズーリンを無視して歩き出す
「さっきも言ったじゃないですか『頼ってくれ』と」
「そ、それは…」
「それに、命令違反をしたナズーリンに拒否権はありません」
「うっ…」
結局、何も言い返す事が出来なくなったナズーリンは
自分の主の暖かい腕の中で無言のまま
戻るべき場所に戻される事になった
さあ逃げてくれ
いいぞ、もっとやれww
そして
>脇役の上に落雷が落ちるまで…後数秒
そして落雷後、そこには作者の上でポーズを極める衣玖さんの姿が!
なんちて
ドロワーズの時代は終わった!いざ開かれん、おむつの新世界!