紅魔館の門の前には門番が居る
だから、門番である紅美鈴がその場に立つ事は当たり前である
だが、今回は少し質が違っていた
普段なら門を背中にしてうつらうつらと船を漕いでいたり
近くに寄ってくる妖精達と遊ぶ事が多いが
今日に限っては無言のまま門の前で仁王立ちをしているのだ
今日はそんな一日のお話
・・・
門の前で仁王立ちをする門番の傍に
心配そうな顔をした銀髪のメイドが姿を現した
「あの…美鈴?」
……なんですか?咲夜さん
「えっと、御仕事大変そうね」
門番は立つのが仕事ですから
「そ、そう…」
はい、私は門番ですから
「やっぱり…怒ってるの?」
…原因は私にありますから
「…お、御茶入れてきたんだけど」
ありがとうございます、でも今は仕事中なので後で頂きます
「……わかったわ」
少し寂しそうな表情で
銀髪のメイド長は門の前から去っていった
今日の美鈴の前には瀟洒なメイド長も少し泣きそうだった
・・・
無言のまま仁王立ちする門番長のおかげで
門の周り全体がピリピリとした空気に包まれていた
そんな中、傘を差した金髪の吸血鬼が恐々と現れた
「…めーりん」
……外は危険ですよ?妹様
「…外には出ないよ」
そうですか…
「だから…めーりん遊んで?」
残念ですが、それは出来ません
「やだ!遊んで!」
申し訳ありませんが、門番の仕事中ですので遊んであげれません
「あ、遊んでくれないのなら…壊しちゃうよ?」
…ならば仕方ありません
「あっ…そ、それじゃあ!なわとb」
どうぞ壊してください
「!?」
もう二度と元に戻らない位に
「…やだ、そんなの嫌だ」
私も痛いのは嫌です
「ぐずっ…そんな言い方酷いよ」
…仕事が終わるまで待っててください
「……うん、わかった」
羽を寂しそうにシュンとさせて
金髪の吸血鬼は泣くのをこらえ門の前から帰っていった
今の美鈴には悪魔の妹も我が侭を言えそうに無かった
・・・
いつもなら妖精達も寄ってくるはずの紅魔館の門の前
だが、空気に敏感な妖精達は門の前から姿を消していた
そして空気を読みながらも姿を見せる人間がいた
「…よう」
御引取りください、魔理沙さん
「いきなり帰れってのも酷いな」
屋敷から何か盗みに来たのでしょう?
「いや、本を借りに来た」
……貴方が死ぬまでですか?
「まあそうだな…だが、今はそれよりも異変を解決にきた」
…紅魔館は異変には関係ありません
「ああ、紅魔館は関係ないな…」
でしたら、早く帰ってください…
「ただ妖精達が怖がっているんでな」
帰らないのでしたら…
「原因のお前を倒して!サクッと本を借りて…」
……叩き伏せますよ?
霧雨魔理沙が戦闘態勢に入ろうとした瞬間
目の前の相手から魔理沙が萎縮する程の殺気が叩きつけられる
その一瞬の隙に美鈴が魔理沙の肩を掴んで告げた
…最終警告です…とっとと帰れ!
いくら百戦錬磨の恋の魔法使いも人間の女の子
流石に今日の門番の前には震えながら帰らざる終えなかった
・・・
正午を過ぎる頃になると空気が更に酷くなり
門の傍には妖精はおろか、虫達や獣すらも姿を消し始めた
そんな雰囲気の中門の前に姿を現す人物が一人
「息苦しいわ」
……パチュリー様
「…いい加減に許してあげたらどう?」
…何の事でしょうか?
「レミィの言った言葉の本当の意味…貴方もわかってるんでしょう?」
………私は門番です
「…意固地ね…貴方もレミィも」
此処に来た理由はそれを言いにですか?
「今のは独り言よ…図書館に空気が篭ってきついから深呼吸しに来たの」
そうですか…
これ以上は当事者達の問題だからねと七曜の魔法使いは言うと
門の傍で軽く深呼吸をして屋敷に戻っていった
・・・
空が夕焼けに染まりかけて来る頃になっても
紅魔館の門の前…門番の傍の空気は異様なままであった
その門番の隣に屋敷の主が姿を現す
「美鈴」
…どうなされましたか?お嬢さま
「隣、良いかしら?」
どうぞ、私は門番の仕事があるので気にせずに
「………」
………
「ごめんなさい」
…何を謝る必要があるのですか?
「怒ってるんでしょ?この前の宴会の事」
……別に怒ってませんよ
「意固地ね」
お嬢様ほどではありませんけどね
「…だったら勝手に隣で独り言を呟くわね」
…ええ、こっちも勝手に仕事をしますから
「ごめんなさい…美鈴は門番である必要無いって言ってしまって」
別に…御酒に酔っての言葉でしたし、弱い私が悪いのですから
「酔っていたとはいえ、失言だったわ…」
………
「でもね、美鈴が要らないって意味で言った言葉じゃないの」
と言いますと?
「門番じゃなくても良いから近くに居て欲しい…って意味だったの」
お嬢様…
「…ごめんね、独り言はこれでおしまい」
私も…独り言を呟きますね
「…どうぞ?」
正直に言いますと、今夜紅魔館を出て行こうとしていました
「皆に黙って?」
必要されなくなったのなら居なくなった方が皆の為になると
「…勝手ね」
はい、勝手です…お嬢様と同じで我が侭ですから
「まあ酷い、貴方ほど我が侭じゃないと思うわ」
でしたら、今度からは私の部屋でベッド占領して漫画を読まないでください
「そ、それと今回の事は別よ!」
あははっ
「…もう、せっかくしんみりしてたのに」
なんだか意地を張るのもおかしくなってきましたね
「私は初めから意地なんて張ってないわよ?」
…そうですね、私だけが意地を張っていますからね
「今日一日中?」
皆さんに謝らないといけませんね
「…そういえば、そろそろ貴方の仕事の時間も終わりね」
はい、もうすぐ交代の子が来るはずですけど
「なら丁度良いわね、歩くの疲れたから屋敷の中まで運びなさい」
…命令ですか?
「お願いよ、あっ、お姫様抱っこでね?」
了解しました…
「最後にもう一つ」
なんでしょうか?
「貴方が紅魔館に必要無いなんて事は絶対にないの
だから、出て行くなんて事は私が絶対に許さないわ」
門番が主を抱えて門の中に入る頃には
あれほど異質だった空気がさっぱりと消えていた
空が完全に暗くなる頃には、いつもの紅魔館に戻るであろう
何の事はない、門番がいつも以上に真面目に働いていただけの一日の話である
だから、門番である紅美鈴がその場に立つ事は当たり前である
だが、今回は少し質が違っていた
普段なら門を背中にしてうつらうつらと船を漕いでいたり
近くに寄ってくる妖精達と遊ぶ事が多いが
今日に限っては無言のまま門の前で仁王立ちをしているのだ
今日はそんな一日のお話
・・・
門の前で仁王立ちをする門番の傍に
心配そうな顔をした銀髪のメイドが姿を現した
「あの…美鈴?」
……なんですか?咲夜さん
「えっと、御仕事大変そうね」
門番は立つのが仕事ですから
「そ、そう…」
はい、私は門番ですから
「やっぱり…怒ってるの?」
…原因は私にありますから
「…お、御茶入れてきたんだけど」
ありがとうございます、でも今は仕事中なので後で頂きます
「……わかったわ」
少し寂しそうな表情で
銀髪のメイド長は門の前から去っていった
今日の美鈴の前には瀟洒なメイド長も少し泣きそうだった
・・・
無言のまま仁王立ちする門番長のおかげで
門の周り全体がピリピリとした空気に包まれていた
そんな中、傘を差した金髪の吸血鬼が恐々と現れた
「…めーりん」
……外は危険ですよ?妹様
「…外には出ないよ」
そうですか…
「だから…めーりん遊んで?」
残念ですが、それは出来ません
「やだ!遊んで!」
申し訳ありませんが、門番の仕事中ですので遊んであげれません
「あ、遊んでくれないのなら…壊しちゃうよ?」
…ならば仕方ありません
「あっ…そ、それじゃあ!なわとb」
どうぞ壊してください
「!?」
もう二度と元に戻らない位に
「…やだ、そんなの嫌だ」
私も痛いのは嫌です
「ぐずっ…そんな言い方酷いよ」
…仕事が終わるまで待っててください
「……うん、わかった」
羽を寂しそうにシュンとさせて
金髪の吸血鬼は泣くのをこらえ門の前から帰っていった
今の美鈴には悪魔の妹も我が侭を言えそうに無かった
・・・
いつもなら妖精達も寄ってくるはずの紅魔館の門の前
だが、空気に敏感な妖精達は門の前から姿を消していた
そして空気を読みながらも姿を見せる人間がいた
「…よう」
御引取りください、魔理沙さん
「いきなり帰れってのも酷いな」
屋敷から何か盗みに来たのでしょう?
「いや、本を借りに来た」
……貴方が死ぬまでですか?
「まあそうだな…だが、今はそれよりも異変を解決にきた」
…紅魔館は異変には関係ありません
「ああ、紅魔館は関係ないな…」
でしたら、早く帰ってください…
「ただ妖精達が怖がっているんでな」
帰らないのでしたら…
「原因のお前を倒して!サクッと本を借りて…」
……叩き伏せますよ?
霧雨魔理沙が戦闘態勢に入ろうとした瞬間
目の前の相手から魔理沙が萎縮する程の殺気が叩きつけられる
その一瞬の隙に美鈴が魔理沙の肩を掴んで告げた
…最終警告です…とっとと帰れ!
いくら百戦錬磨の恋の魔法使いも人間の女の子
流石に今日の門番の前には震えながら帰らざる終えなかった
・・・
正午を過ぎる頃になると空気が更に酷くなり
門の傍には妖精はおろか、虫達や獣すらも姿を消し始めた
そんな雰囲気の中門の前に姿を現す人物が一人
「息苦しいわ」
……パチュリー様
「…いい加減に許してあげたらどう?」
…何の事でしょうか?
「レミィの言った言葉の本当の意味…貴方もわかってるんでしょう?」
………私は門番です
「…意固地ね…貴方もレミィも」
此処に来た理由はそれを言いにですか?
「今のは独り言よ…図書館に空気が篭ってきついから深呼吸しに来たの」
そうですか…
これ以上は当事者達の問題だからねと七曜の魔法使いは言うと
門の傍で軽く深呼吸をして屋敷に戻っていった
・・・
空が夕焼けに染まりかけて来る頃になっても
紅魔館の門の前…門番の傍の空気は異様なままであった
その門番の隣に屋敷の主が姿を現す
「美鈴」
…どうなされましたか?お嬢さま
「隣、良いかしら?」
どうぞ、私は門番の仕事があるので気にせずに
「………」
………
「ごめんなさい」
…何を謝る必要があるのですか?
「怒ってるんでしょ?この前の宴会の事」
……別に怒ってませんよ
「意固地ね」
お嬢様ほどではありませんけどね
「…だったら勝手に隣で独り言を呟くわね」
…ええ、こっちも勝手に仕事をしますから
「ごめんなさい…美鈴は門番である必要無いって言ってしまって」
別に…御酒に酔っての言葉でしたし、弱い私が悪いのですから
「酔っていたとはいえ、失言だったわ…」
………
「でもね、美鈴が要らないって意味で言った言葉じゃないの」
と言いますと?
「門番じゃなくても良いから近くに居て欲しい…って意味だったの」
お嬢様…
「…ごめんね、独り言はこれでおしまい」
私も…独り言を呟きますね
「…どうぞ?」
正直に言いますと、今夜紅魔館を出て行こうとしていました
「皆に黙って?」
必要されなくなったのなら居なくなった方が皆の為になると
「…勝手ね」
はい、勝手です…お嬢様と同じで我が侭ですから
「まあ酷い、貴方ほど我が侭じゃないと思うわ」
でしたら、今度からは私の部屋でベッド占領して漫画を読まないでください
「そ、それと今回の事は別よ!」
あははっ
「…もう、せっかくしんみりしてたのに」
なんだか意地を張るのもおかしくなってきましたね
「私は初めから意地なんて張ってないわよ?」
…そうですね、私だけが意地を張っていますからね
「今日一日中?」
皆さんに謝らないといけませんね
「…そういえば、そろそろ貴方の仕事の時間も終わりね」
はい、もうすぐ交代の子が来るはずですけど
「なら丁度良いわね、歩くの疲れたから屋敷の中まで運びなさい」
…命令ですか?
「お願いよ、あっ、お姫様抱っこでね?」
了解しました…
「最後にもう一つ」
なんでしょうか?
「貴方が紅魔館に必要無いなんて事は絶対にないの
だから、出て行くなんて事は私が絶対に許さないわ」
門番が主を抱えて門の中に入る頃には
あれほど異質だった空気がさっぱりと消えていた
空が完全に暗くなる頃には、いつもの紅魔館に戻るであろう
何の事はない、門番がいつも以上に真面目に働いていただけの一日の話である
みんな美鈴のこと苛めてるけどそれは小学生男子が女の子によくやるアレなんだよ。
しかしさくめーかと思いきやレミめーだと。泣きそうなメイド長は私が慰めてあげます。
謝れ! 妹様とメイド長に謝るんだお嬢様!!(ぇ
じゃあ私は妹様を慰めてきます。
読後→砂糖はいたお!!
レミメイヤッホーイ
そして珍しいレミメイ…いやこの場合はメイレミか?
美鈴の不貞腐れる気持ちが分かりすぎて困るw