Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

幻想の風☆サナエ ~彼氏編~

2009/11/14 05:51:10
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 先生、聞いてください。
 早苗が、いなくなってしまったんです。



 ――――「早苗」とは、誰のことですか?



 早苗は僕のクラスメイトで、大切な彼女です。
 付き合い始めてから、まだひと月も経っていないのですけれど。

 僕は先月、早苗に告白してOKをもらいました。
 実は早苗は、うちの高校の男子の中ではとても人気があって、
 友達と「誰が早苗を彼女にできるか」ということでよく盛り上がっていました。



 ――――なるほど。私が高校生の頃も、よくそんな話をしましたよ。



 ははは。典型的な男子高校生の青臭い話だと、笑ってください。
 東風谷早苗といえば、真面目で勉強もでき、笑顔が素敵な女性(ヒト)で、
 普通の高校生の僕にとっては、高嶺の花のような存在だったんです。
 でも、僕がダメもとで告白したら、彼女も僕のことが好きだと言ってくれたんです。



 ――――つまり、お互いに好きだったんですね。



 はい。どうやらそうだったようです。すごく、びっくりしました。
 憧れの彼女が、自分のことを好きだと言ってくれたんです。
 勿論、とても嬉しかったです。
 僕はまるで、世界がバラ色になっていくような喜びを覚えました。
 天にも上る心地、と言うものを初めて味わったような気がしました。



 ――――それはよかったですね。



 はい……。
 付き合い始めて、休日に一緒にショッピングに行ったり、映画を見に行ったり……。
 すごく典型的なお付き合いでしたが、これほど充実した日々は他にありませんでした。
 彼女との出会い、彼女と過ごしたこと、彼女と一緒に見たもの、触れたもの。
 その全てが、何事にも変え難い、大切な思い出でした。

 でも、今日学校に行ってから、何かがおかしくなったんです……。



 ――――「何か」とは、どういったことなのですか?



 それを説明するのには、少し時間がかかります。
 こんなことを話すのは、とても妙なのですが、それでも聞いて下さい。

 早苗が、いなくなってしまったのです。

 ただ行方不明になったのではありません。
 僕以外の誰もが、早苗のことを覚えていないのです。

 昨日の朝、自分の教室に入ったら、早苗の席がありませんでした。
 彼女の席は、一番後ろの窓際の席でした。
 「おかしいな」と思い、近くで喋っていたクラスメイトの女子二人に、
 「早苗の席、どこいっちゃったの?」と尋ねました。
 すると、そのクラスメイトはこう言ったのです。


「早苗って、誰?」
「知らない」


 僕は最初、冗談だと思い「おいおい、冗談は止めろよ」と言いました。
 すると、クラスメイトは怪訝な表情でこちらを見ていました。
 「誰よ、サナエ?」「誰それ……?」
 クラスメイトたちがそんな会話をして、僕はかっとなりました。
 「いい加減にしろよ」と僕が詰め寄ると、クラスの中の空気が一変しました。
 教室にいた彼らが、次々に口にし合います。


「おいおい、なに朝から怒ってるんだよ」
「早苗……? そんなやつ、クラスにいたっけ……?」
「早苗って俺のバァちゃんの名前じゃん」
「早苗? なにそれ? おいしい?」


 ……僕は、言葉を失いました。
 そのすぐ後、担任の先生が教室に入ってきて、起こりそうだった騒ぎは沈黙しました。
 みんな、面倒なことになるのが嫌だからです。
 僕はふらふらと自分の席に着き、現実を受け入れられないままに頭を抱えました。
 先生は、出席確認のためにクラスの全員の名前を読み上げます。


「加藤茶ー」  「はい」
「木村カエラー」「はい」
「黒柳徹子ー」 「はい」
「ケイン=コスギー」「Yes」


 次に呼ばれるのは、「こ」だから東風谷早苗。僕がそう思っていたら、


「坂田利夫ー」「はい」


 先生が名前を呼んだのは、早苗の名前ではありませんでした。
 おいちょっと待てよと思い、僕は大きく目を見開きました。

 早苗は、どこいったんだよ……?
 何で、誰も早苗のことを「初めからいなかった」ように扱ってるんだ……?
 一体どういうことなんだよ……!? 何が起こってるんだよ……?

 僕は、なにがなんだか判らなくなりました。
 肝心の早苗はといえば、ホームルームはおろか、授業にすら姿を見せませんでした。
 彼女に携帯でメールを送りましたが、彼女には届かず、こちらに戻ってきてしまいました。
 休み時間に通話を試みましたが、「お掛けになった電話番号は、現在使われておりません」と
 携帯電話から流れてくるばかりで、早苗の携帯には繋がりませんでした。

 僕は不安に駆られました。
 世界がおかしくなってしまったのではないかと思いました。
 どうなってるんだ、と昨日一晩中考えました。

 今日、彼女の家にも行ってみました。
 しかし、彼女の家のある場所に着くと、何もありませんでした。
 ただただ、不自然にだだっ広い空き地が広がっていました。

 彼女の住んでいた神社の近くには、大きな湖があったと僕は記憶していますが、
 湖はおろか、神社や彼女の住居すら、影も形もなくなっていました。


 僕は、唖然としました。


 世界が、ガラガラと音を立てて崩れていく気持ちでした。

 早苗は、どこに行ってしまったのでしょうか。

 彼女は、どうしていなくなってしまったのでしょうか。

 彼女との思い出は、僕の中でこんなに鮮明に輝いているのに。

 どうして、彼女が、いなくなってしまったのか。

 早苗のことが好きな気持ちは、僕のこころに、のこっているのに。

 もう、なにもかも、わからないです。

 せかいが、おかしくなってしまったとしか、おもえないのです。

 ぼくは、どうしたら、いいんですか。

 もう、なにも、なにもわからない。


 せんせい、たすけてください……。









 ――――まさかとは思いますが、「早苗」という女子高生は、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。
 もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症であることに、ほぼ間違いないと思います。







「そんな、馬鹿な――――」








































Taku「――――ぼくが……トウゴウシッチョウショウだって……?」


Taku
http://3ehorloge.web.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
やれやれ、頭のかわいそうな人ですね。
早苗というキャラが、あなたなんかの傍にいるわけないじゃないですか。

だって、早苗は僕のカノジョですもの。
僕だけを愛してくれる、僕だけのモノですもの。
ほら早苗、こっちに来て挨拶し・・・

あれ、早苗がいない?
おーい、どこ行った早苗。
サナエー・・・
2.名前が無い程度の能力削除
哀れだな、現実と妄想の区別もつかないなんてっ。


・・・あれ、神奈子様?
すみません。どなたか青髪で美人で赤い服を着た俺の嫁さんを知りませんか?
3.名前が無い程度の能力削除
こいつは痛ぇ…二次元と三次元の境界を見失ってやがる。

さて私は諏訪子様と…
あれ?諏訪子様?どこへ行かれたのですか?
またかくれんぼでしょうか…
4.名前が無い程度の能力削除
うわぁ、なんともこれは……
言葉にできない痛さを感じますね、ご愁傷様です。

まあ作者さんは放っておいて私は神綺様と……
あれ?神綺さま?まーた仕事サボってどこかで昼寝してるのかな……
5.名前が無い程度の能力削除
現実は全て受け入れてはくれないんですね!
それもまた残酷な話。

ところでこの地図、博麗神社が載って無いんだけど。
昨日お茶を飲んで宴会に参加したんだけどな…。
6.名前が無い程度の能力削除
おーい、誰か明羅さんの行方を知らんか?
特徴は世界で一番可愛いことなんだが……なに、知らん? ん、お前も知らんとな。
やれやれ。私を除いた全人類がイカレてしまったらしい。世も末だな。
7.奇声を発する程度の能力削除
うわぁお…。ご愁傷様です。

あれ?ところでアリスは何処に行ったんだ?
ついさっきまで一緒に居たのに…。
8.脇役削除
やれやれ…此処にいる奴らは…

ほんの数年前の私ばかりじゃないか!
…何処に行ってしまわれたんだ?魅魔殿は…
9.名前が無い程度の能力削除
まったくこれだからTakuさんは……

えーちょっとこいしたーん、またおやつつまみ食いしただろー。怒らないから出ておいでー。
10.名前が無い程度の能力削除
駄目な人たちを目の当たりにしてしまった……痛いよう。

ん?さっきまで新聞書いてた文がいなくなってるな。
ちょっと目離した隙にネタ探しに行っちゃうんだから、困ったやつだ。
そこが可愛いんですけどね。
11.名前が無い程度の能力削除
ほんとTaku氏を含めだめだめだこの人達……

ねーチルノたーん……てあれ?
また湖に遊びに行ったかな?
まぁ夕方までには帰るように言ってあるから大丈夫だろう。
12.葉月ヴァンホーテン削除
妄想と現実の区別がつかないなんて……。
同じ、物書きとして恥ずかしいです。

それはそうと、僕の家の庭で土いじりしてたゆうかりん知りません?
13.名前が無い程度の能力削除
はぁ、近い将来こんな人ばっかり増えていくんだろう
介護する方も大変だろうなぁ


そういえばこの前、妹紅が一生面倒みてやるよって同棲を始めた俺は勝ち組ww
んで、なぁんか帰ってきたら家が焼け落ちてて、ショックで妹紅がどっかに逃げちゃったんだ。
ちょっと、追いかけて抱きしめてくるさ。
14.名前が無い程度の能力削除
なんだここ、紳士たちの社交場じゃないかwww
さてと俺は健全に霖之助兄さんとガチムチレスリングでもしてこよう……
15.名前が無い程度の能力削除
スレの残念そうな方々はひとまず置いといて。

なんというかちょっとした戯曲のような、もっと言えば世にも奇妙な物語のような、そんなひねりのあるお話でした。
面白かったです。
こういうお話をもっと読んでみたいですね。
16.名前が無い程度の能力削除
どうもわかっておられないかたがいるようなので、元ネタをおいておきます。
http://kokoro.squares.net/psyqa1087.html
17.名前が無い程度の能力削除
まったく、度し難い人たちですね。ちゃんと現実を見ましょうよ。

ね、ナズー。君もそう思うよねー。
……おや、珍しいね。今日は人型じゃないんだ。
でも、ちゅうちゅうとしかしゃべれない君もかわいいよ。……なに、照れるからやめろって? はは、まったくナズはかわいいなぁ。
18.名前が無い程度の能力削除
なんだ此処は...

あれ?行き着けの図書館がない?パチェと待ち合わせしてたのにな...
19.日蔭の片隅削除
>16
ほう、成程、良い勉強になりました。
20.名前が無い程度の能力削除
狂人は、自分を狂人だと思わない、か。恐ろしい……

しかし何で俺は地球にいるんだ、よっちゃんと訓練しなきゃいかんのに。
21.名前が無い程度の能力削除
可哀想な人が多いな……。

アレ? うちの椛が犬だ。
何もおかしくはないんだが、おかしいなぁ。
22.名前が無い程度の能力削除
全くどいつもこいつも。ここの連中にはほとほと愛想が尽きた。

そういや昨日から小町と連絡取れないな。来週四季様と三人で球磨川下りに行く約束してるのに。
23.名前が無い程度の能力削除
まったく……Taku氏も他の方も、もう手遅れっぽいですね……

あれ? 今日一日の厄を雛様に受け取ってもらおうと思ったのに……
御神体は目の前に2つほどあるのに、雛様本人はどこに行ったんだ?
24.名前が無い程度の能力削除
>16
なんだ。ただのパクリか。
というか、これ元ネタは真面目な相談じゃないか。
それをこういう笑いのネタにするのは聊か不愉快。
昨今の低レベルなお笑い芸人を髣髴させますね。

せめてもう少し捻りを入れても良かったのでは?

ちょっとがっかりしました。
25.名前が無い程度の能力削除
16の元ネタ(?)って
相談者を笑ってるんじゃなくて、唖然とするような先生の答えをネタにしてるんだと思うんですよ。
と思ったのでそういうのに詳しい永琳先生に聞いてみようと思ったんですけど先生は今ちょっと出かけてるみたいなんで確認は後で取っておきますね。
26.名前が無い程度の能力削除
んじゃ俺は慧音先生に聞いておきますね。
27.名前が無い程度の能力削除
あれ、この前ミスチーのところで八目鰻食ったはずなのに・・・
ミスチーどこー?
28.名前が無い程度の能力削除
みんなしっかりしろよ。現実をみるんだ

ところで嫁の美鈴はどこいったんだろ?またサボってんのかな。咲夜メイド長に怒られるのに
29.名前が無い程度の能力削除
さっきまで咲夜さんと一緒に買い物してたのに…どっか行っちゃった。
どこ行ったんだろう…?
30.アティラリ削除
こうして神隠しにあった人物達の手によって作られたのが
第二の幻想郷、スダ・ドアカワールドである(美鈴書房:誰にでもできる世界の作り方)
31.名前が無い程度の能力削除
はあ、だめだ。こいつら、完全に現実から逃げてるな。哀れだ。  あ、妖夢、お茶おかわり。
32.生八つ橋削除

まったくこうなったら人間しまいだっての!現実と妄想の区別付けなきゃあーなるんだよー俺達は気を付けましょうねー大ちゅわん♪
あれ?まーたチルチルと遊びにいったなぁ、フゥワ!仕方ないやつだぜ!