今、私の目の前には、居間のソファーで寝ているお姉ちゃんがいる。
たまには家に帰ろうと思って帰ってきた。
誰にも気づかれないように居間まで入って来た。
居間にはお姉ちゃんがいるから、驚かそうと思ってた。
そしたらお姉ちゃんはソファーの上で仰向けに寝ちゃっていた。それはそれは気持ちがよさそうに。
静かに上下しているあまりない胸に、いつものとろんとした瞳は、まぶたの下に隠れている。
「お姉ちゃん? 寝てるの?」
一応そう問いかけてみる。返事の代わりに帰ってくるのは、すうすうという寝息だけ。
ゆっくりと近づいて、そのほっぺたを突っついてみる。
――――ぷにぷに
おお、何という弾力! 癖になりそう!
でも、何の反応もしないお姉ちゃん。確かに寝てしまっているようだ。
面白いので、しばらくほっぺたでもつついていよう。
――――ぷにぷに
やっぱり素晴らしい弾力。癖になった。
――――ぷにぷにぷにぷに
ここまでつついても起きないなんて、案外隙があるんだなあ。
「ううん」
あ、いけない。起きちゃったみたい。
慌てて手を離そうとする。
すると、急に私の手をつかんだかと思ったら、お姉ちゃんは私を自分の胸にグイッと引きよせて、ギュッと抱きしめてきた。
私は、仰向けのお姉ちゃんの上に覆いかぶさるようになる。
私の頭はお姉ちゃんの胸の上に。お姉ちゃんの腕は、今は私の背中にまわされている。
簡単に言うと、今の私はお姉ちゃんの抱き枕状態だ。
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん! なにするの!?」
「ううん。あったかぁい」
そう言ってさらにぎゅうって、きつく抱き締めてくる。
顔を胸に押し付けられて、控え目なふにふにという感触が、私の頬に伝わってきた。
どうやら、暖を取るために抱きしめられちゃったみたい。完全に抱き枕状態なわたし。
お姉ちゃんは、その細うでからは想像ができないくらい、強い力で抱き締めてくる。
ちょっともがいてみたけど、離れようとしても離れられなかった。
「もう、しょうがないなあ」
よし、逃げられないなら諦よう。
きつく抱きしめられているとはいえ、そんなに苦しくない。からだの大きさがあんまり変んないからかな。
ジャストフィットな感じで、お姉ちゃんの体の上は居心地は良かった。
そう考えたら、抱き枕状態な私ともいえるし、私の抱き枕状態のお姉ちゃんともいえるかな。
それに、お姉ちゃんだけじゃなくて、私もあったかい。
さっきから胸に押しつけられている私には、直接お姉ちゃんの心臓の音が聞こえてきている。
とくんとくん、という一定のリズムが、なんだか優しく聞こえちゃう。
あったかくて、静かで、どこか懐かしい感じで。
そんな音を聞かされたら、私も眠たくなっちゃった。
「ふわぁ」
あくびが勝手に出てくる。
うん、どうせここから抜け出せないんだから、どうせならもう、このままでいよう。
それで、お姉ちゃんが起きたら、いっぱいからかってやろう。寂しがり屋とか言っちゃって。
それからちょっとして、私はお姉ちゃんの体の上で、意識を手放した。
============================================
今、妹が私に覆いかぶさって、抱き締められている。
いつの間にか居間のソファーで眠ってしまっていたようだ。
昼食を終えて、ソファーでうとうとしてしまっていた所までは、記憶がある。
そして次に目を開けたら、妹に抱きしめられていたというわけだ。うん、理解不能。
第一、この子は今日家にいなかったはずだ。いつの間にか帰ってきてたのかな。
それにしても、このままでは身動きが取れない。こいしが私の背中に、手を回してしまっているから。
「こいし、起きなさい」
そう問いかけても帰ってくるのは
「すうすう」
という寝息だけ。
仕方ない。実力行使に出ますか。
そう考えて、こいしを起こそうと触ったとき、ぐりぐりと顔を押し付けてきた。
「あったかぁい」
そう言って、むにゃむにゃとまた寝始めてしまった。なんか、抱き枕状態の私。
しかし、確かにあたたかい。
こいしがあたたかさを感じているように、私もこいしからあたたかさを感じていた。
抱き枕状態の私といえるけど、私の抱き枕状態のこいしともいえるかもしれない。
それに、こんなに近くに妹を感じるのは久しぶりだ。
「もう。こいしったら、しょうがないわね」
やさしく髪をなでてあげる。どうやら外から帰ってきたままらしい。
さらさらの髪はちょっと埃っぽかった。
「むう、おねえちゃん・・・」
いけない! 起こしちゃった!?
「むにゃ」
ふう、寝言か。
ほんとにしょうがない子ね。
どうせ身動きが取れないなら、もう一度寝ましょう。
そっとこいしの背中に手をまわし、抱きしめてみる。外から見たら抱き合ってるみたいでしょうね。
すうすうという寝息と、それとなく聞こえるこいしの鼓動の音を感じながら、私はもう一度意識を手放した。
================================================
「お燐っ! 大変だよっ!」
「どうしたの、空? そんなに慌てて」
「さ、さとり様とこいし様が抱き合ってる!」
「にゃ、にゃんだって! どこで!?」
「居間のソファーでだよ!」
「よし、今すぐ見に行こう!」
「写真とか撮った方がいいかな?」
「あたぼうよ! 今すぐ準備だ!」
「おっけー! それじゃあ行こう!」
「にゃあい!」
今日も地霊殿は平和です。
「にゃっはー! 素晴らしい光景!」
「フィ、フィクストスターーー!!」
たまには家に帰ろうと思って帰ってきた。
誰にも気づかれないように居間まで入って来た。
居間にはお姉ちゃんがいるから、驚かそうと思ってた。
そしたらお姉ちゃんはソファーの上で仰向けに寝ちゃっていた。それはそれは気持ちがよさそうに。
静かに上下しているあまりない胸に、いつものとろんとした瞳は、まぶたの下に隠れている。
「お姉ちゃん? 寝てるの?」
一応そう問いかけてみる。返事の代わりに帰ってくるのは、すうすうという寝息だけ。
ゆっくりと近づいて、そのほっぺたを突っついてみる。
――――ぷにぷに
おお、何という弾力! 癖になりそう!
でも、何の反応もしないお姉ちゃん。確かに寝てしまっているようだ。
面白いので、しばらくほっぺたでもつついていよう。
――――ぷにぷに
やっぱり素晴らしい弾力。癖になった。
――――ぷにぷにぷにぷに
ここまでつついても起きないなんて、案外隙があるんだなあ。
「ううん」
あ、いけない。起きちゃったみたい。
慌てて手を離そうとする。
すると、急に私の手をつかんだかと思ったら、お姉ちゃんは私を自分の胸にグイッと引きよせて、ギュッと抱きしめてきた。
私は、仰向けのお姉ちゃんの上に覆いかぶさるようになる。
私の頭はお姉ちゃんの胸の上に。お姉ちゃんの腕は、今は私の背中にまわされている。
簡単に言うと、今の私はお姉ちゃんの抱き枕状態だ。
「ちょ、ちょっとお姉ちゃん! なにするの!?」
「ううん。あったかぁい」
そう言ってさらにぎゅうって、きつく抱き締めてくる。
顔を胸に押し付けられて、控え目なふにふにという感触が、私の頬に伝わってきた。
どうやら、暖を取るために抱きしめられちゃったみたい。完全に抱き枕状態なわたし。
お姉ちゃんは、その細うでからは想像ができないくらい、強い力で抱き締めてくる。
ちょっともがいてみたけど、離れようとしても離れられなかった。
「もう、しょうがないなあ」
よし、逃げられないなら諦よう。
きつく抱きしめられているとはいえ、そんなに苦しくない。からだの大きさがあんまり変んないからかな。
ジャストフィットな感じで、お姉ちゃんの体の上は居心地は良かった。
そう考えたら、抱き枕状態な私ともいえるし、私の抱き枕状態のお姉ちゃんともいえるかな。
それに、お姉ちゃんだけじゃなくて、私もあったかい。
さっきから胸に押しつけられている私には、直接お姉ちゃんの心臓の音が聞こえてきている。
とくんとくん、という一定のリズムが、なんだか優しく聞こえちゃう。
あったかくて、静かで、どこか懐かしい感じで。
そんな音を聞かされたら、私も眠たくなっちゃった。
「ふわぁ」
あくびが勝手に出てくる。
うん、どうせここから抜け出せないんだから、どうせならもう、このままでいよう。
それで、お姉ちゃんが起きたら、いっぱいからかってやろう。寂しがり屋とか言っちゃって。
それからちょっとして、私はお姉ちゃんの体の上で、意識を手放した。
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今、妹が私に覆いかぶさって、抱き締められている。
いつの間にか居間のソファーで眠ってしまっていたようだ。
昼食を終えて、ソファーでうとうとしてしまっていた所までは、記憶がある。
そして次に目を開けたら、妹に抱きしめられていたというわけだ。うん、理解不能。
第一、この子は今日家にいなかったはずだ。いつの間にか帰ってきてたのかな。
それにしても、このままでは身動きが取れない。こいしが私の背中に、手を回してしまっているから。
「こいし、起きなさい」
そう問いかけても帰ってくるのは
「すうすう」
という寝息だけ。
仕方ない。実力行使に出ますか。
そう考えて、こいしを起こそうと触ったとき、ぐりぐりと顔を押し付けてきた。
「あったかぁい」
そう言って、むにゃむにゃとまた寝始めてしまった。なんか、抱き枕状態の私。
しかし、確かにあたたかい。
こいしがあたたかさを感じているように、私もこいしからあたたかさを感じていた。
抱き枕状態の私といえるけど、私の抱き枕状態のこいしともいえるかもしれない。
それに、こんなに近くに妹を感じるのは久しぶりだ。
「もう。こいしったら、しょうがないわね」
やさしく髪をなでてあげる。どうやら外から帰ってきたままらしい。
さらさらの髪はちょっと埃っぽかった。
「むう、おねえちゃん・・・」
いけない! 起こしちゃった!?
「むにゃ」
ふう、寝言か。
ほんとにしょうがない子ね。
どうせ身動きが取れないなら、もう一度寝ましょう。
そっとこいしの背中に手をまわし、抱きしめてみる。外から見たら抱き合ってるみたいでしょうね。
すうすうという寝息と、それとなく聞こえるこいしの鼓動の音を感じながら、私はもう一度意識を手放した。
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「お燐っ! 大変だよっ!」
「どうしたの、空? そんなに慌てて」
「さ、さとり様とこいし様が抱き合ってる!」
「にゃ、にゃんだって! どこで!?」
「居間のソファーでだよ!」
「よし、今すぐ見に行こう!」
「写真とか撮った方がいいかな?」
「あたぼうよ! 今すぐ準備だ!」
「おっけー! それじゃあ行こう!」
「にゃあい!」
今日も地霊殿は平和です。
「にゃっはー! 素晴らしい光景!」
「フィ、フィクストスターーー!!」
お空ちゃん、私にも一枚いただけるかな。
この姉妹愛は本当に良いなぁ。
ゾンビフェアリーちゃん、一枚こっそり持ってきてくれないかな。
写真を一枚いただきたいなw