Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

紅い屋敷はもぬけの殻

2009/11/07 21:22:34
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 美鈴…美鈴!

 屋敷の中にはともかく、門の前にも居ないわね…

 まったく、門番が門の前に居ないってどういう事よ

 ……せっかくお茶を用意してきたのに…

 はぁ、仕方ないわね……門の前で待っていたら来るでしょう

 ……それにしても、此処で座ってみて初めてわかったけど

 門の前って随分と暖かいのね

 これなら…あの子が居眠りするのも……少しは…わか…

 すぅ……すぅ…




     ・・・




 
 いや~妖精の悪戯も困った物ですね

 思わず『禊』『魔神破天弾』『首掴み式極彩台風』かけちゃいました

 …やりすぎましたかね?

 まあ、それよりも急いで門の前に戻らないと咲夜さんにおこら…

 あれ?咲夜さん?…寝てるみたいですね……

 ん、少しだけうなされてます

 此処だと少し暑いでしょうから門の陰に運ぶ事にしましょう

 よいしょっと……此処ならよし

 でも、何で咲夜さんが門の前に?

 ……ふあ~ぁ…考えてもわかりませんし

 私も少しだけ…御休みなさい……ZZZ





     ・・・





 まったく…この従事者二人ときたら

 紅茶を頼んだのに姿が見えないと思って心配したら

 こんな所で気持ちよさそうに…

 ……それにしても咲夜ったら美鈴の膝の上で安心して寝てるわね

 美鈴の方は…ん、少しだけキリッとした表情ね

 いつもこんな姿だったらいいのに

 やれやれ…たまには従事者の為に力を使うのも主の勤めね

『門の前が平和な運命』っと……あったあった…

 これでよしっと

 ふぁ……私も眠くなってきたわね

 美鈴の膝は咲夜が独占してるから、私は左腕ね…

 ふふっ…主に力を使わせた代償は……重いわよ…すやすや




 
     ・・・





 むぅ、屋敷の中に誰も居ないと思ったら

 皆美鈴にくっついてずるい!

 せっかく遊んでもらおうと思ったのに…

 起こしちゃおうかな?

 ……でも…お姉様と咲夜も美鈴も皆幸せそうな顔をしてるから…

 うん、やめておこう!

 ふぁ……それに私も眠くなってきたし…

 ……美鈴の右腕空いてるから…よいしょっと

 えへへっ……私もお休みなさい……すぅすぅ…





     ・・・




 それで、屋敷の中はもぬけの殻って事

 そのようですよ、パチュリー様

 ……やれやれ、門の前に行くわよ小悪魔
 
 えっ?珍しいですね何でですか?



 ……こうも静かだと本も読めないわ

 ……はい!でしたらすぐに持って行く本を準備しますね
 どうも、脇役です…

 非想天則で美鈴が復活して歓喜しています
 美鈴が好きで北斗も好きな私は美鈴の技に大満足でした

 さて、此処からが本編になります
 ほのぼのとしたまま終わりたいのでしたら此処で戻ってください

 では!寝ている皆の夢をどうぞご覧ください


 ―――嘆きの壁―――








 咲夜…


「…あら?此処は何処かしら」

 咲夜が気が付くとなにやら開けた場所に一人立っていた

(私は確か…)

 咲夜が先ほどまで何をしようとしていたのかを思い出そうとした時

「ふぉっふぉっふぉっ!」
「!?」

 咲夜の目の前になにかが笑い声を響かせながら
 高速で降りてきて砂煙を巻き上げた
 咲夜が急いでその場から数メートル離れると戦闘体勢を整える
 そして、砂埃がすっかり晴れた先に咲夜が見た物は

「大きなドジョウね…」
「馬鹿言うな!あんな物と一緒にされたくないわ」
 黒くて長くて柔らかそうな代物
「……間違えたわナマズね」
 大きなナマズの姿であった
 咲夜に見下ろしながら満足気にナマズが口を開く
「ふぉっふぉっふぉ…ワシの名前は…」
「ナマズ料理って何があるかしら?」
「……なあお嬢ちゃん…名乗りぐらいは最後までさせてくれんか?」
「あら、ごめんなさいね…ではどうぞ」
 たしなめられた咲夜がそう言うと大ナマズが改めて口を開いた



 我が名は太歳星君也





 美鈴…  


「はあ…はあ…」
「ふぅ……ふぅ…お嬢ちゃんもなかなかやるのう」
 咲夜が思っている以上に大ナマズの耐久力が高かった
「じゃが…それもこれで終わりじゃな」
「くっ…」

 それどころかふとした注意から
 飛んできた石を足に受けて機動力がかなり低下していた
 それを見抜いた大ナマズが咲夜めがけて飛び込んで来る
(回避を!…いっ!?…)
 それを避けようとした咲夜だが、足の激痛にその場から動けなくなる
(潰される!)
 巨大なナマズが咲夜にむかって飛び込んで来る


「撃符……」
(えっ?)
 だが、その瞬間に何者かが咲夜と大ナマズの間に入り込み

「大鵬拳!」
「はわがっ!?」

 大ナマズの巨体を殴り飛ばした

 そして、その人物の背中に対して咲夜が思わず呟いた
「め、美鈴?」
 その呟きに対して、美鈴と呼ばれた人物が咲夜の方を向くと
「もう大丈夫ですよ咲夜さん」
 咲夜の方を向いて優しい笑顔を見せて
「後は…私にまかせてください」
 上空から落ちてきたナマズの方に向かっていった
  

「いてて…だ、誰じゃ!?」
 上空から落ちてきたナマズが目の前の人物を見て
「お久しぶりですね……太歳星君」
「ひぃっ!?お、お前さんは!」
「……よくも咲夜さんに怪我させてくれましたね」
 美鈴の姿を見た大ナマズが慌て始める
 そんなナマズを睨み付けると美鈴が冷たく一言告げた


「それ相応の覚悟は……出来てるんでしょうね?」





 レミリア…


「黄震脚!」
「ぬおっ!?」
 どんな冗談か美鈴の踏み込みによる振動で
 大ナマズの巨体が一瞬宙に浮く
「殺人ドール!」 
「ぶふぁ!?」
 その一瞬の隙に咲夜が完璧なタイミングで
 大量のナイフをナマズの全身に浴びせる 
 
 
 美鈴と咲夜のコンビネーションが綺麗にきまる
「な、なにするんじゃ!死ぬではないか!」
「……思っている以上にタフなナマズね」
「太歳星君ですって咲夜さん…」
 だが、二人が思っている以上に目の前の相手は固い
 美鈴と咲夜が油断なく構えてナマズを見据える

(ぬぅ…このままでは本気で見せ場なくやられてしまうわい)
 二人の連携に痛む体を擦りながら太歳星君が考え込み
(…このまま守っていてもやられるだけならいっその事!)
 覚悟を決めると気合を込めて    
「ぬりゃあ!これで浮世もおしまいじゃあ!!」
 己の力の全てを込めたラストスペルを発動させると
 辺り一帯が地震で揺れ始めた
 それと同時に太歳星君が先ほどよりも一回り大きくなりその余波で
 地面が上空に一部吹き飛ぶ

「きゃあ!?」
「咲夜さん危ない!」
 その余波で飛んできた岩が咲夜に飛んできた
 それを美鈴がかばって背中で受ける
「美鈴!大丈夫!?」
「大丈夫ですよ…頑丈ですから」
 美鈴がそう言って咲夜に笑いかけて起き上がる
 
「むははっ!いくら嬢ちゃん達でもこれならどうする事も出来まい!」 
 その二人に対して大ナマズが笑い声を上げる
(まだ攻撃が出来るわ!)
(駄目です!下手したらランダムに振ってくる岩に直撃しますって!)
 美鈴が言う事はもっともだった
 地震のせいで足元がおぼつかない上に真上から岩が降ってくる
 妖怪である美鈴ならいざ知らず
 人間である咲夜ならば致命になりかねない
(私が壁になりますから…咲夜さんが攻撃を)
(…それしかないわね)
 美鈴が壁になり、咲夜がナイフの投擲で攻撃する決意を固めた時
 大ナマズが思い出したかのように呟いた 

「あ~言い忘れておったが、60秒経ってワシ生きてたら逃げるからのう」
『言うのが遅い(わよ)!』

 緊張する場の中で恥ずかしそうに頬を染めるナマズに対して
 二人が同時に突っ込みを入れる
(こ、こうなったら!)
(ええ、同時に攻撃を入れまくるしか!)
 咲夜と美鈴が目の前の大ナマズに対して特攻を仕掛けようとした時


「へぇ……だったら簡単じゃない」
「だ、誰じゃ!?」
 咲夜でも美鈴でも目の前の大ナマズでもない者の声が響き
 
 神槍「スピア・ザ・グングニル」

「一撃で仕留めればそれで良い訳なんだから」
 血よりも紅く染まった槍が大ナマズにぶち当てられて
「ぬぁああああ!?」
 槍と一緒に大ナマズがはるか上空に吹っ飛ばされて行った


 そして、後に残されたのは
「咲夜、美鈴……よくやったわ」
『お嬢様!』
 紅い屋敷の主とその従事者二人の姿であった  
「それにしても、一番美味しいところを残すなんて主思いね、美鈴」
「むっ…出来れば私も美味しいところを欲しかったですよお嬢様」
 楽しそうにからかうレミリアに美鈴が頬を膨らました
 そんな美鈴の頬を咲夜がつついて告げる
「でも、私を助けてくれた時はかっこよかったわよ?」
「えっ?か、かっこよかったですか?」
「あら、私以上に美味しいところ持っていってるんじゃない」

 咲夜に褒められて満足そうな美鈴に
 レミリアがやれやれと言った顔で腕をくんだ





 フラン…


「痛つつ……全く…とんでもない目にあったわい」
 吹っ飛ばされた大ナマズが痛々しい姿で道を這っていた
(おまけにこの槍…ぬ、抜けんわい)
 頭にちょこんと刺さった紅い槍が抜けずに困っていた

(なんとか抜かんと回復もままならんわい)
 そう言って何とか抜こうとするが
「ぬっ!ぬぅぅぅ!届かん!」
 手のヒレが届かない場所にあるので抜く事が出来ないでいたのだ
(こ、困った)
 組めない腕を組んだつもりで太歳星君が困っていた時

「手伝おうか?」
「ぬわ!?だ、誰じゃ!」
 自分の傍から何者かが姿を見せる
(なんじゃ…小さな女の子か)
「私?フランだよ!貴方は?」
「わしは…」
「わかった!ナマズだ!」
「……もうそれでいいわい」
 突込みを入れる気力もないのでそれで済ませた
「あ、この槍お姉様のだ!」
「知り合いか?」
「うん!私のお姉様……マナズさん痛そう」
「痛いわい……」
 そう太歳星君が疲れたようにいうと
「抜いてあげる」
「なに?」

 目の前の女の子が頭に刺さった槍を
(すぽっ!)
「あたああ!?」
 強引にすっぽ抜いた
 そして、抜かれた槍がさらさらと消えるのを見て
 自慢げに宣言した
「抜けたよ!」
(痛いわ!…いや、槍抜いてもらったから感謝せんとな)
「助かったわい…これで包帯が巻ける」
 太歳星君がそう言って傷だらけの体に包帯を巻こうとしたら
「手伝うよ」
「お嬢ちゃんがか?」
「うん!」
 目の前の女の子がうれしそうに頷いた
 
「…すまんのう、髭の方に絆創膏貼ってくれるか?」
「わかった」
 その笑顔に何も言えず自分の体の治療を任せた

(此処は?)
(待て待て!そこだと首が絞まる!)
(それじゃあ…此処ね!)
(ヒレが!ヒレが!!?)

 暫くするとそこには全身包帯でぐるぐる巻きになった 
 大ナマズの姿があった
「もう大丈夫?」
「…ああ、後は暫く眠るだけじゃ」
 その言葉を聞いて目の前の女の子が満足気に頷いて
「よかった!それじゃあ、私お姉様達探しに行くね」
 太歳星君の前から去ろうとする
「……待ちなさいお嬢ちゃん」
「ん?なに?」
 その姿をみた太歳星君がそっと女の子を止めると

「…すぐにお前さんの知り合い達に会えるようにしてやるわい」
「えっ?本当!」
「ああ…本当じゃとも」 

 優しく微笑んで告げた

『夢から覚めると良い…』





     ・・・





「ふぇ?…」
「あ、妹様も起きられましたね」
「あら?フラン…おはよう」

 フランが目を覚ますとそこには美鈴とレミリアの姿が
「もうすぐ咲夜さんも晩御飯作ってくれるって言ってましたよ」
「それにしても、随分と変な夢を見た気がするわね」
「あ、お嬢様もですか?」
 姉と美鈴がなにやら夢で見た話をしていた

「私も変な夢を見たよ?」
「妹様もですか?」
「へぇ…フランはどんな夢を見てたのかしら」
「あのね?」

 大きな大きなナマズに会ったの…









 

 その日の晩御飯は咲夜が作ったナマズ料理だった
 そして、なんだか少しだけ咲夜が美鈴に優しかったきがする
 お姉様もいつもより少しカリスマがあるように見えた
 私はなんだか少しだけ優しくなった気がする

 また、ナマズさんに会えるかな?
 
 フラン日記の一説より抜粋
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
なんというおまけ
2.名前が無い程度の能力削除
美鈴の左腕に二人くっついてます
3.名前が無い程度の能力削除
>首掴み式極彩台風
どうみてもЯМИДОКОКУです、本当に(ry
4.名前が無い程度の能力削除
ナマズかわいいなwww
5.名前が無い程度の能力削除
非想天則のメーリンでの対マリサ戦の敗北率が半端内…
いくらハードでも負けすぎだろ俺orz
6.名前が無い程度の能力削除
美鈴は「格ゲー」って感じがして楽しいですよね