Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

なでなで

2009/11/05 22:05:45
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「うー……あー……」







 美鈴倒れた







 最近手合わせ多かった

 シエスタなんてする暇なし

 門番業務の肉体労働

 妖精の酒盛り付き合って

 大掃除にも駆り出される

 食料狙いの妖怪の群れ

 他にも沢山厄介事

 さらにこないだ大嵐

 雨風の中敷地の見回り

 ようするに、過労





 メイド長は大慌て

 館の主は溜め息ついて

 その妹は心配そう

 魔女は特に気にせずに

 小悪魔そんな主見溜め息





「ねぇねぇ美鈴、大丈夫?」

「大丈夫ですよ咲夜さん。死んだりとかは無いですから」

「それって最低ラインじゃない!」



 声を荒げる十六夜咲夜

 だって美鈴倒れたなんて

 弱った彼女は見たこと無くて

 どんな時でもふわふわへらへら

 それが咲夜の紅美鈴

 だからすっごく心配で

 思わず涙が零れそう





  熱があるし咳も出る

  息をするのも苦しくて

  瞳は今にも泣きそうで

  倒れた自分が情けない





「全くだらしが無いわねぇ」

「お姉様、そんな言い方ないじゃない!」

「いいんですよ、フラン様」

「でもでも美鈴」

「お嬢様の仰る通り、私が未熟だったのです」

「でも美鈴……」



 フランはいつも思ってた

 頑張り屋さんな紅美鈴

 常に笑顔を絶やさずに

 みんなの事を考えてる

 だからいつも思ってた

 きちんと休めているのかと

 気を休めてはいるのかと

 結論はこれ

 美鈴ばったり倒れてしまった





  私が未熟だったから

  咲夜もフランも泣きそうで

  私がもっとしっかりしてたら

  私がもっと強かったら





「私以外が倒れるなんて、明日は槍でも降るかしら」

「パチュリー様、それは酷いじゃないですか」

「いいのよ別に。いつも鼠を通すから、きっと罰が当たったの」

「たはは、申し訳ありません……」

「パチュリー様は、悪口言いに来たのです?」

「うんにゃ、暇潰し」

「……」



 小悪魔一つ大きな溜め息

 どうして私の主はこうなの

 どうして素直にならないの

 素直に心配だと言えば

 いつも意地悪ばっかして

 もっと素直に感謝の気持ち

 伝えてあげればいいのにと





  ああ弱気になったら駄目だ

  早く治して復帰しないと

  皆に迷惑ばっかり掛かる

  嫌だ、役立たずなんて嫌だ





「……とりあえず、」



 溜め息ついて、レミリアが



「美鈴と、少し話、いいかしら」

「お嬢様……」

「大事じゃないけど、少し大事な話なの」



 周りは空気を感じ取り

 動かぬパチュリー引きずって

 そっと部屋から出て行った



「パチュリー様はもっと空気読むべき」

「いや面白そうだし、む、むきゅ、痛いってば咲夜」

「いいから行きますよ!」



 ……そっと、部屋から出て行った



「まったく、我が家は賑やかねぇ」

「お嬢様……」

「周りに誰も、いない方がいいでしょう?」

「あの、あの……」

「……大丈夫」



 レミリア美鈴寄ってって

 ゆっくり頭を撫でたげる



「大体、150年ぶりかしら」

「大体、150年ぶりですよ……」

「そんなに最近辛かった?」

「気合いで何とかしてました……けほっ」

「疲れが溜まってるんでしょう、150年分」

「溜まってるかもしれません、150年分」

「懐かしいわね、昔はしょっちゅう倒れてた」

「昔の話は、やめてください……」



 ゆっくり頭を撫でられて

 それがなんだかくすぐったくて

 思わず視線を逸らしてる



「あの頃の、一生懸命さも好きだけど」

「今でも一生懸命です」

「知ってるわ」

「ありがとうございます」



 ゆっくりゆっくり撫でてた手

 わしゃわしゃ強く変わってく



「よーしよしよし」

「レミゴロウ?」

「家は動物山盛りね、犬に蝙蝠それからモヤシ」

「最後植物」

「気にしないのよ、蛇蜥蜴」

「ただのヒトガタですってば……」

「今はそうね、病弱っ子め」

「だから太極拳始めたんですよ」

「覚えてるわ」

「さいですか」

「頑張ってたわね」

「頑張ってました」

「過去形?」

「現在進行形」



 ごろごろごろごろ



「顎は嫌ですってば」



 ぐるるるだった



「贅沢ね」

「鱗は無くとも、嫌なものは嫌なのです」

「じゃあ頭?」

「頭がいいです」

「よしよし」



 なでなで



「熱いわねえ」

「熱ありますし」

「後で氷枕替えたげる」

「いえそれぐらい」

「替えたげる」

「ありがとうございます」

「素直でよろしい」



 なでころがすべし



「お嬢様……」

「ん、なあに?」

「本当に、すみません……こほっこほっ」

「はいはい喋るな喋るな」

「でも……」

「弱気になると脆いわねぇ、強気で在れと言ってるじゃない」

「だって迷惑、」

「掛かってないわ」

「だって幾ら鍛錬したって、何時までも役に立てなくて」

「そんな事無いわ」

「だってだって、」

「いい、美鈴?」



 溜め息ついて、レミリアが



「無茶して倒れて、愚痴言われるのが迷惑よ。

それよりほどほど頑張って、もっと自分を大事にしなさい」



 そっと掌口付けて



「……お願いだから」

「お嬢様……」



「苦しかったら、咲夜に言いな。

貴女とあの子は互いを補う。

退屈だったら、フランに言いな。

あの子は遊びの天才だもの。

知恵が欲しけりゃ、パチェと小悪魔。

必ず答えは返ってくる」



 それから、



「……寂しかったら、私に言いな」



 いくらでもこうしてあげるから





  頭を撫でて

  抱きしめて

  口付けだって

  いくらでも

  貴女がそれを望むなら





「だから、もっと頼ってね」





 お願いだから





「……わかりました」

「ならよろしい」

「お嬢様は、意地悪です」

「知ってるわ」

「……お嬢様」

「今度は何」

「寝付けるまで、こうして撫でて頂けませんか」

「それぐらいなら幾らでも」







  そっとゆっくり優しく撫でて
>そして次はなでなでさせたくなるんだっ!
おーけー?

むかしばなしは、またいつか



(11/14 追記)

皆さんコメントありがとうございます
おーけーにてんくゆー
そしてレミめーになってすいません
よく考えなくとも鈴レミって言ってくださったからそっちでした
天河らん
http://tengaran.blog10.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
少し 美鈴 撫でてくる
いや やっぱり 撫でられたい
2.名前が無い程度の能力削除
おーけー? おーけー!
ごちそうさまでした!
3.名前が無い程度の能力削除
レミリアが美鈴相手に母性を見せ、それにごろごろと甘える美鈴というのは珍しい。
だがそれもいい! グッときました。
4.名前が無い程度の能力削除
メイレミじゃなくレミメイとな…だがいい!
5.名前が無い程度の能力削除
なんでHIOHOP的w
6.名前が無い程度の能力削除
おーけー!おーけー!

なんて格好いいレミリアなんだ…!!
7.名前が無い程度の能力削除
おーけー!おーけー!素晴らしい!
なんてカリスマなレミリア。レミメイ素敵。
8.時空や空間を翔る程度の能力削除
おーけー!
9.名前が無い程度の能力削除
おーけー!おーけー!
>「寂しかったら、私に言いな」
なんて、カッコ良すぎですよ! お嬢様。
10.名前が無い程度の能力削除
おーけー!

顎は鱗が無くても嫌ってことは…逆鱗のあるところですね!?
11.奇声を発する程度の能力削除
カーリースーマー!!!!!!
レミゴロウに吹いたwwwww
おーけー!
12.名前が無い程度の能力削除
カーリースーマー!!
ニ~ヤ~ニ~ヤ~するぞ~~~!
13.名前が無い程度の能力削除
これは・・・やべぇな
14.名前が無い程度の能力削除
あんなちっちゃいこになでなでされた日にゃあワシは…辛抱たまらんNE!
15.名前が無い程度の能力削除
メイレミのつもりで行ったらレミメイになったでござるの巻
でも非常に素晴らしかったので超おっけー!本当に、ほんとうにありがとうございました!
16.名前が無い程度の能力削除
なんだこのニヤニヤ感はwww
レミリアの方がお姉さんぶるシチュはめずらしくて良いねw