Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

どうしようもなくキャプテンが悪い話

2009/11/03 20:17:04
最終更新
サイズ
15.55KB
ページ数
1
閲覧数
1086
評価数
0/0
POINT
0
Rate
5.00

分類タグ

  
 
 
 
 この話は、前の方にある『原因としてキャプテンが悪い話』の続きになっています。

 読んでいた方が良いと思います。






























 君はただ寂しそうに微笑んでいた。

 荒れ果てたお寺を見つめて、少しだけ丸くなっているその背中は、私には泣いている様に見えたんだ。












 置いて行かれている様に、私には見えた。
 ご主人は、皆に置いていかれた迷子の子供の様にしか、私には見えなかった。

 日々を過ごし、彼女の心の内を知っていけばいくほどに、その穏やかな性質が鼻につき、鬱陶しくて、悲しかった。
 その牙も爪も、一瞬で私の命を奪えるそれらを疎ましそうに隠して、ただ封印された恩人を思って静かに過ごし、心の中にびゅうびゅうと冷たい隙間風だらけの、その穴を補強も出来ない不器用な虎。

 哀れで、だから私は、つい言ってしまったんだ。


「……君は、本当はもう何もかもに、全部にうんざりしているんじゃいのかい?」


 そしたら、君は不思議そうに目を丸くした。
 どうしてそんな質問を投げかけるのか分からないと、正直に顔に出して「いいえ」と答えた。
 次に、もう一度「いいえ」と強く発して。何だか嬉しそうに、目を細めて淡く微笑んだ。


「貴方が傍に居てくれますから、そんな事はありません」


 そうして、君は私に「ありがとう」と予想しない言葉と、心からの笑顔を向けてくれた。


 結局。

 私はその時に、この無害な虎を、意識し始めた……








 ……でも。
 普通に考えて、ご主人は二言目にはひじりひじりって、平仮名で可愛くて「聖はこんなに優しいんですよ」と惚気ばかりを聞かされていた。
 何度、心をブレイクされて逃げようと思った事かは、もう両手両足の指で足りないぐらいだ。
 おかげで、ついご主人を意味なく蔑んでみたり、八つ当たりで冷たい言葉を浴びせたり、食事に嫌いな物を出したりとかしちゃったけど、今でも一時の感情で何をしていたんだと正直、落ち込んで反省しているけど。
 でも……

「ほら、星あーん」
「あ、あーん」
「はい、ちょっと我慢してね、ん……」
「んぅ、……ん、ぅう、……ゃ、むらさぁ」
「大丈夫よ、すぐに楽にしてあげるから、少し、ね?」
「……ふぁ、い」

 で、でででででも!

 ご主人があまりにも、私をそういう目で見てくれないのも問題があって、ってもう! 必死で見ない様にしているのに、視線が、この視線が勝手に見てしまう……!
 わ、私はこんなにも意志が弱い鼠だったのか?!

「はい、取れた」
「――はふぅ!」

 大きくお口をあーんして、奥歯に刺さった骨を船長に取って貰っていた私のご主人。や、八重歯可愛い、じゃなくて、なんだよその無防備さはっ!?
 昔は、骨が引っ掛かるからって苦手だった魚をたくさん出しても、それで引っ掛かって苦しんでも、私に頼んだりしなかったのに……!
 私はいつか、ご主人が私にお願いすると信じて、ずっと待っていて、だからこそ、ほぼ毎日毎食焼き魚だったのに!

 こんな、こんな羨ましすぎる光景、見たくなかった……!

「まったく、もう少し落ち着いて食べなさいよ」
「は、はい……すいません」
「それにしても、このお弁当おいしいわね」
「ええ、とてもおいしいです。ね、ナズーリン」
「…………そうだね」

 あぁ、おいしいよ。
 とってもおいしいよ。
 でも、むしろ今さっきの光景の方が、ずっとおいしすぎるんだよ。

 船長は今「あーん」って言ったんだよ? 私なんて一度もご主人に使った事がないのに。

「………ぅ」

 正直、嫉妬している。

 私は、確かに船長のおかげで、素直じゃない自分に気づいたけれど、でも、考えてみれば、船長がご主人の事を親友だと信じていても、ご主人は、もしかしたら、船長の事を……

「……ッ」

 考え、れば。
 船長の前では、あんなに飼いならされた猫みたいなご主人。がぶりと頭に噛み付いてじゃれ付いたり、のしかかって潰したり、船長のお味噌汁にだけ鷹の爪をうっかり大量混入したり、一緒にお風呂に入って毛皮を洗って貰ったり、その後噛み跡だらけの船長が出てきたり。

 ……何だよ。たくさん、そういう場面があるじゃないか。

「………」

 ちらりと、箸を咥えながら二人を見る。船長を挟んで座った先のご主人は、それは嬉しそうに微笑んでいて、船長は「あーん」の二回目に、うっかり噛み千切られそうになった手首を包帯で止血していた。
 そして「星? 人の手首を切断しそうになりながら、何かしらその笑顔?」「はい、骨が抜けてこんなにも心が穏やかです。見るべき景色が違って見える」「……だろうね」なんて、楽しそうに会話している。

 ……決まり、だ。

 そっか。
 なんか、納得した。

 ご主人は、船長が、好きなのか……


 悲しいとか辛いとか、口の中で噛み切った箸が、刺さって、血がでるけど気にならない。
 ただ、もやもやとしたものが晴れて、腫れて、痛かった。

 ……でも、さ。


 うん。

 私は、大きく深呼吸をして、空を見る。
 いい天気で、だから、ちょっとだけ、泣きそうだった。













 ◆ ◆ ◆













 お弁当に焼き魚が入っているのが、何だか嬉しかった。

 昔、ほぼ毎日ナズーリンは一生懸命に焼き魚を作って、食事に出してくれていた。
 私は食べるのが下手で、何度も喉に刺さってしまうけれど、それがナズーリンに知られるのが恥かしくて、必死に隠して、でもおいしくて嬉しかった。

 なのに、久しぶりすぎて、今日はもう五回も喉や歯に骨を引っ掛けてしまった。
 小さい針は刺さるととても痛くて、この年で恥かしいけれど泣きそうになる。
 なので、ムラサのセーラー服をくいくいと引っ張り、喉を指差してこっそりお願いする。
 幸い、ナズーリンは物思いにふけっている様で、真面目な顔をして遠くを見つめている。
 その隙を狙って、ムラサに取って貰っていたのだけど。二回目についうっかり、噛んでしまった。

 ムラサが喉に刺さった骨を抜く際、つい驚いて反射的に。

「…………」

 おそるおそる瞼を開けると、ムラサは、引きつりながらもひくりひくりと笑い、空いた片手ですでに止血をしていた。
 その手際の良さに感心し、謝罪をすると、「気にしなくていいから、早く食べるわよ」と微笑んでくれた。
 あまりにも優しすぎる友人に、胸が一杯になった。
 そしてだからこそ。
 この友人になら、ナズーリンを任せても大丈夫だと、強く思えた。

「……ムラサ」
「はい?」
「……ムラサは、その」

 彼女を、幸せにしてくれますか?
 と尋ねそうになって、愚問だろうと口を閉ざした。
 
 彼女は、船長だ。
 それも、ただの船長ではない。

 『聖輦船』の、聖の為にあろうとする船の、唯一の主。
 彼女の為の、彼女に誇れる船長になろうと精進するムラサが、愛すべき人を不幸にする訳がない。

「……いえ、何でもありません」
「そう?」
「はい」

 誤魔化す様に微笑んで、急いで顔を逸らした。

 じわりと、白い布地に赤と黒が落とされる、汚らしい感情を、無視する。
 ムラサの顔を見るのが辛いと、眉間の皺を見られない様に。

 ぐるると、喉の奥でだけ、ちょっとだけ鳴いた。

 本当は、違うのだ。
 私は、心の奥底では、ナズーリンを、愛しき彼女を、手放したくないと思っている。
 手に入れてすら、居ないのに……
 そして、ムラサが素敵な船長だと知っているのに、嫉妬の念が抑えられない、未熟な自分が嫌だった。

 どうして、こうなのだろうか? 私は……

「ねえ、星」

 海の様な、そんな声。
 ふわりと、目を背けたい感情に胸がつかえる私に、ムラサがのんびりと、食べ終えたお弁当を纏めながら、口元を和ませて、声をかける。

 多分、暗い表情を浮かべていた私は、「え?」とムラサを仰ぎ見た。


「あのさぁ。原因は分からないけど」
「ムラ、サ?」
「そんな顔してるぐらいなら、相談ぐらいしてくれてもいいわよ? 私は怒らないし、嫌がらないし、逃げないから、好きにすればいいと思うわよ? 頑丈だし」


 と、ぽんっと、肩を叩かれた。
 先ほどまで、内心で疎んでいた彼女からの、意外すぎる言葉に唖然として胸が痛んで、「よっ」と立ち上がるムラサを見上げる。
 ムラサは「ん~」と伸びをして、やれやれと苦笑していた。

「で、さ」

 ぱんっと、両手を強く叩く。
 その音に、そっぽを向いていたナズーリンもムラサに注目し、ムラサは私たちを見下ろして腰に手を当てた。

「今から、少し話し合いましょうか?」

 そのまま、錨をぶんっと、一度振り回し、「構いませんよね?」と爽やかに微笑むムラサ。

「はっ?」
「え?」

 何の前振りも心の準備もないままに、ムラサはその腕力を駆使して、私とナズーリンを、ぐっと向かい合わせた。


 私は今日、二度目。

 驚き戸惑いながらも、まともに彼女の顔を見てしまったのだ。


 愛しかった。













 ◆ ◆ ◆












 もう、叫びたくてしょうがなかった。
 腹立たしかったのである。

 私、村紗水蜜は我慢の限界だった。

 そう。
 だから許して聖! 私は船長として二人を仲直りさせると誓ったけど、でも、だからってもう、この空気に耐えるだけの懐の広さは持っていないの……!

 っていうか、とばっちりすぎた。

 星に刺さった魚の骨を取っている間中、私を窒息死させんと首にぐるぐる巻きつくナズの尻尾とか、ナズに話し掛けようとすると、くいくいくいっ! と魚の骨関係なく引っ張ってくる星とか。
 その癖、ナズがちらっ、と私たちを見た瞬間に、気づいているのかいないのか、本能的に噛み付いてくるわ、尻尾ビンタがすでにナチュラルに行われているわと。いい加減にしろこら。

 なにこの私可哀想すぎる現状?

 素でやってるから性質悪すぎるよこいつら。

「ど、どどどどどうしたんですかムラサっ!?」
「な、なななな何を考えているんだよ船長?!」

 お互い、真っ赤になって抵抗しているけど、実は抵抗していない二人。
 あ、こら。尻尾ビンタするな。星も引っ掻くな! くそっ、気分はペットの仲を仲裁する飼い主気分だ!
 というか、本当に嫌なら私を攻撃してないで逃げればいいのに!

「いいから落ち着きなさい! 大体、二人ともどうしてお互いの顔をみないのかな? ん?」

 笑顔で凄むと、二人は恨みがましい涙目で見上げてくる。
 そのまま、ふいっと横を向いてしまう二人に、私は呆れる。

 どれだけ素直になれないだろうと、憤慨すらする。

 頬は、引っかかれて叩かれて、血だらけで赤く腫れているわ、手首はいまだ出血中と、重体の私がここまで身を粉にして二人を仲直りさせたいのに、どうして二人はお互いを気にして、仲直りをしたいと思っているだろうに、こんなに頑ななのだろう?

 喧嘩の原因は知らない。

 でも、私を真ん中にいれてでも、一緒にいたいと思っているんでしょう?
 顔を見られないぐらい、自分が悪いと自覚しているのでしょう?

 なら、どんなに酷い原因だろうと、好きの矢印が向かい合っている二人が、喧嘩したままだなんて、いいわけない……!


 私だったら、
 一輪と喧嘩をしたなら、たまに納得いかないけど、一輪が泣きそうな顔なのが耐え切れないで、土下座とかしちゃうし。

 ぬえなら、必死にご機嫌をとって、殴られたり蹴られたりしつつも、きっと最後には仲直りできる。

 聖だったなら、あんまり想像できないけど、喧嘩したなら、一緒に話し合ってお互いを認め合える。


 でもこの二人は、私というダミーをいれて、それで満足して終わらせようとしている。
 顔すら見ないとか、そんなの駄目だ。

「二人とも……!」

 叫びかけて、

 ぐっと深呼吸。

「……はぁ」

 落ち着け。
 今、衝動に任せて酷い言葉を投げかける所だった……!

 ニ、三度大きく呼吸をしてから、彼女たちを見据える。
 落ち着いた私が見る二人は、どちらも、同じぐらい傷ついて見えた。

 基本が真面目で、職務に忠実で、性格は違うけれど、その在り方はそっくりな二人。
 私や一輪の様に、共に過ごしてきた二人には、本当は、この件に関してはほとんど部外者である私が、何か言うなんて権利はないのだろう。
 言うべきですら、ないのだろう。


 だから。私はそこにいる事しかできず。
 結局、最終的な結論は、良くも悪くも、彼女たちに任せるしかないのだ。
 
 でも、

 どうか、背中を押すぐらいなら許して欲しい。

 暗き海の航海の道標として、灯台とまではいかなくても、鬼灯にぐらいは、私でもなれるから。


「二人とも」


 私は無理やりに向かい合わせにして、顔をそこまでするなよと言いたくなる位逸らす二人に、目を瞑って、まずは星に、すっと顔を寄せた。

 チュッ。

「――ふびゃっ!?」

 次はナズ。
 
 チュッ。

「――ちゅわっ!?」

 驚いて頬を押さえて此方を見る二人に、私は微笑む。

 過去、悪名高き海賊船長の一人が言っていた。
 女の喧嘩は面倒だが、止められない男が船長を名乗れるか、と、ほろ酔い気味に。

 そして、それはその通り。


「いい加減にしないと、今度は唇を奪いますよ?」


 流し目を贈って、
 とっとと仲直りしやがれと、私は二人の頭を同時に撫でた。

 いいから、一度冷静になって、自分の心と向き合え。
 じゃないと、大事なものを(嘘だけど)奪ってやると。強引に。

「ッ」
「む、ムラサ」

 髪が乱れた二人は、真っ赤な顔のまま、呆然とした顔で、でも私の脅しが効いたのか、大人しく、互いの顔を一瞬だけでも、見ていた。

「……っ」
「……ぅ」

 真っ赤な二人の顔。
 それを同時に見た二人は、少しだけくしゃりと、泣きそうな顔をして、でも、清々しそうに笑った。


「……まったく、参ったよ……」
「……ムラサには、敵いませんね」

 あ……。

 目を細めた。
 私は微笑みながら、ほっとする。
 

 帽子を、深く被りたい。
 だって、とても素敵だったから。

 いい笑顔、だったから。

 私は二人の笑顔に、泣きそうな眩しい笑顔に、目が潰れそうだなって、少し思った。


 どうやら、仲直りの一歩を、歩かせる事はできたらしい。
 なんだか、嬉しかった。


















 ◆ ◆ ◆
















「という訳で、私は二号さんになろうと思うんだ」
「……はい?」

 私、雲居一輪は耳を疑った。

 彼女たちのお出かけから翌日の午後。すやーとお昼寝するムラサを膝枕したまま、ナズーリンの幸せそうな笑顔を見て、そんな顔も出来るのねと、驚きと一緒に。

「……どういう、意味かしら」
「あぁ、私は気づいたんだ。……私はご主人が好きだけど、でも、キャプテンムラサになら、ご主人を任せられる。そして、それなら私は、ご主人の二号でありたい」
「待って」

 びっくりするくらい、後ろ向きで前向きな結論だった。
 っていうか、二号さんって、……えぇ?
 くらりと眩暈がする。

「そういうわけだから、君に伝えておこう、一輪。船長は、ご主人の隣に居るべき方だ。そして、いずれ二人が結ばれた際、私の第二の主となる方だ」
「……………」
「だから、あまり船長とべたべたしないでくれよ」

 ……。
 そうして、ナズーリンはキッと真剣な表情のまま、去っていった。
 その背中は、自分のあるべき場所と道筋が見えた、大きな背中だった。

「…………」

 むにむにと、ムラサの幸せそうな寝顔。そして寝息。
 ムラサと長く過ごした私には分かった。原因が。

 また、この娘は厄介な事を……

 呆れ果てて額を押さえると、今度は、ひょこりと星がやってきた。

「あぁ、星」
「ど、どうも」

 星は、そわそわと落ち着かなく指先をもじらせていたが、すぐに意を決した顔で、ばっと頭を下げた。

「む、ムラサをナズーリンに明け渡してください!」
「……うをい?」

 唐突に理解不能でした。
 つい、ムラサみたいに返事をしてしまう。
 いけない、こほん。

「ムラサは、ナズーリンの将来の婿なんですっ!」

 ちょっ?!

 そ、そんな訳ないでしょう! と今までの冷静さをかなぐり捨てて怒りそうになって、ハッとして自分を急いで落ち着かせた。

 い、いえいえ、そうじゃないわね。
 えと、これは、もしかして……

「し、星? 貴方、まさか」
「そ、そそそそれで! 私はそんなナズーリンの愛人を目指しています!」

 はい予想通り!

 むにゃあ、と寝息をたてるムラサに殺意が湧いた。

「……ムラサになら、ナズーリンを任せられる。そして、ナズーリンがムラサに惹かれているのも事実です。ですから、私は、彼女の二番目になりたい。一番でなくてもいいから、一緒にいたい」
「………………」

 もう、頭の中が真っ白だった。

「で、ですから、一輪とムラサが、その、もしかしたらそういう関係かもしれなくて、ですから、ムラサもそんなに無防備なんだと思い、こうして、ここに宣言しに来ました!」

 帰れ。
 というか、帰って。
 心の声が通じたのかは謎だけど、星はすぐに頭を下げた。

「そ、それでは、失礼しますッ! でも、ムラサはナズーリンのですから! そしてナズーリンの二番は私です。……頑張るんです」

 ぐっと拳を握って、決意を込めて目を細める星。
 そうして見ると、可愛らしくて男らしくて、非常に魅力的だった。

 でも、ちょっと待って?
 どうしてお互いにそういう結論になっているの?

 どう見ても、貴方とナズーリンは両思いでしょう?
 見れば分かるというか、気づかぬは本人ばかりというか、何とも理解に苦しむ現状だった。


「………………。……ねえ、ムラサ」


 キラキラして去って行った星を見送り、私はじと目で、ムラサを見る。
 ムラサは頬に絆創膏やらガーゼをくっつけ、手首には包帯と、痛々しいながら、やり遂げた顔をしている。

 あの後、仲直りしたらしい二人と、楽しく後半の散策を楽しんだと語ってくれたけど、この見解の違いを、さて、この子はどう説明してくれるのかしら?

「…………ふぅ」

 とりあえず、拳を強く強く固めた。
 ふよふよとやってきた、一部始終を見ていた、そういう方面には頭が固い雲山が、怒り顔で同じく拳を握る。

 そして、遠くからどたばたと激しい足音。

 きっとナズーリンと星の宣戦布告を受け取って、ぬえが怒り心頭に走ってきているのだろう。


「……くす」

 今だけは、幸せそうに眠るムラサに微笑んで、

 実はちょっと怒っている私は、すぐにその笑顔を引っ込める。


 とりあえず。


 ――――いい加減にしろッ!!







 ガッツン! と、開始の合図は痛そうな拳骨からだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 この後、ムラサはボロボロのまま、現状を理解しないままに、星ナズに一輪とぬえに挟まれて謝罪をしました。

 彼女たちがちゃんと理解したかどうかは謎。
 
 という訳で、船長は見事に失敗しました。きっと読んでくださっている方々の予想通りです。
夏星
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.簡易評価なし
1.無評価名前が無い程度の能力削除
ああ…幸せだ。この作品を読めて幸福だよ
2.無評価名前が無い程度の能力削除
どうしようもなく船長が悪い。えぇい天然め。

そして相変わらず出番の無いひじりんに南無三。
3.無評価名前が無い程度の能力削除
夏星さんが自重しないおかげで明日も仕事がんばれるお…超感謝!!
4.無評価名前が無い程度の能力削除
何という前向きで後ろ向きな結論w
毎回毎回楽しみにさせてもらってます
5.無評価名前が無い程度の能力削除
もうこれ船長死んで詫びるしかないんじゃないかwww幽霊だけど
6.無評価名前が無い程度の能力削除
あああああナズと星がもどかしすぎて寝られねえええ
7.無評価名前が無い程度の能力削除
船長は皆の胸をキュンキュンさせた罪で有罪
8.無評価名前が無い程度の能力削除
村紗も歩けばフラグを建てる。
なんかもうこの人はさっさと成仏させたほうがいいんじゃないかな(笑)
9.無評価名前が無い程度の能力削除
ものすごく船長が悪い。いろんな意味でwwwww
10.無評価名前が無い程度の能力削除
肉体的に一番被害をうけてるのは船長だけど、やっぱり船長が悪いな。
11.無評価名前が無い程度の能力削除
流石にそろそろ水蜜が可哀想に見えてきたw
12.無評価名前が無い程度の能力削除
雲山がいると一輪と村紗が母子に見えた不思議\(^O^)/
船長自重しろww
13.無評価名前が無い程度の能力削除
うむ。どうしようもなく船長が悪いな。
そして相変わらず出番のない白蓮さん\(^o^)/
14.無評価名前が無い程度の能力削除
聖母(ひじりまま)なら… 白蓮ならきっとなんとかしてくれる!
15.無評価名前が無い程度の能力削除
ああもうめんどくせぇこの命蓮寺。
もっとやれ!
16.無評価名前が無い程度の能力削除
これはもう、二人を密室に閉じ込めてみるべき段階まで来ているのではなかろうか。
誰だよ、「巣箱の蓋を取ってみたら容積いっぱいまで二匹が箱の形に四角く変形してつまっていて
『2匹にはちょっとせまかったね』」なんて電波を送った奴は……。
俺か。
17.無評価名前が無い程度の能力削除
こやつらのデートをぬえに見せたかった!きっとおもろいことになる
18.無評価奇声を発する程度の能力削除
船長やっぱり自重wwwwwww
19.無評価名前が無い程度の能力削除
やっぱり船長が悪いwww