レティ・ホワイトロック。
冬にのみ存在する妖怪だ。
彼女は寒気を操る程度の能力の持ち主であるのだが、
その彼女はある日冷気を操る程度の能力の持ち主であるチルノと真冬の湖で出会う。
そして能力も似ているからだろう。
二人はすぐさま意気投合し、チルノの友達である大妖精も加え三人で冬を楽しく過ごした。
しかし前述した通りレティは冬のみ存在する妖怪。
春先になると彼女はチルノや大妖精に挨拶もせずにいきなり消えてしまった。
突然の事だったのでかなりショックだったのだろう、
一番彼女と仲良くしていたチルノはまるで魂がぬけてしまったように元気がなくなった。
大妖精が彼女を何とか元気にしようとキャンディをあげたり、
紅魔館の図書館にあるチルノの大好きなグリム童話を読んであげたりしたのだがまったく元気にならない。
困り果てた大妖精は博麗神社に住む巫女に相談をした。
すると彼女は言う。
「レティみたいなロボットを作ればいいじゃない」
大妖精はあまりの名案に開いた口がふさがらなかった。
すぐさま大妖精は巫女の知り合いのエンジニア、河城にとりの所を訪ねレティ制作の依頼をした。
にとりは「おもしろそうだね」とその依頼を承諾しレティ制作に取りかかった。
その期間わずか一週間。
にとりをはじめとする河童エンジニアが総動員でこのレティ制作プロジェクトに全力で取り組んだ。
そして完成したのがLETTY。
外装は幻想郷では中々手に入らないと言われている段ボールという強度の強い物を使用。
そして大妖精の記憶をベースに限りなくレティに近づく動きを実現可能にした。
まさにリアレティとハイクオレティを追求した作品だ。
もちろんホームセキュレティもばっちりである。
完成品をみた大妖精はすぐさまチルノの所へLETTYを連れて行った。
「チルノちゃん!チルノちゃん!」
「大妖精さんはそんなにあわててどうしたんだい?」
「これみて!」
「テルノチャン。ヒサカタブリデス」
「レティ!!!!」
LETTYを視界に確認したチルノは今までの抜け殻みたいだった状態はどこへやら、すぐに元気を取り戻してLETTYに抱きついた。
「会いたかったよレティ!」
「アタシモデゴワス」
「どうしていきなりいなくなったりしたの?」
興奮して聞いてくるチルノを制するように彼女の口をLETTYはそっと人差し指でふさぐ。
「イマハ、コトバナンテイラナイ。テクノチャントサイカイデキタ……。タダソレダケデ……ソレダケデジュウブンナンダヨ」
LETTYは感極まって瞳から大粒のバイオマスエタノール燃料を流す。
環境に優しい涙だ。
チルノと大妖精もつられて泣き出してしまった。
その後チルノにも笑顔が戻り三人は春も夏も秋も一緒に幸せに暮らすようになったのだった。
しかしLETTYは所詮レティの代替品。
冬になったら本物の彼女と入れ替わらなければならない。
万が一、チルノの前で二人同時に現れるようなことになってしまったら、
彼女の今までの春夏秋を台無しにしてしまう恐れがある。
だからそろそろLETTYは身を引かなければならなかった。
「ダイチャン。ワタシハ、モウソロソロ、イナクナラナイトイケマセン」
LETTYがそう切り出したのはだいぶ寒くなった日のこと。
チルノがどうしてもと言ったから、チルノの家のベッドで大妖精とLETTYが彼女を挟んで寝ている時であった。
チルノはもうすっかり夢の中である。
「レティさん……」
「イイエ。モウワタシハレティジャナイ。シガナイタダノポンコツサ」
「……レ……レティさんはそれで良いんですか?」
「ハイ。ワタシハ、テクノチャンヲ、シアワセニスルタメニ、ツクラレタ。
テクノチャンガ、シアワセナラワタシハ、ホンモウデス」
「…………」
「テクノチャンニツタエテクダサイ。スコシイナクナルケド、スグニアエルヨッテ」
そう言うとベッドからLETTYは起き上がり玄関へと向かう。
「レティさん!!!」
「シー!シズカニ!テクノチャンガオキチャイマス。
ダイチャン。イママデアリガトウ。タノシカッタヨ」
そして静かに扉を開け冬の暗闇へと彼女は消えていった。
そして次の日。
その日幻想郷に初雪が降った。
「やっと冬って感じだね。チルノちゃん」
「うん!それなのにレティはどうしたんだろ?」
「うん……ちょっと用事があるって……」
「まったくもう!レティはいつも突然きえるんだもん!」
「うん。けど今度はすぐに帰ってくるよ」
そう二人が話している上空では二つの人影が。
一方の人影は二人に近づいていき
そしてもう一方の人影は離れていくのだった。
でもこれはどうかなwww
リアレティとハイクオレティとホームセキュレティで盛大に噴いたw
あとテクノちゃんなんてさらりと出てくるセンスがすごい
いやさそもそもつっこんでいいのか
よくわからないかんどうがここに!
てか、段ボールって