Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

幻想郷的夏の夜の過ごし方

2009/10/25 23:56:59
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※季節外れである。気にしてはいけない。










紅い館の、夏の夜。
紅い館の、門の前。


 ぐーすかぴー


「……よーく寝るわね、門番さん」

「……お暇ですねえ、お嬢様」

「貴女に言われたくないわ」

「平和な証じゃないですか」


 紅いお嬢と、紅い門番。


「貴女は何をしているの」

「夜風に吹かれて寝てたのです」

「仕事は」

「勤務時間外」

「知ってるわ」

「さいですか」

「横座るわよ」

「ええどうぞ」


 小さい紅と、大きい紅。


「こんなに綺麗な夜空が広がってるのに、寝るなんて勿体なくないの」

「だから仰向けで寝てたんですよ」

「なるほど」

「はいな」

「ご丁寧に敷物まで」

「外ですし」

「まあね」


 紅はそこそこ、仲が良い。


「満月ね」

「そうですね」

「私は満月好きよ」

「私も好きです、紅い月」

「……」


 首を傾げて、紅い月。


「今のはどういう意味かしら」

「言ったままの意味ですよ」

「そう」

「はい」


 首を戻して、紅い月。


「でもね私は」

「なんでしょう」

「新月の夜も好きなのよ」

「何故ですか」

「星が綺麗に見えるもの、紅い星」

「……」


 首を傾げて、紅い龍。


「今のはどういう意味でしょう」

「言ったままの意味よ」

「そうですか」

「ええ」


 首を戻して、紅い龍星。


「他にもね、十六夜月に三日月に」

「好きなものがたくさんあるんですよね」

「あら知ってたの」

「気付いてました」

「それは驚いたわ」

「嘘ですね」

「嘘よ」


 ならばと、赤くなった紅い満月。


「じゃあ」

「なんでしょう」

「私の気持ちも、気付くかしら」

「さて何のことやら」

「意地悪」

「知ってます」


 紅が見合って、紅が笑う。


「なんでも気付く貴女に問題」

「たらん」

「夏といえば」

「素麺、かき氷、麦茶、トウモロコシ、西瓜、」

「食い気か」

「はい」

「解ってるくせに」

「ばれてましたか、それは驚いた」

「嘘ね」

「嘘です」

「意地悪ね」

「意地悪です」


 紅と紅が立ち上がって。


「改めて、夏といえば」

「夏の夜の花火ですね」

「大正解」

「花火ですか」

「花火よ」


 紅が見合って、紅が笑って。


「しますか、花火」

「しましょう、花火」


紅が飛んで、夏の夜。
紅が飛んで、夏の空。


  幻想郷的花火が咲く
「……で、私が朝起きたら門が半壊していた事について、何か言い訳はありますか?聞きませんが」
「……いい?」
「……はい」
「全力で逃げるわよっ!」
「イエッサー!!」
「私のお説教から逃げれると思ってますか!?」

そんな紅魔館の日常



(11/5 追記)

皆さんコメントありがとうございます
じょにーず氏は私も大好きです
ほのぼのはよいものだ
天河らん
http://tengaran.blog10.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
ほのぼのしててかわいいなぁ
2.名前が無い程度の能力削除
なんか、いいな。この雰囲気
実際お嬢様と美鈴って仲良さそうだよね。漫画貸しあったりしてるし。
3.名前が無い程度の能力削除
そーいえば非想天則でも仲良さげだったしなぁ…いいねいいね。
4.名前が無い程度の能力削除
息ピッタリな感じですね
いいですねぇこうゆうの
5.名前が無い程度の能力削除
この二人の組み合わせに惚れてしまいそうよ
6.名前が無い程度の能力削除
ピクシブにてあとがきのシチュエーションそのまんまの絵を見たので確認したら…やっぱ同一人物でしたか
7.名前が無い程度の能力削除
昔の作家ですが、じょにーずさんを彷彿とさせられました。
韻を踏んで読めそうな文が何とも心地良かったです。
しかも密かにレミメイ好きな私には嬉しい内容でした。
8.名前が無い程度の能力削除
いいリズム感だ!感動した!
勤務時間外は仲良さげにしてる二人もありだなw