鈴仙も御手入れ

　こら～てゐ！……まったく、逃げ足が早いんだから

　あ、こんにちわ、鈴仙・優曇華院・因幡です

　……なんで師匠私に優曇華院ってつけたんだろう？

　まあいいか、それよりも今は妖夢さんが来る前に準備しないと

　えっ？何の準備かって？

　妖夢さんが珍しい刀を見せてくれるっていうから

　私も色々とコレクションを見せようかなって……

　えへへっ、実は結構楽しみにしてます

　あっ、いけない！てゐの悪戯を追いかけていて忘れてた

　急いでコレクションの準備しないと





　　　　　　・・・




　まずはこれ、月の技術力で作られた
『岩男バスター』
　太陽エネルギーの力を使って無限に玉を放てるんです
　
　とは言ったものの……これ装備するためには
　全身改造しないといけないんですけどね
　一応手につけただけでもちょっとは放てるけど
　せいぜいもって温風がでる程度です
　今でもたまに髪の毛乾かすのに使ってます

　あれ？まだ温風出るみたい……暖かい
　




　　　　　・・・





　さて、他に何があったかな？そうだ、
『サイコガン』これにしよう
　
　腕にはめて『撃つ』と思うと謎のレーザーが出るとんでも兵器
　……とは言っても形だけを真似たレプリカですけどね
　レーザーぐらいは出るけど、幻想郷だと珍しくもなんともないし…
　そういえば一度、宴会芸で酔っ払った姫様に装備させたら
　のりのりになちゃって、師匠に恥ずかしい服装をさせた事あったっけ
　
　それ以来、封印してあったけど…まあ大丈夫だよね？





　　　　　・・・





　えーと次々…っと
　よし『Ｍ１６』これにしよう
　
　……近距離でも、そして長距離狙撃でも使えるように
　私専用のオリジナルカスタマイズを加えてあって
　過去の狙撃の命中率は１００％……
　もう、使う事も無いけどね……

　たのしかったな～、サバイバルゲームでペイント弾使って上官に悪戯するの
　えっ？戦いで使った事はないのか？
　それが怖いから月から逃げてきたんですよ？　





　　　　　・・・





　よいっ…しょっと……
　流石に『ガトリングガン』は重たいです
　
　ん～…この配置だと斜め方向にしか撃てないですね
　当たれば主人公にもマッドドックも一撃なんですけど
　大体、これ持てる人って体が大きすぎるんですよ
　おまけに、こんなの使わなくても普通の銃で十分威力あるから
　無用の長物以外の何者でもないですし

　……でも、改造して風船ガムを飛ばせるようにしたら
　他の因幡達に夢をプレゼントできましたけどね





　　　　　・・・





　あっ？そうそう『ツィーゲライフル』
　姫様がプレゼントしてくれたこれの事忘れてた
　

　謎の技術、謎の素材でできている幻のライフルで
　威力、命中率共に最高峰の一品……のレプリカです

　すごいですよね～、なにせ姫様が竹を編んで作った代物なのに
　強度、命中率、信頼性どれをとっても最高クラス
　……どうやって作ったんだろう？姫様……
　
　ちなみに、玉はゴムボールで出来ているから
　命の危険はあんまりありません当たると凄く痛いけどね……





　　　　　・・・





　もうそろそろ時間だから、後はお気に入りのあれでも……
　ってあれ？おかしいな……確かに此処に置いておいたはずなのに……
　……って！？てゐ！？

　いけない！急いでてゐを止めないと！

『ズダーン！』

　てーゐー！





　　　　　・・・





「てーゐ！」
「うぅ……うぅぅ～」
　急いで銃声が聞こえた場所に向かったら
　涙目でひっくり返り、起き上がれないてゐの姿があった
　急いで、傍によるとそっと抱き起こす
「てゐ！」
「れ、鈴せ～ん……痛いよ～」
　てゐの目から流れている涙は多分本物
　その証拠に、先ほどからてゐの両手が動いていない
　大急ぎでてゐを抱きかかえて師匠の下に走る
「まったく…これからはあのコレクションの物を勝手に持っていかないで」
「ぐすっ……あれ……一体なに？」

　腕の中で痛みでまだ泣いているてゐに対して
　私は自分のコレクションの薀蓄を語る

「４４口径リボルバー……拳銃サイズにして
　熊を撃ち殺す程の火力を所持する代物」
「っ！？」
　てゐがその言葉に、ぎゅっとしがみつく
　そんな物を訓練してない小柄なてゐが撃ったのだ　
「てゐ……外れた両肩を戻すのに凄く痛いと思うから…」
「えっ？」　
「覚悟しておいてね？」

　額から脂汗を流すてゐが逃げるよりも早く　
　私は目の前の扉を開いて、大声で叫んだ

「師匠！肩が外れた患者さんです！」

「あら大変！？急いではめ込まないと」

「えっ？えええっ！？」

　慌ててその場から逃げようとするてゐを師匠が掴むと

「良い？優曇華は右を、私は左をはめ込むわ」
「はい！師匠！」
「ちょ、ちょっと待って！？こ、心の準備がぁ！？」

「「せぇ～の！」」



『ゴキン！』





　　　　　―――



　その日から、てゐは私のコレクションに手を出さなくなりました
（優曇華日記より抜粋）

　どうも、脇役です……

　はい、妖夢がお手入れの二番煎じですね、先に謝っておきます

　今回は銃です……色々と懐かしい物を入れたかったんですけど
　なかなか、ＲＰＧ系だと銃って少ないんですね
　クロノトリガーのミラクルガンとか
　某スパイアクションに出ていた黄金銃とかも入れたかったけど
　ネタが思いつかなかったので今回は見送りにしました
　
　作品のネタ、どれだけわかる人がいるかな？
（もし、三番煎じがあるとしたら次は椛かな？）


　おまけ

　てゐを師匠に任せた後、妖夢と一緒に和気藹々して
　軽く勝負を申し込まれた…


「では鈴仙さん、ついでなので実戦の相手をお願いします」
「それじゃあ、早速……（笑顔でツィーゲライフルを向ける）」
　
・スキル発動『狙う』（デュエル）→妖夢の右手『白楼剣』
（ゴムボールの一撃で白楼剣が吹っ飛ばされる）
・追加スキル発動『持ち替え』（スイッチ）
（右手に持っていたＭ１６に持ち替える）
・追加スキル『狙う』再発動→妖夢の左手『楼観剣』
（ペイント弾によって楼観剣も吹っ飛ぶ）
・追加スキル『持ち替え』再発動
（妖夢の額にゴム球が命中）　


「……ふぇ～ん」
「え、えーと……ゴメン、やりすぎた」


　―――

　やりすぎた……ちょっと反省する事にする
（優曇華日記より抜粋）