Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

仲良くしませんか?

2009/10/11 04:53:15
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「貴女って、人参好き?」

「別に」

「玉葱平気?」

「別に」

「わかったわ」

「………」




「ねぇ、咲夜、だっけ?」

「そうよ、アリス」

「あんた、なんでいきなり人の家に来て料理作ってるの?」

「え?貴女ご飯食べないの?」

「いや、別に食べなくても死にはしないし………」

「へー、まぁ私はお腹減ってるのよ」

「でもここ人の家なんだけど………」

「貴女の分も作るって言ってるじゃない」

「いやだから私は………まぁ、別にいいけど」



なんだ、こいつ………
世話になったからと、いきなり押しかけてきて、人の家の材料で料理を始めた。
世話になったわりには、我が物顔でキッチンを占領している。

何か世話、したっけ………



「大分暖かくなってきたわね」

「やっと冬が終わったからねぇ」


そう、やっと冬が終わったんだ。
これからは二度寝の回数が増えるだろう。


「だらしなくなる季節よねぇ」

「ん………ええ、つい眠くなる季節」


私はイスに腰掛けて、あいつはキッチンから料理をしながら話をする。
お互いの顔が見えないので、どんな表情をしているかがわからない。


「………ねぇ、咲夜」

「ん?」

「貴女今、どんな顔してるの?」

「顔?」

「そう」


こんな質問をされたら、普通のやつなら驚いて呆気にとられる。
でもこいつは、きっと微笑んでいるんだろう。


「んー………泣いてるわよ」

「はい?」


泣いてる?なにそれ。
涙ぐんでる声なんてしてないじゃない。


「玉葱切ってたし」

「………」


そうきたか。
面白いやつだな、変なことを聞くなって、普通ならそういうと思うんだけど。


「ねぇ」

「今度はなに?」

「貴女って、変わってるってよく言われない?」

「ええ」

「………」


まぁ、それはそうか。


「変わってるってか、人間にしてはってよく言われるわね」


そうか、こいつ人間だったな。
人間にしては………強かったし、多芸だし。


「変わってるっていうか、垢抜けてるって感じよね」

「それ、よく言われる」


ちょっとだけ笑ったような気がした。
今喋り方が変わったぞ。


「そういえば、貴女は」

「ん?」

「よく友達いないって言われてるわね」

「はい?」


誰が言ったんだそれ?


「まぁ、魔理沙から聞いたんだけど」

「………あいつか」

「で、実際どうなの?」

「どうなのって………友達いないって言われ方すると腹立つけど、確かにここにはあんまり知り合いとか居ないわね」

「ふーん」

「………ねぇあんた、もしかしてそれ聞いたから私の家にきたわけ?」

「………だとしたら?」

「冗談じゃないわ、そんないらん同情はお断りよ」

「………流石にそんなことはないわよ、怒らないで」


………怒ってない。
いや、ムキになっていた。すぐあいつにはそれがバレた。


「私は単純に、貴女のことが気になっただけ」

「………」

「だって貴女、可愛いんだもの」

「………え」


可愛い………?
なんだそれ、私に言ってるのか?


「宴会の時から貴女のこと見てたわ、静かだけど、誰よりも料理を味わって食べてくれてた」

「………」

「お酒のおまけくらいにしかみんな見てないでしょうけど、結構手が込んでるんだから」

「知ってる」

「ええ、知ってるのは貴女くらいじゃないかな」

「あと、ルーミア」

「………そうね」


ルーミアも私と一緒に、お酒よりもむしろ咲夜の料理を進んで食べていた。
他の連中は酒ばっかり、美味しい料理でもなければ付き合ってられなかった。

間接的にではあるが、私は咲夜の参加を目当てにしていたんだ。


「………勝手な連中よ、ほんと」

「あら、貴女そんな風に思ってたの?」

「あんただって、あの吸血鬼のお嬢様に文句の一つでもあるんじゃないの?」

「………んー、文句の一つでもあれば、すぐに言ってるけど」

「………フランクね、あんた」















「おまたせ、冬が終われば、シチューなんて食べる機会無くなるからね」

「そうね、ありがとう」


それはそれは美味しそうなシチューだった。
本を見ながら私が作ってもこうはならないだろう、手馴れている、料理のノウハウってやつをよく知ってるんだろうな。


「………久しぶりの食事だわ」

「よく生きてるわね」

「魔女だし」


誰かと一緒にこうして食卓を囲むのは結構久しぶりだな。
にぎやかなのが好きなわけじゃないけど、誰かと二人っきりなのは落ち着くな。

あんまり面識がないやつと向き合ってるのは結構、気まずいけど。


「………ん、いい出来ね」

「ええ」

「ああ、台所のチーズは傷んでたから捨てておいたわ」

「ああ、そう」

「牛乳も結構」

「そう…」

「………貴女って、意外とだらしないのね」

「………」

「………大掃除してあげようか?」

「いいわよ別に、人の家これ以上荒らさないで」

「荒らさないわよ」


掃除されるのはイヤじゃないけど、他人に自分の家を探られたくない。
でもしっかり否定しないと、咲夜は勝手に掃除を始めてしまう気がした。


「どう、口にあう?」

「え?ええ、美味しいわ」

「………そうね、貴女いっつも、そういう顔してたほうがいいわね」

「………」

「辛気臭い顔してるより、ずっと可愛いわ」

「可愛いって………それやめてよ」

「え?」

「そういう風に言われるの、嫌いなのよ!」

「………アリス?」


可愛いって、言われたら普通嬉しいものなんだろうけど。
私は、なんとなくイヤだ。

下に見られている気がする。
私はあんたより弱いつもりもないし、年下のつもりももちろんない。


「………悪いけど、帰ってもらっていいかしら」

「………」


もう、食事に手をつける気分でもなくなってしまった。
私とこいつは親しい友人じゃないんだ、それなのにあんなことを言われて、私は今気分をかなり害した。


「………そうね、突然来て悪かったわね」

「………」

「作り置きしておいたから、後で食べて」

「………」

「ああ、あと、勝手にいろいろ使って悪かったわね」

「………」

「じゃ、またそのうち」

「まって!」

「………」

「まって、やっぱり、帰らないで」

「………」

「ごめんなさい、謝るわ、勝手なこといってごめんなさい」


「だから………怒らないで」

「………怒ってはないけど」

「………」


振り返った咲夜の表情は笑顔だった。
それなのに、私は焦って情けない顔をしている。


「今引き止めるのは、かっこわるくない?」

「………」

「貴女がそれでもいいなら、私は帰らないけど」

「………かっこ悪くてもいいわよ」

「………」

「私はあんたみたいに、ポーカーフェイスが得意でもなければ、人付き合いってやつも得意なわけじゃない………だから、かっこ悪くても思いついたことを伝えるしかないのよ」

「………」

「………」

「わかった」

「え…」

「貴女、不器用なんだ」

「………」


不器用………

そんなこと言われたの、初めてだ………



「………うん、私、不器用、かも」

「ええ、不器用ね」


ニッコリと笑ってる。
人の気も知らないで、私のことを笑ってる。


「貴女不器用だから言っておいてあげる、私が今笑っているのはね、貴女が自分の弱みを見せてくれたからよ」

「………弱みって」

「だから、私の弱みを教えてあげる、私はさっき帰ってって言われたとき………実は結構傷ついたのよ」


「………うそ」

「本当よ」

「………ごめん」

「………じゃあ」


そっと、咲夜が私に手を伸ばした。


「友達になる?」

「………」


そっと、私も手を伸ばす、でも。

私は、その手を払った。


「………そういうのは、ご免かな」

「だと思った」


それなのにこいつは笑ってる。
見越してたんだ、私が握手を断ることを。


「………仕切りなおし」

「いいわよ」


今度は私がもてなしをする番だ。
美味しいお茶を淹れて、こちらから話を振るんだ。


今度は、私が追い詰める番だ。





.
あんまり仲良くないですね。たまにはありかなと思いました。
あっちのほうは器用なのに人付き合いが不器用なアリスは可愛いですね。変な言い方しますが。


甘々分が個人的に足りなくなってきました。
寒々
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
まだ仲良くはないけどお互い気になるみたいな感じですね。
色々な面でライバル関係にもなれそうな点が多い二人組ですから。
お互い刺激し合って高め合えるのは理想の関係だと思います。やらしい意味でなく。
2.estine削除
勢いで言ってしまってダルい空気が出来てしまったのを
微妙な距離感まで取り戻したあたりがリアルっぽくてなんか良い
3.奇声を発する程度の能力削除
やばい!やばい!やばい!
この二人の絶妙な距離感が激しく好きだ!!!!!!!
4.名前が無い程度の能力削除
あっちなんだよどっちなんだよ

……えっ人形?そうですか、ですよね
5.名前が無い程度の能力削除
完全ではないことの良さですね、互いに