「昔々ある所に村紗という可愛らしい舟幽霊がいました。
村紗は遠い遠い昔に海で舟が転覆して亡くなってしまったかわいそうな子です。
その後どうしても海から離れられないので通りかかった舟を転覆させる日々をすごしていました。
ある日、近くに住む妖怪から村紗を退治しに高名な僧侶を人間が雇ったという話を聞きました。
村紗は教えてくれたお礼に妖怪にさっき沈めたばかりの人間を一人あげました。
村紗はわくわくしながらこう考えました。
人間の恐怖が私を妖怪に変えたんだから、きっとその僧侶をやっつければここを離れることもできるのではないかと。
数日後、村紗の目の前に一人の僧侶が舟を漕いでやってきました。
僧侶は聖と名乗りました。
村紗は早速船を沈めようと柄杓をよこせと言いました。
村紗が舟を襲い始めた頃の人間は素直に柄杓を渡してきたので水を掬って沈めました。
最近は底の無い柄杓を渡してくるのでその柄杓で人間を殴って舟から転落させ沈めました。
この聖とかいう僧侶はどうするのかとわくわくしていると聖は素直に柄杓を渡してきました。
底が開いているわけでも無く普通の柄杓でした。
何か珍しいことをしてくれるのかと期待していた村紗はがっかりしましたが
とりあえずいつもどおり水を掬い聖の舟を沈めようとしました。
が、聖はすごい勢いで舟を漕ぎ右に避けたのです。
村紗は驚きました。
人間がこんなに早く舟を漕げるとは思わなかったのです。
やる気の出てきた村紗はマイ柄杓を用意しました。
いつかの人間から奪ったやつですが手にしっくり来るので愛用していた物です。
柄杓を渡さないやつがいた時はこれで相手をしてきました。
村紗が本気になったのを感じ取ったのか聖も櫂をしっかりと握り締めました。
村紗がさっきよりも速く、大量の水をばら撒くも聖は左前に避け村紗に接近しました。
殴ったほうが早いと感じた村紗は柄杓を横に振るうも空振り。
聖は右に避けていました。
しかしそこで聖にアクシデントが起きます。
聖の漕ぐ速さに耐えられなくなった櫂が折れてしまったのです。
勝ったと確信した村紗はゆっくりと水を掬い舟にかけようとしたその時です。
聖は南無三っと舟をあきらめ海へと飛び出しました。
そこで村紗は水をかけてじわじわと溺れてもらおうかと思いましたが目の前の光景にその考えは打ち切られました。
聖は犬掻きで泳いでいたのです、しかも舟に乗っていたときよりも速く。
村紗があまりの速さに戸惑っていると聖は急に潜水を始めました。
聖が五分たっても浮かんでこないので村紗は溺れたんだと思うことにして今日は寝ようと思いました。
が、村紗は寝ることが許されませんでした。
なんと聖が微笑みながら海の上に立っていたのです。
左足が沈む前に右足を、右足が沈む前に左足を小刻みに上げ下げしながら。
転覆させた舟とは違う、ぼろぼろの舟を出前のそばよろしく片手で持ち上げて。
その舟は生前村紗が乗っていた舟でした。
村紗はあまりの懐かしさに涙がぽろぽろ出てまともに声を発することもできません。
『貴方はもう一度この舟で漁に出たかった。だから違う舟を沈めていたのでしょう』
聖は村紗の生前を調べていたのです。
そして古い文献から漁の途中で溺れたことを知りました。
『私は舟を動かすことができますが漁の仕方はさっぱり分かりません。漁をするのは貴方です』
その言葉で村紗はもう一度漁に出かけることが出来ました。
西に黄金の鯖が釣れると聞いたら鯖は嫌いだからと北へ行き。
東に人語を話す鯛が出たと聞いたらそんなものは珍しくないと一休み。
それから数年後。
村紗達は人間達に珍しい魚が釣れる場所があると案内されて海へと出かけましたがそれは罠でした。
漁をしている人間にとっていつも大漁の村紗達は嫉妬の対象であり、また邪魔な存在でした。
そうして聖は人間達に封印されてしまい村紗も地底奥深くに埋められてしまいました。
その後間欠泉に乗って地上に現れた村紗は決心します。
聖を釣り上げるべきだと。
聖がサルベージしてくれたこの舟に乗って。
……これが私と聖の出会いよ」
「さすが聖ですね海の上を走れるとは。さぁ次は一輪の番ですよ。どんな出会いだったんですか」
「そうねぇ。雲山が泣いている子どもがいるからってその子と孫悟空ごっこで金斗雲の役をしていたわ。
それを見た親は子どもが雲山に連れ去られると思ったんでしょうね。それで」
その後も聖輦船のメンバーは互いに聖白蓮への想いを話し
封印を解くために頑張っていこうと手に手を取り合っていった。
村紗は遠い遠い昔に海で舟が転覆して亡くなってしまったかわいそうな子です。
その後どうしても海から離れられないので通りかかった舟を転覆させる日々をすごしていました。
ある日、近くに住む妖怪から村紗を退治しに高名な僧侶を人間が雇ったという話を聞きました。
村紗は教えてくれたお礼に妖怪にさっき沈めたばかりの人間を一人あげました。
村紗はわくわくしながらこう考えました。
人間の恐怖が私を妖怪に変えたんだから、きっとその僧侶をやっつければここを離れることもできるのではないかと。
数日後、村紗の目の前に一人の僧侶が舟を漕いでやってきました。
僧侶は聖と名乗りました。
村紗は早速船を沈めようと柄杓をよこせと言いました。
村紗が舟を襲い始めた頃の人間は素直に柄杓を渡してきたので水を掬って沈めました。
最近は底の無い柄杓を渡してくるのでその柄杓で人間を殴って舟から転落させ沈めました。
この聖とかいう僧侶はどうするのかとわくわくしていると聖は素直に柄杓を渡してきました。
底が開いているわけでも無く普通の柄杓でした。
何か珍しいことをしてくれるのかと期待していた村紗はがっかりしましたが
とりあえずいつもどおり水を掬い聖の舟を沈めようとしました。
が、聖はすごい勢いで舟を漕ぎ右に避けたのです。
村紗は驚きました。
人間がこんなに早く舟を漕げるとは思わなかったのです。
やる気の出てきた村紗はマイ柄杓を用意しました。
いつかの人間から奪ったやつですが手にしっくり来るので愛用していた物です。
柄杓を渡さないやつがいた時はこれで相手をしてきました。
村紗が本気になったのを感じ取ったのか聖も櫂をしっかりと握り締めました。
村紗がさっきよりも速く、大量の水をばら撒くも聖は左前に避け村紗に接近しました。
殴ったほうが早いと感じた村紗は柄杓を横に振るうも空振り。
聖は右に避けていました。
しかしそこで聖にアクシデントが起きます。
聖の漕ぐ速さに耐えられなくなった櫂が折れてしまったのです。
勝ったと確信した村紗はゆっくりと水を掬い舟にかけようとしたその時です。
聖は南無三っと舟をあきらめ海へと飛び出しました。
そこで村紗は水をかけてじわじわと溺れてもらおうかと思いましたが目の前の光景にその考えは打ち切られました。
聖は犬掻きで泳いでいたのです、しかも舟に乗っていたときよりも速く。
村紗があまりの速さに戸惑っていると聖は急に潜水を始めました。
聖が五分たっても浮かんでこないので村紗は溺れたんだと思うことにして今日は寝ようと思いました。
が、村紗は寝ることが許されませんでした。
なんと聖が微笑みながら海の上に立っていたのです。
左足が沈む前に右足を、右足が沈む前に左足を小刻みに上げ下げしながら。
転覆させた舟とは違う、ぼろぼろの舟を出前のそばよろしく片手で持ち上げて。
その舟は生前村紗が乗っていた舟でした。
村紗はあまりの懐かしさに涙がぽろぽろ出てまともに声を発することもできません。
『貴方はもう一度この舟で漁に出たかった。だから違う舟を沈めていたのでしょう』
聖は村紗の生前を調べていたのです。
そして古い文献から漁の途中で溺れたことを知りました。
『私は舟を動かすことができますが漁の仕方はさっぱり分かりません。漁をするのは貴方です』
その言葉で村紗はもう一度漁に出かけることが出来ました。
西に黄金の鯖が釣れると聞いたら鯖は嫌いだからと北へ行き。
東に人語を話す鯛が出たと聞いたらそんなものは珍しくないと一休み。
それから数年後。
村紗達は人間達に珍しい魚が釣れる場所があると案内されて海へと出かけましたがそれは罠でした。
漁をしている人間にとっていつも大漁の村紗達は嫉妬の対象であり、また邪魔な存在でした。
そうして聖は人間達に封印されてしまい村紗も地底奥深くに埋められてしまいました。
その後間欠泉に乗って地上に現れた村紗は決心します。
聖を釣り上げるべきだと。
聖がサルベージしてくれたこの舟に乗って。
……これが私と聖の出会いよ」
「さすが聖ですね海の上を走れるとは。さぁ次は一輪の番ですよ。どんな出会いだったんですか」
「そうねぇ。雲山が泣いている子どもがいるからってその子と孫悟空ごっこで金斗雲の役をしていたわ。
それを見た親は子どもが雲山に連れ去られると思ったんでしょうね。それで」
その後も聖輦船のメンバーは互いに聖白蓮への想いを話し
封印を解くために頑張っていこうと手に手を取り合っていった。
ひじりんならやりかねないwww
雲山の続きが気になる
こうですね、わかり(ry