カサカサッカサカサッ
縁側でお茶を飲んでいる霊夢に耳障りな音が聞こえてくる。
霊夢は久々にこのS.E.(Sound Effect)を聞いた。
「奴ね……」
そう呟く彼女。
奴とはもちろんヤツである。
さてどうしたものか……。
そう思案している時、霊夢はあることを思い出す。
「そういえばあれがあったわね……」
そう言って居間にあるタンスの中を探りはじめる。
そして霊夢はその中からコンパクトのような円形の箱を取り出した。
「これこれ。あったあった」
このコンパクトはテクマクマヤコンコンパクトではない。
このコンパクトのような物は人里で風見幽香から買った物だ。
なんでも人里の住民むけに売っているものらしい。
その名も「スーサン」。
メディスンの生成した毒を改良して作ったいわゆる燻蒸式殺虫剤だ。
パッケージのメディスンがゴキブリを毒で倒している絵が可愛くてついつい衝動買いをした物であったが使うときが来たようだ。
「これをここに置いてと……」
そしてふたを開ける。
するとたちまち白い煙が立ちこめてきた。
「二時間ぐらい放置って書いてあったから人里に買い物にでも行きましょうかね……」
そして霊夢は縁側から飛んで人里へと向かった。
◇ ◇
二時間後……。
「さて……効果はあったのかしら」
そう言いながら人里から帰ってきた霊夢は自分の家の庭へと降り立つ。
玄関から入るのがめんどくさい霊夢はいつも縁側から出入りしているのだ。
「む……」
そうして部屋に入ろうとした霊夢に、居間のテーブルの上に上半身を突っ伏して倒れている人影が目に入る。
霧雨魔理沙だった。
泡を吹いて倒れている魔理沙。
その手はテーブルの中心に置いてあるまんじゅうへと伸びていた。
「しまった……。食べ物を放置しちゃ駄目だって書いてあったわね」
そして魔理沙の心配より食べ物の心配をする霊夢の発言に意識を失っているはずの魔理沙の瞳から涙が流れたとか流れてないとか。
とりあえず後で永遠亭に連れて行こうと思う霊夢だった。
次に目に入ったのは居間の端に倒れている人影。
黒谷ヤマメだった。
何故彼女がこんな所にいるのだろう。
ふと彼女の頭上を見てみるとだいぶしっかりとした蜘蛛の巣が張りめぐらされていた。
だいぶ前から住み込んでいたらしい。
その蜘蛛の巣を目を細めてみると糸に絡まって泡をはいているチルノを霊夢は見つけた。
どうやってこの家に入ってどうやって蜘蛛の巣に絡まったのか?
そこには彼女の壮大な物語があったが今は割愛させていただく。
とりあえず二人を後で永遠亭に連れて行こうと思う霊夢だった。
タンスの三段目、下着をしまっている場所が開いていた。
そこのタンスの中から上半身だけを隙間から出して泡を吹いてダランとしている影ある。
八雲紫だった。
右手にはドロワを、左手にはマジックを持っていた。
ドロワには「はんにんはやくもら(最後の方は汚くて読めない)」と書いてあったが、どう見ても犯人は彼女だった。
とりあえず後で永遠亭に連れて行こうと思う霊夢だった。
台所にむかう途中の柱をかじりながら気絶している大量のネズミをみつけた。
その中核をなして気絶しているのがナズーリンだった。
この柱に生粋のダウザーとして手に入れなければならない物が隠されていたのか、はたまた歯を削り続けないとどんどん歯が伸びてしまう、鼠の宿命なのか。
とりあえず後で永遠亭に連れて行こうと思う霊夢だった。
台所では包丁を片手に持ちながらまな板に顔を突っ伏している人影があった。
東風谷早苗だった。
一瞬ヤンデレかとびっくりした霊夢だったが人里へ行く前の記憶を呼び戻す。
「こんちは~霊夢さん!」
「ん」
「霊夢さんちゃんとご飯食べてますか?」
「ん」
「もう~しっかり食べなきゃ駄目ですよ!やっぱり霊夢さんには私がいなきゃ駄目ですね!台所借りますよ!」
「ん」
「きゃ~霊夢さん!そんな奥さんみたいだなんて……。そしたら霊夢さんが旦那さんですね!」
「ん」
………………。
とりあえず後で永遠亭に連れて行こうと思う霊夢だった。
いいですね
この幻想郷では常識(ry
そして幽香が人間と交流できてて何より。
彼らに全滅されちゃ困るので殺虫剤屋さんは本気を出さないのです。
エゴ?その通り
魔理沙のくだりで「え、実は黒くて素早い魔理沙に使ったオチじゃないの?」と思ってしまった。
スリッパでたたいたほうが確実に殺せる。でも絶滅はできないという……ほんとうに恐ろしいやつらだぜ
この前黒いアレを見たばっかりの身としては厳しいんですけどねw
バルサンは服とか痛むのでブラックキャップおすすめです
G戦士と闘う仲間達に感謝の意をこめてコメ返です。
>1様
スーサンはどこに頼めば作ってくれるでしょうか?
>2様
ほんとにありがとうございます。慎んで頂きます。
>3様
ええ。もちろん常識(ry
>4様
幽香様は優しくて人里の人気者だって私信じてるから……
>5様
なんというライ○ン株式会社の巧妙な罠。
>6様
私もリグル好きです。
>7様
私も欲しいです。一個は保存用、一個は護身用、一個はコレ(ry
>8様
私も欲しいです。一個は保存用、一個は護身用、一個はコレ(ry
>9様
それに奴ら飛ぶんですよ。
私が腰を抜かして倒れている上空をあざ笑うかのように飛ぶんです。
>10様
愛されてなんぼの彼女です。
>11様
ありがとうございます。
あれを見たら寝るに寝れませんよねw
>12様
にゃんと。今度使ってみます。
ヤンバラヤンヤンヤン~♪
吸ってすぐ死ぬわけじゃないということです。
一度家の外に逃げ、煙が無くなってから
戻ってくるパターンのどれだけ多いことか。