ＰＣの中で作者: kuari

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「さあ、今日も頑張ろうか」

　ある事を感じ、突如として元気な声を上げた秋姉妹だったが、その元気は一瞬で消え去った。　ここ数日、いや数ヶ月の間、同じ事の繰り返し。
その光景を見てため息を付く影が多数……

「はぁ……やっぱりね」

　手に持ったきゅうりを齧りながら、にとりはつぶやく。

「ええ、まあ……仕方のない事だと……」

　悲しそうに眉をひそめる椛。

「これは……ある意味異変なんでしょうかね？」

　とカメラを片手に少し落ち込んだ表情をしていた射命丸をみながら守矢の面々がさらに大きいため息を付く。

「八坂様……やはり信仰が足りないからでしょうか？」
「いや、この場に関しては信仰の向いている方向が違うだけだよ、早苗」

「あーうー、そうだよねっ」

　暗い表情がならぶ守矢の面々の中で唯一明るい表情の諏訪子。

「でもさ、私達なんてまだいいじゃない」

　そう言いながら諏訪子はさらに暗くなっている部分を指す。
早苗は目を凝らしその暗くなっている所を見てみると……
自分達の所よりもさらに暗く落ち込んでいる集団がいくつかあるのが見えた。

　どの集団もテーブルに突っ伏しており、あちらこちらで「はぁ」と大きなため息を付く音が聞こえてくる。
ただ、そんな中にも明るい場所が数ヶ所あった。

　暗い空気のテーブルの中で唯一「にゃーん！！」と笑顔を浮かべるお燐。
　それと、ナズーリンや小傘、一輪やムラサ船長、虎と白蓮の集団も心なしか明るいみたい。
　ただ、白蓮達のいるテーブルには、一つだけ空席があったが……

　よくみると、空席のあるテーブルは他にもあった。　が、そこに誰が座るのかは分からない……

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　そんな暗い空気の中で、申し訳なさそうに立ち上がる人影があった。

「あ、あの……呼ばれたんで……行って来ます」

「はぁ、いいねぇ。　アンタは毎日呼ばれてさ」
「本当ですよ、私なんてここ数ヶ月呼ばれてもいないんですから」

　申し訳なさそうに立ち上がった厄神の鍵山　雛の姿をみた周りの面々が小さく文句を言い始める。
所々で「チッ」という舌打ちも聞こえてくる。

「はぁ。　まあ雛は良いとしようよ。　でもさ、私達に関係のないあいつらの方はどうかと思うね」

　苦虫を噛み潰した様な表情のにとりが指差した方向には、小さな青い竜に乗った小さい女の子の姿があった。
その小さな青い竜と小さな女の子は次の出番に備えてアップを始めていた。

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「今日の弾幕ごっこはまたアンタとか」

　霊夢は、またか！　という表情を浮かべる。

「ええ、よろしくお願いするわ」

　ここ数日、いや数ヶ月以上もこのやり取りは続いている。
偶に白黒の魔法使いが相手になる時があるけど、やっている事はまったく同じ。

「でもさ、これって弾幕ごっことは言えないと思うんだよね」

　すでに、この先の流れを知っている霊夢がガッカリする。
それは雛にも分かっていた。
多分、霊夢には物凄いストレスが溜まっているに違いないと。
もし、同じ事をやれと言われても、雛にはそれが出来る自信はなかった。

「ま、仕方ない。　じゃあ始めますか」

「はい、よろしくお願いいたします」

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「偶には他の人達とも弾幕ごっこをしてあげて欲しいわ」

　まったく攻撃をしてこない霊夢を見つめながら、雛は大鐘婆の火のスペカを取り出す。
このスペカはすでに霊夢には見切られている。

「まあ、次の流刑人形のスペカが霊夢は苦手なのよね」

　大鐘婆のスペカが終わり、流刑人形のスペカを発動する。
緊張で顔を強張らせた霊夢を見て、「でも、なんで攻撃しないのかしら？」と首をかしげる雛であった。