「た、大変だよレイセン」
「何、どうしたのよてゐ?」
「永琳様がものすごい剣幕で怒りながらレイセンのこと探してるの!!」
「ええ!? 私、別に何も怒られるような事してないよ?」
「そんなこと言ったって怒ってる物は怒ってるんだから」
「ええ、何で何で!?」
「ははぁ、もしかしてあの事かな……」
「あの事って?」
「永琳様ってさ、外に専用の倉を持ってるじゃない?」
「ああ、秘蔵の薬や材料を保管しておくための」
「それを」
「それを?」
「売っ払っちゃた。てへっ♪」
「なんてことぉぉぉぉっ!!」
「まぁ、怒って当然だわね」
「ちょっと待って、何でその怒りの矛先が私に向いてるわけ!?」
「その理由は」
「その理由は?」
「レイセンが持ち出してました、って言っちゃったから。てへへっ♪」
「Noooooooow!!」
「それはともかく、急いで隠れた方が良いって」
「イヤ、あんたが白状すればいいだけのことでしょう!?」
「それは断る!!」
「なんでぇ!?」
「そんな事をするくらいだったら『レイセンはここですよー』って永琳様に密告する事を選んだ方がマシよ」
「うう、何と何を比べてマシなのか判らないけど。ここは隠れるしかないみたいね」
「しっ、もう永琳様すぐそこまで来てるわ」
「ええ、本当?」
「地上の兎の耳を侮らない事ね。ひとまずこの押し入れに隠れて」
「う、うん。でもこのぐらいじゃ師匠を誤魔化せないんじゃ』
「とりあえずつっかえ棒で開けられないようにしとくわね」
『ありがとう。……あれ、それって外側からじゃ意味が無いんじゃ?』
「ああ、ごめーん。それじゃ、この熱さ7mmの鉄板で外からも開けられないようにしとくわ」
『それなら完璧かも。え、でもこれって内側からも開けられないんじゃない?』
「エー何ー? 鉄板のせいで聞こえないんだけどー?」
『イヤこっちはよく聞こえる、っていうか地上の兎の耳の凄さはどこに行ったの!?』
「とりあえず、永琳様の機嫌が落ち付くのを見計らってまた来るから。それまではそこで待ってて」
『その前に明かりとか食べるものとか、いやそれ以前にここトイr……』
「じゃー、また後でか明日かそれ以降にね~」
『ちょっとてゐ待って待ってマテーっ』
「きっと永琳様もすぐに落ち着くと思うから~」
「ま、嘘なんだけどね」
「姫様、お話が」
「どうしたのイナバ? 話してみなさい」
「実は先ほど、藤原 妹紅から勝負の申し込みがありまして……」
「あの子も懲りないわねぇ、フフフ」
「『今日はおまえが未だかつて味わった事もない技で昇天させてやる。もちろん、性的な意味で』と申しておりました」
「……何ですって?」
「『未だかつて』」
「もっと後!!」
「『昇天』」
「おしいっ、っていうかそれも正解の一つだけど、重要なのはその後!!」
「『性的な意味で昇天させてやる』」
「大正解!! …………うふふ、ようやくその気になってきたのね妹紅」
「あの、姫様?」
「蓬莱の玉の枝を……いや最初からそれはマズイかしら?」
「あのう……」
「まずは龍の頸の玉を……そして燕の……いやこれ以上は言えないわ!!」
「はぁ、言えないんですか」
「イナバ、永琳に出かけてくるって伝えてちょうだい。二時間、いや一泊してくるかもしれないわ」
「なかなか、具体的な時間がでましたね」
「聞きたい? 訳を聞きたい? 内容を聞きたい? 結果を聞きたい? 」
「ええ。事が終わりましたら、是非。行ってらっしゃいませ」
「フフフ、待っていなさい妹紅」
「ま、嘘なんだけどね」
「永琳様、姫様がお出かけになりました」
「あらあら、また妹紅の所へ行ったの? あの二人も飽きないわねぇ」
「永琳様は行かれないのですか?」
「どうせいつもの殺し合いでしょう? 放っておいても問題ないわ」
「いえ、何でも今日は『時間無制限体力限界勝負、己の技術と道具を使いこなせ昇天合戦。もちろん、性的な意味で』を行うとか……」
「……何を馬鹿な事を言ってるの。詳しく説明してちょうだい?」
「その前に、鼻血を止めた方が」
「蓬莱の薬を飲んだ者が失血死をするとでも? しないわね? ならば問題ないわね? だったら説明しなさい。すぐに。今」
「ええ、実はですね…………」
「なるほど、そういう事ならこの映倫、是が非でも様子を見に行かなければならないわ」
「気のせいか、発音が間違っていたような気がしますが?」
「何の事かしら。私はちゃんとビデ倫と言ったはずよ」
「そうですか、それならば姫様達の様子を見てくるのは当然の事ですね」
「ええ、行ってくるわ。そうだ、烏天狗に会ったら大至急来るように伝えてちょうだい。もちろんカメラ持参で」
「判りました、会ったら伝えておきます。いってらっしゃいませ」
「姫、このメディ倫今すぐ参ります!!」
「ま、嘘なんだけどね」
「あー、てゐ!! さっきはよくも騙してくれたわね」
「あれぇ、レイセン意外と早く出て来れたわね」
「天井裏を伝って出て来られる事に気付いたのよ、あと少し遅かったら大変だったじゃない」
「大変だったって何がぁ?」
「…………何かがよ!!」
「ふーん。そんな事より永琳様と姫様はもう帰ってきてる?」
「いや、見てないけど。あ、まさかあの二人にもなんかやったんじゃ!?」
「あったり~。あの二人が帰ってくる前に私はひとまず隠れる事にするから」
「どこへ隠れるつもりなのよ?」
「それは内緒♪ でも今のうちならまだ逃げ切れるでしょ、私の足なら」
「まぁ、そりゃそうよね。あなた逃げ足速いから捕まらないでしょうね」
「そういうこと。じゃ~ね~」
「でも、帰ってきてないっていうのは嘘なのよね」
「それで、扉の前に待ち伏せしてたあんた達に捕まったわけだ」
「どうせあの子が逃げたって行くところは見当が付くのだけれどね、例えばこの神社とか」
「詐欺で稼いだお金を全部献上するって言うなら匿ってもいいけれどね」
「そういう事を防止するためにも、こうしてお土産持参で来てるんじゃない。匿ったりしたらダメよ?」
「私はその時に一番たくさんの賽銭を入れてった奴の味方よ」
「あら、ならばさっきの羊羹は返して貰わなければならないわね」
「返すぐらいなら今すぐに食べるわ、切ってくるから待ってなさい」
「悪いわね、私もあの羊羹好きなのよ」
「そういえば」
「なあに?」
「結局その兎はどうしたの?」
「特にお咎めは無しよ、今回は騙された私達もバカだったわ」
「ふ~ん、確かにその通りだわ。バカばっかりね」
「ま、嘘なのだけれどもね」
「何、どうしたのよてゐ?」
「永琳様がものすごい剣幕で怒りながらレイセンのこと探してるの!!」
「ええ!? 私、別に何も怒られるような事してないよ?」
「そんなこと言ったって怒ってる物は怒ってるんだから」
「ええ、何で何で!?」
「ははぁ、もしかしてあの事かな……」
「あの事って?」
「永琳様ってさ、外に専用の倉を持ってるじゃない?」
「ああ、秘蔵の薬や材料を保管しておくための」
「それを」
「それを?」
「売っ払っちゃた。てへっ♪」
「なんてことぉぉぉぉっ!!」
「まぁ、怒って当然だわね」
「ちょっと待って、何でその怒りの矛先が私に向いてるわけ!?」
「その理由は」
「その理由は?」
「レイセンが持ち出してました、って言っちゃったから。てへへっ♪」
「Noooooooow!!」
「それはともかく、急いで隠れた方が良いって」
「イヤ、あんたが白状すればいいだけのことでしょう!?」
「それは断る!!」
「なんでぇ!?」
「そんな事をするくらいだったら『レイセンはここですよー』って永琳様に密告する事を選んだ方がマシよ」
「うう、何と何を比べてマシなのか判らないけど。ここは隠れるしかないみたいね」
「しっ、もう永琳様すぐそこまで来てるわ」
「ええ、本当?」
「地上の兎の耳を侮らない事ね。ひとまずこの押し入れに隠れて」
「う、うん。でもこのぐらいじゃ師匠を誤魔化せないんじゃ』
「とりあえずつっかえ棒で開けられないようにしとくわね」
『ありがとう。……あれ、それって外側からじゃ意味が無いんじゃ?』
「ああ、ごめーん。それじゃ、この熱さ7mmの鉄板で外からも開けられないようにしとくわ」
『それなら完璧かも。え、でもこれって内側からも開けられないんじゃない?』
「エー何ー? 鉄板のせいで聞こえないんだけどー?」
『イヤこっちはよく聞こえる、っていうか地上の兎の耳の凄さはどこに行ったの!?』
「とりあえず、永琳様の機嫌が落ち付くのを見計らってまた来るから。それまではそこで待ってて」
『その前に明かりとか食べるものとか、いやそれ以前にここトイr……』
「じゃー、また後でか明日かそれ以降にね~」
『ちょっとてゐ待って待ってマテーっ』
「きっと永琳様もすぐに落ち着くと思うから~」
「ま、嘘なんだけどね」
「姫様、お話が」
「どうしたのイナバ? 話してみなさい」
「実は先ほど、藤原 妹紅から勝負の申し込みがありまして……」
「あの子も懲りないわねぇ、フフフ」
「『今日はおまえが未だかつて味わった事もない技で昇天させてやる。もちろん、性的な意味で』と申しておりました」
「……何ですって?」
「『未だかつて』」
「もっと後!!」
「『昇天』」
「おしいっ、っていうかそれも正解の一つだけど、重要なのはその後!!」
「『性的な意味で昇天させてやる』」
「大正解!! …………うふふ、ようやくその気になってきたのね妹紅」
「あの、姫様?」
「蓬莱の玉の枝を……いや最初からそれはマズイかしら?」
「あのう……」
「まずは龍の頸の玉を……そして燕の……いやこれ以上は言えないわ!!」
「はぁ、言えないんですか」
「イナバ、永琳に出かけてくるって伝えてちょうだい。二時間、いや一泊してくるかもしれないわ」
「なかなか、具体的な時間がでましたね」
「聞きたい? 訳を聞きたい? 内容を聞きたい? 結果を聞きたい? 」
「ええ。事が終わりましたら、是非。行ってらっしゃいませ」
「フフフ、待っていなさい妹紅」
「ま、嘘なんだけどね」
「永琳様、姫様がお出かけになりました」
「あらあら、また妹紅の所へ行ったの? あの二人も飽きないわねぇ」
「永琳様は行かれないのですか?」
「どうせいつもの殺し合いでしょう? 放っておいても問題ないわ」
「いえ、何でも今日は『時間無制限体力限界勝負、己の技術と道具を使いこなせ昇天合戦。もちろん、性的な意味で』を行うとか……」
「……何を馬鹿な事を言ってるの。詳しく説明してちょうだい?」
「その前に、鼻血を止めた方が」
「蓬莱の薬を飲んだ者が失血死をするとでも? しないわね? ならば問題ないわね? だったら説明しなさい。すぐに。今」
「ええ、実はですね…………」
「なるほど、そういう事ならこの映倫、是が非でも様子を見に行かなければならないわ」
「気のせいか、発音が間違っていたような気がしますが?」
「何の事かしら。私はちゃんとビデ倫と言ったはずよ」
「そうですか、それならば姫様達の様子を見てくるのは当然の事ですね」
「ええ、行ってくるわ。そうだ、烏天狗に会ったら大至急来るように伝えてちょうだい。もちろんカメラ持参で」
「判りました、会ったら伝えておきます。いってらっしゃいませ」
「姫、このメディ倫今すぐ参ります!!」
「ま、嘘なんだけどね」
「あー、てゐ!! さっきはよくも騙してくれたわね」
「あれぇ、レイセン意外と早く出て来れたわね」
「天井裏を伝って出て来られる事に気付いたのよ、あと少し遅かったら大変だったじゃない」
「大変だったって何がぁ?」
「…………何かがよ!!」
「ふーん。そんな事より永琳様と姫様はもう帰ってきてる?」
「いや、見てないけど。あ、まさかあの二人にもなんかやったんじゃ!?」
「あったり~。あの二人が帰ってくる前に私はひとまず隠れる事にするから」
「どこへ隠れるつもりなのよ?」
「それは内緒♪ でも今のうちならまだ逃げ切れるでしょ、私の足なら」
「まぁ、そりゃそうよね。あなた逃げ足速いから捕まらないでしょうね」
「そういうこと。じゃ~ね~」
「でも、帰ってきてないっていうのは嘘なのよね」
「それで、扉の前に待ち伏せしてたあんた達に捕まったわけだ」
「どうせあの子が逃げたって行くところは見当が付くのだけれどね、例えばこの神社とか」
「詐欺で稼いだお金を全部献上するって言うなら匿ってもいいけれどね」
「そういう事を防止するためにも、こうしてお土産持参で来てるんじゃない。匿ったりしたらダメよ?」
「私はその時に一番たくさんの賽銭を入れてった奴の味方よ」
「あら、ならばさっきの羊羹は返して貰わなければならないわね」
「返すぐらいなら今すぐに食べるわ、切ってくるから待ってなさい」
「悪いわね、私もあの羊羹好きなのよ」
「そういえば」
「なあに?」
「結局その兎はどうしたの?」
「特にお咎めは無しよ、今回は騙された私達もバカだったわ」
「ふ~ん、確かにその通りだわ。バカばっかりね」
「ま、嘘なのだけれどもね」
いやウソなんすけどね
いや、ウソだけどもさ。
これでもうテメエは喋ることはできねえッ!!!
……清杉大好き。
いや、ホントなんですけどね。
いや、ウソなんだけどね。
いやウソだけどね
ところで、あとがきの最後のウソなんすけどねはどこに係ってるんだああぁあ!?