題名の通り、これは筆者の妄想に過ぎません。本気にしたら駄目ですよ? 後、グロテスクな描写も少しありますし短いです。
それでも大丈夫だという方は、良かったら見てやってください。
その日、男は群衆の中心に居た。
屋根の無い車へと乗り込み隣に座る女性と共に、自分を見つめる群集に笑顔で手を振っていた。
これから自らの身に起こる事など何も知らない笑顔で、群集に向かって手を振っていた。
その日、彼女は街の一角のビルから、群集の中心に居る男を見つめていた。
静かに無表情に、植物でも観察するかのように。
頭に付いた白く長い耳を退屈そうに弄りながら、その赤い瞳を細めてじっと見つめていた。
やがて予定の位置に、屋根の無い車に乗った男の頭部が来ると、彼女は赤い瞳をより一層赤く染める。
男を、束の間の狂気に、染め上げる為に。
男の視界が、暗転する。
気が付いた時には、彼の周りは一面の闇だった。
右を見ても闇。左を見ても闇。
そこには先程まで彼が乗っていた車も、彼と共に笑顔で手を振っていた女性も、もちろん彼を取り囲んでいた群衆も、誰も居なかった。
恐怖を覚える前に、男は自分を見つめる視線に気付いた。
高く、遠い位置からこちらを見下ろす、一対の赤い視線。
恐怖を覚える前に、男は全ての事がどうでも良くなっていた。
その赤と視線を合わせた途端、体中の力が弛緩し壊れた笑みが自然と浮かんでも、その時の男にとってはどうもで良くなっていた。
本当に全部が、どうでも良くなっていた。
一対の赤い視線の下に、何かが裂けた様な物がドロリと浮かび上がった。
それは、赤い視線の主が浮かべた、笑みの残滓だった。
男を見下ろしていた彼女が浮かべた、赤い赤い笑みだった。
そして、全てがどうもで良くなっていた男にとって、そんな事は勿論、どうでも良かった。
彼女が銃を真似る様に人差し指をこちらに向けても、男にとってはどうでも良かった。
彼女の赤い赤い笑みがドロリとさらに深くなっても、男にとってはどうでも良かった。
彼女の裂けた様に広がる口が何かの言葉を紡いでも、男にとってはどうでも良かった。
そして、突然襲ってきた頭がブレる感覚と共に、自分が何処かへと堕ちていっても、男にとってはもうどうでも良かった。
歓声は、瞬時に悲鳴へと変わった。
そこにさらに怒号が混じり、周囲は混乱に支配される。
屋根の無い車に乗って笑顔で手を振っていた男は、いつの間にか頭部が少し減ってしまっていた。
吹き飛んだ男の頭の一部を、隣に座っていた女性が取りに行こうと這い出るが、すぐに屈強な数人の男達に引き戻された。
群集を形作っていた十人十色の人々は、その対応も十人十色だった。
ある者は悲鳴と共に昏倒し、ある者は怒号と共に駆け寄ろうとし、またある者は瞳を好奇色に輝かせながら周囲を見渡していた。
そしてその全てが、街の一角から見下ろしている彼女にとっては、もうどうでも良かった。
だから彼女は、すぐにその場から颯爽と立ち去った。
サヨナラ、と声に出さずに遺しながら。
1963年11月22日。
J・F・ケネディ暗殺という単語が、世界を駆け巡り、そして震撼させた。
しかしあの特番、数年前の特番の画像を使い回し・・・
あとはリー・ハーベイ・オズワルドに「貴方を、犯人です」ってぎゅわーんとやれば万事オッケーと。
月の兎の暗殺能力はホント地獄だぜフゥハハハーハァー。
確かに能力的には、単独でのテロ活動向きですもんねぇ
うむ、細かい突っ込み抜きで面白かったですw
唸り声しかでない~~~~(><
この着眼点、発想力、そして構成力は凄すぎる!
お見事、お見事としかいいようがないです。感服。