お話の流れにつきましては、同シリーズ第一章をご覧下さい
あらすじ
欲望のレベルが高すぎるんだよ。
ケース3 うさぎさんの場合
今朝、起きると同時に師匠の部屋に呼ばれた。
服を着替えてから、と言ったのだけど、「いいから早く来なさい」とのこと。何を焦っているんだろうと思ったけれど、きっと何か忙しいのかな、って思ったので、言われたとおりにすることにした。師匠の大変さはよくわかっているつもりだし。
でも。
でもね。
「じゃ、これ着て」
逃げ出してやろうと思いました。
「……あの……それ……なんですか?」
「メイド服」
いや、そりゃ見ればわかります。何せ、私たちの知り合いに完全無欠のメイドさんがいるじゃないですか。
ただね、師匠。私が聞きたいのはそういうことじゃないんです。
「何で、私がメイド服を着ないといけないんですか……?」
「見てみたいから」
うわ即答ですよ。
いや、そう言ってもらえるのは、確かにちょっと嬉しい。
師匠が、私のメイド服姿を見て『似合ってるわよ、ウドンゲ』『そんな、師匠。私なんか……』『いいえ、あなたにならどんな服を着せても似合うとわかっているの。だって、あなたはこんなにかわいいんだもの』『ああっ、師匠、いけません。私とあなたは師弟関係であって……』『うふふ、そんなの関係ないわ。さあ、メイドのレッスンを始めましょうか。ご主人様の夜を預かるのもメイドのたしなみよ』(以降、あまりにも春すぎるのでリリーホワイトが「みんなに配ってきます」と持って行ってしまったのでカット)、なんて展開があるならそれはそれで!
「ウドンゲに似合いそうでしょ?
……って、どうしたの? 何か顔赤くして体よじってくねくねして。色っぽいからやめて」
「……はっ!」
いかんいかん、変な世界にトリップしてしまっていたみたい。
ダメだなぁ、こんな妄想してるようじゃ。そんなんだから、私の狂気の瞳が、最近、『春色の瞳』とか言われるんだ。ちなみに意味はよくわからないので却下。ただ、私のこの力を受けた人曰く、『気持ちいい』らしい。
……う~ん。よくわかんない。
「まぁ、ともあれ。
これを着なさいと言ったら着なさい」
「いや、だから待って下さいよ。第一、何でメイド服なんですか? そんな、私を愛でるなら普通の服のが萌えるって言ってたの、師匠じゃないですか」
「ちっちっち、わかってないわね」
「何がですか?」
「普段、あえて着ない服を着ることで発見される領域もあるのよ!」
ぐぐっ、と拳握り、私の師匠は宣言してくれました。
「普段は見ない、あの子のあんな素顔! これだけでご飯三杯は軽くいけるわ!
しかもその素顔が、普段のあの子の顔とは全く違って、新しい領域を発見するに至り、しかもそれが『きたこれ!』なら言うことなし!
だから、私にもそう言う体験をさせなさい」
「あー……えっと……」
「ちなみに、姫には了解をもらってあるから心配しなくていいわよ。
『ねぇ、永琳、私のは?』って聞いてきたから、華麗に『ありません』って笑顔でスルーしておいたから」
……いや、あの……それでいいんですか? あなた……。
「さあ、さあ! ウドンゲ! れっつメイドさん!」
「あ、ああの……」
やばい、何か目が怖い。
目がぴかって光りそうだ。光った瞬間、十字架が立ちそうだ。この人、よく考えてみたら、真の実力は東方でもトップクラスって有名だし。
逃げられない。っていうか逃げ出したい。何か色々とやばそうだし。
ああ、でも、この人は私の師匠なのよ。敬愛する人なのよ。っていうかむしろ、一緒にいることで無類の喜びを感じる人のお側にいるこの状態をメイドさんと考えたら、私ってメイドさん? それならこの服を……いやでも待て、絶対、何か下心ある。というか、下心しかないような気がする。
だ、だが、それでいいのか? 鈴仙。
大恩ある人の申し出をむげに断るのか? むしろ断れという話はなかった方向で!
そ、そうだ。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメなんだ!
「……わ、わかりました。き、着ます。私、着ます!」
「よく言った!
じゃ、あっちでお願いね。あ、ちなみに、生着替えだから。5分でご開帳よろしく」
「ええーっ!?」
はいスタート、なんて腕時計を見る師匠。まずい、こんな着慣れてない服を五分で着ろだなんて! 着替えることが出来なかったらご開帳!? それって、あからさまにやばいじゃないですか!
え、えーっと、えーっと……と、とにかく、出来る限り全力でぇぇぇぇぇっ!
「え、えっと……ここがこうなって……こうだから……」
『もーいーいー?』
「ま、まだですー!」
『あとさんぷーん』
「ひぃぃぃぃぃっ!」
鈴仙、最大のぴーんち!
ええい、こうなったら、月のうさぎ魂、見せてやりましょう! ムーンラビットパワー、メイクあーっぷ!
「こ、これでいかがですかっ!?」
残り一分を切ったところで、私は師匠の前に現れることが出来た。何かあからさまに『ちっ』って顔されたけど……気のせいよね、うん。
「ふーん」
「や、やだ。あんまり見ないで下さいよぅ……」
「……」
じろじろと、師匠の視線がまとわりつく。
顔、胸、腰、お尻、足、そして体全体に。
あ、ああ、ダメ……ダメです、師匠……。そんなに見られたら、私、私……ああっ! もう我慢出来ないですぅーっ!
「ほい」
「はえ?」
何か色々危ない状況に陥りそうになった瞬間、師匠の取り出したものが私の顔に装着された。
何だろう、これ……、と思った次の瞬間。
「メガネメイドウドンゲぇぇぇぇぇっ!」
「ひぃっ!?」
何か叫びつつ、師匠がのけぞりました。そりゃ見事なブリッジ。そのまま立ち上がれば荒れた川も静かになります。
「さ、最高よ! 最高よ、ウドンゲ!」
「は、はひ……」
「やっぱり私の見立てに狂いはなかったわ!
メガネ! メイド! うさみみ! 巨乳……って……まぁ、これについてはいいとして」
「そこが除外ですか!?」
「そして大人しくも私に絶対のツンデレのデレ部分を取り出したあなたのその性格! 全てが! 全てが私のハートにクリティカルよぉぉぉぉ!」
涙と鼻血とあと何かよくわからない液体垂れ流しながら、私の肩をしっかりと抱く師匠。その顔は、これぞ至福の喜び、我が障害に一片の悔いなし、的な要素が漂いまくり。
……喜んでもらって嬉しいです、師匠。うん……何か大切なものを因果地平の彼方に置き忘れてきたような気もしますけど。あ、ちょっと待って下さい、画面全部巻き込むマップ兵器は反則ですって。
「うふふふふふ」
「あ、あの、師匠?」
「……やはり、私は幸せ者ね。こんなに素敵な弟子がもてたなんて……」
「し、師匠……」
「ウドンゲ」
「は、はいっ!」
さっきまでの液体垂れ流しぶりはどこへやら。
真面目な顔で私を抱きしめる師匠に、思わず感無量です。涙で前がかすんで見えません!
「撮影会よ」
「……はい?」
その涙も止まりました。
「今日のこの日を永遠のメモワールに!
この、素晴らしき幻想の写真機で、余すところなく撮影よ!」
「どこからんなものを……」
「お掃除をやってへまをするウドンゲ! お料理をしていて指を切っちゃうウドンゲ! 嬉し恥ずかしどっきりハプニングに頬を染めるウドンゲ!」
……。
……私、狂気の瞳、使ってませんよ?
「そして、そして……!」
あ、何かため作ってる。
「たくしあげっ!」
「……………」
「さあ、あっちの部屋に行きましょう。スタジオの用意は調ってるの」
「す、スタジオっ!?」
「さあ、さあ、さあ!」
「いや、ちょっ、痛っ!? 痛いですっ!」
「いいから早く来なさい! 大丈夫、悪いようにはしないから。さあ、楽しみましょう、ウドンゲっ!」
「あ、ああああああああああ」
人生って。
逃げてもいい日があるんだな、って。私はその時、悟りました。
とりあえず、色々やばいことになる前にラストワード発動して逃げてきましたけど……明日から、永遠亭に入るのが怖いよぅ……めそめそ。うさぎは寂しいと死んじゃうんですよぅ……。
「大丈夫よ、ウドンゲ」
「……はっ!?」
「布団の中まで付き合うわ」
追いつかれました。
あらすじ
欲望のレベルが高すぎるんだよ。
ケース3 うさぎさんの場合
今朝、起きると同時に師匠の部屋に呼ばれた。
服を着替えてから、と言ったのだけど、「いいから早く来なさい」とのこと。何を焦っているんだろうと思ったけれど、きっと何か忙しいのかな、って思ったので、言われたとおりにすることにした。師匠の大変さはよくわかっているつもりだし。
でも。
でもね。
「じゃ、これ着て」
逃げ出してやろうと思いました。
「……あの……それ……なんですか?」
「メイド服」
いや、そりゃ見ればわかります。何せ、私たちの知り合いに完全無欠のメイドさんがいるじゃないですか。
ただね、師匠。私が聞きたいのはそういうことじゃないんです。
「何で、私がメイド服を着ないといけないんですか……?」
「見てみたいから」
うわ即答ですよ。
いや、そう言ってもらえるのは、確かにちょっと嬉しい。
師匠が、私のメイド服姿を見て『似合ってるわよ、ウドンゲ』『そんな、師匠。私なんか……』『いいえ、あなたにならどんな服を着せても似合うとわかっているの。だって、あなたはこんなにかわいいんだもの』『ああっ、師匠、いけません。私とあなたは師弟関係であって……』『うふふ、そんなの関係ないわ。さあ、メイドのレッスンを始めましょうか。ご主人様の夜を預かるのもメイドのたしなみよ』(以降、あまりにも春すぎるのでリリーホワイトが「みんなに配ってきます」と持って行ってしまったのでカット)、なんて展開があるならそれはそれで!
「ウドンゲに似合いそうでしょ?
……って、どうしたの? 何か顔赤くして体よじってくねくねして。色っぽいからやめて」
「……はっ!」
いかんいかん、変な世界にトリップしてしまっていたみたい。
ダメだなぁ、こんな妄想してるようじゃ。そんなんだから、私の狂気の瞳が、最近、『春色の瞳』とか言われるんだ。ちなみに意味はよくわからないので却下。ただ、私のこの力を受けた人曰く、『気持ちいい』らしい。
……う~ん。よくわかんない。
「まぁ、ともあれ。
これを着なさいと言ったら着なさい」
「いや、だから待って下さいよ。第一、何でメイド服なんですか? そんな、私を愛でるなら普通の服のが萌えるって言ってたの、師匠じゃないですか」
「ちっちっち、わかってないわね」
「何がですか?」
「普段、あえて着ない服を着ることで発見される領域もあるのよ!」
ぐぐっ、と拳握り、私の師匠は宣言してくれました。
「普段は見ない、あの子のあんな素顔! これだけでご飯三杯は軽くいけるわ!
しかもその素顔が、普段のあの子の顔とは全く違って、新しい領域を発見するに至り、しかもそれが『きたこれ!』なら言うことなし!
だから、私にもそう言う体験をさせなさい」
「あー……えっと……」
「ちなみに、姫には了解をもらってあるから心配しなくていいわよ。
『ねぇ、永琳、私のは?』って聞いてきたから、華麗に『ありません』って笑顔でスルーしておいたから」
……いや、あの……それでいいんですか? あなた……。
「さあ、さあ! ウドンゲ! れっつメイドさん!」
「あ、ああの……」
やばい、何か目が怖い。
目がぴかって光りそうだ。光った瞬間、十字架が立ちそうだ。この人、よく考えてみたら、真の実力は東方でもトップクラスって有名だし。
逃げられない。っていうか逃げ出したい。何か色々とやばそうだし。
ああ、でも、この人は私の師匠なのよ。敬愛する人なのよ。っていうかむしろ、一緒にいることで無類の喜びを感じる人のお側にいるこの状態をメイドさんと考えたら、私ってメイドさん? それならこの服を……いやでも待て、絶対、何か下心ある。というか、下心しかないような気がする。
だ、だが、それでいいのか? 鈴仙。
大恩ある人の申し出をむげに断るのか? むしろ断れという話はなかった方向で!
そ、そうだ。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメなんだ!
「……わ、わかりました。き、着ます。私、着ます!」
「よく言った!
じゃ、あっちでお願いね。あ、ちなみに、生着替えだから。5分でご開帳よろしく」
「ええーっ!?」
はいスタート、なんて腕時計を見る師匠。まずい、こんな着慣れてない服を五分で着ろだなんて! 着替えることが出来なかったらご開帳!? それって、あからさまにやばいじゃないですか!
え、えーっと、えーっと……と、とにかく、出来る限り全力でぇぇぇぇぇっ!
「え、えっと……ここがこうなって……こうだから……」
『もーいーいー?』
「ま、まだですー!」
『あとさんぷーん』
「ひぃぃぃぃぃっ!」
鈴仙、最大のぴーんち!
ええい、こうなったら、月のうさぎ魂、見せてやりましょう! ムーンラビットパワー、メイクあーっぷ!
「こ、これでいかがですかっ!?」
残り一分を切ったところで、私は師匠の前に現れることが出来た。何かあからさまに『ちっ』って顔されたけど……気のせいよね、うん。
「ふーん」
「や、やだ。あんまり見ないで下さいよぅ……」
「……」
じろじろと、師匠の視線がまとわりつく。
顔、胸、腰、お尻、足、そして体全体に。
あ、ああ、ダメ……ダメです、師匠……。そんなに見られたら、私、私……ああっ! もう我慢出来ないですぅーっ!
「ほい」
「はえ?」
何か色々危ない状況に陥りそうになった瞬間、師匠の取り出したものが私の顔に装着された。
何だろう、これ……、と思った次の瞬間。
「メガネメイドウドンゲぇぇぇぇぇっ!」
「ひぃっ!?」
何か叫びつつ、師匠がのけぞりました。そりゃ見事なブリッジ。そのまま立ち上がれば荒れた川も静かになります。
「さ、最高よ! 最高よ、ウドンゲ!」
「は、はひ……」
「やっぱり私の見立てに狂いはなかったわ!
メガネ! メイド! うさみみ! 巨乳……って……まぁ、これについてはいいとして」
「そこが除外ですか!?」
「そして大人しくも私に絶対のツンデレのデレ部分を取り出したあなたのその性格! 全てが! 全てが私のハートにクリティカルよぉぉぉぉ!」
涙と鼻血とあと何かよくわからない液体垂れ流しながら、私の肩をしっかりと抱く師匠。その顔は、これぞ至福の喜び、我が障害に一片の悔いなし、的な要素が漂いまくり。
……喜んでもらって嬉しいです、師匠。うん……何か大切なものを因果地平の彼方に置き忘れてきたような気もしますけど。あ、ちょっと待って下さい、画面全部巻き込むマップ兵器は反則ですって。
「うふふふふふ」
「あ、あの、師匠?」
「……やはり、私は幸せ者ね。こんなに素敵な弟子がもてたなんて……」
「し、師匠……」
「ウドンゲ」
「は、はいっ!」
さっきまでの液体垂れ流しぶりはどこへやら。
真面目な顔で私を抱きしめる師匠に、思わず感無量です。涙で前がかすんで見えません!
「撮影会よ」
「……はい?」
その涙も止まりました。
「今日のこの日を永遠のメモワールに!
この、素晴らしき幻想の写真機で、余すところなく撮影よ!」
「どこからんなものを……」
「お掃除をやってへまをするウドンゲ! お料理をしていて指を切っちゃうウドンゲ! 嬉し恥ずかしどっきりハプニングに頬を染めるウドンゲ!」
……。
……私、狂気の瞳、使ってませんよ?
「そして、そして……!」
あ、何かため作ってる。
「たくしあげっ!」
「……………」
「さあ、あっちの部屋に行きましょう。スタジオの用意は調ってるの」
「す、スタジオっ!?」
「さあ、さあ、さあ!」
「いや、ちょっ、痛っ!? 痛いですっ!」
「いいから早く来なさい! 大丈夫、悪いようにはしないから。さあ、楽しみましょう、ウドンゲっ!」
「あ、ああああああああああ」
人生って。
逃げてもいい日があるんだな、って。私はその時、悟りました。
とりあえず、色々やばいことになる前にラストワード発動して逃げてきましたけど……明日から、永遠亭に入るのが怖いよぅ……めそめそ。うさぎは寂しいと死んじゃうんですよぅ……。
「大丈夫よ、ウドンゲ」
「……はっ!?」
「布団の中まで付き合うわ」
追いつかれました。
あと、このシリーズ、何気に出てくるリリーが良い味出してますね(w
ぴょんと伸びた白いうさみみはかわいらしく、今日も彼女は健気で元気。
すなわち うさみみメイドさんとは 絶対的正義。
良くぞ達成してくださいました。私もいつかやろうとしていたのに……ならば私は絵のほうでごめん無理。
ただ一点だけ。うさみみでどうやって眼鏡かけるんですか?w
そしてレスありがとうございます。
ふむ……アリスはロンスカゆえにサイハイガーターひも(ry・当然全て清純な白)にこだわってみたいという私がいます。しかし安易にアンダーウェアにこだわるはやはり基本を見失っている証なのでしょうか。
清純な白のフルバック……なるほど、ご高説ありがとうございました。
師匠の選球眼はもはや流石としか良いようがないぜ。
メイドッ!うっさみみっ!めがねっ!!たっくしあげっ!!