Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

裏文花帖

2006/03/12 21:47:52
最終更新
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1
私、射命丸文は写真で食べています。
別に箸の代わりに写真を使う訳ではありません。撮った写真を売り飛ばして収入を得ているという意味です。
本業である新聞記者としての収入はゼロ。何しろ文々。新聞の購読者もゼロなんですから。とほほ。

其処で目を付けたのが生写真。

幻想郷の有名人達の写真を、熱烈なファンの人間共に売り付けるのです。
一人当たり二,三枚売ればあっという間に数万円、場合によっては数十万円にもなります。ボロい商売です。

さあ、今日も明日を生き延びる為に商売を始めましょう。

「さあさあ、幻想郷のアイドル写真は要らんかね~」
(ざわ・・・ざわ・・・・・・)

私の一声でこの人だかり。どんなもんですか。

「姉ちゃん。これは幾らするんだい?」
「一枚千円になりまーす」
「・・・・・・高いな」
「こちとら命張ってるんですから、我慢して下さーい」

嘘ではない。
これらの写真一枚一枚には、私の血と汗がこびり付いている。

「18番下さい」
「18番っと。あ、慧音さんですね。流石に人間の里では人気がありますねー」

人気のある人物は里によって大体決まっている。
人間の里では馴染みのある知識人、上白沢慧音は大人気だ。
ワーハクタクバージョンも取り揃えているのだが、かなりデンジャラスなショットなので偶にしか売る事が出来ない。私の命が危ういし。

「8番下さい」
「はいはい咲夜さんですね。これは新作ですよー」

あの紅魔館のメイド長も人気がある。

何でも人間の里にプライベートで訪れた際、スーパーにて練りわさびの万引き犯をあっという間に取り押さえた武勇伝があるそうだ。
その噂と咲夜の性格が相成ってか、特に女性の間では咲夜が憧れの的となっている。

「99番を・・・・・・」
「チルノちゃんですねー」

可愛い妖精シリーズも安定した売れ行きを誇る。
この写真は珍しくチルノちゃんが素の顔をしているのです。

「ん?何ですかそんなに顔を近づけて」
「・・・・・・(0番を)」
「!!」

・・・・・・来た。
0番は知る人ぞ知るトップシークレットナンバー。
最早犯罪すれすれの写真が満載の、大人向けコーナーだ。

「・・・・・・よろしい。後でスーパーコーリンの裏まで来るように」



「さあ、今日の0番はこれよ!」
「(ざわざわざわ)」

皆がざわめく。
無理も無い。何しろ0番は最低でも15歳未満お断りな描写のものばかりだ。
因みにこちらの写真は一枚五千円から一万円までのものを取り揃えてある。

「えーと、じゃあこれとこれとこれと・・・・・・」
「はい紫さんですね。
 あ、そちらは幽々子さんの(ピー)写真?好きですね貴方も。
 えーとちょっと待ってくださいね。むー、ツンデレアリスは只今品切れ中です。
 え、妖夢にウドンゲにレミリア様?守備範囲広いですねー」

忙しい忙しい。
まるで人がゴミの様だわ。

「おーい姉ちゃん」
「はいはい順番ですからお待ち下さい」
「あんたの事呼んでる奴が居るぜ」
「・・・・・・!?不味いわ店じまいよ!!」
「な!?お、おい待て!まだ写真貰って・・・・・・」
「見つけたぜこの変態盗撮魔天狗──────!」
「ちいっ!」

私はこうして「奴ら」に商売が見つかると、幻想郷最速の足で一目散に逃げるのです。
最近追い回して来るのは決まって霧雨魔理沙。私に唯一追いつける可能性のある人間だと聞きました。
しかし人間の分際で天狗に追い付こうなどとは片腹痛いです。

「大人しくその写真を寄こせ!」
「そうは行きません。『天狗烈風弾嵐の舞』!」
「・・・・・・ふん、写真なんかばら撒いて弾幕代わりのつもりか───って何だこの写真!?」
「頑張って拾ってくださいねー」

私は魔理沙が霊夢を押し倒す様子を撮った写真を、風に乗せてばら撒く。

「じょ、冗談じゃないぜ!」
「あは☆アリスさんにも送っておきますねー」
「鬼かああああっ!!」



そして我が家へと到着。

「ふぅ、今日は見つかるのが早かったわね。そろそろ新天地に移らなきゃ」

私は写真の現像をしながら呟く。

「何時しか幻想郷の住民は、私の写真の前に平伏すのよ。ふふふ」


彼女の隣では色あせた新聞が風に煽られ、バサバサと寂しげな音を立てていた。
完全に妄想。
文の私生活が気になります。
フォボス
コメント



1.名前を喰われた人削除
確かに気になりますな色々と。
2.名無し妖怪削除
堕ちるとこまで堕ちるのね…パパラッチ。
3.名無し妖怪削除
続きが夜みたい
4.名無し妖怪削除
かわいい妖精シリーズ全部ください! チルノ! 大妖精!
5.まりーん削除
うわ~、、、真っ黒…。