その日、彼女は覚悟を決めていた。
「師匠」
その瞳でまっすぐに目の前に座る女性を見据え、言う。
「私に……」
「何?」
「わ……たしに……っ!」
何事かと、目の前の女性は思ったらしい。思わず、居住まいを正し、相手の方を振り返る。
相手の少女――鈴仙・優曇華院・イナバは、顔を真っ赤に染め、小さく唇を震わせていた。その様子を一目見て、彼女――八意永琳は『まさか、何かの病気にかかった?』と考える。瞬間で相手の様子を確認するのは医者としての務めだ。
「どうしたの? どこか痛いの? 具合が悪いの?
あら、大変。じゃあ、まずは診察を……」
「そうじゃなくて!」
おろおろしだす永琳を一喝し、鈴仙。
きょとんとなる永琳に、改めて、彼女は真正面から言う。
「そ、その……その、ですね!?」
「……ええ。どうしたの?」
「お……」
「……お?」
「おっ……!」
彼女の顔は真っ赤で。しかも、どことなく刹那的な、切羽詰まった雰囲気を漂わせている。
一体、何があったのか。このかわいがっている少女に、何か……そう、看過することの出来ない『一大事』が起きたというのか。
ならば、この八意永琳、全力をもってそれを解決してみせよう。
彼女は、そう、心に誓う。この少女を悩ませたり、困らせたり、ましてや悲しませたりするようなことがあれば、断固として許さない。己の持てる全ての力をもってそれを排除してみせる。それを、永琳は改めて確認した後、『さあ、言いなさい』と視線で鈴仙を促す。
「おっ……!!」
「お……何?」
「おっぱいを大きくする方法を教えてくださいっ!!!」
「……………………………………………………………………………………」
一世一代の告白。
うん。
それは間違いない。
「さて、それじゃ、私はそろそろ寝る用意でも……」
「ああっ、待ってください、見捨てないでくださいお願いです師匠!」
「……いや、だって」
あんな真剣な顔で何を言うと思ったら。
いきなり『おっぱいを大きくする方法』ときたもんだ。そんな方法、本当にあるのなら私が実践してます――と、言ったら鈴仙は首をつるかもしれなかった。
自慢じゃないが、自分の胸部のごく一部は実に大きいと思う。今も実際、ひしっとすがりついてきている鈴仙の顔が埋まっているのだから。いい加減、苦しくなったのか、谷間からこちらを見上げてくるその姿は、潤んだ瞳と、何とも言えない独特の『乙女』な雰囲気と相まってくらっとくるものがある。
……まぁ、それはともあれとして。
「……えーっと。
何で大きくなりたいの?」
「何で……って……。
師匠……あなたは……あなたは、大きいからいいかもしれませんが! 私を始めとして、幻想郷の、ほぼ全て? の人々にとって、大きいのは夢なんですよ!? 私なんて、ほら、ほとんど掌サイズじゃないですか!」
むにむに。
「あんっ」
うむ。さわり心地良好、感度もよし、惜しむらくは本当に掌サイズなことなのだが、まぁ、世の中、『大きいことはいいことだ』とは言うが、別に『小さいことはよくありません』というわけではないので、逆説的に問題なし。
と、わけのわからないことを考えてから、彼女の胸に押し当てられていた自分の掌を引っ込める。
「大きい方がいいに決まってます!」
「でもねぇ、ウドンゲ。大きいと、ほら。大変なのよ?
肩は凝るし、揺れるし、ちゃんとお手入れしないとすぐに形が崩れるし。私だって、毎日毎晩……」
「きぃぃぃぃぃぃぃーっ!!」
「ああっ、ごめんなさい! 謝るから狂気の瞳の応用で悪夢を見せるのはやめてちょうだい!」
「はぁ~……はぁ~……はぁ~……」
一体、いつからこの弟子にこんな特殊能力が身に付いたのか小一時間確かめてやりたいところだったが、まぁ、ともあれ。
「まぁ、確かに、乳房は女性の母性の象徴だ、って言うしねぇ……」
「そうです!」
「じゃ、手っ取り早く、妊娠してみる?」
「……はい?」
「それが一番よ? 乳腺の発達で必然的に……」
「……あの、誰の子を?」
「私?」
その一言に。
こっそりと、その様子を覗き見していたてゐは語る。
「赤い橋は渡るのやだなぁ」
と。
「まぁ、それは冗談として」
「は……はひ……」
鼻に詰めたティッシュが間抜けだったが、永琳はそれを無視すると、
「じゃ、とりあえず、揉んでみましょうか」
「え?」
「医学的に言うならマッサージかしら。特に根拠もないけれど、揉んだら大きくなる、というのはこの星に伝わる伝説だからね」
「え? あの、師匠? ちょっと、あの、何だか目が怖い……」
「そういえば、この頃、身体検査をしてなかったものねぇ……」
わきわきと両手をやりながら歩み寄ってくる永琳に、何か言いしれないものを感じたのか、ずりずりと鈴仙が畳の上を後ずさっていく。どすん、と背中が壁にぶつかる。
「まず、上を脱がして……いや、待てよ……スカートとショーツだけをはぎ取って、というのも……ああ、ダメね、それはあまりにも鬼畜過ぎるから、やっぱりここは手と足を……」
「し、ししょー……?」
「しっんたっいけっんさ~♪ しっんたっいけっんさ~♪」
「な、何故そこまで楽しそうなんですか!?」
その時になって、初めて鈴仙は悟る。
しまった、墓穴を掘ってしまった、と。
こうなってはどうしようもない。何せ、永琳の得意技は、相手の逃げ場を完全包囲してなくしてから容赦ない弾幕で叩き落とすことだ。今の自分の状況がまさにそれではないか。逃げ道はなし、退路もない、目の前には勝てるはずのない人が……って。
「てゐっ!」
障子をこっそり開けてこっちを見ているうさみみ少女に視線が向いた。
やった、助かった!
その希望に彼女の顔は染まり、「助けて」と口に出そうとした瞬間、てゐは言った。
「ナイスおっぱい。がんばれ」
「あとで覚えてろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
この状態を招いたのがそもそも誰なのか、鈴仙は全く自覚してないセリフを放つ。
「この際だから、色々なところの具合も確かめておきましょう。将来、ウドンゲにいい相手が出来た時のために……。……いや、待て」
ぴたり、と永琳の動きが止まる。
「……そうよね。ウドンゲは私のものなんだから、この際、手込めにしちゃえばいいのね」
「はい!?」
「大丈夫。痛くしないから♪」
この人、ここまで変な人だっけ。
視界の全てを埋め尽くす、永琳の胸部で揺れ動くものを見つめながら、鈴仙はそんなことを考えたという。
ぐっばい、まいらいふ。
「えー、本日の因幡セールスの目玉品は『サイズが合わなくなったウドンゲのブラジャー』でございまーす」
後日、そんな風景がどこぞの神社の一角で見受けられたと言うが、その真偽のほどは定かではない。ただ、どことなく、鈴仙の胸部が増量したように見受けられ、一部の幻想郷の少女達が悔し紛れに永遠亭を強襲し、『第一次バスト大戦』を繰り広げたというのは有名な――。
「慧音、どうかした?」
「……頭が痛い。何でこんな歴史、守らにゃならんのだ……」
「大きい奴にはわからんのさ」
「……妹紅?」
「敵、発見」
「って、お前もかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「師匠」
その瞳でまっすぐに目の前に座る女性を見据え、言う。
「私に……」
「何?」
「わ……たしに……っ!」
何事かと、目の前の女性は思ったらしい。思わず、居住まいを正し、相手の方を振り返る。
相手の少女――鈴仙・優曇華院・イナバは、顔を真っ赤に染め、小さく唇を震わせていた。その様子を一目見て、彼女――八意永琳は『まさか、何かの病気にかかった?』と考える。瞬間で相手の様子を確認するのは医者としての務めだ。
「どうしたの? どこか痛いの? 具合が悪いの?
あら、大変。じゃあ、まずは診察を……」
「そうじゃなくて!」
おろおろしだす永琳を一喝し、鈴仙。
きょとんとなる永琳に、改めて、彼女は真正面から言う。
「そ、その……その、ですね!?」
「……ええ。どうしたの?」
「お……」
「……お?」
「おっ……!」
彼女の顔は真っ赤で。しかも、どことなく刹那的な、切羽詰まった雰囲気を漂わせている。
一体、何があったのか。このかわいがっている少女に、何か……そう、看過することの出来ない『一大事』が起きたというのか。
ならば、この八意永琳、全力をもってそれを解決してみせよう。
彼女は、そう、心に誓う。この少女を悩ませたり、困らせたり、ましてや悲しませたりするようなことがあれば、断固として許さない。己の持てる全ての力をもってそれを排除してみせる。それを、永琳は改めて確認した後、『さあ、言いなさい』と視線で鈴仙を促す。
「おっ……!!」
「お……何?」
「おっぱいを大きくする方法を教えてくださいっ!!!」
「……………………………………………………………………………………」
一世一代の告白。
うん。
それは間違いない。
「さて、それじゃ、私はそろそろ寝る用意でも……」
「ああっ、待ってください、見捨てないでくださいお願いです師匠!」
「……いや、だって」
あんな真剣な顔で何を言うと思ったら。
いきなり『おっぱいを大きくする方法』ときたもんだ。そんな方法、本当にあるのなら私が実践してます――と、言ったら鈴仙は首をつるかもしれなかった。
自慢じゃないが、自分の胸部のごく一部は実に大きいと思う。今も実際、ひしっとすがりついてきている鈴仙の顔が埋まっているのだから。いい加減、苦しくなったのか、谷間からこちらを見上げてくるその姿は、潤んだ瞳と、何とも言えない独特の『乙女』な雰囲気と相まってくらっとくるものがある。
……まぁ、それはともあれとして。
「……えーっと。
何で大きくなりたいの?」
「何で……って……。
師匠……あなたは……あなたは、大きいからいいかもしれませんが! 私を始めとして、幻想郷の、ほぼ全て? の人々にとって、大きいのは夢なんですよ!? 私なんて、ほら、ほとんど掌サイズじゃないですか!」
むにむに。
「あんっ」
うむ。さわり心地良好、感度もよし、惜しむらくは本当に掌サイズなことなのだが、まぁ、世の中、『大きいことはいいことだ』とは言うが、別に『小さいことはよくありません』というわけではないので、逆説的に問題なし。
と、わけのわからないことを考えてから、彼女の胸に押し当てられていた自分の掌を引っ込める。
「大きい方がいいに決まってます!」
「でもねぇ、ウドンゲ。大きいと、ほら。大変なのよ?
肩は凝るし、揺れるし、ちゃんとお手入れしないとすぐに形が崩れるし。私だって、毎日毎晩……」
「きぃぃぃぃぃぃぃーっ!!」
「ああっ、ごめんなさい! 謝るから狂気の瞳の応用で悪夢を見せるのはやめてちょうだい!」
「はぁ~……はぁ~……はぁ~……」
一体、いつからこの弟子にこんな特殊能力が身に付いたのか小一時間確かめてやりたいところだったが、まぁ、ともあれ。
「まぁ、確かに、乳房は女性の母性の象徴だ、って言うしねぇ……」
「そうです!」
「じゃ、手っ取り早く、妊娠してみる?」
「……はい?」
「それが一番よ? 乳腺の発達で必然的に……」
「……あの、誰の子を?」
「私?」
その一言に。
こっそりと、その様子を覗き見していたてゐは語る。
「赤い橋は渡るのやだなぁ」
と。
「まぁ、それは冗談として」
「は……はひ……」
鼻に詰めたティッシュが間抜けだったが、永琳はそれを無視すると、
「じゃ、とりあえず、揉んでみましょうか」
「え?」
「医学的に言うならマッサージかしら。特に根拠もないけれど、揉んだら大きくなる、というのはこの星に伝わる伝説だからね」
「え? あの、師匠? ちょっと、あの、何だか目が怖い……」
「そういえば、この頃、身体検査をしてなかったものねぇ……」
わきわきと両手をやりながら歩み寄ってくる永琳に、何か言いしれないものを感じたのか、ずりずりと鈴仙が畳の上を後ずさっていく。どすん、と背中が壁にぶつかる。
「まず、上を脱がして……いや、待てよ……スカートとショーツだけをはぎ取って、というのも……ああ、ダメね、それはあまりにも鬼畜過ぎるから、やっぱりここは手と足を……」
「し、ししょー……?」
「しっんたっいけっんさ~♪ しっんたっいけっんさ~♪」
「な、何故そこまで楽しそうなんですか!?」
その時になって、初めて鈴仙は悟る。
しまった、墓穴を掘ってしまった、と。
こうなってはどうしようもない。何せ、永琳の得意技は、相手の逃げ場を完全包囲してなくしてから容赦ない弾幕で叩き落とすことだ。今の自分の状況がまさにそれではないか。逃げ道はなし、退路もない、目の前には勝てるはずのない人が……って。
「てゐっ!」
障子をこっそり開けてこっちを見ているうさみみ少女に視線が向いた。
やった、助かった!
その希望に彼女の顔は染まり、「助けて」と口に出そうとした瞬間、てゐは言った。
「ナイスおっぱい。がんばれ」
「あとで覚えてろぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
この状態を招いたのがそもそも誰なのか、鈴仙は全く自覚してないセリフを放つ。
「この際だから、色々なところの具合も確かめておきましょう。将来、ウドンゲにいい相手が出来た時のために……。……いや、待て」
ぴたり、と永琳の動きが止まる。
「……そうよね。ウドンゲは私のものなんだから、この際、手込めにしちゃえばいいのね」
「はい!?」
「大丈夫。痛くしないから♪」
この人、ここまで変な人だっけ。
視界の全てを埋め尽くす、永琳の胸部で揺れ動くものを見つめながら、鈴仙はそんなことを考えたという。
ぐっばい、まいらいふ。
「えー、本日の因幡セールスの目玉品は『サイズが合わなくなったウドンゲのブラジャー』でございまーす」
後日、そんな風景がどこぞの神社の一角で見受けられたと言うが、その真偽のほどは定かではない。ただ、どことなく、鈴仙の胸部が増量したように見受けられ、一部の幻想郷の少女達が悔し紛れに永遠亭を強襲し、『第一次バスト大戦』を繰り広げたというのは有名な――。
「慧音、どうかした?」
「……頭が痛い。何でこんな歴史、守らにゃならんのだ……」
「大きい奴にはわからんのさ」
「……妹紅?」
「敵、発見」
「って、お前もかぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
( ゚∀゚)彡 えーりん!えーりん! おっぱいいっぱい!
⊂彡
やはり haruka氏は エロい な。
永琳先生の身体検査、なんかこう詳細を詳しく希望しますよ。
や h え な。
つまり主義範囲はAAA~上限無
ほら、あのキャラも丁度医者だし?
というか一部に咲夜さんも居たのだろうかと考えてしまう。