あるある、もしくはねーよでお答え下さい

あら、こんにちは文さん。

どうしたんですか、また新聞のネタ集めに？

……はあ、稗田家当主の独占インタビュー、ですか。

なるほど「幻想郷縁起の執筆秘話」で記事を。

ふふ、面白そうですね、人里に広める機会にもなりますし、私でよければお話ししましょう。



さて幻想郷縁起ですが、情報をまとめるだけだから簡単じゃないか、と思われる方もいますが、これで結構大変なんですよ？
文さんならお分かりでしょうけど、修正なんて簡単じゃありませんから誤字や脱字は特に。


そうですね、たとえば霊夢さん。
ええ、今頃お昼寝でもしてるんでしょうね。
彼女が「博霊」になっていたり「麗夢」さんになっていると泣きたくなります。
さすがにフルネームでは間違えませんが、油断するとついつい。

その友人の白黒魔法使いさん。
野草に関する書物を持っていくのはやめてほしいものです、一声かけてくれればいいんですが。
彼女は「魔里沙」さんになっちゃったりします。
里沙という知り合いがいるからでしょうか。

同じ魔法の森に住むアリスさんは、よく人里で人形劇やってますよね。
片仮名は間違えないだろうって？
そうでもないんですよ、「アリス・マーガロイド」になったりします。
大抵は名前なので、問題ないんですけど。

魔法使い繋がりでは、紅魔館の図書館の主さん。
パチュリー、パチェリー、パチュ、パチェ。
ええ、胸に名札つけてほしいですよね、もちろんひよこさんの。
片仮名だと分かりにくいので、ひらがなで。
司書の方も「子悪魔」さんになっちゃうのが困りものですし。

あと、ヴワル魔法図書館だと本気で信じてました。
ヴワルってなんなのか新聞の記事にしてみてはいかがでしょうか、はい、お願いします。

その子馬館――発音がおかしかったですね、紅魔館の門番。
メイリンさんの字で戸惑いました。
美しい鈴、みすずーみすずーと考えながら書くと間違えはしないんですが、そういう訳にもいきませんし。
今は霊夢さんのようにお昼寝中でしょうか。

美鈴さんの上司、になるんですかね、瀟洒なメイドさん。
里に買い物に来た時にお会いする事がありますが、同じ女性として憧れますね。
ただ「昨夜の夕飯美味しかったなあ」とか直前に考えていると「昨夜」さんになっちゃいます。
密かな要注意人物です。

ほかに人里で見かける方としては、白玉楼の庭師さんがいますね。
なにやら大量の食材を買い込んでいるのを見かけます。
「幼夢」になることがありますが、妙な説得力があって気付かないんですよね。
本人にはとても言えませんが。

あとは九尾の狐さんとか。
油揚げ、魚、油揚げ、ねぎ、油揚げ、白菜、油揚げ……と選んでいるのがとても微笑ましかったです。
あの尻尾モフりたいですよねえ、文さんもですか？
そんな彼女ですが「監」にならないようにしないといけません。

永遠亭では、月の賢者にして蓬莱人の薬師。
私も病気にかかってお世話になったことが何度かありますね。
迷いの竹林について書いた後だと「永林」になるのが悩みです。
字面が似てるのでついやってしまいます。

地底では、地獄鴉さんを追記しよう取材したことがあります。
彼女の場合は誤字というかなんというか。
お名前を聞いたら、余りにも自信満々に「おくうだよ！」と言うものですから、ずっとそう思っていました。
さとりさんに聞いて初めて、うつほだと知りましたよ……。

ほかに追記しようと考えているのは、人里でよく子どもたちと遊んでいる唐傘妖怪さんがいます。
ええ、とても楽しそうで見ていて和みますね。
ただ「小笠」にならないように、気をつけないといけません。

それを弱みでも握るかのように、にこやかに見守る山の巫女さんがいましたが、油断すると「守屋」になったりします。
二柱の神様にしても「加奈子」様になったり。
はたまた「守矢諏訪子」様になったりと鬼門です。
気をつけないといけませんね。


このように、幻想郷縁起の編纂は楽なものではありませんが、これで妖怪や力ある者の知識を少しでも深めてもらえれば嬉しいものです。
私たち稗田家は、そのために在るのですから。

『幻想郷縁起をまとめ上げてきた彼女の話は、新聞と書物という違いこそあれど、同じ執筆を心がけるものとして非常に含蓄に富むものであった。
　やはり人の名前とは正しく使ってこそ価値あるものである。　稲田阿求取材日誌 』


プチでは初めまして、小魚です。
身に覚えがあったら腕立て10回、そんな話です。
辞書登録を知らない私に隙はなかった、腕が筋肉痛で痛い、なんでだろ。