Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

橋姫の想い

2009/09/09 13:35:25
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見たくもない夢。思い出したくない過去。遠い記憶。
なぜ なぜなの という思いだけが自分の中を駆け巡ってた。

『…………妬ましい』

最初にその言葉を口にしたのはいつのことだっただろうか。
もう、遥か昔すぎて思い出すこともできない。
そんな私が今になってなぜまたあの頃のことを夢に見たのか。
もしかしたらそれは近くにいるアイツのせい、なのかもしれない。


☆☆☆



「どうしたんだ? 今日はいつにもまして不機嫌そうじゃないさ」
「………別になんでもないわ」

そう。別になんでもない。
すべては過去のこと。今更何を思うわけでもない。

私がまだ妖怪になりたての頃。
憎かった二人を、そして周りの親族達をもすべて無に帰した。
それなのに恨みの念は消えることはなく、私の中に留まり続けた。

「……妬ましい」

愛する者を奪っていったあの女が。
簡単に心移りしていったあの男が。
幸せだったあの日々が。
そして今もなおこうしてふいに甦り、私を苛む記憶のすべてが。

「おまえさん、よくその言葉を口にしてるよな」

苦笑交じりに言う。
鬼の言うとおり、私は幾度となくこの言葉を口にしている。

「何がそんなに妬ましいのかは知らないけど、いくらあんたが鬼の形相を浮かべたところで本物には勝てないよ」
「そんな分かりきってることを改めて言ってくる貴女も妬ましいわ」
「そうじゃなくてさ、もう妬むのはやめたらどうかっていう話」
「…なんでそんなこと貴女に指図されなくてはいけないの?」

やめれるものなら、消せるものならとっくに無に帰している。
それができないからこうして―――

「そりゃ決まってるよ。私があんたのことを愛してるからさ。せっかく二人でいるんだ。楽しい時間を過ごしたいと思っても罰は当たらないだろ?」

平然と言いのける鬼に開いた口が塞がらない。

「それからさ、パルスィ」
「な、なによ」

隣を歩く勇儀は笑顔で自分を指すとこう告げた。

「鬼の形相も格好もすべて私達の特権なんだ。だから私があんたの分まで『鬼』になるよ」

たった一言で私の気持ちも心もすべて持って行く。
そんな貴女が本当に妬ましいわ。
初めての投稿で初めての勇パルです。
こんなのパルスィじゃないとか勇儀姐さんじゃないとか声が聞こえてきそうでドキドキです(((>_<)))ガクブル
創叶ありす
[email protected]
http://soutoaris.web.fc2.com/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
勇パルGJ!!
2.名前が無い程度の能力削除
>あんたの分まで『鬼』になるよ

ほ、惚れてまうやろおおぉぉぉぉぉぉ!
ふぅ…勇パルは良いね、うん
3.名前が無い程度の能力削除
勇パルいいよね。勇パル。
勇儀さんカッコイイっ
4.名前が無い程度の能力削除
>あんたの分まで『鬼』になるよ

なんという名言!
5.23削除
や ら な い k(ry