Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

のんべぇ、86星

2009/09/08 20:44:40
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 ポリポリポリポリポリ――

 口の中で音をたてる。
 なかなかの歯ごたえ。

 ポリポリポリポリポリ、ごくん。

 飲み込んで、次に手を出す。
 これは、やみつきになる。

 ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ――

 僕が今食べているのは、ひまわりの種の炒ったものだ。香霖堂の庭に咲いていた巨大なひまわりから取れた種を、ただ炒っただけのものだ。
 なんでも、外国ではひまわりの種を酒のつまみにするんだとか。

 「美味しいでしょう?」
 向かいに座る幽香が、さっきまで麦焼酎の入っていたコップをちゃぶ台に置き、言う。

 ごくん。

 「ああ、美味い」
 言ってから、喉に渇きを感じたので麦焼酎に口をつける。
 酒が進む。

 「ひまわりからは食用の油も取れるのよ」
 幽香はそう言いながらひまわりの種に手を伸ばし、それを口に入れる。
 僕もそれを口に入れる。

 ポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリポリ、ごくん。

 「とりあえず、いくつかは来年のために取っておいて、残りは油にしてみる?」
 「ああ、たのむ」
 答えてから、僕は再び焼酎に口をつける。

 「それにしても、まさかひまわりの種が食べれるなんてね。意外だ」
 「そう? 私は貴方がそんなことも知らなかったことの方が意外だけど」
 「そうかい?」
 「ええ。魔術や外の世界の道具については詳しいくせに」
 「そりゃあ、ね。生きるための知識は、ほとんど君から教わったからね」

 幽香はその昔、母と死別して独りになった幼い僕に生きるための知恵を授けてくれた。
 本人にとってはただの気まぐれだっただろう。だが、もし幽香がいなかったら、半妖である僕も流石に野垂れ死にしていただろう。

 そういえば、昔もこうして二人で晩酌していた。毎晩のように二人で夕食を摂り、そして静かに酒を飲む。また、異変があれば僕は好奇心で、幽香は面白半分で動いた。それが僕らの日常だった。

 僕が店を持つようになって、それぞれ別の道を歩んでいる今も、回数こそ減ったものの、僕らはこうして二人で酒を飲んでいる。

 柄でもないが、僕は本当に幽香と親友で良かったと思う。

 「霖之助」
 幽香が僕の考えていることを悟ったのか、呟く。

 「貴方が私に敵意を抱かない限り、私は貴方の親友でいてあげるわ。……もっとも、貴方は誰にも敵意なんか抱いたりしないでしょうけどね」
 「……ああ、まったくだよ」

 幽香はシニカルに笑う。
 僕もつられて笑う。


 香霖堂の夜は更ける。

 僕らの晩酌は、朝まで続く。
風呂場で思いつき、わずか三十分で書き上げた初のプチもの。

ちなみに、私は年齢的にお酒が飲めません。







だれか、他に霖之助と幽香の友情話、書かないかな……。
昌幸
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
あら良い感じの幽香霖。GJ
2.名前が無い程度の能力削除
なんかいいね、これ。
好きな感じww
3.名前が無い程度の能力削除
今日の晩酌のお供はひまわりの種に決定。
4.名前が無い程度の能力削除
何を言う
あなたが書けばいいじゃないか
5.名前が無い程度の能力削除
ここは言いだしっぺがやるインターネッツ
火付け人になってくれ!
6.名前が無い程度の能力削除
話は良かったが、自分の年齢を出すような真似は止めろ
7.名前が無い程度の能力削除
はっはっは、ないのなら書けばいいのさ
8.名前が無い程度の能力削除
飲める年齢になったら飲んだ経験も踏まえてまた書いてくださいw