Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

妹の日らしいですよ

2009/09/06 21:43:55
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 1.スカーレット姉妹の場合。



「お姉様ー!」
「ごふぁっ!?」

 廊下を歩いていたレミリアに、後ろから勢い良く抱きつくフランドール。あまりの勢いに、カリスマらしくない声を上げてしまうが、それは仕方無い。
 ふらつく足に力を入れて、なんとか倒れるのを堪えた。

「フラン、抱き付くのは良いけど、勢いをつけては危ないでしょう?」
「今日、何の日か知ってる?」
「は?」

 一旦離れて、ちゃんと向き合って話す。
 フランドールの言葉に、今日は何か記念日だったのだろうかと少し焦るレミリア。

「え、と……」
「パチュリーに聞いたんだけどね! 今日、妹の日らしいよ!」
「……は? 妹の日?」
「うん。だから私の日!」

 妹の日なんていうことを初めて知ったレミリアには、何をする日なのか全く想像がつかない。
 ただ、目の前のフランドールが楽しそうな笑みを浮かべているという事実だけしか、分かっていない。

「具体的には、何をする日なの?」
「……さぁ?」
「え? 知らないの?」
「うん。パチュリーが、うっはぁ! 妹の日だぁ! って叫んでたから知っただけ」
「そう」

 妹の日。一体何なのかは良く分からない。
 だが、その言葉から想像するに、妹を大切にする日みたいなものだろうと考える。

「フラン、何か欲しい物はある?」
「無いよ」
「したいことは?」
「特に」
「願うことは?」
「お姉様と一緒に居たいな」
「それだけ?」
「うん、それだけ」
「……おいで、フラン」
「んー」

 むぎゅうっと、今度は正面からそっと抱き合う。
 レミリアの薄い胸に顔をぐりぐりと埋める。

「くすぐったい」
「えへ」

 それだけを言うフランドールは、やめる気は無いようだ。未だにぐりぐりと続ける。レミリアの背中に腕を回したまま。
 レミリアも、フランドールの背中にその細い腕を伸ばす。

 むぎゅ~っ。

 抱き合っている場所が廊下という事実を思い出す、幸せオーラ出しまくりの二人だった。





 2.古明地姉妹の場合。





「こいし、知っていますか?」
「……何を?」
「今日は小野妹子の日……じゃなかった、妹の日だそうです」
「へぇ、そうなんだ」
「えぇ」
「それで、私何でこんな状況なの?」

 地霊殿へ帰り、眠くなったこいしが自室で眠った。そして目を覚ましたら、今の状況――ベッドに両手両足を大の字に縛られた状態だった。
 ちなみにさとりは、こいしの腹部に軽く跨いだ状態で乗っている。

「妹の日、だから」
「意味分からない」
「愛を数年分、この日に詰め込むチャンスかと」
「何で縛るの?」
「逃げられた場合、抵抗された場合、私の敗北が約束されてしまうから」

 こいしの能力の前では、さとりが勝つことは出来ない。というより、元からさとりは戦闘が苦手だ。
 こいしは軽く力を込めてみるが、びくともしない。

「……お姉ちゃん、いつもとキャラ違うよね?」
「今日はせっかくですから、ドSでいこうかと」

 スーパーさどりんタイムだった。

「ねぇ、こいし」
「ん」
「私のこと、嫌い?」
「こういうことするお姉ちゃんは、嫌い」
「それは悲しいわ」
「でも、優しいお姉ちゃんなら好き」
「なら、優しくするわ」
「うん、そうしてね」

 こいしの頬に手を添えて、ゆっくりと顔を近付ける。
 どちらともなく、目を瞑る。
 そして――こいしの額に柔らかい感触。

「ふぇっ?」

 予想とは違う箇所への口付けに、間の抜けたような声を上げてしまったこいし。
 瞳を開くと、意地悪そうに笑っているさとりの姿が見えた。

「ふふっ。どうだった?」
「……いじわるだぁ」

 優しくなんて無い。やっぱりさどりんタイムだった。
 少しだけでも期待した自分が恥ずかしい、と顔を赤くして、せめてもの反抗として、さとりを睨むこいし。

「こいし……そんな目をしても可愛いだけよ?」
「じゃあ、そんな可愛い妹に何か無いの?」
「何が欲しいの?」
「質問に質問で返すのは良くないって、閻魔様が言ってたよ」
「今日は妹の日。こいし、あなたが望めば何でも叶えてあげる」

 どうあっても、こいしに言わせようとするさとり。
 こいしは、ずるいなぁと心の中で呟く。
 さとりは、ニコニコと笑顔だ。

「ちゃんと……して」
「何を?」
「さっき、したこと」
「だから、何を?」
「ぅー……本当に、今日のお姉ちゃんはいじわるだぁ」
「こいしが可愛いからよ」

 頬を膨らませて睨むが、やはりさとりは笑顔で流す。

「……ちゅー、して」
「ん、良く言えました」
「んっ」

 もう顔を真っ赤にして不貞腐れた様子で言うこいしに、柔らかい感触が降ってきた。
 今度はちゃんと唇に。
 それだけで、不機嫌だった感情が散ってゆくのが分かった。
 ただ重ねるだけの幼い口付けに、酔ったように夢中になった。

「ふはぁっ」
「んっ」

 たった数秒のことなのに、少し息が乱れていた。
 そんなことを、なんとなく笑った。

「ねぇ、お姉ちゃん」
「んー?」
「もうほどいてよ」
「そうね……」

 両手両足に縄の跡が付いてしまってはいけないと考えて、全ての縄をほどいた。
 その瞬間――

「あ、れ?」
「ふふふ、気を緩めたね。お姉ちゃん?」

 突然、押し倒されたさとり。

「えーと……こいし、目が凄く怖いわよ?」
「さっきのお返し、じっくりとねっとりゆっくりとしてあげるから」

 嫌な汗が背中を伝うのを感じるさとり。
 こいしは、楽しそうな声をしているが、顔が笑っていなかった。

「ゆ、許してくれたりは」
「だぁーめっ! 今日は妹の日なんでしょう?」
「い、妹の日と言っても、こういう内容の日では無いと思うのだけれど」
「往生際が悪いねぇ、お姉ちゃん」
「ひゃぅっ!?」

 つつーっと、横腹を人指し指でなぞられて、くすぐったさのあまりに声を上げてしまう。

「くすぐり耐久一時間、耐えきれたら許してあげる」
「ひゃぁ~!?」

 もちろん、耐えきれる筈が無かったそうな。
今日は妹の日らしいですよ。
といっても、私は今日知ったのですけどね。
そんなわけで、姉妹二つでした!
甘さは微糖~50%くらいですかね。多分。
今年はもう、ゆっくりまったりと投稿していきたいと思います。
そんにゃこんにゃではありますが、少しでも楽しんで下さったなら嬉しいです。
喉飴でしたー!
でしたー!
たー!
喉飴
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コメント



1.名前が無い程度の能力削除
紅魔姉妹も古明寺姉妹も相変わらずで何よりw
特に古明寺姉妹は攻守の逆転サイクルがたまりませんな
2.名前が無い程度の能力削除
さぁ、早く秋姉妹編を書く作業に戻るんだ
3.七人目の名無し削除
素晴らしい姉妹愛溢れる良SSでした。ただ、私は甘党なので、もっと甘くしても無問題です。

ちなみに12月6日は姉の日だそうですので、喉飴さんの姉の日SS期待してても良いですよね?
4.名前が無い程度の能力削除
プリズムリバー編があったらどんな修羅場かとても気になるw
5.名前が無い程度の能力削除
>うっはぁ! 今日は妹の日だぁ!

このパッチェさん喘息持ちとか絶対ウソだろ・・・
6.削除
どこをくすぐっていたのかとても気になr(突如訪れたなんか色々なトラウマにより再起不能
7.名前が無い程度の能力削除
糖分の過剰摂取で血糖値が・・・www
絆って良いですねw
8.名前が無い程度の能力削除
綿月姉妹はどこですか!?
9.名前が無い程度の能力削除
「困った妹(姉)大好きな主(妹)同盟」は今日も健在。よきかなよきかな。
ところで、パッチェさんの「うっはぁ!」なターゲットはやっぱりフランちゃんですか?
10.名前が無い程度の能力削除
夢幻館の姉妹が、魔界神の娘たちが、姉の日を待ち望んでいるッッッ!!
え、感想?満点一択ですが。
11.名前が無い程度の能力削除
これは良い妹の日。糖分補給完了
氏のSS、特に古明地姉妹モノにはいつもお世話になってます
12.奇声を発する程度の能力削除
パッチェさんそろそろ末期状態なんじゃwwwww
甘い姉妹愛を有難う御座いましたー!
したー!
たー!
13.名前が無い程度の能力削除
プリズムリバーの姉妹がいない、だと…?(←お前の目的は長女だろ)

熱意か何かが喘息に打ち勝つパチェww
14.名前が無い程度の能力削除
ああ…一日の活力がゴフッ
あれ、おかしいな。あと一組いたような気がs
15.謳魚削除
秋姉妹はいずこぉぉぉぉぉゲハッ(糖分にやられた様です
16.名前が無い程度の能力削除
秋姉妹…綿月姉妹…プリバ三姉妹…
まだまだ終わらないぞ!
今日も元気に大声で
こいさと!こいさと!
レミフラ!レミフラ!
17.名前が無い程度の能力削除
パチュリー様にトキメキを隠せないw
18.斗無削除
あなたのレミフラを見るために生きています!!
19.名前が無い程度の能力削除
さどり様を想起したら、単なる女王様になってしまったじゃないですかっwww
20.名前が無い程度の能力削除
ところで何で妹の日なんだー!?
21.renifiru削除
>>スーパーさどりんタイム
ここで吹いてしまいましたwww
それにしても……さとこい→こいさとの流れが最高過ぎます!
あとこいしちゃん、くすぎり耐久一時間は残酷すぎると思います。
せめてちゅっちゅ一時間で(ry
22.名前が無い程度の能力削除
いい…非常にいい……!
特に紅魔姉妹は、読んでるとなんか安心してくる。

さて、夢幻姉妹は何処に……