「私、特徴がないらしいんです」
博麗神社の縁側で風祝、『東風谷 早苗』がそう言った。んっ、とそちらを振り向く『博麗 霊夢』、
そして『霧雨 魔理沙』。奇しくも星蓮船自機三人集である。
手にした湯飲みの中、薄いお茶の水面に視線を落としてもう一度、特徴がないんです、と呟く早苗。
「あー……そりゃどういうことだ?」
そう聞くのは魔理沙。ただ、意図を掴みかねて、と言うわけではないらしい。意外と彼女は聡い
のである。少しの沈黙の間、霊夢がお茶をすする音だけが響く。ついでにせんべいを齧る音も。
一つ溜息をついて、早苗の薄桃色の唇が開く。
「私、魔理沙さんみたいに速く飛べないですし、霊夢さんみたいに弾を避けるのも上手くないですから……」
「ああ……」
やはり、と魔理沙は思う。そのまま押し黙ってしまった早苗を見て、湿った空気が嫌いな魔理沙は
何とかしようと少し慌てつつ、
「や、まぁ。そういうのは慣れだと思うぜ? 私だってずいぶん練習して今の速さを手に入れたんだし。
なぁ、霊夢もそうだよな?」
そんな事をいう。話を振られた霊夢は、しばし名残惜しそうにせんべいを咥えていたが、そのままでは
相槌を打つことも出来ないと口から離した。
「……そうだったっけ?」
あぁ、と肩を落とす魔理沙。霊夢らしいといえばらしい言葉ではあるが、早苗を元気付けるには
逆効果のよう。何とか取り繕うように思考を整えた。
「そうなんじゃないのか? 弾幕勝負の経験なら私より上だろ。それで弾を避ける技術とか、そういう
のを知らずに身につけたんじゃないのか? 知らんが」
「ふーん。まぁ、そうかもしれないわね」
いつものように、泰然自若として薄茶をすする霊夢。まぁこいつはいつもこんな感じか、と魔理沙は
思って早苗のほうに向き直る。
「ま、そういうことだから、早苗も鍛錬していきゃ、どうにかなるんじゃないのか?」
慰めの言葉にしかならないと思いつつも声をかける。しかし、相変わらず早苗は落ち込んだ様子で
冷え始めたお茶を見つめていた。
「なぁ、さな……」
「やっぱり、無理だと思うんです」
魔理沙が声をかけるよりも早く、どこか諦観に満ちた声で早苗はそう言った。
「いくら魔理沙さんの様に速く飛ぼうとしても、私の体じゃ風圧に胸が押されて、痛くて痛くて」
「あ゛ぁ゛ん!?」
なんか乙女があげるべきではないドスの利いた声を上げて早苗を睨む魔理沙。具体的には早苗の
豊かな胸を睨む魔理沙。早苗といえば、それに気付かずふうと溜息ついて、その豊かな胸がほわんと
上下した。推定Cカップ、82。
「それに、霊夢さんみたいに細くありませんから弾を避けるのも一苦労です」
「あ゛ぁ゛ん!?」
なんか乙女があげるべきではないドスの利いた声を上げて早苗を睨む霊夢。具体的には早苗の
形のいい胸を睨む霊夢。早苗といえば、湯飲みを口にしてお茶を飲み始め、その形のいい胸が寄せて
上げられた。推定Cカップ、82。
早苗が湯飲みの中を飲み干して視線を上げれば、隣に座っていたはずの霊夢と魔理沙はいつしか
庭に降り立ち、背中を向けて準備運動のような動きをしているのが目に入る。早苗はそこに何か
ただならぬものを感じた。
「なぁ、霊夢ぅ」
「なによ魔理沙」
彼女達の背中越しに聞こえる言葉は何気ない会話ではある。しかし、さながら一言一言が地獄の
獄卒が唱える呪詛のように思えた。勿論早苗は知らない。その怨念が自分に向いていることに。
「今度の異変だけどな、パートナーを決めたぜ。水橋パルスィだ」
「……奇遇ね。私もパルスィよ」
「え、ちょ!? 今回の異変解決はそういうシステムじゃないですよ?!」
何故だか嫉妬心を操る妖怪の名を口にし始めた二人を知って、慌てて早苗が突っ込みに入る。
東方星蓮船は異変に対するスタンスの違いによって攻撃方法を変える様式で、東方永夜抄や東方
地霊殿のようにパートナーと共に、あるいは力を借りて異変を解決するものではないのだ。そのはず
なのだが。
「え、あ? わ、私のこと、呼んだ?」
「って何であなたがこんなところにいるんですか!?」
「いや、なんか、呼ばれたみたいだったし……なんか必要とされてる雰囲気を感じたし……」
どこか頼りにされたと思っているのか、その美しい美貌の頬やや赤く染めてパルスィがそこに居た。
歩いて地底にお帰りと言いたげな早苗を他所に、霊夢と魔理沙はまるで旧友に出会ったかのごとく
親しげにパルスィと肩を組んだ。
「さすがパルスィよく来たぜ」
「博麗神社はあなたを歓迎するわ」
「そ、そう。……えへへ」
普段疎まれてばかりだからか、親しげなスキンシップに照れまくるパルスィ。呆れてものが言えない
のは早苗だけである。
「さぁ、そんなわけでな。異変解決する前にちょっと模擬戦でもやろうかと思うんだが」
「いいわね魔理沙。じゃあ、パルスィ、力を貸してくれる?」
「あ、いいわよ全然オッケー!」
言葉だけ見れば朗らかな幻想郷の一シーンだが、霊夢と魔理沙から発される暗黒のオーラが明らかに
浮いている。
「早苗も当然やるよな? な?」
何故か断ることを許さない雰囲気を漂わせつつ、魔理沙が言う。少々不気味に思いながら、しかし
模擬戦は悪くない提案だと腰を上げる。境内に降り立てば、その反動で豊かな胸がふるるんと揺れた。
「さて……」
口を開きかけた早苗に向き直る魔理沙と霊夢。とパルスィ。黒白紅白にドス黒い霊力をまぶして
対峙する。ここにきてようやく天然早苗さんも事の重大さに気がついたようだ。もっとも原因が自分の
発言と胸だと気付いていないが。
「え、あの? え?」
「じゃあまず私から行くぜ!! Cカップくたばれええ!! ”妬砲「ファイナルグリーンアイド
マスタースパーク」!!”」
「博麗の嫉妬力思い知れ!! サイズ82滅びろおお!! ”嫉霊「夢想封印 妬」!!”」
「ひ、ひぃい!?」
橋姫の力を無限大に取り込んだ二つのスペルカード。緑色のごんぶと光条が早苗を飲み込もうと驀進し、
緑色した巨大な光弾が逃げ場を全て遮る。ごーごー、などと能天気に囃したてるパルスィの声をBGMに、
何でこんなことになったんだろうとCカップ、82の胸を揺らして、早苗は緑の光の中へと消えていった。
聖→星です。
今は只、おっぱいの素晴らしさを再び説いて下さったあなたに頭を垂れます。
ありがとうございました。
しかし何よりパルスィ可愛いよパルスィ。
70台でもウエストさえ細ければ見栄えするんですが、某とらぶるのショートの方とか。
ように己のパートナーを選ぶものではないのだ。
永夜抄は固定ですが?
しかし、頼られて嬉しそうなパルスィが可愛いすぎる。
しかし美人と書かれてたし可愛いから問題無い。