いつものように戦っていた。
今回は妹紅の勝ちみたい。あとちょっとだったのに。
私はその場に倒れるように寝転んだ。
夜の心地よい風が吹くなかで、妹紅は私を見下ろしながら
「はっ!今日は私の勝ちだな」
「・・・そうね」
「・・・なんだぁ?疲れたのか?」
「そりゃあ、ね・・・」
「家に引きこもってるからだ」
「うるさいわね!永琳が外に出してくれないだけよ!」
「言い訳かよ・・・」
「・・・しゃべると疲れるからもう帰りなさいよ」
本当に疲れた。
なんで?こんなことで疲れるほどに体力がないのか?
「・・・・・・お前、迎えは来るのか?」
「さあ?そんなの知らないわよ」
「お姫さんほっとくやつらだしな・・・」
「・・・言い返せないのがムカツクわ」
そうよ。
永琳もイナバ達も平気で放っておくやつだ。
これでも一応お姫さまなのに・・・。
「・・・まだ立てないのか?」
「残念ながらね・・・足を狙ったのはどこの誰よ?」
「気合で治せよ」
「無茶言わないでよ・・・」
「こんなところで寝てると風邪引くぞ?」
「あら?じゃあ妹紅が連れてってくれるのかしら?」
「馬鹿なこと言ってると顔潰すぞ」
「冗談よ・・・そんなこと言わないでよ」
まったく妹紅ったら。
正直つぶされたことないから治るのか気になるわね。
今度妹紅の顔つぶしてみようかしら?
嗚呼、でも勿体無いわね。
こんな整った顔がぐしゃぐしゃになるなんて想像したくもないわ。
「・・・や、・・・輝夜?!」
「・・・なによ?そんな大声出して」
「あ?・・・お前の反応がなくなったから」
「死んだかたと思った?」
「ばーか、私たちが簡単に死ぬわけないだろ?」
「・・・・・・これも冗談よ」
そう、冗談。
こんな簡単に死ぬくらいでなにが不老不死か・・・。
自分の命の重さなんて、とうの昔に忘れてしまった。
今は死ぬことに慣れてしまったのだから・・・。
「おい輝夜!!」
「・・・寝てないわよ?」
「んなことは知ってる!」
「じゃあ何よ?」
「あ~、・・・うん。お前の命は、私のモノだから!」
「・・・はい?」
「お前が死にたいなんて言っても、私の許可なしに死ぬのは許さんからな!」
「・・・妹紅?突然なに言い出すのよ」
「ま、なんだ・・・、悩み事があるお前なんて気持ち悪いんだよ」
「なっ!?」
「私がいるだろ?」
「え?」
「ずっと私がお前の傍に居てやるよ・・・めんどくさいけど」
「・・・あんたって、馬鹿よね」
「んだとコラ!」
「・・・ありがとう、妹紅」
「・・・おう、」
当分の間死ねそうにないわね。死ねないけど。
戦いの中でもし私が死んだら妹紅はどんな顔するのかしら?
面白そうだから一回死んでみましょう。
「あ~・・・めんどくせ~」
「きゃっ・・・ちょっと妹紅?!」
「なんだよ?」
「なんだよ、じゃないわよ!いきなりなにするの!?」
「なにって・・・しょうがないからお前ん家まで運んでやろうと思っただけだが?」
「運ぶったって・・・なにもこんな、」
「文句あるなら自分で歩け!」
「・・・・・・もういいから早く行きましょう」
「なんだそりゃ・・・まあ、いいけどさ」
家に向かう途中いろいろ話したけど、突然の睡魔に耐え切れずに目を閉じた。
そろそろ寝ようという時に妹紅が何か呟いたような気がする。
よく聞こえなかったけど、最後の言葉ははっきり聞こえた。
「好きだ、輝夜」
嬉しかったから「私も好きよ、妹紅」って言ったら
「うっせー、寝てろ」なんて言われてしまった。
でも、今は本当に眠いからそのまま意識を手放した。
できれば夢の中でも妹紅と一緒に居られますように・・・。
俺もてるもこ大好きだぜ!!
もう結婚しちゃえよ!