Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

気づいて気づかない姉妹の話

2009/08/27 15:11:27
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 自室のベッドの上で、ふかふかのシーツに埋もれながら最近、地上から購入したばかりだという本を読んでいるお姉ちゃん。
 その隣に、私は何となく寝転んだ。
 無意識の力を使って、ふらりとお姉ちゃんの部屋に入ったら、お姉ちゃんはベッドにいたのだから、それは自然な流れだ。
 お姉ちゃんは私の存在に気づいていない。能力を使ったから当たり前だ。
 暫く、私はお姉ちゃんの落ちついた横顔を見つめて、にこにこして、見惚れて、楽しんでいたけど、だんだんとそれだけじゃあ物足りなくなる。

「……うーん」

 気づかないのもしょうがないけど、気づかれないのは面白くない。
 私は、ほんの少し無意識の力を緩めてみた。
 お姉ちゃんが私に気づくのを期待して、少し分かりにくく、でもお姉ちゃんなら間違いなく私を見つけられる意識のレベルにまで。

 ……あれ?

 でも、お姉ちゃんは気づかなかった。
 もしかして、まだ足りなかったのかとおそるおそるまた無意識のレベルを下げたけど、お姉ちゃんは本を読む事に集中して、すぐ隣にいる私に気づかない。
 むむっ? って、わざと足をパタパタさせたり、本を覗き込んだり、はてはゴロゴロまでしてはしゃいでみせているのに、全然気づかない。

 なんで? そんなにその本が面白いの? 私に気づかないぐらい夢中なの?

 元から無意識に能力を発動し、誰からも毛取られない私だから、無意識レベルを操っても、それに慣れたお姉ちゃんは気づかないのかもしれない。それはそれでしょうがないけど、面白くなくて、頬がぷっくりと膨らんだ。

 ねえ? 私より、そんな厚いだけの難しそうな本がいいの?
 ほら、ここに私はいるんだよ?
 こいしはここにいるよ。

 焦れて、我慢できなくて、指をのばしてお姉ちゃんの頬をつつく。
 ふにっと指に押されてへこむ肌の弾力と、すべすべな肌の感触にちょっとドキリとしながら押して、触れ続ける。

 よく分からないけど、変にドキドキした。
 それで、これで気づくだろうってえいえいえいって、痛くない様に押し続けてみた。

 結果は。

「……」

 無言。
 ……あれ?

 お姉ちゃんは、ただ本の文字だけを追って、その瞳はこちらに向かない。
 触っているの気づいていない。つまり、それだけ集中しているという事。僅かにも、ささやかにも、お姉ちゃんは本から視線を逸らして、私を見ない。
 「あら、こいし? 驚いたわ」なんて、期待している声すらかけてくれない。

「―――――ッ」

 ギュッと、シーツを強く握って衝動を抑える。
 今すぐに乱暴に飛び掛って、押し倒して、こっちを向かせたいって乱暴すぎる思案を、同じく乱暴に消し飛ばす。

 ……なんで?

 奥歯をギュッと噛んで、私にだけ聞こえる噛み締めた歯の音が鳴る。
 私はこんなに苦しいのに、お姉ちゃんはそんな私に気づかないまま、静かに視線を上から下に動かして、ミミズみたいな文字を追っている。

 なんで……?
 こっちを見てよ!

「……むー!」
「……」

 眉間に皺がよる。
 閉ざした心の奥が、小さく悲しみ、そして小さく、でも確実に深く怒る。

 何それ? 何それ!

 こっち向いてよ! こっち向け! お姉ちゃん、ほら、本なんかより私の方がいいよ、絶対!
 私を見てる方が楽しいよ、楽しくないなら楽しくするから、この服が嫌いなら着替えるし、服がいらないなら脱ぐから!
 ねえ、ねえねえ! こっち見て、私を見て、「こいし」って呼びかけてよ……!

 ぐりぐりって頬を押す指に、ぐっと力をこめてみても、お姉ちゃんは私に気づかない。
 やっぱり本ばかりを見ている。
 私なんか全然知らないとばかりに、本に釘付けだ。その瞳は楽しげにそうっと細くて、本の世界に入り込んでいた。

「……っ!」

 ムッとした。
 ムカッとした。
 そして、イラッとした。

 ぎゅっ、てお姉ちゃんの耳を予期なく触る。
 お姉ちゃんは耳が弱くて、昔から少し触るだけで小さな悲鳴をあげる。
 だから、流石に耳を触れば気づくと、そういう意味で、お姉ちゃんが耳を触られるのを嫌いだと知っていて、怒られるのを承知で触れたのだ。

 ほら、怒ってよお姉ちゃん……!
 そして、私を見てよ!

 耳を摘んで、ふにふにと耳たぶの感触を味わってからすうっと下から上へと撫で上げた。
 触れただけで此方を向くと思っていたのに、お姉ちゃんは無反応で、だからこうやって撫でたり意味なくくすぐったくしている。

 でも、それなのに、それでもお姉ちゃんはこっちを見ない。

 ただ小さく、ピクっと、反応しただけだ。

「…………」

 奥歯がギリッと鳴る。

 お姉ちゃんはそれだけで、その自分の反応にすら気づいていないみたいに、読書を続けている。
 その光景は私には悔しくて、苦しくて、息をするのが面倒になるぐらいに苛だしかった。
 私はこんなにお姉ちゃんに悪戯しているのに、お姉ちゃんはただ紙ばかりを見て、私に気づかない。

 私は、お姉ちゃんにだけは気づかれたいのに。
 例え無意識でも、誰にも認識されなくても、お姉ちゃんにだけは見つけて欲しいのに……!

 ……なんで? どうして?

 焦りと、じわりと胸犯す不安。
 お姉ちゃんが、こんなに私に気づかないなんておかしいって思うから、怖くて、お姉ちゃんにもっと近づく。ずりずりとシーツを辿って、お姉ちゃんにぴったりとくっついて、その横顔を見つめる。
 ほら、お姉ちゃん。こんなに私は近くにいるよ?

 でも、お姉ちゃんの紫紺色の綺麗な瞳は、ただの紙にしか向かない。
 こんなに近くにいる私に、気づいてくれない。

 ……やだ。

 ペラリと、ページを捲るお姉ちゃん。
 まだ、まだまだ読み終わるのに時間が必要そうな膨大な物語に、私は唇を噛む。

 ……やだ、やだやだやだ!

 ねえ、こっちを見てよお姉ちゃん……っ!
 耳に触れたままだった手を、お姉ちゃんの髪に触れさせて、昔お姉ちゃんがしてくれたみたいに撫でる。
 気づいてって、心を込めて撫でて、とどめとばかりに耳に息を吹きかけたりした。

「……っ」

 そしたら、大きくピクンとお姉ちゃんが震える。
 ! 気づいた? ねえ、気づいたの?

 期待を込めて、お姉ちゃんの顔をじいっと見る。
 お願いこっち見て、と、淡い期待と動悸を押し殺して顔を覗きこむ。


「………ぁ」


 でも、やっぱりお姉ちゃんは先程と何も変わっていなかった。
 本を、見ていた。

 ……っ!

 お姉ちゃんは、とても涼しい顔で、私が触れているのに平気そうだ。
 ああ、そうか。
 これが他の誰かなら、もっと反応するの? なんて考えて、乱暴な気持ちになる。
 これが、お燐なら? お空なら?
 お姉ちゃんはどうするの?

 怒る? 照れる? それとも、笑うの?

 想像して、とても溜まらなくなって、だから背中から覆いかぶさって、その白いうなじに強く吸い付いた。
 お姉ちゃんの背中は小さい。私とあまり変わらないのにそう思う。
 鬱血するぐらい、強く痛みすら感じるぐらい、吸い付いて、こっちを向けって、睨みすらしてお姉ちゃんの後頭部を見た。

「……っ」

 なのに。
 そこまでしたのに。

 「……ん」って、お姉ちゃんはただ押し殺したみたいな呼吸音しかさせず。
 私に気づいてくれなかった。
 
 泣きたいぐらいショックで、だから、離れた。

 赤い跡が付いている事を、ぼんやりと確認してから、最後に。
 本当に最後に、更にその上に歯を立てて、甘噛みする。


 ……これは、気づかないお姉ちゃんが悪いんだよって、悲しく怒りながら。
 消えないようにと心を込めて、跡が残る様に噛み付いた。



 結果、
 やっぱり、お姉ちゃんは気づかなかった。
 当たり前みたいに、読書していた。

 ページを捲る音に、私の方が耐えられなくて、思いきり逃げ出した。
 唇に残るお姉ちゃんの味と、お姉ちゃんの体温が苦しくて、どこに向かうでもなく消え去りたかった。

 お姉ちゃんの馬鹿って、叫びたかった。












 ◆◆◆











 それは、不意に私の五感に触れてきた慣れた無意識。

 自室のベッドで横になりながら、燐が地上からわざわざ買ってきてくれた本を、物珍しく読んでいたら、私のすぐ隣に、妹であるこいしがいた。
 驚いた。
 正直、どうしてここにいるのかと視線を本から外さぬままに真剣に考えた。 

「……」

 でも、考えたところで分かるはずもない。
 この子の心だけを読めない私は、結局何も出来ない。
 無意識の能力を使ってココに居る事だけは分かるが、その目的は私が知れるはずもない。私は、軽くこいしの気まぐれだろうと思い、小さく溜息を飲み込んだ。
 すぐに飽きて出て行くだろうと、普段の行動からある程度予想ができたから、そのまま読書を続ける。

 でも、意に反して、軽く見積もって五分も経っていないが、まだこいしは私の隣に居る。

 ? と普段からふらふらしている彼女にしてはそれは本当に珍しくて、家に居る事も珍しいのにどうしたのかしらと、内心で首を傾げる。
 こいしは、二人どころか四人で寝ても狭くはないだろうベッドの半分を占拠して、両足をパタパタさせたり、私の読んでいる本を覗き込んだり、ごろごろしたり、枕に顔を埋めたりして遊んでいる。
 くすりと。
 その無邪気な様は微笑ましくて、つい声をかけたくなるけれど、こいしはきっと私に意識されているとは思っていないだろうから、あえて気づかない振りをした。
 もしもここで指摘して、これからもっと無意識の力を強められてはたまらないから、出来る限り気づかない振りを続ける。
 こいしがここに留まる理由だけが少し気になりはしたけれど、邪魔というほどでもないので、意識をまたこいしから本に戻し、読書を再開した。

 と。
 ふに、と頬に細い指が触れる。

「……」

 ……まず間違いなくこいしの指だった。
 無言で、視線は本の文字に向けたまま、私はどうやらこいしに頬をつつかれていると知る。それも唐突に意味もなく、だ。
 ふにふにと痛くはないが、それでもくすぐったい力加減で指の腹で頬の肉をおされる。

 ……こいしが分からない。
 一体、何をしたいんだろう?
 もしかして、無意識の力をためしているのだろうか?

「……むー!」
「……」

 えいっとばかりに、ぐりぐりと少し力が加えられた。
 真面目に訳が分からなかった。
 拗ねたみたいな声は、きっとここにいる事に飽きたからこそ出た声だろうに、それで私の頬が苛められる理由が分からない。
 つい視線がそれてこいしに向きそうになるのを抑えるだけでも難しいのに、こいしは頬をつつくのをやめない。

 つまらないなら、早く遊びに行けばいいのに……

 本気で困惑して、困っていると、こいしは今度は私の耳をふにふにしだす。
 …こ、これは、くすぐったい。
 ぞくぞくして、とっさに悲鳴をあげそうになった。

 み、耳が弱いの、知ってるのに、何しているのよこいしぃ……!

 首がすぼまりそうになるのを必死でおさえて、目が涙で霞んでくる、頬も赤面しそうになるのを意思の力で何とか抑えようと努力する。
 つい、意識が緩むと声をあげそうになるけど、耐えて、何とか読書に勤しむよう努力する。

 こいしが、早く飽きて出て行くことに期待して、ぎゅっと本を強く掴んだ。

 でも、期待はむなしく、こいしがずりずりと更に寄ってくる。
 もしかして、まだ何かするつもりだろうかと内心怯えて、耳から手を離さないままに近づかれてぎゅっと萎縮してしまう。

 近かった距離が更に近く。ぴったりとくっ付いて、こいしの呼気が感じられた。
 ……わ。
 久しぶりの妹の体温。
 懐かしい香りのあまりの近さ。

 それに、こんな状況なのに、一方的なのにほわんと胸が温かくなって、涙腺が少し緩みそうになる。
 ……そういえば、一緒に眠ることすら最近はしていないなと。小さく寂しくもなる。

「……」

 でも、こいしは何を考えているのか無言で、何をしたいのか意味不明で、私にはこいしの考えはどうしたって読めない。声にだして伝えてくれないと、何も分からないのだ。

 でも、ここまでくると、今まで我慢した意地というか、心を読めないこいしに対してのちょっとした仕返しじみた、子供みたいな小さなプライドが発生してしまう。
 こいしの体温を感じながら、このまま、こいしを気づかない振りを貫き通したいという、そんな訳が分からない状況だからこそ回らない頭で考えた結論が、それだった。

 ……それに、気づかなかったら、こいしはまだここにいて、こいしの体温を感じれると、少し思ったから。
 
 私はもう少しだけ、昔に戻ったみたいに、今のこいしと触れていたかった。

 だから、私は気づかない振りを通して、ペラリとページを捲る。
 私は読書を続けている振りをして、こいしが次は何をしてくるのかと不安と期待でドキドキしながら待つ。

「……」

 小さな呼気。
 そして、また触れられた。

 こいしの指が、耳から上。髪の毛をさらりさらりと弱々しく撫でてきて、ふうっと耳に息を吹きかけてきたのだ。

 これは、流石に溜まらない。
 ピクリ! と震えて、でもそれすら気づかない振りを通すのは至難の業で、私はただひたすらに忍の一文字で耐え切り、文字を追う。物語の世界を頭に描いて、できるだけ現実の刺激を遮断する。

 どうしてこいしがそんな風にするのか分からないけど、こいしが近くて、それが変に嬉しいから、私はこいしのする事する事に抵抗ができない。
 もう、本の内容なんて頭に入っていない。耳が、こいしの息がかかった耳が熱かった。
 頭の中はこいしで一杯で、さっきから心の中で「きゃーきゃー」と叫びに叫んでいる。

 と。今度はなんと、こいしが私の背中にもたれて、うなじに唇を押し当ててきた。
 ひぅっ?! と更にぞくぞくする感触に、悲鳴が今度こそでかけて、そして覆いかぶさるように抱きついている事も拍車をかけて、私は今度こそ声を上げそうになり――――チュウッと、強くうなじに吸い付かれて、悲鳴が喉の奥の奥に消えてしまった。

 ……ぁ、え? 熱い、い、痛い?

 こんな変な痛みは初めて、歯を立ててくる事すら、もうどうして?! と疑問ばかりだった。
 でも、何とか頑張って、私は何も気づかない分からない! と、思い込もうとして、混乱が頂点に達して、ぎゅっと目を瞑る。

「……っ」

 うなじに、痛い様な甘い、熱い刺激が残って、消えない。
 跡に、なっているだろうなとぼんやり考えて、ペラリと、読んでもいない本のページを、反射で、無意識に捲る。
 頭の中が湯だって、溶けてしまいそうだった……

 そして沈黙。


 パタン。


 その扉が閉まる音に、ハッとした。

「―――ぁ」

 ようやく、
 本当にようやく、私はこいしの体温が、重みが、私から消えていた事に気づいた。
 そしてそれぐらい思考を止めていた事にも気づいて、私はぎゅっと閉じた瞳を開く。

「……、……ふぁ」

 熱い、呼気が漏れた。
 なんだったんだろう、今のこいしは?
 よろよろと起き上がって、こいしに吸い付かれたうなじを撫でて、何だか無性に力が抜ける。
 顔が熱くて、眩暈がしているみたいにくらくらした。

 ただ、一つ言える事は。

「……負けました、ね」

 という降参の言葉だった。

 もう、決定的だった。

 そう、勝手に始めた私の『気づかない』ゲームに、こいしは見事に勝利して見せたのだ。
 それは明らかで、きっと、私の様子から私が小さいプライドで気づかない降りをしていたなんて、もうとっくに知られていたのだろう。

 だから満足して、最後に痛烈な仕返しをして、あの子は遊びに行った。

「……もう!」

 次に会う時に、どんな顔をあの子に向ければいいのか……
 がっくりと頭を下げて、赤い顔を枕に押し付ける。

 うなじに残っているだろう赤い跡と、あの子の温もりに頬を染めて、私は小さく恨み言めいた愚痴をこぼす。


「……もっと素直に甘えてくれれば、いいのに」


 と。
 私なりに出した、こいしの意味不明な行動の結論。
 そして、そうしたら、私だって……と。

 それは本当に勝手な愚痴。













 ◆◆◆













 それは、清々しい青い空の下。
 赤い髪をおさげにした可愛らしい猫の妖怪が、巫女の少女に愚痴っている。


「もうさ。あたいは耐えられないんだよ」
「ふぅん」
「……何っ、あのバカップル姉妹?!」
「はぁ」
「あたい達の目を考えて!」
「……まあ、ご愁傷様」

 ずずっとお茶をすすって聞いているのかいないのか不明な巫女に、彼女は熱く語る。

 切実にいい加減にして欲しいと!

「朝っぱらからさぁ! 気づかない振りをしているさとり様と、そのさとり様に気づけとばかりにチューするこいし様。
 昼間から、寝たふりをするさとり様と、起きてー起きろーとばかりにぎゅっとくっつくこいし様。
 真夜中に、わざと他のペットと遊んでいるさとり様と、一緒に寝ようと枕をもって怒りながらもじもじするこいし様。
 ……っ、何か、さとり様も、味をしめたみたいで、もう尻尾があったらパタパタ振りながら、こいし様がかまってくれるのを待っててさぁ!」

 うにゃーと彼女はごろごろする。

「こいし様はこいし様で! どんどんそっけないさとり様を落とすのに夢中になって、周りを気にせずに凄い事するし……!」
「……へぇ?」
「限度があると思うんだよあたいはっ! 服を脱がそうとしたり脱いだりディープなチュウしたりしなかったり、その他もろもろ、家族の前でしないでおくれよー!」

 うにゃーと彼女は叫ぶ。
 もう叫びまくる。
 今の内に発散しないと、家に帰ってから心の中で悪態を付いて大好きな主を悲しませるから、もう思う存分に叫ぶ。

「……迷惑だけど、あんたも大変ね」
「うわぁん、お姉さーん。お空とはこの悲しみを分け合えないんだよぉ、お姉さんだけだよぉ」
「よしよし」
「畜生、お空め。馬鹿だからあのむず痒くて居たたまれなくて居づらい、あたいたちお邪魔ですね失礼しましたぁ、な空気が読めないから、いつもほのぼのしやがってぇ!」
「はいはい。あんたはよく頑張ってるわ」

 巫女の少女の腕の中で、彼女はさめざめと泣くのだった。
 そして、お空と呼ばれた実はいるもう一匹の少女はというと。



「うにゅ?」



 一人温泉卵にがっついて、泣く親友に心底不思議そうな顔を向けていた。

 巫女の少女は、げんなりとしつつも、平和だなぁと。地霊殿には暫く近づくのやめようと、そっと決めていた。






 

 
 
 
 古明地姉妹のすれ違いな話を書きたかった。

 でも、傍目にはバカップルがいいなと思ったらこうなった。

 いつかイチャイチャにチャレンジしようと思う前に、反省しようと思います。
 
夏星
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コメント



0.簡易評価なし
1.無評価名前が無い程度の能力 削除
なるほど、すばらしい。
2.無評価名前が無い程度の能力 削除
俺を砂糖で窒息死させる気だな!?
3.無評価名前が無い程度の能力 削除
なんか、切ないのぜ…
4.無評価名前が無い程度の能力 削除
切なさが先立っちまったんだぜ……
5.無評価名前が無い程度の能力 削除
視点を変えるとあら不思議。すれ違いなんて本当に些細な事から始まるわけだ
いいぞ!もっとやれ!
6.無評価名前が無い程度の能力 削除
切ないすれ違いだ……あれ?
7.無評価謳魚 削除
夏星さんの全力地霊殿、ご馳走さまでげふぇ(砂糖リバース)
8.無評価七星 削除
切ない上に甘いたぁどういうことですか。
お燐に心から同情申し上げつつ
姉妹はもっとやれうごぅふ(蜂蜜リバース)
9.無評価名前が無い程度の能力 削除
夏星さんの文章楽しみにまっていました。さすがの文章です。ごちそうさ(ブフォァ
10.無評価名前がない程度の能力 削除
なんか切ない!!切なすぎる!!
だから次はもっと甘くてイチャイチャな話をかいてくだ(ごふぁあ

さて塩辛と濃いめの珈琲を摂取しないと……
11.無評価名前が無い程度の能力 削除
せつま~い
12.無評価名前が無い程度の能力 削除
途中でこの甘さどこかでって思った。作者見て納得!
甘さに評定がありまくる作者さんだ!!
13.無評価名前が無い程度の能力 削除
すれ違いだけどあまあまだな。
14.無評価名前が無い程度の能力 削除
コレはお燐死にますわ
15.無評価名前が無い程度の能力 削除
お燐…ドンマイ…。ところで、その限度を(火車で潰されました