「お姉ちゃん、生きてる?」
「生きてますよ? 見れば分かるでしょう」
「いや、見た目死んでるよ」
俯せに倒れている状態のさとり。服装は涼しげに、ワイシャツとホットパンツのみ。
こいしが地霊殿へ帰って来て三日目、さとりはだらけていた。
「どうして寝転がってるの?」
「床が、冷たいの……」
「子どもじゃないんだからさ……」
「当たり前よ。私は大人です。え、何? こいしは私を怒らせたいの?」
「え、あ、ごめんなさい……って何で私が怒られてるのよ!」
「まぁ、そんなにユリユリしないで」
「カリカリしてるの!」
「ほら、こいしおいで。一緒に転がりましょう?」
「嫌だよ、みっともない」
バッサリと斬り捨てるこいし。
それから、さとりは言葉を発さなくなる。というか、死んだように動かなくなった。ぴくりともしない。
「お姉ちゃん、生きてる?」
「……」
返事が無い。
「ただの屍のようだ……って違う! どうしたの?」
「こいしは……」
「ん?」
「私のこと、嫌いなんですね」
「はぃ!?」
ごろんと仰向けになり、うるうるとさせた瞳をこいしに向ける。
というか、ワイシャツのボタンが全て外れていた。
控え目な膨らみがちらちらと見える。
「何です? その可哀相なものを見る目は?」
「……お姉ちゃん、本当に私たちの中で一番小さい――」
「それ以上言ったら泣きますよ。本気で。割と本気で!」
じわりと涙を滲ませるさとりを見て、泣く姿もちょっと見たいなぁ、などと思いつつも、その気持ちは胸にしまっておいた。さとりよりもちょっと大きくなった胸に、しまった。
「今ので確信したわ。やっぱりこいしは私が嫌いだと」
「いやいや、胸が小さいのは事実だから仕方無いよ」
「はぅっ!?」
さとりの心に、こいしの鋭い言葉が突き刺さる。
さとりだって女の子。ちょっとくらい、いや、結構スタイルを気にする。ただでさえ小柄なことを気にしているのに、実の妹から胸小さいなどと言われては瀕死級ダメージだ。
「こいし……私もうダメ」
「まずは起き上がろうよ。そして前をしっかり閉じて」
ヘコんでいるさとりを立ち上がらせて、ワイシャツの前を閉じる。
「暑い……」
「暑い暑い、言うから暑くなるんだよ」
「寒い寒い……」
「いや、それは言っても意味無いと思う」
はぁ、と溜息を漏らすこいし。
昔からだらだらした部分はあったが、ここまでは酷くなかった。何故だろうか、と悩むが答えは出ない。
「ねぇ、お姉ちゃん」
「何、こいし?」
「昔よりだらけてない?」
「う~ん、しっかりする必要が無くなったから、かしらね」
「え?」
「え?」
「何でお姉ちゃんが疑問符浮かべるの!?」
「こいしの真似をしてみました。似てた?」
「どうでも良いよ」
こいしも掴みどころが無いが、さとりも結構掴みどころが無い。
「せっかくこれで、今度の地底物まね大会出ようと思ってたのに」
「さっきの一言だけなら、絶対批判の嵐だね」
「こいし、麦茶――」
「自分で入れなさい」
「……こいしが冷たい。冷たいこいしを抱き締めたら、気持ち良いかしら」
「私の体温は普通だよ」
「ぎゅ~」
「わっ!?」
こいしをギュッと抱き締める。
華奢な身体を、壊れてしまわないように優しく包んだ。
「暑いわ」
「離せば良いじゃん」
「でも心地良い」
「そっか」
「こいしは抵抗しないの?」
「抵抗する理由があるの?」
「……ぎゅ~」
「わぷっ」
さとりは自分の薄い胸に押し付けるように、力を少しだけ入れて抱き締める。
「やっぱり小さいから、普通に声出せるね」
「大きかったら、今頃こいしは窒息ね」
「良かったぁ、お姉ちゃんの胸が小さくて」
「……お仕置」
「わっ!? くすぐった……ひゃう、あはは!」
さとりはこいしを抱き締めたまま、手を脇腹に滑り込ませてくすぐる。
抱き締められているせいで、身動きが取れない。
「あひゃ、ぎぶ! お、お姉ちゃんごめんなさい! あ、ひゃぅっ、く、苦しいって!」
「なんか楽しいので、もうしばらく」
「お、鬼~! あ、ひゃあぁ、くっ……はは、ふわっ!?」
その後、15分間くすぐられ続けた。
暴れるこいしをしっかりと抱き締めながら、そんなことをすれば――
「はぁはぁ……」
「あ、暑い……」
暴れるこいしも、おさえてたさとりも体温上昇は当たり前なわけで、余計に暑くなった。
こいしは服が乱れ、呼吸も荒く、涙目になっている。
「馬鹿お姉ちゃん……」
「や、やりすぎました。ごめんね、こいし」
「はぁ、んっ……お姉ちゃん」
「は、はい?」
「麦茶持ってきて」
「……はい」
さすがに断るわけにもいかず、ふらふらとさとりは立ち上がった。
麦茶で二人とも、復活を目指した。
「あ……」
「え?」
「麦茶、作り忘れてました」
「……うぅ」
二人、気絶するように倒れた。
お燐が帰ってきた時、仰向けに倒れて死んだような表情をしている二人を見て、お燐は相当焦ったそうな。
冷たい水をあげたら、復活したらしい。
個人的にはさとり様が攻めで
>「カリカリしてるの!」
この会話に吹きましたww
こいしちゃん・・・・・・遠慮せずに思う存分ユリユリしていいんだよ(はぁと
でもこの空気がいいw
シスコンでいろいろダメな姉、これがあればもう水だけで生きていける…
こいしたんはもっとさとり様とユリユリすればいいと思うんだ
>冷たい水をあげたら、復活したらしい。
ここで吹きました。わかめかなにかですかw
にしても、さとりさま小さ(テリブルスーヴニール
なんてったってユリユリ
また明日からも戦える
そして祝シリーズ化w
喉飴さんはもっとユリユリさせるべき。
こいさと!こいさと!
ぐだらに更に磨きがかかりました!
気のせいですぜ。くすぐりですから。
>>七人目の名無し様
カリカリとユリユリでだいぶ意味が変わりますねw
>>3様
ぐだらなのも、きっと夏のせいですw
>>4様
水だけでですかw
私も、ユリユリすれば良いと思います。
>>ちゃいな様
夏限定のシリーズ化ですw
むくむくと復活しましたw単純ですw
>>6様
仲良いのは良いことです。
小さいけど(燃やされました
>>7様
そう言ってもらえると嬉しいです。
>>8様
夏限定のシリーズ化ですがw
>>謳魚様
暑いですからねー。
>>10様
ならば私は……さとこい!さとこい!
>>奇声を発する程度の能力様
私も大分ぐだらってますw