神社のとある部屋、ちゃぶ台の中央に桶が一つ。中には氷と数本のキュウリがある。
部屋には二人と一匹。その中の一人がおもむろに桶へ手を突っ込み、キュウリを一本掴むと、そのまま口元へ運んでいった。カリッ、と小気味よい音が鳴った。
「霊夢、まだぬるい、ぬる過ぎる」
「私に言われても…桶に入れて冷やし直せばいいじゃない」
「それもそうだな」
口に含んだ瓜科特有の瑞々しさを口内で感じながら、しゃくり、ともう一口齧る。
そして、やっぱり冷やそう、と言い、再び食べかけのそれを桶に戻そうとした。
「ちょっと、貴方達、私がいることを忘れないで欲しいわ」
そんな中、沈黙を保っていたレミリアが、鋭い声で言う。その声には少し怒りのようなものが含まれていた。客人なのよ私は。
「この家は、客人にキュウリを出してもてなすのかしら?」
「キュウリ舐めんな。これでも今日一日の食料なんだから」
「第一、週五日ペースで来ている奴が客人面するのもどうかと思うけどな」
「何を言ってるの、客人とは常に敬い、もてなすべきなのよ。白黒にはわからないの?」
「だったらその言葉、お前んとこのメイド長にも言っておいてくれよ吸血鬼。あいつ、遊びに来ただけで、ナイフ投げてくるんだ」
何もしてないのにあれは酷いぜ。魔理沙は自分に飛んでくる大量のナイフを思い出して、ゾッとした。
咲夜によって操られたナイフは、命の次に大事だと言っても過言ではない魔女帽に突き刺さり、穴だらけにしまったのだから。
「パチェの本を返さないのと、門番にちょっかい出したからよ」
「あら、魔理沙、浮気?」
流石、幻想郷一手の早い女ね。霊夢も桶のキュウリに手を伸ばす。
「本は死ぬまで借りてるんだ。あと美鈴にちょっかいは出していない。人のもんには手を出さない主義だからな」
お前も簡単に信じるな、霊夢。と呆れた声を出して、食べかけのキュウリをやっと桶に戻す。変わりに氷を一つ、摘んで口の中に入れた。
その様子を見て、レミリアはつまらなそうに口を尖らせた。貴方達って本当、枯れ切っているわね。
「せめて、熟年と言って欲しいわね」
「だって、やり取りがまるで、老夫婦みたい」
「魔理沙じじいは、昔からこんな感じよ」
「なら、霊夢ばばあは昔から素っ気ないぜ」
「…生意気ね魔理沙。今夜は覚悟していなさい、ちょうどキュウリもあるし」
「子供の前で言うもんじゃないぜ霊夢。キュウリ美味いな」
レミリアは、理解に苦しんだ。何故ばばあがじじいを抱くのかとか、おい魔理沙そこは顔を赤くするところだぞとか、二人共自分より生きてないじゃないかとか、いつから私は二人の子供になったんだ、とか。
その時、難しい顔をしているレミリアを見て、一言、苦笑顔の霊夢が言った。もう慣れているの、それに、
「頬も染めない女に、萌えなんて期待してないわよ」
熟年夫婦とはそんなものだろうか。結局、理解できないまま、レミリアは桶に手を伸ばす。
イグサの匂いが立ちこめる部屋、静粛を切るように、三人分のキュウリを齧る水っぽい音が響いた。
なら一体きゅうりで何をする気だwww
まりめー…新しい…でもメイマリがいいと思いますっ
なんか和んだ
貴様のせいでまりめーという新たな可能性に目覚めてしまったではないか
責任をとって早くまりめーを書くんだ…いや、書いてください。お願いします
ほのぼのとした雰囲気になれば幸いです。
>>2
レミリアの牙は絶対きゅうりクラッシャーだと思っています。バリボリしてなんぼです。
>>3
霊夢は口先だけなので、なんにもしません。魔理沙もそれをわかっているから、流すんです。っていう妄想。
メイマリ…も良いですよね!右魔理沙と右中国がライフワークなので、どっちもおいしゅうございまっせ!
>>4
きゅうりは未知の可能性を持った野菜ですね、野菜って素晴らしい!
基本マイペースな人達なので、レミリアが苦労しそうな気がします。
>>5
和め、そしてレイマリ+レミリアという方式にはまればいいんです。
うあああよっしゃああああああ!!!目覚めてなんぼですよ、こっちは引き込む気満々ですからね!男前魔理沙に口説かれる美鈴の可愛さを肥料に発芽しちゃえば良いんです。
そんなことを言われたら、書かざるを得ないじゃないですか。いやむしろ書く。
霊夢さんがばばぁか…………うん、いざ逝かん幻想郷。
そして私は神社のパシリになる。