「さぁ、今夜も皆さん厄だらけかな? 始まりました、厄神様ドット@こむ」
ウインクをして、軽く微笑みながら喋るのは雛。
「メインパーソナリティーは私、鍵山雛。そして今回のゲストは……水橋パルスィさんです。はい拍手~」
「んー! んー!」
手足を縛られ、口にガムテープが貼られているのはパルスィ。
「それでは今日も、元気良く厄にまみれましょう!」
『厄神様ドット@こむ』は、鬼のぱんつ(株)、飲食会社厄ドナルド(厄マーク)、浮気調査さとり事務所(地)、霧雨魔法店(廃)の提供でお送りします。
「最初はお馴染み、このコーナー! それは……」
「むー! むー!」
「ん? あぁ、ごめんね」
縄をほどき、ガムテープを取って解放する。
「ぷはぁ、あんたねぇ!」
「では最初のコーナーです」
「無視するな!」
「みんな大好きなコーナー! その名も『私の厄、嫌いなあいつに移っちゃえ♪ぐへっ☆』です」
「可愛らしく振る舞ってるけど、言ってる内容凄い暗いわね」
人指し指を唇にあてながら、可愛らしく言う雛。
そんな雛を、パルスィは極限まで引いた目で見つめる。
「そんなに引かなくても……私だって女の子なのよ? 涙と単三電池が出ちゃう」
「目から単三電池出たら立派な妖怪ね」
「続いてのコーナー行きます」
「え!? 今のコーナーは!?」
「え?」
きょとんとした表情になる雛。
首を傾げて、不思議そうにパルスィを見つめる。
その視線に、少したじろぐパルスィ。
「え、と……パルスィ大丈夫?」
「え?」
「コーナーなんて無かったじゃない」
「いや、言ってたじゃない」
「言って無いわよ。大丈夫?」
本気で心配そうな表情を浮かべて、パルスィの額に手のひらをあてる。熱を確認しているようだ。
「熱何か無いわよ! さっき言ってたじゃない。『私の厄、嫌いなあいつに移っちゃえ♪ぐへっ☆』って!」
「う……わぁ」
本気で引いている。
苦笑いを浮かべている。
パルスィは、ちょっと本気で挫けそうになった。
「あ、安心して! 私はパルスィのこと信じてるわよ。う……うん、私言った!
言ったわ!」
「もう良いのよ……私がおかしかったみたい」
焦りながらフォローする雛を見て、おかしかったのは自分なんだと思うパルスィ。
そんなパルスィを見て、雛は一瞬だけ口元をつり上げて笑った。
「計画通り」
「え?」
「ううん、こっちの話。さ、気を取り直して、次のコーナー行きましょう」
「え、うん」
笑顔になる雛に、パルスィも気を取り直す。
「次のコーナーは、大人気『天気予報』です」
「天気予報が大人気コーナーなの!? どんな番組よ!?」
「えーと、明日は紅魔館が雨、博麗神社が洪水、人里が晴れ、地霊殿が雷ときどき落石、他は知らないから自分で調べてね」
「うん、もう割とどうでも良くなってきたわ」
「続いては不人気コーナー」
「やるなよ」
あくまでも笑顔を崩さない雛。
「それは『厄おた』のコーナー!」
「それ前回メインコーナーじゃなかった?」
「パルスィ、時代は常に変わるのよ」
「いや、意味分からないんだけど……」
「では最初のお便りです。ペンネーム、ウドンゲリオンさんからです。ありがとー!」
『最近、悪戯兎に本当に困っています。落とし穴に落とされたり、硫酸の入ったビーカーを投げ付けられたりします。あ、でも、優しい部分もあるんです。私の相談に乗ってくれたり、私に幸せをいっぱいあげると言ってくれたり……どうしましょう?』
「知らないわよ!」
「ノロケね。妬ましい!」
二人は一斉に怒りの声を上げた。
葉書を破り捨てる雛、バラバラになった葉書をさらに踏み付けるパルスィ。
「はぁはぁ……あ、続いてのお便りです」
「凄いコロッと変われるのね、あんた」
雛の可愛らしい笑顔がまた現れる。
パルスィは普通に感心した。ここまですぐ表情を変えられることは、もはや特技だ。
「ペンネーム、十六夜咲夜さんからいただきました。ありがとー」
『私の悩みを聞いてくだ――』
「あ、終わりの時間」
「ちょ!? 名前まで読んどいて、しかも本名なのに最後まで読まれないって酷すぎじゃない!?」
「まぁまぁ、こんなこともあるわよ」
「無いわよ!」
「あ、足釣った……痛い痛い。嘘だけどね」
「嘘かよ!」
エンディングテーマ、『厄神様の通り道にいる嫉妬さんを抱き締めて愛を叫ぶ』が流れる。
「それでは今日のゲスト、水橋パルスィさん、感想をどうぞ」
「え? あぁ、えーと……」
「そう、楽しかったのね」
「何も言ってないわよ、馬鹿雛」
「あ……」
「ん?」
「今日、初めて私の名前呼んでくれた……」
「んなっ!?」
「え、えへへ」
「何笑ってんのよ!」
少し照れたように笑う雛。
顔を赤くして怒るパルスィ。
「それでは、また会えたら会いましょう」
「もう無いでしょ……」
「厄神様ドット@こむ、でしたー」
小さく手を振る雛。
~スタッフやら一覧~
プロデューサー:パチュリー・ノーレッジ
ディレクター:小悪魔と不愉快な仲間たち
アシスタントディレクター:橙
葉書投稿者:ウドンゲリオン、十六夜咲夜ちゃん
3時のおやつ:かすていら
スペシャルサンクス:八雲紫
脚本:魂魄妖忌(21)
構成:四季映姫
音響:河城にとり
野次馬:射命丸文
馬:ひひーん
メインパーソナリティー:鍵山雛
ゲスト:水橋パルスィ
鍵山雛:計画通り!
あと妖忌若ッ……と思いましたー。
したー。
たー。
まさかリ○バスネタ?
パルパル可愛いよパルパル
こんなんでよくやってけるなぁ…
さて、次回に向けて葉書でも書くか
今度こそ採用してもらうぜ!
欲を言えばせっかくのラジオネタだしもっとちゃんとコーナーやる中でネタが見たかったな。
エンディングテーマのタイトルのようになると良いですねwww
これで決まり!
パルスィは結構流されるタイプだと思います。
>>2様
(21)ネタは元があるのですよ。
>>3様
正解です!
>>謳魚様
やっぱり雛SSはもっと増えるべきだと考えてます!
>>5様
分かりましたかw
>>6様
一瞬でバレますよね。
>>7様
次があるかどうかもw
>>8様
まさかのですか!?
>>9様
貴重な意見ありがとうございます。今後、参考にさせていただきます。
>>10様
仲良くなれる二人だと信じてますw
>>奇声を発する程度の能力様
美味しいですよね!
>少し照れたように笑う雛。
顔を赤くして怒るパルスィ。
ノロケね。妬ましい!
誤字直しました。ありがとうございます。
あぁ妬ましい!