「――さ」
む……。
「――りさ」
なんだ……?
「――魔理沙」
誰かが、呼んでる……?
「ねぇ、魔理沙ってば」
……この、声は……。
「あり、す……?」
まだ重い瞼をゆっくり開けると、ぼやけた視界に見慣れた笑顔が映った。
「おはよう、魔理沙」
「おはよぅ……ありす。って、なんでそんな普通にいんの……?」
「そんなことは瑣末な問題に過ぎないわ。それより魔理沙。一刻も早く大きくしなきゃ」
「……? なにを……?」
「決まってるじゃない。魔理沙の胸をよ」
「……帰れ」
――ああ、今日もまたこいつに振り回される一日が始まるんだな。
まだ半分寝ている頭でそんなことを考えながら、私は大きく欠伸をした。
顔を洗い終えた私がリビングに行くと、アリスが勝手に朝ごはんを作ってもりもりと喰っていた。
「この焼き海苔美味しいわね。ムシャムシャ」
相変わらずフリーダムですね。もう今更ツッコまんけど。
「……で? 一体何しに来たんだ。こんな朝っぱらから」
「さっき言ったでしょ? 魔理沙の胸を大きくしによ」
「……どうやら、お前の言うその『魔理沙』とやらは、私とは別の『魔理沙』みたいだな。生憎と私は、お前にそんな依頼をした覚えは無い」
「あら。でも博麗霊夢に『胸を早く大きくする方法を教えてくれ』って泣きついた『魔理沙』は、多分あなたと同一人物だと思うけど」
「ちょっと神社行って来る」
「何しに」
「巫女退治に」
「駄目よ魔理沙。そんなことをしたら幻想郷がゲシュタルト崩壊してしまうわ。ずずず」
そんなんより乙女の純情の方が百万倍大事だ。くそ、普通にチクりやがって。あの巫女め。
つか私が昨晩丹精込めて作り上げたなめ茸の味噌汁をさも当然のように啜ってんじゃねぇよアリス。
「……あいつから何を聞いたか知らんが、もうその件は解決済みだぜ」
「? 魔理沙、何を言ってるの? 問題は何一つ解決してはいないわ」
私の胸を真顔でじぃっと見つめながら言うアリス。
殴ってやろうかとも思ったが反撃が怖いのでやめておく。
「いや、無理に背伸びするよりも、自然に任せようってことになったんだよ」
「自然に」
「うん」
「…………」
「…………」
「ずびし」
「きゃうっ」
「もう、そんなんだから駄目なのよ魔理沙は。めっ」
「……はい。ごめんなさい」
突然突っつかれたおでこを押さえながら涙目になって謝る私。
っていうかなんで今攻撃されたの。
「いい? 魔理沙。自然になんて任せてたら駄目よ。そんなんではあなたは一生、幻想郷貧乳ランキング第一位(幼女は除く)の称号を抱え続けることになるわ」
「え……あ、アリスもやっぱ、私が一位って思ってたんだ……?」
「うん」
さらっと言われると結構心に来ますねこれ。
ええ、魔理沙はもう泣きそうです。
「でも大丈夫。私は魔理沙の可愛いプチトマトをたちまちにして芳醇なマスクメロンへと変える方法を知っているわ」
「……一応聞いといてやる。何だ? その方法とやらは」
「それはね、魔理沙の背後から腋の下に手を通して、耳元で『アイ・ラーヴュ』と囁きながら胸を揉みしだくのよ」
「それを誰がやるんだ」
「私以外に適役がいるかしら?」
「拒否権を発動するぜ。パス1だ」
「じゃあ上海にやってもらおうかしら」
「同じ事だろ! 大体どのみち駄目だそんなん! なんつうか、色んなモノに引っかかる!」
「何言ってるのよ魔理沙。引っかかるわけないでしょう」
「? 何でだよ」
「だって魔理沙の胸は引っかかるほど出てな」
「ずびし」
「あうっ」
さっきの仕返しとばかりに、アリスのおでこを突っつく私。
おでこを押さえて唸るアリス。
「いったぁ。何するのよ魔理沙。さては反抗期?」
「うっさい! お前が失礼なこと言うからだろうが!」
「……まあまあ、落ち着きなさいな。大丈夫大丈夫」
「何が大丈夫なんだ、何が」
私が興奮気味に言うと、アリスはふっと優しい笑顔になった。
不覚にもドキッとしてしまう。
「……いい? 魔理沙。あなたはこれからまだまだ成長するわ」
「…………」
「だから、今無理に背伸びしなくても、自然に身を任せていれば、きっとそのうち……心身ともに立派な大人の女性になれる」
「…………」
「今はそのときのために、じっくりパワーを蓄える時期なのよ。焦ってなんとかしようとする必要なんてないの」
「…………」
「……わかった? 魔理沙」
「……アリスよ」
「? なに?」
「言ってることは至極もっともだと思うが」
「うん」
「それ、私が最初に言ったよね」
「…………」
「…………」
「ずびし」
「きゃうっ」
「もう、そんなんだから駄目なのよ魔理沙は。そんな細かいことばっかり気にしてたら、いつまで経っても大人になんかなれないわよ。めっ」
「……はい。ごめんなさい」
「わかればいいのよ。よしよし」
「…………」
……そんなこんなで、アリスに突っつかれたり撫でられたりする毎日ですが、魔理沙は今日も元気です。アハッ!
了
む……。
「――りさ」
なんだ……?
「――魔理沙」
誰かが、呼んでる……?
「ねぇ、魔理沙ってば」
……この、声は……。
「あり、す……?」
まだ重い瞼をゆっくり開けると、ぼやけた視界に見慣れた笑顔が映った。
「おはよう、魔理沙」
「おはよぅ……ありす。って、なんでそんな普通にいんの……?」
「そんなことは瑣末な問題に過ぎないわ。それより魔理沙。一刻も早く大きくしなきゃ」
「……? なにを……?」
「決まってるじゃない。魔理沙の胸をよ」
「……帰れ」
――ああ、今日もまたこいつに振り回される一日が始まるんだな。
まだ半分寝ている頭でそんなことを考えながら、私は大きく欠伸をした。
顔を洗い終えた私がリビングに行くと、アリスが勝手に朝ごはんを作ってもりもりと喰っていた。
「この焼き海苔美味しいわね。ムシャムシャ」
相変わらずフリーダムですね。もう今更ツッコまんけど。
「……で? 一体何しに来たんだ。こんな朝っぱらから」
「さっき言ったでしょ? 魔理沙の胸を大きくしによ」
「……どうやら、お前の言うその『魔理沙』とやらは、私とは別の『魔理沙』みたいだな。生憎と私は、お前にそんな依頼をした覚えは無い」
「あら。でも博麗霊夢に『胸を早く大きくする方法を教えてくれ』って泣きついた『魔理沙』は、多分あなたと同一人物だと思うけど」
「ちょっと神社行って来る」
「何しに」
「巫女退治に」
「駄目よ魔理沙。そんなことをしたら幻想郷がゲシュタルト崩壊してしまうわ。ずずず」
そんなんより乙女の純情の方が百万倍大事だ。くそ、普通にチクりやがって。あの巫女め。
つか私が昨晩丹精込めて作り上げたなめ茸の味噌汁をさも当然のように啜ってんじゃねぇよアリス。
「……あいつから何を聞いたか知らんが、もうその件は解決済みだぜ」
「? 魔理沙、何を言ってるの? 問題は何一つ解決してはいないわ」
私の胸を真顔でじぃっと見つめながら言うアリス。
殴ってやろうかとも思ったが反撃が怖いのでやめておく。
「いや、無理に背伸びするよりも、自然に任せようってことになったんだよ」
「自然に」
「うん」
「…………」
「…………」
「ずびし」
「きゃうっ」
「もう、そんなんだから駄目なのよ魔理沙は。めっ」
「……はい。ごめんなさい」
突然突っつかれたおでこを押さえながら涙目になって謝る私。
っていうかなんで今攻撃されたの。
「いい? 魔理沙。自然になんて任せてたら駄目よ。そんなんではあなたは一生、幻想郷貧乳ランキング第一位(幼女は除く)の称号を抱え続けることになるわ」
「え……あ、アリスもやっぱ、私が一位って思ってたんだ……?」
「うん」
さらっと言われると結構心に来ますねこれ。
ええ、魔理沙はもう泣きそうです。
「でも大丈夫。私は魔理沙の可愛いプチトマトをたちまちにして芳醇なマスクメロンへと変える方法を知っているわ」
「……一応聞いといてやる。何だ? その方法とやらは」
「それはね、魔理沙の背後から腋の下に手を通して、耳元で『アイ・ラーヴュ』と囁きながら胸を揉みしだくのよ」
「それを誰がやるんだ」
「私以外に適役がいるかしら?」
「拒否権を発動するぜ。パス1だ」
「じゃあ上海にやってもらおうかしら」
「同じ事だろ! 大体どのみち駄目だそんなん! なんつうか、色んなモノに引っかかる!」
「何言ってるのよ魔理沙。引っかかるわけないでしょう」
「? 何でだよ」
「だって魔理沙の胸は引っかかるほど出てな」
「ずびし」
「あうっ」
さっきの仕返しとばかりに、アリスのおでこを突っつく私。
おでこを押さえて唸るアリス。
「いったぁ。何するのよ魔理沙。さては反抗期?」
「うっさい! お前が失礼なこと言うからだろうが!」
「……まあまあ、落ち着きなさいな。大丈夫大丈夫」
「何が大丈夫なんだ、何が」
私が興奮気味に言うと、アリスはふっと優しい笑顔になった。
不覚にもドキッとしてしまう。
「……いい? 魔理沙。あなたはこれからまだまだ成長するわ」
「…………」
「だから、今無理に背伸びしなくても、自然に身を任せていれば、きっとそのうち……心身ともに立派な大人の女性になれる」
「…………」
「今はそのときのために、じっくりパワーを蓄える時期なのよ。焦ってなんとかしようとする必要なんてないの」
「…………」
「……わかった? 魔理沙」
「……アリスよ」
「? なに?」
「言ってることは至極もっともだと思うが」
「うん」
「それ、私が最初に言ったよね」
「…………」
「…………」
「ずびし」
「きゃうっ」
「もう、そんなんだから駄目なのよ魔理沙は。そんな細かいことばっかり気にしてたら、いつまで経っても大人になんかなれないわよ。めっ」
「……はい。ごめんなさい」
「わかればいいのよ。よしよし」
「…………」
……そんなこんなで、アリスに突っつかれたり撫でられたりする毎日ですが、魔理沙は今日も元気です。アハッ!
了
あなたのマリアリが大好きです!!
壊れかたが半端じゃないwww
しかし新しい。そしてそれがいい。もう大好きです。
今回はさとらないですみましたねww
そして受け体質に定評のある魔理沙!!
こいつらもう結婚しろよと。