「だらだらしすぎだよっ!」
「ほわー」
「ほわー、じゃない!」
「ほわわー」
「ほわわー、でもない!」
こいしが、地霊殿へ帰って来てから二日目。
真夏で暑いとはいえ、地上に比べれば地霊殿はマシな方だ。
なのに、さとりは白いランニングシャツと黒のホットパンツ。
さらに、口には水色のアイスキャンデーを咥えている。
このだらしなさっぷりに、呆れつつあるこいし。
「お姉ちゃん、暑いのは分かるけどさ」
「はむはむ」
「もうちょっと、しっかりしようよ。というか、その服どうしたの?」
「先日、普通にお店で」
「珍しい。服の買い物なんて」
「あまりにも暑かったから」
「そういえば、お燐たちは?」
いつもならば、お燐が注意しているだろう。しかし、今は姿が見えない。
さとりはアイスキャンデーを口から離す。
「地上へ遊びに行きました」
「はぁ……」
「はむっ」
再びアイスキャンデーを口に咥える。
こいしは、自分自身を自由人だと認知していたが、地霊殿の住人も、同じくらいに自由人だと思った。
額に手をあてて、溜め息を吐くこいし。
「お姉ちゃん、せめて上は着よう? ランニングシャツだけじゃあ、風邪引くよ?」
「はむっ……あ、こいし!」
「え!? どうしたの!?」
「見て見て、アイスの棒にあたりの文字が」
「人の話を聞いて!」
棒にはあたりの『あ』の文字が見えていた。
いきなり大声を出すから一体何事かと思えば、そんなことだった。
「大体お姉ちゃんは――」
「はい、こいし」
「え? な、何?」
「半分あげる。暑いでしょう?」
こいしに、自分の食べていたアイスキャンデーを渡すさとり。
「い、いいよ別に」
「新しいのが無いの。ごめんね」
「だからいいってば」
「美味しいわよ? チルノ印の有頂天ソーダ味」
「う……」
こいしだって暑い。
目の前に差し出されたアイスキャンデーは、ひんやりと冷たい冷気を放っているのが分かる。
散々悩んだ挙句、受け取った。
「あ、美味しい」
「でしょう?」
ペロペロと舐める。さっぱりとした味と、冷たさが心地良い。
「あ、文字が」
「見えてきましたね」
『あた』まで見えてきた。
何故かよく分からないが、こういうときはアイスキャンデーを味わって食べるよりも、早く食べきってしまいたい衝動に駆られる。
「はむ、んっ……」
ペロペロと舐める。
アイスキャンデーが減って、棒に書かれた文字が次第に現れてくる。
『あたり』と。
「あたりだぁ」
「あれ? こいし、まだ文字が見えるわよ?」
「えっ?」
確かにまだ黒い文字の部分が見えた。
首を傾げる二人。
とりあえず、食べきることにする。
はむはむ、ペロペロ。
「ご馳走さまでした、っと」
「さて、書かれた文字は?」
『あたりだったら良かったのにね(笑)』と書かれていた。
「ウザッ! 何これ! しかも長いし!」
「まぁまぁ、こいし。こんなこともあるわよ」
「無いよ普通! わくわくを返して欲しい……」
棒を折って、ゴミ箱へと投げ捨てる。
「あ、そうそう」
「んー?」
「お姉ちゃんにお土産」
そう言って、ポケットをまさぐる。
あれでもない、これでもない、とこいしのポケットから様々な物が飛び出る。ハンカチ、ティッシュ、消しゴム、飴玉、などなど。
「たくさん入ってるわね」
「うん……あ、あった!」
小さな木箱を取り出した。
「これは?」
「じゃーん、風鈴!」
硝子に描かれた金魚、下半分は淡い水色に包まれている。小さな風鈴。
「風鈴とは……懐かしい」
「これ聞くだけで、涼めるよね」
「そうね」
りん、と響く音。
目を瞑る二人。
また、りんと鳴る。
「ありがとう、こいし」
「うん」
二人が言葉を交わす度、りん、りん、とまるで風鈴も会話をしているかのように鳴る。
「あぁ、夏だね」
「えぇ、夏ね」
夏は、まだまだ終わらない。
喉飴さんの作品に出てくる姉妹は仲が良いので
ほのぼのしますw
ほのぼのしていて本当にいい姉妹でした。
こいしのポッケから作者様。…冗談です。
予想外過ぎたwww
ちなみに、現在進行形でぐだら中ww
なんと予想外。
多分てっちん(天子)が悪乗りされたんでしょうね。
という事は衣玖さんの味も有るやも?
その検証の為にもその棒ください!えぇ決して舐めたりはしません!
思い出したのはきっと俺だけ
ぐたるっていいですよね
ほのぼのしてくださいましたか。ありがとうございますw
>>ちゃいな様
風鈴、何処に売ってるのでしょうかね。
私も買いたいです。
>>3様
こいしちゃんのポッケは温かかったです。
>>M.u様
あったら絶対に折りますねw
>>奇声を発する程度の能力様
あまり聞かないですよねぇ、最近。
>>6様
わふぁ、ありがとうございます!
>>7様
『あたい』は考えてませんでしたw
>>謳魚様
衣玖さんの味……是非味わいたいですw
>>9様
なんとw
>>10様
残念、もうゴミ箱の中です。
>>11様
私観たことないです。
ぐだぐだだらだら。