そんな河童と椛の暇潰し作者: 鷹

妖怪山滝の下流のほとりにて
「ねえ、椛。かくれんぼしない」
「かくれんぼ？二人だけで？」
「だめ？」
「だめというか、二人だけで遊んでもつまらなくない、それ」
「うーん、他に誰かいたっけ、暇そうな人」
「ふむ、あいつらは、この間からバイトに来るようになった」
「ああ、良いかも。それじゃあ声かけてくる」

「や」
「おーす」
「やあ二人とも」
「暇だから来たけど、どしたの」
「右に同じく」
「詳しくはにとりに聞いて」
「おほん、それでは『第589回にとり製品実地試験兼かくれんぼ』を開催します！」
「おー、ぱちぱち」
「・・・・・・」
「という理由よ」
「・・・いや、ねえ」
「前も言ったけど細かいこと気にしちゃだめよ」
「ようするにかくれんぼ？」
「お空ちゃん半分正解、正確には支給品によるタッチありの隠れ鬼ね」
「ちなみに今回の鬼は燐、あんただから」
「はぁ」
「それじゃあ、支給品を配るよ」

「なあ」
「どうした」
「これなに」
「MOSIN NAGANT（モシン・ナガン）にRPG-7、WP Grenade（白燐手榴弾）、あとMouse trap（ネズミ捕り）ね」
「あたしに何をさせる気だい、あんたら」
「残弾の心配はいらないわよ、無限って刻まれたバンダナも支給するから」
「いたせりつくせりね」
「あたしゃ、裸の蛇か」

Case1 森の中にて
「がさごそ、がさごそ」
「なにやってんだい、お空」
「お空ではありません、ダンボールでスニーキング中の終わりの人なのであります」
「いや、その人、それ被らないし」
「にとりさん・・・でなく大佐が言うには、耐久性75%あっぷ、さらに耐水性能がばつぐんに向上したとのことです」
「なあ、他になにか言ってなかった、あの二人」
「そういえば箱がないと意味がないとか・・・はっ」
「ばん」
「じ・えんど？！」

Case2 犬？いえいえ、立派な狼です。
「いないね」
「さすがにあの二人はすぐに見つかるよな真似はしないでしょ」
「そうかなー、えい」
「ぱくっ！・・・はっ、私は何を」
「・・・犬だな」
「犬だね」
「うぐぅ」

Final case すてるするてす
「ふふふ、このわたしのステルス迷彩は見破れまい」
「あれって反則だよね」
「いや、そうでもないみたい」
「？」
「死霊たちがあそこだって」
「あ、悲しみの人？」
「ふぇ」
「ろっくおん」
「ふっ、新米セーフティが掛かっあべし」
「みっしょんこんぷりーと」
「ちょっとお約束ぐらいやらせてよ」

Special mission ネズミ捕りにかかってたのは？
「びちびちびち」
「・・・・」
「びちびちびち？」
「確かに幻想入りしていてもおかしくないわね」
「へえ、これが噂の」
「でどうする」
「そんなもの決まっている」

・・・うるとらじょうずに焼けましたー！

「ぷはー」
「美味でした」
「確かに最高だって叫ぶほどだわ」
「ごちそうさまでした」

夕暮れ時
「いい暇潰しにはなったな」
「ええ、改良点も浮かびましたし」
「それじゃあ、あたし達は帰るね」
「ねー」
「ちょい待ち、二人とも、調べたらもう一匹かかってたから」
「はい、おみあげ」
「お、ありがと」
「ありがとー」

そんな河童と椛の暇潰し

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