" />兎のレポート 作者: みつば
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兎のレポート

2009/08/01 04:48:22
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 タイトル 「悪戯心理(トリック・マインド)」  鈴仙・優曇華院・イナバ

この数日、てゐの素行をそれとなく見てきましたが、本当に驚くことばかりでした。
これまで永遠亭で起きた一連の悪戯はてゐの仕業ではなく、なんと他の兎達の仕業だったのです。
朝から晩まで私達の目を盗んで悪戯することばかり考えているようなのです。
信じられないかもしれませんが、てゐはそんな兎たちの悪戯を抑止するよう動いていました。
先日スコップを持って竹林を歩くてゐを尾行しました。その時見つけた落とし穴は数知れず……。
そして私は見てしまいました。その数々の落とし穴をてゐ自らがこっそり埋めていたのです。
驚くべきなのか呆れるべきなのか、たった一人でよくもまぁやるもんだと感心しました。
よく見かけるスコップを持つてゐは、穴を掘っているのではなく埋めている姿だったようです。
さて、私は一つの疑問がありました。なぜてゐはこんなことをするのだろうかというものです。
そもそも私達は、てゐが悪戯をするということの意味を深く追及したことがあったでしょうか。
ああ見えて彼女は長く生きてます。悪戯という幼い遊びに精を出すのは何かおかしくないだろうか。
そう、おかしいのです。私達は「悪戯は全部私がやった」というてゐの言葉を無条件で信じていました。
てゐが兎達に慕われる理由、私の言うことを兎達がなかなか聞いてくれない理由。
付き合いの長さでは決してないでしょう。私とてゐの間には明確な差異があるのです。
それがこの「悪戯との接し方」であるに違いありません。
てゐのように決して兎達の悪戯を咎めず、何も言わずに悪戯の後始末をする保護者のような振る舞い。
竹林を穴だらけにし、言いつけはろくに守らず、目を離すとすぐにどこかへ行ってしまう。
そんな兎達のトップとして長年過ごしてきた彼女の懐の広さは一体どれほどのものなのか。
挙げ句、お師匠さまに「悪戯は全部私がやった」と開き直る姿は、ある意味では勇ましくも見える。
そしてそれは、本当はてゐのやった悪戯ではなく本来叱られるはずの兎を庇った行為。
私には馬鹿げているとしか思えないそんな言動が、兎達の目にはカリスマ的に映ってしまうのでしょう。
例え、てゐが兎達の悪戯を暗に窘めていたとしても、てゐはあくまで兎達の味方なのです。
そう考えれば私の言うことを聞いてくれない理由も説明がつきます。私は悪戯を叱っている側なのです。
兎たちにはそれが面白くないに違いありません。それは前々から知っていました。
それでも、良くないことは良くないと言い続けることで、いつか信頼を得ることができるはず。
そんな夢みたいな妄想は今日で終わりです。私も兎達に混じることで信頼を勝ち取ろうと思います。
このレポートを書いている今そう決意しています。
しかしいきなり悪戯に参加するのは兎達も困惑するでしょう。まずは徐々に溶け込んでいきたい。
兎達との距離を縮めるために笑って許して貰えるお茶目くらいならやってみようかな、と思います。
手始めに寝ている姫さまの鼻にポップコーンを詰め込んだのは私です。鼻の奥行きに驚きました。
私が悪戯をしても、お師匠さま、どうぞ笑って許してください。
お師匠さまにはポップコーンよりも小さい小豆を用意していますゆえ。






――小豆って……これはオチをつけたつもりなのかしら。

 永琳が部屋へ戻ると、鈴仙に頼んでいた薬草とレポート用紙が机の上に置かれていた。そういえば提出期限は今日までだったなと思い出し、相変わらずの珍妙なタイトルに苦笑いしながら永琳はレポートを読み始めた。それが数分前のこと。
 提出されたレポートを改めて読み返し、永琳は疲れたように目頭を揉んだ。レポートをファイルへ綴じる。これは兎たちに智慧をつけてやるという、ずっと以前にてゐと交わした約束の一環である。永琳はレポートを課すことで兎たちに考える力をつけてやろうとした。が、きっちりレポートを提出するのはどういう訳か約束の兎たちに含まれない鈴仙だけであった。兎レポートと書かれたファイルにあるのは全て鈴仙のものだ。やる必要の無いレポートをわざわざやってくる鈴仙の勤勉さは評価する。文章の整合性や主張の一貫性。読みやすさを配慮したレイアウト、その他諸々まだまだ文章の書き方は下手なものの、最初の頃と比べると目覚ましい進歩だ。いつもは文字数が足りずに一行ずつ開けていたのに、今回のテーマは鈴仙にとっては書きやすかったのかレポート用紙びっちりと字が埋まっている。
 構成は悪くなかった。
 まず最初に自分が見たこと――この場合はてゐの意外な一面に触れ、それについて自分はどう思い、そしてそこから何を考えどうするべきか、という教科書みたいな構成は十分に及第点だ。しかし内容が拙い。主人公の天晴れな生き様を書いた文学作品を読んで「自分も聖人君子のように生きていきたい」と書いてしまうような思春期真っ盛りは恥ずかしいが、こんな風に不良宣言されてもそれはそれで困る。

――何より、こんなことでポップコーンを詰められた輝夜が不憫すぎる。

 輝夜はかんかんであった。寝ぼけて口と鼻を間違えたのではないかというてゐの言葉に揶揄の響きを見つけ、犯人はこいつ以外いるわけがないと昨日は一日中てゐを追いかけ回していた。
 悪戯加減の知らない鈴仙も鈴仙だが、わざわざ損な役回りを演じるてゐもてゐだ。そして悪戯は全ててゐがやっていると思っていた自分も自分である。みんな不器用というか間抜けというか。
 今度はこめかみを揉む。てゐへの評価を改めねばなるまい。
 ノックをする音が部屋に響いた。

「お師匠さまー、きましたー」

 この際だ、ポップコーンの是非は捨て置こう。既にてゐを折檻してあるのに、わざわざ蒸し返すのはてゐとて望まないだろう。

「入って良いわよ」

 しかし小豆、お前はダメだ。



*



 怒声と涙声が部屋に溢れる。
 その部屋の戸はさっきまできっちりと締められていたはずなのに、今はなぜか僅かだけ開いている。そこから一枚の紙がすきま風のようにひらりと忍び込んできた。中の二人は怒ることと泣くことに夢中で気づけない。
 その紙には、こんなことが書いてある。


 タイトル 「いたずら」  てゐ

 鈴仙が薬草とレポートを持って部屋に入るのが見えた。
 そういえば今回のテーマは「いたずら」だ。
 鈴仙のレポートは明らかに字数が足りていないようだったので、一行ごとに書き足しを行った。
 筆致を真似するのが大変だった。






<了>
すぐにばれると思っていた悪戯が、予想に反してばれなかった……!しかも身代わりの友人が怒られている!
その時の焦り具合はもう異常。汗が噴き出て脱水症状になるかと思う。

てゐはこんな気分だったんじゃないだろうか。
きっと、大慌てで戸の外でネタ晴らしを書いたに違いないと思うのです。
私は友人にジュースを奢って有耶無耶にしました。
みつば
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コメント



0.簡易評価なし
1.無評価名前が無い程度の能力 削除
すげえ。
2.無評価名前が無い程度の能力 削除
思わずレポート部分を読み直してしまった。
この発想力に脱帽……!
3.無評価名前が無い程度の能力 削除
すごすぎ、しかいえない。
4.無評価名前が無い程度の能力 削除
偶数行だけさらさらと書き足していくてゐの姿を想像したら、思わず噴いた。
5.無評価千と二五五 削除
読み返して噴出しました
縦読みを警戒して読んだのに、まさかその手で来るとは……!
6.無評価与吉 削除
絶対に何かあるに違いないとレポートを何度もなめるように見返しても分からず、
くそう、と舌打ちをして読み進めること数分。
これには驚きました!
てゐの手法の鮮やかなこと鮮やかなこと。
まさにお見事の一言です。
7.無評価kuari 削除
すげぇ、思わず読み返してしまった……
8.無評価名前が無い程度の能力 削除
これぞ……てゐ!!
9.無評価名前が無い程度の能力 削除
なんて才能に溢れたいたずらなんだ……!
10.無評価非共有物理対 削除
すっげー!すっっっっっげー!!!!!
こういうトリックは教えられてから読み返すのが楽しいですね
11.無評価名前が無い程度の能力 削除
読み返してびっくり! この発想に全力で拍手を。
12.無評価名前が無い程度の能力 削除
古典なアメリカンジョークをw
騙された! 面白かったです。
13.無評価名前が無い程度の能力 削除
うまいっ!!
14.無評価名前が無い程度の能力 削除
脱帽した!
15.無評価名前が無い程度の能力 削除
これは凄い
二度読み直して二度楽しめました
16.無評価SSを観る程度の能力 削除
あまりにも自然だったため、
最後のてゐのネタバレがなければ、
気がつきませんでした。
17.無評価名前が無い程度の能力 削除
自然すぎて騙された。
驚きで開いた口がふさがらない。
18.無評価名前が無い程度の能力 削除
だつぼう
19.無評価名前が無い程度の能力 削除
これは凄い、いたずらってレベルじゃない程に高度すぎるw
20.無評価名前が無い程度の能力 削除
てゐの罠と分かっていたのにやられたw
21.無評価神谷 削除
完敗です。
22.無評価名前が無い程度の能力 削除
やってくれるぜ…。
23.無評価名前が無い程度の能力 削除
これは気付かないwwwww
本当すごいです。
24.無評価名前が無い程度の能力 削除
てゐが何かいたずらをしかけているのは分かってたのに…
いやー、ネタばれするまで見破れんかった。参りました。
25.無評価名前が無い程度の能力 削除
てゐのセンスはやばいな。
26.無評価てるる 削除
これは気付かなかった!!
てか、ものすごく自然に騙された!!
この発想は絶賛ものですね~。

あとがきの経験は私もありますね~;
あの瞬間に噴き出た汗の量は、どんな真夏日でも再現できないんですよね~;
27.無評価名前が無い程度の能力 削除
すっげぇ~~~!
正に「こ の 発 想 は な か っ た」
げに恐るべきは、てゐの真骨頂…!
28.無評価名前が無い程度の能力 削除
レポート部分を読み返してびっくり!
お見事っ!
29.無評価名前が無い程度の能力 削除
読み返した時の後半の盛り上がりが異常www
30.無評価名前が無い程度の能力 削除
この兎、文章に罠を仕掛けやがった・・・!
31.無評価名前が無い程度の能力 削除
これは素晴らしい!
脱帽どころか脱毛する勢いです。
32.無評価名前が無い程度の能力 削除
面白かった!
てゐ焦ってるだろうなあw
33.無評価つくし 削除
見事なトリックアートを見せつけられた気分であります。これはいい。
34.無評価名前が無い程度の能力 削除
この発想はなかった
35.無評価名前が無い程度の能力 削除
おまい天才だな
36.無評価名前が無い程度の能力 削除
だが輝夜への暴挙は許さんw
37.無評価名前が無い程度の能力 削除
まさか……巫女三日(ryの、みつばさんですか!?
38.無評価名前が無い程度の能力 削除
流石てゐ!俺達に出来ない事を平気でやってのける!そこに痺れる!憧れるゥ!
39.無評価名前が無い程度の能力 削除
てゐすげぇ
40.無評価名前が無い程度の能力 削除
\すげぇ!!/ \てゐっ!!/ \すげぇ!!/
41.無評価名前が無い程度の能力 削除
うまい!
42.無評価名前が無い程度の能力 削除
すばらしい。
43.無評価名前が無い程度の能力 削除
ネタばらしされた時の「やられた!」という感覚が実に心地よい。
44.無評価名前が無い程度の能力 削除
お見事!
鼻にポップコーンを詰め込まれた姫様が見てぇwww
45.無評価名前が無い程度の能力 削除
読んで頭をひねって、読み返して吹き出しましたw
これはすごいwww
46.無評価名前が無い程度の能力 削除
これはすごい。
47.無評価名前が無い程度の能力 削除
すげえ。
48.無評価名前が無い程度の能力 削除
お見事でした!
49.無評価名前が無い程度の能力 削除
これは凄い

しかしなんで誰も姫様の鼻の奥行きにツッコまないんだ?
50.無評価名前が無い程度の能力 削除
わんだほー
51.無評価名前が無い程度の能力 削除
こりゃすげぇ
52.無評価名前が無い程度の能力 削除
こりゃあ凄い
53.無評価名前が無い程度の能力 削除
鮮やかっ!
54.無評価名前が無い程度の能力 削除
おみごと
55.無評価名前が無い程度の能力 削除
お見事としかいいようがない
56.無評価とーなす 削除
やっぱり悪戯においててゐの右に出る者はないな。
作者さんすげえ、と思う前に永琳にばれずにこれをやってのけたてゐのその手腕と発想に、すげえと思ってしまったわけです。
もちろん、これを考えた作者さんの手腕と発想にも脱帽です。
57.無評価名前が無い程度の能力 削除
すげぇ!
58.無評価愚迂多良童子 削除
してやられたw
なんともてゐらしい、手の込んだ悪戯だw
59.無評価S.Kawamura 削除
やられた!本当にてゐのいたずらには頭が下がる。ここまでやるなら、もう笑ってしまいたくなる。
60.無評価wjkmbgbtpg 削除
Muchas gracias. ?Como puedo iniciar sesion?