Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

長雨の日

2009/07/26 20:11:57
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「まったくよく降るわね」
「もう七月だって言うのにねえ」


本当に最近の長雨はどうかしている。しとしとうざったい。
おかげで買出しに行くにもめんどくさくてやる気にならないし、洗濯物も乾かない。
訪れるものと言えばスキマ妖怪ぐらいなものだ。


「なーんもやる気にならないのよね」
「あなたの場合、いつものことじゃない?」
「うるさい」


ごろごろと畳を転がって紫を蹴る。
行儀よく座布団に座って、私の入れたお茶を持っている。
このくそ暑いのによく熱いお茶など飲めるものだ。


「霊夢の入れてくれたお茶ならいつでも美味しいわよ?」
「心読むな」
「あら、顔に書いてありましたわ」


げしげしと転がったまま蹴りを入れても紫の微笑みは崩れない。
動くとさらに暑くなったので、蹴るのをやめる。
そのままぐでーっと伸びていると、紫が私の足を取って膝の上に乗っけた。


「ほら、膝枕」
「普通逆」
「でも膝ですわ」


紫はそのまま私の足袋を脱がした。
なぜかそれがスキマに突っ込まれていたが、気にしない。
箪笥の中の足袋の量はなぜかいつも変わらないのだ。


「でもほんと、よく降るわねえ」
「もうほんといいかげんにしてほしいわ」


紫が障子から外を眺めたので、私もそちらを向く。
縁側からの見慣れた景色だ。
変わったところといえば、せいぜい蝸牛がやたら多いくらいだろうか。


「でーんでんむーしむしかーたつむりー」


なんとなく口ずさむ。


「おーまえのめーだまはどーこにあるー」


ばたばたと足を動かす。


「つのだせあしだせめだまーだせー」


歌い終わったとたんに暑さが増した。
力尽きて脱力する。


「あの、霊夢?」
「なによ、いいじゃない。なんとなく歌いたくなったのよ」
「ええ、それはいいんだけど、その、他の人の前ではやっちゃだめよ?」
「なんでよ」
「えーっと」


紫は視線をそらし、かすかな赤みを帯びた頬で言った。



























「女の子が足を見せるのは、はしたないんじゃないかしら」



























膝枕
素足
ばた足


三つが瞬間的に結びついて、私の頭は沸騰した。
ザッと、紫から距離を取る。
巫女服のすそを抑えて、口を開く。


「やらしい」
「いや、私のせいじゃないと思うんだけど」
「やらしい」
「むしろ霊夢がこれから慎みを持ついい機会だと……」
「やらしい」
「……ごめんなさい」


紫が折れたのはわかったが、私はなかなか許す、と言えないでいた。
何せまだ顔は赤いし、体は熱いし。足はまるで火箸のようだ。

私がもじもじしていると、紫もそれがわかったのか、助け舟を出してくれた。














「水風呂」
「えっ?」
「水風呂を用意するから、機嫌、直してくれないかしら」



「……いいわよ」

































長雨の日のことであった。
「おーいわざわざ魔理沙さんが雨の中来てやったぞー」
「もう、こんな雨の日だっていうのに」



ばしゃばしゃっ
「ちょ、ちょっと待ってなさい!いまいくから!」






「……なんで紫の服がここに?」
アステルパーム
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
い……一緒に入ったのかッ!?
「やらしい」が破壊力ありすぎw
2.名前が無い程度の能力削除
これはいい!

この二人はいいなぁ……一緒に入ったのかこの二人w
3.名前が無い程度の能力削除
長雨・・というか堤防決壊&消防団の手伝いで涙目な私が来ましたよ

「やらしい」の所が可愛らし(ry
4.名前が無い程度の能力削除
やらしいなあ、にやにや。