冬真っ盛りの幻想郷。
守矢神社は吹雪の夜。
早苗は一人、重ねた薄布団に包まり震えていた。
「寒い…寒すぎてなかなか眠れない…」
ガラッ
「きゃ!?」
『やぁこんばんわ!そんな早苗の為にやってきたよ!』
「神奈子様、諏訪子様!?ぎゃーっさささささ寒い、寒いです襖をしめてください!」
「おお、ごめんごめん」
「あ、あの、お二人ともどうされたのですか」
「早苗が寒そうにしてたからねぇ、暖めにきてやったのさ」
「まったく難儀だね、人間も蛙みたく冬眠しちゃえばいいのに」
「は、はぁ…ってちょっと!なんでお二人して布団の中にはいってくるんですか!」
「暖めてあげるって言ったろう。こら逃げないの、にょろにょろ」
「ひゃああああ、へ、へんなとこに手を入れないでくださあいっ」
「ほらほら早苗~、狭いんだからもっと神奈子にくっついて」
「さ、三人も入れるわけないじゃないですか」
「だから引っ付けっていってるでしょ、おいで早苗」
「うわっぷ、か、神奈子様苦しいですお胸で息ができませ…ぷはっ」
「ふふふ、どうだい神の胸は。これで顔も暖かいだろう」
「うなじと背中はあたしが暖めてあげるよ~。ほれぴっとり」
「ひゃ、諏訪子様うなじに鼻息が、く、くすぐったいです」
「くんくん、早苗はいい匂いだねぇ」
「ずるいよ諏訪子、後で交代してよ」
「私の胸じゃあ早苗の顔が納まらないかなぁ」
「うう、恥ずかしいですようぅ…それに動けません…は、離してください…」
「馬鹿者、何が恥ずかしいんだ」
「そうだよ早苗、人間はこうやって冬と戦ってきたんだよ。これも生きのびる知恵なのよ~」
「そんなの昔の話じゃないですか…」
「ここはもう外の現代社会じゃないんだよ。ほれ、私の胸には癒しの効果もあるんだ。ゆっくりお休み」
「あああ…なんだか眠くなってきました…神奈子様の胸いい匂い…すぴー」
雪に覆われた博麗神社、午後。
「という事が昨晩ありました」
「あんたのところは相変わらず仲良いのね」
縁側に二人、早苗と霊夢。
「けど実際こちらの冬は厳しいですね。霊夢はどうしているんです?」
「どうって、できるだけ厚着して布団を重ねて、我慢するだけね」
「厚着してもやっぱり脇は出…あいたっ。冗談ですよ…」
「バカ」
「やはり霊夢も冬は大変なんですね。一人じゃ可哀そう」
「まぁ昔からずっとだからねー。なれちゃったわ」
「そうですか…うーん、でも、うーん…」
「…。(早苗が考え込んでる時って、何か嫌な予感がするのよねぇ…)」
吹雪に見舞われた博麗神社、夜。
布団に横たわる霊夢。
「やれやれ、やっと眠気が…」
ガラッ
「!?」
『やぁこんばんわ!霊夢の為にはるばる守矢神社からやってきたよ!』
「ちょ、あんたら!?うああああ寒いから早く襖を閉じなさい!」
「おお、またやってしまった」
「神奈子に諏訪子…聞きたくないけど何しにきたの…」
「早苗がな、お前が一人で可哀そうだと言ってな」
「早苗は優しいねー」
「早苗のバカ…」
「まぁなんだ、一応お前も神を敬う巫女だ。時々は神の胸で世話してやろう」
「うなじの方は私が」
「いらんいらん!帰れ!…って布団にはいってくるなああああ」
「使い込まれた布団だな…ぺたんこではないか」
「霊夢、もっと神奈子にしがみついてよ。入りきらないよ」
「でてけアホおおおお…」
「照れるな照れるな。我らにとっては人間は皆我が子のようなものだ。ほれ、なんなら乳を吸うても
よいぞ。博麗の子はみな親との記憶が薄いのだろう。ただし何も出ないがな」
「誰が吸うか!私は赤ちゃんじゃないわよっ!胸をしまえ!離せぇぇぇ!」
「私らの年からしたら赤ちゃんもあんたも対して変んないんだけどね~」
「ああもぉ…やっとうとうときてたのに…」
「気にするな、じきにぐっすり眠れる」
「くそぅ…ほんとになんだか…眠く…なって………すかー」
その夜霊夢は、夢をみた。
もしかすると夢ではなく、遠い昔の記憶だったろうか。
淡い光にぼやけた視界の中で、大好きな誰かが自分に笑いかけている。
自分は、何かとても暖かいものの上に横たわっている。
その誰かに抱かれているのかもしれない。
お腹が空いても、目の前にあるやわらかいモノにむしゃぶりつくと、好きなだけおいしいものが
でてきた。
その後の人生のどの瞬間よりも、自分は安らいでいるようだった。
翌朝。
「…ん…もう朝…?」
「おお、やっと起きたか霊夢」
「ぐっすりだったねぇ」
「…うー…まんまと寝かせられるなんて…」
「神の胸に抗えるものか。それより、ほれ、見てみろ。お前があんまり強く吸うから
跡が付いてしまったぞ」
「……っ」
霊夢は真っ赤になって無差別夢想封印をぶちかまし、その後二人の神様に朝ご飯を作ってあげたそうな。
ゆかりんどうしたww
あと「守矢神社」ですぜ旦那。
口もなんだか寂しいぜ
このままゆかさな、かなれいルートになだれ込まないかな……!無理ですね……!
諏訪さまは巡り巡って魔理沙さんですね分かります。
ここでかなちゃんが〇じたらイカロだった。本当にギリギリですね!
ところで、今夜は冷えるなあ。