" />暑い日の九尾 作者: nightmare
Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

暑い日の九尾

2009/07/17 21:26:38
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「うえぁ~・・・あーつーいぃ~・・・」





今年も、この季節がやってきた。





私の、嫌いな季節が・・・















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私、八雲 藍は九尾の狐である。

九尾と言う名の通り、尻尾がちゃんと9本ある。

触り心地がいいらしく、よく皆が触りに来たりする。

中には一本まるごと抱きついたりもするのも居るが・・・





「らぁ~ん~・・・どうにかならないのこの暑さはぁ~・・・」




夏である。




「自然を歪める力なんて持ってませんよ。我慢して下さい」




そう、夏なのである。




「全く・・・あなたはそんなに尻尾があってよく涼しい顔してられるわねぇ・・・?」




ある時は好まれるこの尻尾も、この時期は忌み嫌われるものとなる。




「まぁ私はずっとこれですし、もう慣れてますよ」

「慣れとかそういう問題なのかしら・・・」

「ともかく、早く起きてくださいよ。折角いい天気なんですから」

「天気が良過ぎると動く気にもならないわぁ・・・特に今の季節はねぇ・・・」





・・・ダメだこの主。





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どうにかして紫様を引きずり起こし、もろもろの家事を済ませて。

ようやく落ち着いたので縁側にて一息ついている所である。



紫様は博麗神社で涼んでくると言い出して先ほど出かけになった。

橙は・・・この暑さの中でも元気に飛び回っている事だろう。




言われて見れば、確かにいつもよりは暑いかもしれない。

でも私からすれば本当に少々の違いであって、気になるほどでもないのだ。



・・・空を見上げる。

雲一つない快晴。

洗濯物を干すにはこれ以上ないほどの天気。

そしてこの暑さ。



背中が少し寂しい。

少し前までは、私の背中には大抵紫様か橙が私の尻尾を抱きつきに来ていた。

とても気持ちよさそうにしている顔を見ていると、自然と私も幸せな気持ちになっていた。


しかし今の季節、ただでさえ暑いこの時期にこの尻尾に群がるようなことはない。

余計暑くなるんだそうだ。見てるだけでも暑苦しくなりそうだとも言われた事もある。

・・・当然と言えば当然なんだが。


夏が嫌いな人はこの暑さに嫌気が差しての事だろう。

しかし私は・・・




「・・・はぁ」




私の隣に寄ってくれる人がいなくなる。

こんな寂しいことはない。



毎年の事―――と言えば確かにその通りで、長い間こうして過ごしてきた。

こうなるのもいい加減慣れていてもおかしくはないのだが・・・




「やっぱり、慣れないなぁ」




どうしても、心のどこかに残る寂しさを拭うことは出来なかった。







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(・・・ん?)



いつの間にか寝てしまっていたらしい。

もう陽が落ちている。

ということは、もう洗濯物を取り込まねばならない。



「・・・さて、洗濯物を取り込んで、その後は夕飯の準備かな」



・・・独り言が多くなったな、と最近思うようになった。

ここ数年は特にそうかもしれない。




紫様は夜遅くまで向こうで涼んでいる事だろう。

橙はたまに来る事もあるが、それでもすぐに帰ってしまう。



今夜は、1人で夕飯を食べる事になるだろうな・・・

そう思うと、寂しさがこみ上げてくる。



(あれ、おかしいな・・・何で泣いてるんだろう・・・)



無意識に、涙が出ていた。


「紫様ぁ・・・私は、私は・・・」


気がついたら、私は膝をついて、自分で自分の体を抱きしめていた。

今まで、こんなことはなかった。

寂しさを感じることはあった。

でも、ここまで・・・泣くほどまで寂しいと思った事なんてなかった。

どうして・・・








「あらあら、1人で泣いちゃって。藍らしくもないわね」







不意に、声がした。

「う・・・ぇ・・・?」



私は、少し混乱していた。



「ふふ、1人で寂しかったかしら?かわいいところあるのね」



茶化すように笑っている。



「まだ向こうに居ようと思ってたんだけど、霊夢に追い返されちゃったわ。いつもならそんなこともないのだけれど」



ゆっくりと、紫様が近づいてくる。



「でも、あなたを見たら納得しちゃった」

「紫・・・さま・・・」



そして



「ごめんなさいね。こんな思いをさせるなんて主として失格かしら」



背中から、抱きしめられた。



「紫様・・・」

「いいのよ、何も言わなくても」

「失格だなんて、言わないでください」

「藍・・・」



失格なんてとんでもない。

紫様は、いつまでも・・・


「いつまでも、私の主で居てください。私は、紫様の式ですから」

「・・・藍」


私を呼ぶと、抱きしめる力を少し強めて、



「我慢する事なんてないわ・・・いいのよ、思いっきり泣きなさい」

「・・・え?」

「泣いて・・・これまでの寂しさを全部流しなさい。私が受け止めてあげるわ」



その言葉を聞いた瞬間、私の中で・・・何かが音を立てて崩れ去った。



「う・・・くっ・・・くぅっ、う、うぁっ、うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」











私は泣いた。

我を忘れていたと思う。

いつまで泣いていたのかも分からなかった。


とにかく・・・私は泣いていた。




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気がつくと朝になっていた。

隣には・・・紫様が座られていた。








話を聞けば、あの後私は泣き疲れてそのまま寝てしまったようだ。

私が寝た後、紫様が添い寝してくれたらしい。

あの後も私が寂しい思いをしないように、と。



それを聞いて、私はまた涙が出ていた。

でも今度は、寂しさから来るものじゃなくて。





その日から、私はこの季節が少しだけ好きになった。
覚えてる人は居るんでしょうか。

三度めまして。


この時期だけ、ちょっと嫌われていた妖怪の式。
一ヵ月強ももふもふする人がいなければ
そりゃあ寂しくもなるものです。

私はむしろもふもふしたいのですが(何

やさしいゆかりんもいいんじゃないでしょうか?
こうであってほしいと切に願うのは私だけではない事を祈りつつ・・・
nightmare
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コメント



0.簡易評価なし
1.無評価名前が無い程度の能力 削除
最近なんだか紫と藍の絡みを見ると動悸が激しくなります。
ありがとう!
2.無評価名前が無い程度の能力 削除
この短さに詰め込みすぎて、ただの情緒不安定みえる
3.無評価奇声を発する程度の能力 削除
この暑さでもモフモフしたい!!!!
4.無評価名前が無い程度の能力 削除
藍様のフサフサ九尾は夏はとっても暑い
でも藍様のフサフサ九尾は夏は心が寒い
夏なのにね
藍様は一人ぼっちじゃないよ
5.無評価名前が無い程度の能力 削除
いいねえ。
6.無評価名前が無い程度の能力 削除
すばらしいもふもふでした
実にモフモフです
7.無評価名前が無い程度の能力 削除
夏こそもふもふと再認識
ゆかりん優しいよゆかりん