白玉楼、縁側。
「ねぇ聞いてちょうだい幽々子。藍が私に生意気な口を利くようになったの」
「あらそうなの紫。ヒヨコみたいに貴方の後をついて回ってた、あの小さな子狐がね」
「あの子最近、自分の式を持ったの。だからご主人様ぶりたいのね」
「可愛いわね」
「ええ、あんまり可愛いものだから、二人きりになって、ちょっとイジメちゃった」
「ひどい主人ね。何をしたの?」
「昔みたいに抱っこしてあげたのよ。藍ったら真っ赤になっちゃって。もう、可愛いいったらないわね」
「きっと主人に似たのね。親馬鹿すぎてとっても可愛いわよ、紫」
「私をイジメないでね、幽々子」
「あなたの式に怒られちゃうから、我慢するわ」
「ところでお宅の妖夢はどうなの?反抗期とかは」
「どうかしら、もしかすると一生無いかもね。妖夢が私に向かって生意気な口を聞くなんて、
ちょっと想像できないわ」
「ふぅん」
「ほんとに妖忌の孫なのかしらって、心配になっちゃうくらい素直なのよねぇ。あの子」
「うふふ、貴方に信頼を壊すようでわるいけどねぇ。藍は時々、妖夢から貴方への愚痴を聞くそうよ。
幽々子のイタズラ好きには困る、何を考えてるのかわからない、って」
「あらそう」
「…なんだ、大して驚かないのね。つまらない」
「だってあの子、本当にわかってないんだもの。私のやる事なす事が全部イタズラやおふざけだと
思ってるのだから」
「はぁん?どういう事」
「私だって素直に本当の気持ちを表してる事もあるのに。そういう時でもあの子は信じてくれないのよ。
辛いわ」
「狼少年ってご存知。伝えたい事があるなら、はっきり言えばいいじゃない」
「どうせ伝わらないと思ってるからこそ、恥ずかしい事でも口にできるのよ」
「あら、以外と照れ屋さんなのね、幽々子」
「そうね。時々紫と藍がうらやましい。ああ、そうだ、決めたわ。私も妖夢を抱っこする」
「何よ突然。照れ屋さんの貴方にそんな事できるのかしら」
「どうせ妖夢は、またからかわれてるだけだと思うに決まってるもの」
「救われないわね。でも素直になれない貴方も可愛いわよ、幽々子」
「イジメないでね、紫」
数十分後。
「幽々子様、お昼ご飯の準備ができましたよ」
「ありがとう妖夢。おなか好いたわぁ~」
「あれ、紫様の分も準備していたのですけど、もうお帰りになってしまったのですね」
「私が全部食べるわぁ~。そうだ妖夢、ご飯の前に少し貴方に用があるの」
「はい?」
「こっちへきて、ほら、ここに座って~」
「ここにって…えっ、ひぇっ、ゆっ、幽々子様のお膝の上にですか!?」
「そうよ。早くいらっしゃい~」
「えぁ、そんな、だ、駄目です…できません…」
「あら、なぜかしら~?」
「だって、だって、主の、お膝に座るなんて事、許されるわけないじゃないですか…
お師匠に怒られます…」
「妖忌にはナイショ。二人だけの秘密よ~。それに座るのではなくて、抱っこするのよ~」
「だ、だだっ、抱っこっ。うう、幽々子様はまた私をからかって。もうやめてくださいよぅ、
恥ずかしいですよぅ」
「だって、可愛い妖夢が大好きなんだもの。だから抱っこさせて」
「またそんな…。幽々子様ぁ…お願いです、ご飯が冷えちゃいますから、ね、ね…」
「駄目~」
「う、う、う」
「早く~」
「ううううううう」
「早く早く~」
「ううううううううううううう、幽々子、申し訳ありませんっ!!!!!!!」
「へ?」
「獄界剣・逃 二 百 由 旬 を 一 閃!!!」
「ちょ」
妖夢は閃光と共にで白玉楼の彼方へ飛び去った。
幽々子の側の空間が裂け、スキマからにゅるっと紫が現れる。
「逃げられちゃったね、幽々子」
「もう、絶対に逃がさないんだから。妖夢待ちなさい~。死んでも逃がさないわよ~」
「頑張ってね~。それと突っ込まないからね~」
妖夢を追って飛び去る幽々子。
一人縁側に残る紫。
「食事より優先するなんて、妬けるわ」
僕もfantasm中ボスの藍様に勝てない…
「ありがとう妖夢。おなか好いたわぁ~」の部分は
「ありがとう妖夢。おなか空いたわぁ~」だと思いますよっと
いいゆゆみょんでしたね~