・一部のキャラクターが原作から乖離しています、そういった内容に不快感を持たれる方はご注意下さい
・この作品は一部の内容が拙作「その渾名、危険につき」から続いています。ですので前作を読んでいないと、よく判らない部分があるかもしれません
「教本?」
「そう、教本。さとり様初心者の人用のだね」
そう言って笑顔で僕に「さとり用の教本」とやらを渡すお燐、どうやら彼女の中では僕がこの「教本」とやらの意味を理解し、かつ必要としている事になっているようだ。
だが僕はこの「教本」とやらの意味どころか、なぜ彼女がこれを僕に渡すのかすらも理解していないのだが…とりあえず落ち着いて今の状況を考えてみよう。
ここは無縁塚であり、僕がここに来た理由は久し振りに外の道具を収集するためだ。そして彼女は火焔猫燐、灼熱地獄跡で怨霊の管理をしている火車で、さとりのペット。この場所には死体を持ち去るために時々現れており、僕とも顔なじみだ…うん、やはり彼女が「さとり用の教本」とやらを僕に渡す意味がわからない。やはり地下の者と地上の者にはどうやっても相容れない部分があるのだろうか?
「も~さっさと受け取ってよお兄さん! 今度さとり様とデートなんでしょう!」
お燐の言ったその一言で、僕はやっと「教本」とやらの大凡の意味は理解できた。確かに彼女の主であるさとりと僕は、数日後に人間の里を訪れる予定になっている。もっともそれはお燐の言うようなデートなどではなく、精々が商売上の付き合いの延長なのだが…
「ま~ま~、野暮な事は言いっこなしだよお兄さん! お兄さんだってさとり様の事を嫌いなわけじゃないんでしょっ♪」
そう言いながらお燐は僕に「教本」とやらをグイグイと押し付ける。見ればその本は、装丁や紙の質だけとっても僕の日記帳とは大違いの上等品だ。商売人としてこれ以上この品の価値を下げる事は出来ないと、僕は仕方なくお燐から教本を受け取った。
少し捲ってみると、どうやらそれは本当に「さとり用の教本」らしかった。一目でさとりとわかる教本の挿絵は表情豊かで、書かれている内容もさとりのちょっとした仕草などの考察だし、巻末にはどこから拾ってきたのか、さとりの生写真まで納められている徹底ぶりだ。
…しかし、これはどういう事なのだろう。確かに覚妖怪はその性質上、かなり付き合いづらい妖怪であることは間違いない。それは彼女が地下に住むようになった経緯を考えても判る…だが、それならば尚更このような本を読むのは危険なのではないだろうか?
心が読めると言う事は「教本によって僕が覚妖怪に対する対応を学んでいる」と言う事象も理解されてしまうと言う事だ。ならば僕がこの本を読んで学習するのは、かえってさとりの心を弄ぶ事になるのではないか…
「あ~また難しい事を考えているねお兄さん。ま、最初は読むよりも直接見た方が早いだろうから、今度のデートにはあたいも案内役として付き合うよ!」
そういうとお燐は猫車に死体を乗せて、とんでもない速度で去っていった。僕はその死体に死装束をさせれなかった事を今更ながらに思い出し、なんとも憮然とした心持ちで「教本」を懐に入れるのだった。
「ふふ、絶好のデート日和だねお兄さん!」
そう言いながら楽しそうに僕を乗せた猫車を高速で動かすお燐に、僕はかける言葉が見つからなかった…主に酷い乗り物酔いによって。
結局、あれから「さとり用教本」を開いて学習する事が出来なかった僕は、せめてさとりとの待ち合わせには遅れないようにしようと思い、今日はいつもよりかなり早くに目覚め…そしてそのままお燐の猫車によって人間の里に拉致され高速搬送されている。いやはやさすがは死体を運ぶ車である、生者に対する気遣いなど全くの無用であるようだ。
「あはは、怒んないでよお兄さん。ほらほら、さとり様だよ!」
そう言ってお燐が指差す先には確かにさとりの姿がある。少し前のとある騒動で僕の店で購入した黄色いスモッグを着た彼女を見間違えるわけがない。というか、今回さとりとの一緒に里を訪問する事になったのは、このスモッグに変わる新たなさとりの衣装を見繕うためのものだったのだが…なぜ未だにスモッグのままなのだろうか?
例の宴会でのはっちゃけた行動から新たに得てしまった「幼女ロリ」の渾名は彼女にとっても忌むべきモノなはずだが…それとも、本当にああいった格好が好きなのだろうか?
「うーん、さとり様はあの時の行動は「毒電波の仕業です」って言ってたけどね~。ほらほら、そんな事よりも始まるよ!」
お燐の言葉に呼応するように、さとりの側にも動きがあった…と言っても待ち合わせ場所に向かう途中で老婆とすれ違っただけ…いや、僕がそう思った瞬間。さとりは顔を真っ赤にしながら「にゃ~!」という謎の奇声を上げて、老婆の横をすり抜けた…おそらく、老婆の心の声を聞いたのであろうが…あのさとりをあそこまで狼狽させるとは、一体あの老婆は何を考えていたのだろう…
「そうだね~、さとり様の驚き方を見ると…『あら、可愛らしいお嬢ちゃん』とかだろうね」
…なん、だと? バカな、覚妖怪とは他者の心を読む妖怪。ならば他者の心に対しても人並み以上の耐性があるはず…そのさとりがそんな挨拶程度の褒め言葉でああなるわけがない!
「いや~さとり様って覚ってだけで妖怪や怨霊に恐れられてたから、ここ100年ぐらいはあたいらペットの心の声ぐらいしか聞いた事なかったんだよね。そのペット達の心の声にしたって100年以上かけてやっと平気になったぐらいだしね」
そんなどこか呑気なお燐の声とは違い、さとりの方は老婆から逃げるのに必至だ。だが、悪い事にその路地は子供達の遊び場であり、今もちょうど子供が3人ほど道ばたで落書きをしている所だった…む、またさとりの顔色が赤く…いや、それだけでなく今度は目もアワワワという感じで回して、慌ただしく周囲を見ている…と、子供の1人がさとりを指差した瞬間、ついにさとりは耳を押さえて「キャー! キャー!」と叫びながら逃げ出してしまった。
「あちゃ~だから子供には気をつけろって言ったのに…今のさとり様じゃあエロガキ1人でも難しんだよ」
どうやら今回もお燐はさとりがどんな心の声に反応したか判ったようだ。流石は案内役を自称するだけあるが、一体今度はどんな褒め言葉だったのだろう?
「う~ん、褒め言葉じゃなくて今度のはHな言葉だろうね。あのガキの指の向きから考えて『おっぱい』とかじゃない。最近やっと『チュー』で顔を赤らめなくなったさとり様にはハードルが高いよね」
…いやいや待って欲しい。確かさとりは多くのペットを飼っていたはずだ。それならば「おっぱい」どころかペット同士の交尾だって普通に見ているはずである。なのに「おっぱい」如きでここまで狼狽するはずは…
「いやいやお兄さん。それはあたいらを舐めすぎだよ! 地霊殿のペット達にとってさとり様は敬愛する主だからね。たとえ発情期が来たってさとり様の前では心まで紳士・淑女であるのが、地霊殿に住まう畜生の流儀ってものさ。じゃないとHな思念が飛び交って、さとり様が心臓発作で死んじゃからね」
確かにペットの猥談によってショック死した覚妖怪など、笑い話以外の何者でもない。そう僕が考えている間に、さとりは僕との待ち合わせ場所である甘味処に入り…そこでまた顔を真っ赤にしながら「はうぅぅ!」と声を上げつつ手をぶんぶん振り回していた。もっとも、これは店の主人が「いらっしゃい、綺麗なお嬢ちゃん!」と声を出していた点と、主人の素直な性格を照らし合わせれば、今の店主の言葉がそのまま心の声としてさとりに届いたのだろうと推測できた。
しかし、お燐の言う事が本当だとすると。とてもではないがさとりは霊夢や魔理沙と弾幕ごっこで争ったり、宴会に参加したりは出来ないと思うのだが…
「そりゃ、さとり様のことを見くびり過ぎだよお兄さん。さとり様は地霊殿、ううん、地下に住む全ての存在を必至に守ろうと頑張ってるんだ。この前の異変の時だって、宴会の時だって、3日3晩の水垢離をして、心を清めることで、全てを見通す大妖怪であろうしたのさ…ううん、ほんとは今回だってそうしようとしてた、でもあたいが止めたんだ。だって、さとり様は体を冷やすとすぐに風邪を引いちゃう体質だからね…」
そのお燐の言葉で僕の中で全てが繋がった気がした…他者の心を読む、それは確かに恐ろしい能力だろう。しかし、その能力と本人の気質は関係ない。いやむしろ、そんな能力を持つが故に必至に人の心を読まぬようひっそりと生きてきたとしてもおかしくない。
けれど、いやだからこそ彼女は自分が静かに暮らす地霊殿を、地下を守ろうと必至なのだろう。だから本当なら心の声をひろう度に沸騰しそうになる顔と心を、必至に冷水で清め…そうやって彼女は一生懸命「凶悪な覚妖怪」であろうとしたのだろう…
そして、そんな彼女だからこそお燐や他の地下の住人にとって彼女は…地霊殿の主たり得ているのだろう。
「もう、お、遅いですよ霖之助!」
そんな考えを頭の中で纏めようとした僕だが、甘味処で蜜豆を頬張る彼女を見つけた瞬間、自分の思考が抑えられなくなっているのが判った。なるほど、確かに今の僕にはさとりの教本が必要だ。お燐から教えられた事、僕が考えた事だけでなく、この儚くも強い覚妖怪の全てを知りたいと僕の体中が囁いている。
「ふ、ふぇぇ! な、何を考えてるんです霖之しゅけ!」
ああ、駄目ださとり…そこで噛むのは反則だ。そんな事をされたら僕の知識欲は、不可思議の位まで上昇してしまう。ああ、さとり!
「僕は…君の、全てが知りたい」
・この作品は一部の内容が拙作「その渾名、危険につき」から続いています。ですので前作を読んでいないと、よく判らない部分があるかもしれません
「教本?」
「そう、教本。さとり様初心者の人用のだね」
そう言って笑顔で僕に「さとり用の教本」とやらを渡すお燐、どうやら彼女の中では僕がこの「教本」とやらの意味を理解し、かつ必要としている事になっているようだ。
だが僕はこの「教本」とやらの意味どころか、なぜ彼女がこれを僕に渡すのかすらも理解していないのだが…とりあえず落ち着いて今の状況を考えてみよう。
ここは無縁塚であり、僕がここに来た理由は久し振りに外の道具を収集するためだ。そして彼女は火焔猫燐、灼熱地獄跡で怨霊の管理をしている火車で、さとりのペット。この場所には死体を持ち去るために時々現れており、僕とも顔なじみだ…うん、やはり彼女が「さとり用の教本」とやらを僕に渡す意味がわからない。やはり地下の者と地上の者にはどうやっても相容れない部分があるのだろうか?
「も~さっさと受け取ってよお兄さん! 今度さとり様とデートなんでしょう!」
お燐の言ったその一言で、僕はやっと「教本」とやらの大凡の意味は理解できた。確かに彼女の主であるさとりと僕は、数日後に人間の里を訪れる予定になっている。もっともそれはお燐の言うようなデートなどではなく、精々が商売上の付き合いの延長なのだが…
「ま~ま~、野暮な事は言いっこなしだよお兄さん! お兄さんだってさとり様の事を嫌いなわけじゃないんでしょっ♪」
そう言いながらお燐は僕に「教本」とやらをグイグイと押し付ける。見ればその本は、装丁や紙の質だけとっても僕の日記帳とは大違いの上等品だ。商売人としてこれ以上この品の価値を下げる事は出来ないと、僕は仕方なくお燐から教本を受け取った。
少し捲ってみると、どうやらそれは本当に「さとり用の教本」らしかった。一目でさとりとわかる教本の挿絵は表情豊かで、書かれている内容もさとりのちょっとした仕草などの考察だし、巻末にはどこから拾ってきたのか、さとりの生写真まで納められている徹底ぶりだ。
…しかし、これはどういう事なのだろう。確かに覚妖怪はその性質上、かなり付き合いづらい妖怪であることは間違いない。それは彼女が地下に住むようになった経緯を考えても判る…だが、それならば尚更このような本を読むのは危険なのではないだろうか?
心が読めると言う事は「教本によって僕が覚妖怪に対する対応を学んでいる」と言う事象も理解されてしまうと言う事だ。ならば僕がこの本を読んで学習するのは、かえってさとりの心を弄ぶ事になるのではないか…
「あ~また難しい事を考えているねお兄さん。ま、最初は読むよりも直接見た方が早いだろうから、今度のデートにはあたいも案内役として付き合うよ!」
そういうとお燐は猫車に死体を乗せて、とんでもない速度で去っていった。僕はその死体に死装束をさせれなかった事を今更ながらに思い出し、なんとも憮然とした心持ちで「教本」を懐に入れるのだった。
「ふふ、絶好のデート日和だねお兄さん!」
そう言いながら楽しそうに僕を乗せた猫車を高速で動かすお燐に、僕はかける言葉が見つからなかった…主に酷い乗り物酔いによって。
結局、あれから「さとり用教本」を開いて学習する事が出来なかった僕は、せめてさとりとの待ち合わせには遅れないようにしようと思い、今日はいつもよりかなり早くに目覚め…そしてそのままお燐の猫車によって人間の里に拉致され高速搬送されている。いやはやさすがは死体を運ぶ車である、生者に対する気遣いなど全くの無用であるようだ。
「あはは、怒んないでよお兄さん。ほらほら、さとり様だよ!」
そう言ってお燐が指差す先には確かにさとりの姿がある。少し前のとある騒動で僕の店で購入した黄色いスモッグを着た彼女を見間違えるわけがない。というか、今回さとりとの一緒に里を訪問する事になったのは、このスモッグに変わる新たなさとりの衣装を見繕うためのものだったのだが…なぜ未だにスモッグのままなのだろうか?
例の宴会でのはっちゃけた行動から新たに得てしまった「幼女ロリ」の渾名は彼女にとっても忌むべきモノなはずだが…それとも、本当にああいった格好が好きなのだろうか?
「うーん、さとり様はあの時の行動は「毒電波の仕業です」って言ってたけどね~。ほらほら、そんな事よりも始まるよ!」
お燐の言葉に呼応するように、さとりの側にも動きがあった…と言っても待ち合わせ場所に向かう途中で老婆とすれ違っただけ…いや、僕がそう思った瞬間。さとりは顔を真っ赤にしながら「にゃ~!」という謎の奇声を上げて、老婆の横をすり抜けた…おそらく、老婆の心の声を聞いたのであろうが…あのさとりをあそこまで狼狽させるとは、一体あの老婆は何を考えていたのだろう…
「そうだね~、さとり様の驚き方を見ると…『あら、可愛らしいお嬢ちゃん』とかだろうね」
…なん、だと? バカな、覚妖怪とは他者の心を読む妖怪。ならば他者の心に対しても人並み以上の耐性があるはず…そのさとりがそんな挨拶程度の褒め言葉でああなるわけがない!
「いや~さとり様って覚ってだけで妖怪や怨霊に恐れられてたから、ここ100年ぐらいはあたいらペットの心の声ぐらいしか聞いた事なかったんだよね。そのペット達の心の声にしたって100年以上かけてやっと平気になったぐらいだしね」
そんなどこか呑気なお燐の声とは違い、さとりの方は老婆から逃げるのに必至だ。だが、悪い事にその路地は子供達の遊び場であり、今もちょうど子供が3人ほど道ばたで落書きをしている所だった…む、またさとりの顔色が赤く…いや、それだけでなく今度は目もアワワワという感じで回して、慌ただしく周囲を見ている…と、子供の1人がさとりを指差した瞬間、ついにさとりは耳を押さえて「キャー! キャー!」と叫びながら逃げ出してしまった。
「あちゃ~だから子供には気をつけろって言ったのに…今のさとり様じゃあエロガキ1人でも難しんだよ」
どうやら今回もお燐はさとりがどんな心の声に反応したか判ったようだ。流石は案内役を自称するだけあるが、一体今度はどんな褒め言葉だったのだろう?
「う~ん、褒め言葉じゃなくて今度のはHな言葉だろうね。あのガキの指の向きから考えて『おっぱい』とかじゃない。最近やっと『チュー』で顔を赤らめなくなったさとり様にはハードルが高いよね」
…いやいや待って欲しい。確かさとりは多くのペットを飼っていたはずだ。それならば「おっぱい」どころかペット同士の交尾だって普通に見ているはずである。なのに「おっぱい」如きでここまで狼狽するはずは…
「いやいやお兄さん。それはあたいらを舐めすぎだよ! 地霊殿のペット達にとってさとり様は敬愛する主だからね。たとえ発情期が来たってさとり様の前では心まで紳士・淑女であるのが、地霊殿に住まう畜生の流儀ってものさ。じゃないとHな思念が飛び交って、さとり様が心臓発作で死んじゃからね」
確かにペットの猥談によってショック死した覚妖怪など、笑い話以外の何者でもない。そう僕が考えている間に、さとりは僕との待ち合わせ場所である甘味処に入り…そこでまた顔を真っ赤にしながら「はうぅぅ!」と声を上げつつ手をぶんぶん振り回していた。もっとも、これは店の主人が「いらっしゃい、綺麗なお嬢ちゃん!」と声を出していた点と、主人の素直な性格を照らし合わせれば、今の店主の言葉がそのまま心の声としてさとりに届いたのだろうと推測できた。
しかし、お燐の言う事が本当だとすると。とてもではないがさとりは霊夢や魔理沙と弾幕ごっこで争ったり、宴会に参加したりは出来ないと思うのだが…
「そりゃ、さとり様のことを見くびり過ぎだよお兄さん。さとり様は地霊殿、ううん、地下に住む全ての存在を必至に守ろうと頑張ってるんだ。この前の異変の時だって、宴会の時だって、3日3晩の水垢離をして、心を清めることで、全てを見通す大妖怪であろうしたのさ…ううん、ほんとは今回だってそうしようとしてた、でもあたいが止めたんだ。だって、さとり様は体を冷やすとすぐに風邪を引いちゃう体質だからね…」
そのお燐の言葉で僕の中で全てが繋がった気がした…他者の心を読む、それは確かに恐ろしい能力だろう。しかし、その能力と本人の気質は関係ない。いやむしろ、そんな能力を持つが故に必至に人の心を読まぬようひっそりと生きてきたとしてもおかしくない。
けれど、いやだからこそ彼女は自分が静かに暮らす地霊殿を、地下を守ろうと必至なのだろう。だから本当なら心の声をひろう度に沸騰しそうになる顔と心を、必至に冷水で清め…そうやって彼女は一生懸命「凶悪な覚妖怪」であろうとしたのだろう…
そして、そんな彼女だからこそお燐や他の地下の住人にとって彼女は…地霊殿の主たり得ているのだろう。
「もう、お、遅いですよ霖之助!」
そんな考えを頭の中で纏めようとした僕だが、甘味処で蜜豆を頬張る彼女を見つけた瞬間、自分の思考が抑えられなくなっているのが判った。なるほど、確かに今の僕にはさとりの教本が必要だ。お燐から教えられた事、僕が考えた事だけでなく、この儚くも強い覚妖怪の全てを知りたいと僕の体中が囁いている。
「ふ、ふぇぇ! な、何を考えてるんです霖之しゅけ!」
ああ、駄目ださとり…そこで噛むのは反則だ。そんな事をされたら僕の知識欲は、不可思議の位まで上昇してしまう。ああ、さとり!
「僕は…君の、全てが知りたい」
けしからん、もっとやってくれ。
まぁそれでも霖ちゃんは渡しませんが(キリッ)
スモッグは、主に石炭を燃やしたときや排気ガス等の煙と霧が混じったもので、公害です。
幼稚園児等の制服はスモックですよ。
でもんなこたぁどうでもよくなるくらい、さとりが可愛いですね。
わたしのさとりのジャスティスは10台後半ですが、うん。こっちもいい。さすがさとり。
同意します