「ごきげんよう、霊夢」
「はいはい、ごきげんよう。素敵な賽銭箱はあそこよ」
突然開いた境界の間から上半身だけ乗り出した金髪美女に目もくれず霊夢は賽銭箱を指さす。
あら、つれないわね。と優雅な微笑を浮かべつつ紫は『素敵な賽銭箱』を普通に無視した。
「ふふふ、今日はね貴方にあげたいものがあって来たの」
「あげたいもの?…お金になりそうなものなら貰うわ」
「残念。お金にはならないけれどお茶請けにはなるかもね……あら、何処にしまったかしら?」
鞄の中を捜し始める紫の言葉に少し興味を抱きつつ霊夢は淹れたてのお茶を啜る。
香りが良く、味も苦いながらほんのり甘い。うん、良い茶葉のようだ。
ようやく『あげたいもの』が見つかったのか紫は少女のように歓喜の声をあげ、掌サイズの木箱を卓袱台に置く。
「木箱?少し小さめね…。コレ、中に何が入ってるの?」
「多分お茶請けになりそうなもの。怪しんでないで蓋を開けてみたら?」
優雅にお茶を啜るスキマ妖怪に促され、怪しみながら紅白巫女は木箱を開ける。
その中には硝子玉と同じ位の大きさで色とりどりの飴玉が一杯一杯に詰め込まれていたのだ。
木箱の中身を見た霊夢は少々眉根を寄せながら向かいに座っている紫に視線を代える。
「………いや、うん、まあ、確かにお茶請けになりそうな気もするけどさ……」
「人里で見つけたのよ、それでお土産に買ってきたって訳。綺麗で美味しそうでしょう?」
紫の言葉に霊夢は木箱の中の飴玉を見て小さく肯定するように頷いた。
(……小さな頃はこういうお菓子貰ってよく喜んでたっけ…)
少し昔を懐かしむように物思いに耽っていると霊夢、霊夢。と紫が声をかけてきた。
「これ、霊夢みたいじゃない?」
そう言って紫は自分の掌の上で転がっている赤い飴玉と白い飴玉を霊夢に見せる。
これの何処が自分みたいなのか、という視線で飴玉を見ているとスキマ妖怪たる美女は微笑みながら答えてくれた。
「さっきのは訂正ね。私は貴方の服の色合いみたいじゃない?って言いたかったのよ」
「あ―…、成る程ね」
(紅白の巫女服だから赤白って訳か…)
「それで赤を黒い飴玉に代えたら…ほら、魔理沙の服の色みたいでしょう?」
ね?と飴玉を玩具にして美しく微笑む紫に霊夢は脱力しつつ…そうね、と答える。
すっかり温くなった茶を啜りながらある色をした飴玉が目に映り、ソレを手にとった。
そして丁寧に包んであった包装紙をとるとその飴玉を掌に乗せ紫に見せる。
「……紫。この飴玉、アンタみたいじゃない?…特に名前の漢字とか」
「確かに。『ゆかり』と『むらさき』…読み方が違うだけで漢字は同じ『紫』だものね」
紫がそう言い終わるや否や霊夢は『紫』色の飴玉を口に含んだ。
一瞬金色の瞳を見開いたがおどけたように肩を竦め、紫は微笑んで一言だけ呟く。
「私、霊夢に食べられちゃったわね」
「はいはい、ごきげんよう。素敵な賽銭箱はあそこよ」
突然開いた境界の間から上半身だけ乗り出した金髪美女に目もくれず霊夢は賽銭箱を指さす。
あら、つれないわね。と優雅な微笑を浮かべつつ紫は『素敵な賽銭箱』を普通に無視した。
「ふふふ、今日はね貴方にあげたいものがあって来たの」
「あげたいもの?…お金になりそうなものなら貰うわ」
「残念。お金にはならないけれどお茶請けにはなるかもね……あら、何処にしまったかしら?」
鞄の中を捜し始める紫の言葉に少し興味を抱きつつ霊夢は淹れたてのお茶を啜る。
香りが良く、味も苦いながらほんのり甘い。うん、良い茶葉のようだ。
ようやく『あげたいもの』が見つかったのか紫は少女のように歓喜の声をあげ、掌サイズの木箱を卓袱台に置く。
「木箱?少し小さめね…。コレ、中に何が入ってるの?」
「多分お茶請けになりそうなもの。怪しんでないで蓋を開けてみたら?」
優雅にお茶を啜るスキマ妖怪に促され、怪しみながら紅白巫女は木箱を開ける。
その中には硝子玉と同じ位の大きさで色とりどりの飴玉が一杯一杯に詰め込まれていたのだ。
木箱の中身を見た霊夢は少々眉根を寄せながら向かいに座っている紫に視線を代える。
「………いや、うん、まあ、確かにお茶請けになりそうな気もするけどさ……」
「人里で見つけたのよ、それでお土産に買ってきたって訳。綺麗で美味しそうでしょう?」
紫の言葉に霊夢は木箱の中の飴玉を見て小さく肯定するように頷いた。
(……小さな頃はこういうお菓子貰ってよく喜んでたっけ…)
少し昔を懐かしむように物思いに耽っていると霊夢、霊夢。と紫が声をかけてきた。
「これ、霊夢みたいじゃない?」
そう言って紫は自分の掌の上で転がっている赤い飴玉と白い飴玉を霊夢に見せる。
これの何処が自分みたいなのか、という視線で飴玉を見ているとスキマ妖怪たる美女は微笑みながら答えてくれた。
「さっきのは訂正ね。私は貴方の服の色合いみたいじゃない?って言いたかったのよ」
「あ―…、成る程ね」
(紅白の巫女服だから赤白って訳か…)
「それで赤を黒い飴玉に代えたら…ほら、魔理沙の服の色みたいでしょう?」
ね?と飴玉を玩具にして美しく微笑む紫に霊夢は脱力しつつ…そうね、と答える。
すっかり温くなった茶を啜りながらある色をした飴玉が目に映り、ソレを手にとった。
そして丁寧に包んであった包装紙をとるとその飴玉を掌に乗せ紫に見せる。
「……紫。この飴玉、アンタみたいじゃない?…特に名前の漢字とか」
「確かに。『ゆかり』と『むらさき』…読み方が違うだけで漢字は同じ『紫』だものね」
紫がそう言い終わるや否や霊夢は『紫』色の飴玉を口に含んだ。
一瞬金色の瞳を見開いたがおどけたように肩を竦め、紫は微笑んで一言だけ呟く。
「私、霊夢に食べられちゃったわね」
つまりゆかれいむですね、わかりますwww