※レミリアの口調がおかしいと感じられるかもしれません。
しかも、所々変わっています。
それでもよいという方は、どうか下へスクロールをお願いします。
「じゃ、今日も通らせてもらうぜー」
そう言い残し、魔理沙は門の中へ入っていく。 取り残されるのは、破損した門と傷ついた美鈴。
しばらく経って、美鈴はよろよろと立ち上がり門の修理へと向かう。
修理をしながら、美鈴は一つ溜め息をついた。それと同時に、美鈴の頬に一筋の涙が零れる。それに気づき、手の甲で涙を拭い作業を開始する。
「私って……」
自分の住まう館へと目を向け、美鈴は小さくぼやく。
一人密かに、美鈴は決心した。
レミリアは自室で一人、紅茶の入ったカップを傾けている。
一目で気品の高さが窺い知れる椅子に足を組んで座っている様子は、人を統べる者にふさわしく思える。
レミリアは再びカップを口へと近づける。
ゆっくりと味わうように喉を通らせ、カップを机に置くと同時に扉が二度叩かれた。
「美鈴です。 入ってよろしいでしょうか?」
扉越しにでも鮮明に響くその声を、レミリアは珍しく感じた。
……最近は美鈴から来ることはほとんど無くなったからな。そう考えながら、レミリアは入室の許可を出す。
「入っていいわ」
「失礼します」
音を立てぬよう美鈴は扉を閉め、自分の主に一礼をする。 そのまま主を見据えながら歩を進める。
レミリアまで五歩手前という所で立ち止まり、美鈴は土下座した。
「何の真似だ」
「失礼と存知ながらも、お願いがあります」
「少し窮屈だ。 面を上げ、楽にしろ」
「大切な話なのです。このままでお願いします」
お願いと言いつつも、有無を言わせない美鈴の言葉に、レミリアは仕方ないと言う風情で了承する。
一つ小さく咳払いをし、真剣な表情をしてレミリアは言う。
「分かった。そのままでいい。
それで、話とは何だ。 私としても出来るだけ従者の気持ちは汲んでやりたいと思う。まぁ、どちらにせよ内容次第だがな」
レミリアのその言葉に、ややあってから小さく息を吸い、
「門番を、いえ、紅魔館を辞めさせてもらってよろしいでしょうか」
静かに美鈴は告げた。
「な――」
レミリアは驚きの声を上げるのをすんでのところで押し止め、その所以を知ろうと口を開く。
「何故、そのようなことを思う」
レミリアの問いに、はい、と答えてから、美鈴は言葉を紡いでいく。
「私はご存知の通り、ここ紅魔館で門番をやらせて頂いています。
門番とは文字通り、門の番です。 主に害なす者を館内に侵入させないことが役目です。存在意義と言ってもいいでしょう。
それなのに、今の私はどうでしょう。 簡単に侵入者を館内に入れてしまう。その上、門まで傷つけてしまう。
こんな私が、門番なんてやっていいでしょうか? 否です。門を守れないで何が門番か。主の安全を守れないで何が従者か。
守るどころか、迷惑しかかけてなくて、何が……。 本当に私は何をしているのだろうか……」
自分の惨めさを感じながら、美鈴は自分の気持ちを吐露した。
最後の方は大分情けなくなってしまった。そう少し後悔しながら、美鈴は言葉を続ける。
「私が居なくなっても、ここ最近侵入者なんて魔理沙さんしか居ませんし、魔理沙さんも私が居なければあんな無茶なことはしないと思いますから大丈夫でしょう。 それに、門番隊もいますし。
館内のことも、咲夜さんが居るから安心ですし。
だから、私は居なくたって……何も変わりませんよ」
苦しそうな笑顔を美鈴がしている。
だから、レミリアは美鈴に近づき、その頭に左手を乗せた。
「そうか、そんなことを考えていたんだな」
「お嬢様……」
そして、
「馬鹿者がッ!」
空いてる右手を振りかぶり、美鈴の顔をぶん殴った。
殴られた美鈴は成す術もなく飛ばされ、凄まじい勢いで壁に激突した。
「大丈夫ですかっ。 一体な――」
「大丈夫だ。心配するな。 業務に戻っていろ」
激突したことで生まれた大きな音で、咲夜が部屋に入ってくるが、レミリアは咲夜の方を見もせず、言葉だけでそれを制す。
少し悩んだのち、咲夜は頭を下げ部屋を出て行った。
扉が閉まる音を聞き終えて、レミリアは倒れている美鈴に近づき、彼女を見下ろす。
「私に迷惑をかけている、そう言ったな」
レミリアの問いに、俯いている顔を一度上下させることで美鈴は答える。
その表情をレミリアから見ることはできない。
「だから、馬鹿者と言っている」
憤慨した様子で続ける。
「お前程度一人が迷惑をかけているから何だと言うんだ。そんなもの、さして重要でもない。私からしてみれば痛くも痒くもないわ。
自分のやっていることが迷惑をかけている? そんなのはただの慢心だ。
それとも、お前にとって私はそんな器の小さい主だとでも言うのか?」
二つ目の問いに、今度は横に顔を振ることで美鈴は返事を返す。
「そうか。それならいい。 では、その言葉を踏まえてお前に聞こう。
お前の、望みは何だ」
「わ、私は……私の望みは、紅魔館から出て――」
「その言葉、後悔しないな」
美鈴の言葉を遮って発せられたレミリアの一言は、美鈴の言葉を止めるのに十分な意味を持っていた。
「私は……私は……」
美鈴は迷っている様子で、次の言葉が言えないでいる。
だから、レミリアは言った。
「頼れ」
その一言だけ。
その一言だけで、十分だった。
美鈴は、俯いていた顔を上げ、叫ぶ。
「私は、お嬢様の下に、紅魔館に、皆の傍に、まだ居たいですっ。ずっと居たいですっ!」
叫ぶ。 涙でぐちゃぐちゃになった顔を更にぐちゃぐちゃにしながら叫んだ。 腹の底から美鈴は力の限り叫んだ。
その姿に、レミリアはそっと美鈴に近づき、膝をついて美鈴の頭を自分の小さな体に押し付けた。
さっきまできつい言葉でなく、優しさを感じる声で美鈴に言う。
「その言葉が欲しかったわ。ありがとう」
「うぅ、お嬢様ぁ」
「いいわ。もっと泣きなさい。もっと弱さを見せなさい。 大丈夫、安心しなさい。私はここに居るから」
美鈴は、自分から顔を更にレミリアの顔に押し付ける。 レミリアの服の染みは大きくなるばかりである。 その頭を、レミリアは優しく撫でる。
ふと、美鈴は不安そうな声で聞く。
「私は、本当に、紅魔館に居ていいのでしょうか?」
「それでも、居たいのでしょう?」
「はい」
「なら、それでいいじゃない」
「でも――」
「私は最初に言ったはずよ」
レミリアはそこで一旦言葉を切った。 そして、美鈴には見えないけれど、極上の笑みを浮かべて言う。
「出来るだけ気持ちを尊重する。ってね」
「お嬢様……」
「だからくよくよするな。面を上げ、前を向け。 お前にはそうする権利がある。
なぁ美鈴。そうだろう?」
レミリアの言葉に、美鈴は体から顔を離し、レミリアの顔を見上げながら、
「はい!」
最高の笑顔でそう言った。
「お嬢様、さすがです」
咲夜はレミリアを脈絡なく褒めた。
今は、美鈴となんやかんやあってから幾日か経った後である。
「さすがって、何が?」
「先日の、美鈴の件です」
「ああ、あれのこと」
「私も美鈴の話を聞いた後、美鈴に会いに行ったんですが、とてもいい顔をしていました」
「そう。 なら良かった」
「一体何をしたんですか?」
「何も。 ただ説得しただけ」
「説得、だけですか?」
「まぁ、ちょうどあり余っていたから使ったものはあるけどね」
「それは、何ですか?」
レミリアは窓から門前を窺い見る。そこには何かが吹っ切れたように元気に動き回ってる赤い髪の少女が居る。
その姿がそこにあるのを嬉しく思い、目の端に置いておきながら、レミリアは言う。
「CP、よ」
これはよいカリスマ。
くだけた後書きにも満足しましたwww
カリスマが足らない方もよかったけどwww
なにか恐ろしい運命の片鱗を味わえましたw
重箱の隅を突くようで申し訳ないが、1ヶ所だけ気になった部分が。
「止めさせて~」>従事していることから離れる場合は「辞めさせて」ですよ。辞表って言いますからね。
カリスマ1げとありがとうございます。
>>2様
ですよね。私もそう思います。 まぁ、カリスマないお嬢様もいい…げふんげふん。
なんでもありません。
後書きはもっとはっちゃけようと思ったのですか何故か自重をしてしまいました。
満足なようでなによりですww
>>3様
カリスマ2げと。
増えた後、急激に減りますがw
>>4様
ならば、是非一緒にレミリア様のとこ雇われに行きましょう。
カリスマ3げと。
足らないはそれでオツなものですww
>>5様
運命操作?
そうかもしれないし、違うかもしれないw
どちらにしろ、レミリア様は最強ですww
>>6様
計画的なご利用を、です
>>7様
カリスマ4げと、です。
カリスマはいいものですっ。
いえいえ、ご指摘感謝しています。
修正させていただきました。
むしろこっちのお嬢様の方がいい(`・ω´・)b
でも、ヘタレミリアも中々www
これぞCP。
かっこいいお嬢様はいいものです。
そう、ヘタレもいいものなのですよww