Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

真祖、ここにあり。

2009/07/05 18:41:58
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 この世に存在するもの全ては、三種類に分類することが出来る。

  弱いもの、ある程度強いもの、そして、強いもの。

 この私は当然強いものに分類され、その中でも上位に位置している。

 理由なんて聞かれるまでもない。

 私は絶大な力を持っている。私の力を持ってすればエッフェル塔と東京タワーを移し変えることなど造作ないし、かつてYHVHが行った海割りの奇跡にしたって同じように、いや、もっと大規模に行うことが出来る。

 この絶大な力の前に人間達は恐怖することしかできなかった。

 人間達は私を、私達を吸血鬼と呼び、そのか弱い肉体と無知な頭脳を絞れるだけ絞って立ち向かってきた。あるものは銀のナイフを手に、ある者は十字架を投げ、ある者は聖なる鞭を振るい、またあるものは銃やその他の武器を全身にくくりつけていた。

 しかし、彼らが決死の思いで一打を繰り出しても、私にとっては虫指され程度のものでしかなかった。

 私はそれだけ強いのである。ここ、幻想郷に移り住んで来た今でもそれは変わらない。

 この土地では人間ではなく、古来より、人間を襲い食する妖怪たちが力を持っていた。

 彼らもまた、私から見れば弱いものである。様々な妖術を扱うもの、力任せに暴れるもの、知恵を巧みに使うもの、数多くの妖怪達がここに住んでいた。その中の一部と闘ったことがあったが、皆私が手加減をしなければ生きて帰ることが出来ず、それなりに強いものであっても同じように私が手加減をすることで初めて勝利を得ていたのであった。

 幻想郷においても私は優位な存在である。

 幻想郷では強いものの中でも、上位のものが時折、異変を起こすことがある。弱い妖怪達はその異変の中ではしゃぐことしか出来ず、人間達はごく一部を除いてその身を震わせて全てが終わるのをただひたすら待つことしか出来ない。

 私自身も、かつて異変を引き起こしたことがある。そのときは、幻想郷中が鮮血色に染まり、陽光はかき消され真冬の如き冷気が辺り一面を覆い尽くした。
 最終的に、私自身の興味が消えうせたので終わらせたが、あのまま続けていればまず間違いなく幻想郷は崩壊していたであろう。

 異変の一つや二つを引き起こすことぐらい赤子の手をひねるよりも簡単なことだ。その気になれば二、三十個程の異変を同時に引き起こして幻想郷のみならず、地球全体を壊滅的な状態にすることすらできる。これ程の力はいくら吸血鬼であってもめったに持ち合わせることはない。

 そして、私は最近異変を起こしてはいないのである。これがどういうことなのか分かるだろうか。
そう、本来なら二、三十個の異変を同時に引き起こすほどの力を持ち合わせていながら、その力を外には出さず、蓄え続けているのである。そして、数少ない戦いのときも決して本気を出さず手加減をしている。

 つまり、私は絶大な力を生まれ持ちながら、さらに絶大な力をこの身に宿しているのである。これは恐怖すべきことであろう。今の私ならば指を振っただけで妖怪の山が妖怪平野になってしまうだろうし、魔法の森が魔法の砂漠になってしまう。

 はっきり言ってしまえばこの私の機嫌が幻想郷の存続そのものと同義なのである。

  「だめですよ。」

 私の横で一人の少女がそう言った。

 彼女は人間である。にも関わらず私の配下である。
 鏡のように如実に煌めく銀髪と入ったもの全てを射抜く鋭利な銀色の瞳を持ち、華奢ではあるが並みの妖怪を凌駕する肉体と何人も不可侵な時間すら弄る能力を駆使して、私の言葉の全てを実行するマリオネット。

 それが彼女、十六夜咲夜である。

 これほどの存在を一切の束縛なく使役させることができるのは、おそらく私ぐらいであろう。
咲夜はこの屋敷、紅魔館の全ての仕事をこなしている。もちろん、他にも妖精たちを多数使役させてはいるが、この私が不自由なく生活できるよう維持し続けることは並大抵のものには勤まらない。
 この屋敷で働くのだから幻想郷の中でも力ある妖精を集めたのだが、そんな妖精たちでさえ出来ることはせいぜい、私から絶えず流れ出る魔力に耐えることぐらいであった。

 十六夜咲夜にあえて異名をつけるのであれば「満月下の騎士」とするべきであろう。

 まさに、完全にして、従順にして、瀟洒なる騎士なのである。

  「おだててもだめなものはだめです。」

 私の名は、レミリア・スカーレット。500年以上の長きに渡り生き続け、恐怖を振り撒き続ける強大なる吸血鬼である。
 そして、かの蛮勇にして英雄、伝説にして神話である、真祖ヴラド・ツェペシュの後を継ぐ唯一の存在。

 この紅魔館の、幻想郷の全てに影響を持ち、私自らの意志と願いは世界の義務であり、真理である。

 私を満足させることが、この世界に存在するもの全てにとっての、唯の一つ存在することのできる理由なのである。

  「何度でも言いますが今日のお茶とおやつの時間は終わりです。明日まで我慢してください。」

























    だれか、私にケーキをちょうだい…。
霊夢「現金って、愛の上を行くと思う。」

魔理沙「えっ?」
KISIDO
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
レミリアかわええwww 
2.名前が無い程度の能力削除
ケーキならいくらでもあげるさ・・・この可愛らしいレミリアを拝むことができるなら!