~小学生低学年向けSS~
だよ!
*にとり、ひとり、ぽつり*
あるお山に、かわいい女の子のかっぱがおりました。
名前を、河城にとり、といいます。
にとりさんは人間が大好きです。
ですが、にとりさんはかっぱで、ようかいなので、あまり人間はにとりさんと遊んでくれませんでした。
にとりさんは人間が大好きなのに、人間はようかいがおっかなかったのです。
なので、にとりさんは、いつもとおくから人間をみまもるだけでした。
そんなにとりさんのもとに、一人のまほうつかいがやってきました。
かのじょの名前は霧雨魔理沙。人間のまほうつかいでした。
魔理沙はお山に入るのはあぶないよ、というにとりさんのちゅうこくをむしして、にとりさんをぶっとばしてお山に入っていきました。
にとりさんは、ついらくしながら、しつれいなやつだ、と思いました。
*にとり、ひとり、くたり*
にとりさんのお仕事は、きかいを作ったり、こわしたり、なおしたりすることです。
にとりさんは今日も、いえの中にあるあとりえで、ひろってきた大きなきかいを、ばらばらにしていました。
にとりさんはたのしくてしかたありません。
そんなにとりさんのもとに、人間の霧雨魔理沙がやってきました。
「よぅ、にとり」
にかにかとわらいながら、かってにいえに入ってくるので、にとりさんはにぎっていたすぱなをほうりなげて、でてけ、といいました。
魔理沙はとんできたすぱなをひょいとよけて、にやりとわらっていいました。
「遊びに来てやったのに、失礼な奴だな」
遊びにきた?にとりさんはくびをかしげます。
それはそうです。遊びにくるほど、魔理沙となかよくなったおぼえはありませんし、いえのばしょをおしえたこともありません。
どうやってきたの、とにとりさんはききました。
魔理沙はいいました。
「見張りの天狗に聞いたんだ。前会った白い奴に。ぶっ飛ばして」
白いみはりのてんぐ。にとりさんがしっているなかで魔理沙にあったことがあるのは一人しかおりません。
にとりさんの、だいじなだいじな、ともだちでした。
にとりさんは立ちあがりました。
魔理沙のまえまでいって、ぎろりとにらみつけます。
もういちど、ひくいこえで、でてけ、といいました。
魔理沙はわらいます。
「嫌だね。出て行かせたかったら、私に勝ってみな」
二人は外にとびだしました。
だんまくごっこは、魔理沙の勝ちでした。
おっこちたにとりさんのもとに、魔理沙がゆっくりと歩いてきます。
「さっきのな、天狗ぶっ飛ばしたっての、ありゃ嘘だ。心配すんな。ちゃんと聞いて来たんだ、色々な」
あおむけのにとりさんのまえがみをくしゃくしゃにして、魔理沙はかえっていきました。
にとりさんはあんしんして、それから、なんであんなうそをついたのかな、と思いました。
でもそれよりつかれてしまったので、くたっとからだからちからがぬけてしまいました。
*にとり、ひとり、みたり*
お山のほしは、とってもきれいです。
にとりさんは、きかいをいじるのと、きゅうりをかじるののつぎに、ほしを見るのが好きでした。
いえ、きゅうりをかじるののほうが、きかいをいじるのより好きかもしれません。
それはおいといて、にとりさんはほしが好きなのです。
にとりさんはおしごとがおわって、おふろにはいったあと、ぱじゃまにきがえて、やねにのぼって、いつもほしを見るのです。
あいすきゅーかんばーをのみながら見るほしはかくべつでした。
でもその日は、くもがおおくて、ほしがよく見えませんでした。
にとりさんはがっかりして、それでも、ひとつくらいは見えないかな、と思って、よぞらをみあげました。
そしたら、とおくのほうで、きらりとひかるながれぼし!
にとりさんはふしぎにおもいました。どうしてひとつだけ、ほしが見えたのかな?
もしかしたら、もっとふってくるかな、と思って、にとりさんはしばらくよぞらをながめつづけていました。
でも、ながれぼしはそれっきり、ひとつも見えませんでした。
だからもう、その日はべっどにもぐって、ねることにしました。
ねるまえに、なんとなく、魔理沙のことを思いだしました。
*にとり、
「おぉい」
べっどでぐっすりとねむっていたにとりさんはとびおきました。
いえの外でだれかがにとりさんの名前をよんだからです。
こんな夜おそくに一体だれだろうと、にとりさんはいえのドアをかちゃりとあけました。
「よぉ、にとり」
そこにいたのは、人間の霧雨魔理沙でした。
こんなおそくに何のようかと、にとりさんはたずねます。
そうすると、魔理沙はにっかとわらって、にとりさんのうでを引きました。
なんだなんだと、にとりさんは目を丸くしました。
あたふたするにとりさんに魔理沙はいいます。
「星がすっげぇ綺麗なんだ!一緒に見ないか?」
はて。きょうはほしは一つも見えなかったよ、とにとりさんはいいました。
それをきいた魔理沙はわらってくびをよこにふりました。
「雲なんかぶっ飛ばしてやった!!お前に見せてやりたいんだ!」
にとりさんは、とってもうれしくなりました。
うれしくて、うれしくて、いっぱいなみだが出てきました。
魔理沙はそれを見て、あわあわしだしました。
「な、何だ?嫌なのか?嫌なら無理に来なくってもいいんだぞ?」
ちがうよ、とにとりさんはくびをふります。
でも、ないているのをあんまり見られたくなかったので、ほうきにまたがった魔理沙のせなかに、かおをおしつけました。
そうして、にとりさんと魔理沙は、ほうきにのっていっしょにほしを見にいきました。
にとりさんは、魔理沙にききました。どうして、わたしのとこにきたのかと。どうして、あんなうそをついたのかと。
魔理沙はほっぺたをかきながらいいました。
「友達になりたかったから、かな」
やっぱり、人間っていいな、とにとりさんは思いました。それでまたすこし、ないてしまいました。
と、ひとり、で、ふたり。*
だよ!
*にとり、ひとり、ぽつり*
あるお山に、かわいい女の子のかっぱがおりました。
名前を、河城にとり、といいます。
にとりさんは人間が大好きです。
ですが、にとりさんはかっぱで、ようかいなので、あまり人間はにとりさんと遊んでくれませんでした。
にとりさんは人間が大好きなのに、人間はようかいがおっかなかったのです。
なので、にとりさんは、いつもとおくから人間をみまもるだけでした。
そんなにとりさんのもとに、一人のまほうつかいがやってきました。
かのじょの名前は霧雨魔理沙。人間のまほうつかいでした。
魔理沙はお山に入るのはあぶないよ、というにとりさんのちゅうこくをむしして、にとりさんをぶっとばしてお山に入っていきました。
にとりさんは、ついらくしながら、しつれいなやつだ、と思いました。
*にとり、ひとり、くたり*
にとりさんのお仕事は、きかいを作ったり、こわしたり、なおしたりすることです。
にとりさんは今日も、いえの中にあるあとりえで、ひろってきた大きなきかいを、ばらばらにしていました。
にとりさんはたのしくてしかたありません。
そんなにとりさんのもとに、人間の霧雨魔理沙がやってきました。
「よぅ、にとり」
にかにかとわらいながら、かってにいえに入ってくるので、にとりさんはにぎっていたすぱなをほうりなげて、でてけ、といいました。
魔理沙はとんできたすぱなをひょいとよけて、にやりとわらっていいました。
「遊びに来てやったのに、失礼な奴だな」
遊びにきた?にとりさんはくびをかしげます。
それはそうです。遊びにくるほど、魔理沙となかよくなったおぼえはありませんし、いえのばしょをおしえたこともありません。
どうやってきたの、とにとりさんはききました。
魔理沙はいいました。
「見張りの天狗に聞いたんだ。前会った白い奴に。ぶっ飛ばして」
白いみはりのてんぐ。にとりさんがしっているなかで魔理沙にあったことがあるのは一人しかおりません。
にとりさんの、だいじなだいじな、ともだちでした。
にとりさんは立ちあがりました。
魔理沙のまえまでいって、ぎろりとにらみつけます。
もういちど、ひくいこえで、でてけ、といいました。
魔理沙はわらいます。
「嫌だね。出て行かせたかったら、私に勝ってみな」
二人は外にとびだしました。
だんまくごっこは、魔理沙の勝ちでした。
おっこちたにとりさんのもとに、魔理沙がゆっくりと歩いてきます。
「さっきのな、天狗ぶっ飛ばしたっての、ありゃ嘘だ。心配すんな。ちゃんと聞いて来たんだ、色々な」
あおむけのにとりさんのまえがみをくしゃくしゃにして、魔理沙はかえっていきました。
にとりさんはあんしんして、それから、なんであんなうそをついたのかな、と思いました。
でもそれよりつかれてしまったので、くたっとからだからちからがぬけてしまいました。
*にとり、ひとり、みたり*
お山のほしは、とってもきれいです。
にとりさんは、きかいをいじるのと、きゅうりをかじるののつぎに、ほしを見るのが好きでした。
いえ、きゅうりをかじるののほうが、きかいをいじるのより好きかもしれません。
それはおいといて、にとりさんはほしが好きなのです。
にとりさんはおしごとがおわって、おふろにはいったあと、ぱじゃまにきがえて、やねにのぼって、いつもほしを見るのです。
あいすきゅーかんばーをのみながら見るほしはかくべつでした。
でもその日は、くもがおおくて、ほしがよく見えませんでした。
にとりさんはがっかりして、それでも、ひとつくらいは見えないかな、と思って、よぞらをみあげました。
そしたら、とおくのほうで、きらりとひかるながれぼし!
にとりさんはふしぎにおもいました。どうしてひとつだけ、ほしが見えたのかな?
もしかしたら、もっとふってくるかな、と思って、にとりさんはしばらくよぞらをながめつづけていました。
でも、ながれぼしはそれっきり、ひとつも見えませんでした。
だからもう、その日はべっどにもぐって、ねることにしました。
ねるまえに、なんとなく、魔理沙のことを思いだしました。
*にとり、
「おぉい」
べっどでぐっすりとねむっていたにとりさんはとびおきました。
いえの外でだれかがにとりさんの名前をよんだからです。
こんな夜おそくに一体だれだろうと、にとりさんはいえのドアをかちゃりとあけました。
「よぉ、にとり」
そこにいたのは、人間の霧雨魔理沙でした。
こんなおそくに何のようかと、にとりさんはたずねます。
そうすると、魔理沙はにっかとわらって、にとりさんのうでを引きました。
なんだなんだと、にとりさんは目を丸くしました。
あたふたするにとりさんに魔理沙はいいます。
「星がすっげぇ綺麗なんだ!一緒に見ないか?」
はて。きょうはほしは一つも見えなかったよ、とにとりさんはいいました。
それをきいた魔理沙はわらってくびをよこにふりました。
「雲なんかぶっ飛ばしてやった!!お前に見せてやりたいんだ!」
にとりさんは、とってもうれしくなりました。
うれしくて、うれしくて、いっぱいなみだが出てきました。
魔理沙はそれを見て、あわあわしだしました。
「な、何だ?嫌なのか?嫌なら無理に来なくってもいいんだぞ?」
ちがうよ、とにとりさんはくびをふります。
でも、ないているのをあんまり見られたくなかったので、ほうきにまたがった魔理沙のせなかに、かおをおしつけました。
そうして、にとりさんと魔理沙は、ほうきにのっていっしょにほしを見にいきました。
にとりさんは、魔理沙にききました。どうして、わたしのとこにきたのかと。どうして、あんなうそをついたのかと。
魔理沙はほっぺたをかきながらいいました。
「友達になりたかったから、かな」
やっぱり、人間っていいな、とにとりさんは思いました。それでまたすこし、ないてしまいました。
と、ひとり、で、ふたり。*
いえ決してにとりんへの愛が依怙贔屓を熾して居るのでは御座りませんよ?
ただにとりんが可愛いよにとりん可愛いよにとりん可愛いよにとりん。
魔理沙さん、娘(にとりん)を宜しくお願い致しまする。
浮気してヤキモチ妬かせちゃえ。
ちなみにわたしもえむじゃないです。
ぜひ絵本で読んでみたいです。