~注意書き~
本作は「早苗さんの修学旅行~沖縄編」の幻想郷サイドのお話になります。
ついでに「少女たちの~1」の続きです。
そちらをお読みでない方は先にそちらをご覧になっていただくことを強くお勧めいたします。
なお、本作はキャラがやたらと多いために細切れの文をつなげていますので、若干読みにくいかと思われますがご容赦ください。では。
※ちなみに場面転換は***
人物転換は* となっております。
~注意書き 終~
side:紫(2)
さてさて。
だいぶ時間もあるし…霊夢を見つけてからんでこようかしら。
と思ったんだけど当初の目的からずれてしまうから今回は我慢しなくてはいけないのよねぇ…
あぁ残念。まぁ、また今度適当な理由を作って二人っきりでデートでもすればいいわね。うふ、ふふふふふ……
おっと涎が。
* * *
side:咲夜
…まさかこんなことでこっちに来るなんてね。
思ってもみなかったけど、お嬢様が「ちんすこう食べたい、あと八橋と生キャラメル」とか言うから来ざるをえなかったと言うか。
まぁ、元いた所とは随分違うし。結構楽しんでいるのも事実です、えぇ認めましょう。
その、美鈴と二人きりと言うのもあまりないことだし。
…でも、その美鈴の様子が、変。
こっちをちらちら見るし、心なし顔が赤いし。
…熱でもあるのかしら?ちょっと様子を見てみましょうか。
「ちょっと、美鈴…」
*
side:美鈴
あぁどうしよう薄暗い館内で咲夜さんと二人っきり二人っきりりりりいr
メイド服も大概可愛いけどなんて言うかこのセーラー服でしたかとても良いですとても。
咲夜さんが視界に入るたびに顔が火照る動機息切れするあぁあぁぁぁぁああ、……はっ!?
落ち着け自分!!落ち着くのよ美鈴!!心頭滅却すればシャイニングゴットフィンガーだ!!出ろ、ガンッダァム!!
「……っと、めい……」
俺のこの手が光って唸る!!おまえを倒せと轟き叫ぶぅ!!
「めーぃりーん?」
「レイィィィイイン!!…はっ、咲夜さん!?」
咲夜さんの錆びついたナイフのような視線で私のなけなしの理性が呼び戻される。
なんだかその、生温い視線はとても痛いです。心に。
「ねぇ、大丈夫なの?調子でも悪いわけ?」
ぬっはぁ咲夜さんの綺麗な顔が私の目の前に目の前ににににに
…はぁはぁ駄目ですもう我慢できません襲っていいですか襲っちゃいますからね!!
「好きです咲夜さばぁ!!」
べちこーん。
*
side:ザナたん
「不純同性交友禁止ィッ!!!!!」
べちこーん。
*
side:小町
やれやれ、何だってこの。風紀委員だっけ?そんなもんが必要なのかねぇ…
我らが四季様はやる気満々って感じだったし。同行するあたいの身にもなってほしいね。
…そりゃ、一緒にいるのが嫌って訳じゃ、無いんだけども。と言うかむしろ一緒にいたい位だけど。
だけどその風紀委員とかの所為で四季様は鼻息荒く辺りを見回すばっかりで、あたいの方なんかほとんど見てもくれない。寂しいもんだ。
なんとかきっかけでも作って、色々にゃんにゃんしたいんだけど。あたいとしては。
薄暗い所っていいよね。
とかなんとか思っていたら、少し離れた所に見たことのある銀髪と紅髪を発見。
メイドと門番かね?メイドは背を向けて、その向こうに長身の門番が少し頭を下げて。
…これはあれだ。お約束ってやつだ。きっと門番が顔を赤く染めていて、メイドが様子を見ようと思ったらキスしているみたいに見えちゃうってやつだ。
若い、羨ましい。
四季様は気付いているのかとちらりと視線を下ろした。
「って四季様!!?」
居ないよ!?既に二人の元に走っているよ!!?
ちょっと待って下さい、と言う前に離れた所から大声が聞こえた。
「不純同性交友禁止ィッ!!!!!」
同時に悔悟の棒が門番のデコを強かに叩いた。うわぁ、痛そう。
じゃなくてっ!
「し、四季様っ!!いくらなんでもいきなりは…」
あたいは慌てて三人の元に駆け寄った。
「美鈴!!」
メイドは伸びてきゅぅと唸る門番を抱き起こす。
「天誅!ふしだらな真似はこの四季映姫が許しません!!」
四季様は鬼のような形相で伸びた門番に悔悟の棒を突きつけた。
それを気に入らんと言うような目つきで睨み返すメイド。
「ふしだらって…何を言っているの!?私は美鈴の様子がおかしいから、様子を見ようと思っただけよ!」
…当たってんかい。
一触即発の空気。そこに目を覚ました門番がゆっくりと身体を起こした。
「…い、いえ、咲夜さん。咲夜さんはそうでも…私はそのつもり、でした。私はふしだらな気持ちで、咲夜さんを食べちゃおうと思っていました」
「美、鈴…」
ふらり。やっとの思いで立ち上がると、しかし視線は手負いの獣のそれのように、しっかりと四季様を射抜く。
「ですがね…。閻魔様。私はこの気持ちを、咲夜さんを好きだと言う気持ちを、『不純』だなんて言われるのは、我慢なりません!!
私は本気で、咲夜さんが好きなんです!!本気で咲夜さんを食べちゃいたいと思っているんです!!!!」
「っっ……………!!?」
それは獣の咆哮。それは魂の叫び。
あまりにも熱すぎる、愛の告白。その相手は勿論、四季様もあたいも言葉を失ってしまった。
最早門番の独壇場である。
「この気持ちがッ!!『不純』だと言うのなら!!この世のどこにも愛などないッ!!!四季映姫、おまへのやうな冷血にこの愛はわかる筈もなしッ」
びしりと指を四季様に突き付ける。その指を払うでもなく、四季様は唇をかみしめて肩を震わせていた。
…ちょっと、待ちな。
「オウこら、お前さん今何と言ったね?四季様を、『冷血』だと?愛が解る筈もないと?」
「言いましたよ。だからなんだと言うのですか」
あたいは後ろに四季様を庇いながら、門番の目の前に立った。流石の長身で、あたいもわずかに目線を上げて睨み付ける。
「はっ、四季様が冷血な訳ないだろ?お前さんが知らないだけだ。四季様はなぁ、捨て猫を見ちゃ煮干しを噛ませ、捨て犬を見ちゃ干し肉を噛ませ、捨て兎を見ちゃ鍋にするような、そんなお人だ。それにな。…これは、とっておきだ。耳貸せ耳」
「…なんですか」
あたいは訝る門番の耳元に唇をよせ、ぼそぼそと四季様のお人柄を語った。
「…ぽしょぽしょ……で、ぽしょぽしょ。それに、……ぽしょぽしょぽしょ」
「な、なん、だと…」
門番は言葉を失って、それからぎぎぎと首をまわして小さな閻魔様を見下ろした。
「こ、こんなに小さいのに、そんな…過激な……」
「おう。そういうこったから、四季様は愛というのをよぉく解っているのさ。理解できたかい?」
「…ま、負けました、小町さん……私にはそんなこと、まだできません…」
肩を落とす門番に向かって私はウインクして見せた。
「ま、あれだ。お前さんの場合相手は人間だから、程々にしときなね。最初は手ぇ繋ぐとこから始めな」
「こ、小町さん…いいえ、Love師匠!!私頑張ります!!」
「おう」
色々解決したのであたいは四季様に振り返り、そっと小さな体を抱きしめた。
「こっ…!」
「大丈夫。大丈夫です」
何が大丈夫なのか自分でもよく分からなかったが、とりあえず四季様も落ち着いてくれたのでよし。
衆人環視の奇異の目は、終ぞ気に留める事がなかった。
*
「で、何であんなにピリピリしてたんですか」
「……」
「四季様?」
「…だって」
「だって?」
「…風紀委員とか言うのにされて、ちゃんとやらなくっちゃと思って、そしたら小町と仲良くできなくって、なのに、その」
「…映姫っ!!(がばちょ)」
「ひぁっ!?」
本作は「早苗さんの修学旅行~沖縄編」の幻想郷サイドのお話になります。
ついでに「少女たちの~1」の続きです。
そちらをお読みでない方は先にそちらをご覧になっていただくことを強くお勧めいたします。
なお、本作はキャラがやたらと多いために細切れの文をつなげていますので、若干読みにくいかと思われますがご容赦ください。では。
※ちなみに場面転換は***
人物転換は* となっております。
~注意書き 終~
side:紫(2)
さてさて。
だいぶ時間もあるし…霊夢を見つけてからんでこようかしら。
と思ったんだけど当初の目的からずれてしまうから今回は我慢しなくてはいけないのよねぇ…
あぁ残念。まぁ、また今度適当な理由を作って二人っきりでデートでもすればいいわね。うふ、ふふふふふ……
おっと涎が。
* * *
side:咲夜
…まさかこんなことでこっちに来るなんてね。
思ってもみなかったけど、お嬢様が「ちんすこう食べたい、あと八橋と生キャラメル」とか言うから来ざるをえなかったと言うか。
まぁ、元いた所とは随分違うし。結構楽しんでいるのも事実です、えぇ認めましょう。
その、美鈴と二人きりと言うのもあまりないことだし。
…でも、その美鈴の様子が、変。
こっちをちらちら見るし、心なし顔が赤いし。
…熱でもあるのかしら?ちょっと様子を見てみましょうか。
「ちょっと、美鈴…」
*
side:美鈴
あぁどうしよう薄暗い館内で咲夜さんと二人っきり二人っきりりりりいr
メイド服も大概可愛いけどなんて言うかこのセーラー服でしたかとても良いですとても。
咲夜さんが視界に入るたびに顔が火照る動機息切れするあぁあぁぁぁぁああ、……はっ!?
落ち着け自分!!落ち着くのよ美鈴!!心頭滅却すればシャイニングゴットフィンガーだ!!出ろ、ガンッダァム!!
「……っと、めい……」
俺のこの手が光って唸る!!おまえを倒せと轟き叫ぶぅ!!
「めーぃりーん?」
「レイィィィイイン!!…はっ、咲夜さん!?」
咲夜さんの錆びついたナイフのような視線で私のなけなしの理性が呼び戻される。
なんだかその、生温い視線はとても痛いです。心に。
「ねぇ、大丈夫なの?調子でも悪いわけ?」
ぬっはぁ咲夜さんの綺麗な顔が私の目の前に目の前ににににに
…はぁはぁ駄目ですもう我慢できません襲っていいですか襲っちゃいますからね!!
「好きです咲夜さばぁ!!」
べちこーん。
*
side:ザナたん
「不純同性交友禁止ィッ!!!!!」
べちこーん。
*
side:小町
やれやれ、何だってこの。風紀委員だっけ?そんなもんが必要なのかねぇ…
我らが四季様はやる気満々って感じだったし。同行するあたいの身にもなってほしいね。
…そりゃ、一緒にいるのが嫌って訳じゃ、無いんだけども。と言うかむしろ一緒にいたい位だけど。
だけどその風紀委員とかの所為で四季様は鼻息荒く辺りを見回すばっかりで、あたいの方なんかほとんど見てもくれない。寂しいもんだ。
なんとかきっかけでも作って、色々にゃんにゃんしたいんだけど。あたいとしては。
薄暗い所っていいよね。
とかなんとか思っていたら、少し離れた所に見たことのある銀髪と紅髪を発見。
メイドと門番かね?メイドは背を向けて、その向こうに長身の門番が少し頭を下げて。
…これはあれだ。お約束ってやつだ。きっと門番が顔を赤く染めていて、メイドが様子を見ようと思ったらキスしているみたいに見えちゃうってやつだ。
若い、羨ましい。
四季様は気付いているのかとちらりと視線を下ろした。
「って四季様!!?」
居ないよ!?既に二人の元に走っているよ!!?
ちょっと待って下さい、と言う前に離れた所から大声が聞こえた。
「不純同性交友禁止ィッ!!!!!」
同時に悔悟の棒が門番のデコを強かに叩いた。うわぁ、痛そう。
じゃなくてっ!
「し、四季様っ!!いくらなんでもいきなりは…」
あたいは慌てて三人の元に駆け寄った。
「美鈴!!」
メイドは伸びてきゅぅと唸る門番を抱き起こす。
「天誅!ふしだらな真似はこの四季映姫が許しません!!」
四季様は鬼のような形相で伸びた門番に悔悟の棒を突きつけた。
それを気に入らんと言うような目つきで睨み返すメイド。
「ふしだらって…何を言っているの!?私は美鈴の様子がおかしいから、様子を見ようと思っただけよ!」
…当たってんかい。
一触即発の空気。そこに目を覚ました門番がゆっくりと身体を起こした。
「…い、いえ、咲夜さん。咲夜さんはそうでも…私はそのつもり、でした。私はふしだらな気持ちで、咲夜さんを食べちゃおうと思っていました」
「美、鈴…」
ふらり。やっとの思いで立ち上がると、しかし視線は手負いの獣のそれのように、しっかりと四季様を射抜く。
「ですがね…。閻魔様。私はこの気持ちを、咲夜さんを好きだと言う気持ちを、『不純』だなんて言われるのは、我慢なりません!!
私は本気で、咲夜さんが好きなんです!!本気で咲夜さんを食べちゃいたいと思っているんです!!!!」
「っっ……………!!?」
それは獣の咆哮。それは魂の叫び。
あまりにも熱すぎる、愛の告白。その相手は勿論、四季様もあたいも言葉を失ってしまった。
最早門番の独壇場である。
「この気持ちがッ!!『不純』だと言うのなら!!この世のどこにも愛などないッ!!!四季映姫、おまへのやうな冷血にこの愛はわかる筈もなしッ」
びしりと指を四季様に突き付ける。その指を払うでもなく、四季様は唇をかみしめて肩を震わせていた。
…ちょっと、待ちな。
「オウこら、お前さん今何と言ったね?四季様を、『冷血』だと?愛が解る筈もないと?」
「言いましたよ。だからなんだと言うのですか」
あたいは後ろに四季様を庇いながら、門番の目の前に立った。流石の長身で、あたいもわずかに目線を上げて睨み付ける。
「はっ、四季様が冷血な訳ないだろ?お前さんが知らないだけだ。四季様はなぁ、捨て猫を見ちゃ煮干しを噛ませ、捨て犬を見ちゃ干し肉を噛ませ、捨て兎を見ちゃ鍋にするような、そんなお人だ。それにな。…これは、とっておきだ。耳貸せ耳」
「…なんですか」
あたいは訝る門番の耳元に唇をよせ、ぼそぼそと四季様のお人柄を語った。
「…ぽしょぽしょ……で、ぽしょぽしょ。それに、……ぽしょぽしょぽしょ」
「な、なん、だと…」
門番は言葉を失って、それからぎぎぎと首をまわして小さな閻魔様を見下ろした。
「こ、こんなに小さいのに、そんな…過激な……」
「おう。そういうこったから、四季様は愛というのをよぉく解っているのさ。理解できたかい?」
「…ま、負けました、小町さん……私にはそんなこと、まだできません…」
肩を落とす門番に向かって私はウインクして見せた。
「ま、あれだ。お前さんの場合相手は人間だから、程々にしときなね。最初は手ぇ繋ぐとこから始めな」
「こ、小町さん…いいえ、Love師匠!!私頑張ります!!」
「おう」
色々解決したのであたいは四季様に振り返り、そっと小さな体を抱きしめた。
「こっ…!」
「大丈夫。大丈夫です」
何が大丈夫なのか自分でもよく分からなかったが、とりあえず四季様も落ち着いてくれたのでよし。
衆人環視の奇異の目は、終ぞ気に留める事がなかった。
*
「で、何であんなにピリピリしてたんですか」
「……」
「四季様?」
「…だって」
「だって?」
「…風紀委員とか言うのにされて、ちゃんとやらなくっちゃと思って、そしたら小町と仲良くできなくって、なのに、その」
「…映姫っ!!(がばちょ)」
「ひぁっ!?」
いや違う、これもう映姫さまやなくてえーきちゃんや。えーきちゃん。
仕方ないんですよ、四人共ソウルが「ふらーいんざすかーい」で「あいとぅらすとぅふぉえばー」なんですから。
こまえい……ですと……?
だがしかし、えいこまが私の魂だ。です。
そう、小野塚(かわいいよめ)さんをちょくちょく着せ替え人形(ゴスロリめいん)にする程度に溺愛している四季映姫(おとこまえ)様とそんな四季映姫(おとこまえ)様に毎回あの手この手で絆される小野塚(かわいいよめ)さんとかが「私の魂(ジャスティス)」だ。です。
>>1様
らぶりぃなえーきちゃんを抱きしめたいと思うのは小町だけではないはず。
>>謳魚様
謳魚さんただいま謳魚さん。
そうでしたね貴方はえーこま派でしたね。だが私も譲らない。こまえーが俺の真実!!!!!
>>3様
兎美味しいです、と彼女はそういった