Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

用途を守って変貌してしまった

2009/06/20 01:11:23
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 紅美鈴は考えていた

 かの暴虐無人な白黒の魔法使いを止める方法を

「…青空が気持ちいいですね」

 半壊した門の前で自棄になって寝転がりながら




(…この前の計画悪くないと思ったんですけどね)

 美鈴が両手を後ろに組みながら前の計画を思い出す…

 今から少し前に美鈴が門を魔理沙から守るために

 体を徹底的に鍛え上げようとした事があった

 計画はなかなか順調な物であった 

 元より人の身体よりもタフな妖怪の体

 その上、美鈴には最早天性と言っても良いほどの体のタフさがある

 他の人なら無茶な筋トレでも、無理やり回復させる事が出来るため

 わずか一週間で全身に筋肉がつきはじめたのだが…



「美鈴…」
「あ、咲夜さん?」

 寝転がっている美鈴の傍に咲夜がやってきた

「そろそろ門を修理してもらいたいんだけど」
「あ、はい!」
 咲夜の言葉に美鈴が頷くと、その場から起き上がる

「…魔理沙にも困った物ね」
「すいません…私が止めないといけないのに…」
 美鈴が申し訳なさそうにすると
 咲夜が少しだけ苦笑した
「貴方が悪いんじゃないわ…ただ魔理沙の性質が悪いだけよ」
 
 何時もなら、頭にナイフが飛んできてもおかしくないのだが
「…やっぱり、私体を鍛えて…」
「駄目!絶対に駄目!」
 咲夜が美鈴の言葉をさえぎり最後まで話させなかった
「それだけは絶対に駄目!お嬢様も妹様も…いえ紅魔館の皆が
 貴方があんな姿になる事は望んでいないわ!」

 あんな姿…つまり全身に筋肉を纏った
 少女とは言えない姿
 美鈴自身はそこまで悪い案だとは思って居ないのだが

「そんなに駄目ですか?」
「…お願いだから…」
 今泣きそうになっている咲夜を含めた
 紅魔館首脳陣全員の必死の説得により
 美鈴もとりあえずその場では計画を諦めたのだ

「…わかってます…」
「そう…ならいいんだけど…」
 美鈴の言葉に咲夜が心配そうにするが
「それじゃあ、そろそろ門を修理してきますから」
「…そうね、行ってらっしゃい」
 美鈴が門の修理の為に移動を開始したために
 咲夜も美鈴の傍から離れていった






(悪くないんだとおもうんだけどなぁ)
 門を修理するための角材を他の門番隊に指示しつつ
 自分も運びながら、美鈴は考えていた
(現に、咲夜さんのナイフも弾けましたし)
 
 美鈴が筋肉を鍛えていた時、それを強制的に止めようと
 咲夜がナイフを全身に放って来た事があったが
 圧倒的に強化を加えた美鈴の腹筋や背筋
 そして腕と脚の筋肉は高速で飛んできたナイフを
 身体に通さず、その全てを粉々に破壊した
(あれでもっと腹筋も鍛えていたら…)
 魔理沙の攻撃を受けてもそう簡単には落ちないだろう
 

「…門番長」
「へっ?」

 考え事をしている美鈴に門番隊の一人が声をかけてきた
「…駄目ですよ、こんな所でスクワットしたら」
 言われて初めて気がついた
 気がついたら自分は角材を担ぎながらヒンドゥスクワットをしていた
「…またメイド長呼んできますよ?」
「あはは…咲夜さんに迷惑がかかっちゃいますね」
 空笑いしながら、美鈴は角材を門の前に運ぶ事にした




「やれやれ、これでひと段落です」
 修理が完了した門の前で美鈴がホッとしていたら
 屋敷の中からどたばたした音が聞こえて来た

(借りていくぜ~!)
(持ってかないで~!)

 美鈴が後ろを振り向いた瞬間
 何者かが美鈴を吹っ飛ばして飛んで行った
 吹っ飛ばされた美鈴が空中で体勢を整えて地面に落下すると
「あばよ~!」
 すでに美鈴を吹っ飛ばした何者かの後姿は小さくなっていた

 美鈴が後姿を見つめていると
「…また逃がしたわ…」
「あ、パチュリー様」
 心底口惜しそうなパチュリーが珍しく美鈴の傍にやってきていた 

「…何とかしないと図書館の本を全て持ってかれるわ」
「す、すみません…」
 美鈴が申し訳なさそうに頭を下げると
 パチュリーは首を振って伝えた
「貴方が悪いんじゃないわ…むしろ貴方も犠牲者よ」
 
 パチュリーは本を取られて、美鈴は門の修理の手間が増える
「やっぱり、この前の計画を…」
「むきゅ!?駄目よ!それだけはしてはいけないわ!」
 パチュリーが必死に止める
「で、ですけど…」
「確かに魔理沙を止める事は出来るかもしれないわ…
 でも、長い目で見なくても貴方が変貌する事による
 紅魔館の生活のデメリットの方が圧倒的に大きいのよ…わかる?」
「わ、わかりました」 
(食事の量も多くなりそうですからね)
「そう…わかれば良いのよ…」
(あの胸が硬い胸板に変わるなんて想像すらしたくないわ)

 少々思っている事に違いはあれど
 美鈴が頷くと、パチュリーが背をむけて
「…それに、いくら性質が悪いと言っても所詮は一時的なものだしね」
 少しだけ寂しそうにそう呟いてから図書館に戻っていった  



 パチュリーが居なくなってから美鈴が手を組んで考えていた
「…一時的なもの…」
 美鈴の頭の中でその言葉がグルグルと回り
(…そうですよ…それができれば…)
 そして、その言葉が頭の中でガッチリと組み合わわる
「よし!」

 考えがまとまった美鈴が急いでその場から離れた
(魔理沙さん…覚悟してくださいね!)
 口元をにやりとさせながら 








 それから一週間後…

「…できた…」
 美鈴の手元には、一つのスペルカードと
 今着ているすごく伸縮する強靭な服…
「…後は……」
 そして、図書館から見つけてきた何種類もの本を集め
 その中にある物と自分の持っている知識で作り上げた
 変な色の液体が入っている一本のビンだった
「…これを飲むだけ」 

 

 美鈴がそう言って門の前でビンを握り締めていると
 何者かが高速で接近している気配を感じる
 魔理沙の気配を察知した美鈴が手にしたビンをグッと飲み干した
「ひゃっほう!」
 それと同時に魔理沙が門の前に姿を現し 
「勝手に通してもらうぜ!」
 即座に紅魔館の中に入ろうと美鈴にせまる
「はぁぁぁああ!」
 だが、それよりも少しだけ早く…美鈴の体が変貌を遂げる


(なんだ?何時もの雰囲気じゃないぜ!)
 魔理沙のカンがそう告げると
(ならば、速攻で突き進むまでだ)
「ブレイジングスター!」
 魔理沙が急いで美鈴が構えるよりも早く
 美鈴とその背中にある門ごと吹き飛ばそうと
 スペルカードを宣言してスピードを上げる
 そして、魔力の彗星となった魔理沙の一撃が美鈴と門を吹っ飛ばす







 鍛符「明治17年のマッチョドラゴン」





 

 はずだった…

 今も現在進行形でブレイジングスターが発動している
 そして、それは美鈴にあたっている
 だが、ぶち当たっているはずの相手が
 魔理沙の箒を先端を両手で掴んで
「…好い加減おいたが過ぎますよ…魔理沙さん?」
「な、な…なあああっ!?」 

 力任せにそれを止めていた

 いかに美鈴が力持ちであってもそんな事は出来ない
 体が持たないからだ…だが
「この身体だと手加減できませんから…」
 今の美鈴…顔以外がマッチョになっている美鈴なら可能だった
「覚悟してくださいね?」
「うわああああ!?」

 その姿を真正面で見た魔理沙が絶叫すると
 大急ぎでブレイジングスターを解除してブレーキをかける
 そのせいで、箒を掴んでいた美鈴の手から魔理沙が離れる
 距離が開いた隙に魔理沙が全速力で八卦炉を構え   
「く、くたばれぇ!」
 
 その言葉と共に普段以上に魔力を八卦炉に籠める


 美鈴がそれを確認して門の前に立ちふさがると
「はぁあああああっ!」 
 目の前の一撃に耐える為に全身の筋肉に力を注ぎこみ 
「ダブルバイセップス・フロント!」
 全身に闘気を纏わせて魔理沙の一撃に耐える覚悟を決める
「ファイナルマスタースパァーク!」
 そしてそれと同時に強烈な閃光が美鈴に向かって放たれた












 爆発的な閃光が紅魔館に向かって放たれて
 大量の埃が舞い上げられて目の前が見えなくなる
「はぁ…はぁ……」
 魔力を一時的に大量に使った事による疲労で
 魔理沙が肩で息をしつつ、地面に降りる
「や、やったか?」
 あれほどの一撃を放ったのだ
 いくらなんでも立ち上がるはずが…

「…やってくれましたね…」
「ひっ!?」

 砂煙の奥から自分の必殺技を叩き込んだ人物が
「この姿じゃなかったら気絶どころじゃすまなかったですよ」
「う…うああ…」 
 服がボロボロになりながらもしっかりと立っている
「そうそう…魔理沙さんに一つ言わないといけないんですけど…」
 顔は何時もの門番で、体がマッチョな化け物の姿 
 
「魔理沙さん…もしかしてまだ、マスタースパークが効くと思ってません?」
「うあああああああっ!?」
 
 魔理沙がパニックを起して逃げだす
 だが、逃げ出そうとしている魔理沙に対して美鈴は
「これが、毎回毎回門を破壊して反省しない魔理沙さんへのお仕置きです!」
 
 両手をクロスして右足を思いっきり踏み込み
「ドラゴンロケット!」
 魔理沙に向かって高速の人間ロケットを叩き込んだ 
 


「…終った…」
「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ…」
 少し破損した門の前で魔理沙が半泣きのまま体育座りして、反省していた
「…良いですか?今度また門を破壊したり
 パチュリー様の本を勝手に借りていったら…」
「ヤリマセン…本モ返サセテモライマス」
 今だムキムキなままの美鈴が腕を組みながら
 体育座りしている魔理沙に声をかける

「この姿のままで魔理沙さんの家に回収に向かいますからね?」
「ゴメンナサイ!ゴメンナサイ!」
 そろそろ本気で泣き始めそうになったので
「さあ、パチュリー様の所に行ってください」
 美鈴が魔理沙を解放してパチュリーの下に向かわせた

 





「さて…後は」
 美鈴がこれからどうするかを考えようとした時
(かしゃん!)
 自分の近くで紅茶のカップが割れる音が聞こえた
 美鈴が音がした方に振り向くと

「あ…あぁぁ…」
 休憩の為に紅茶を持ってきてくれたであろう咲夜が
 美鈴の姿に、手に持っていたトレイを落とし

「め…美鈴…そんな…」
 珍しく門の前に遊びに来たレミリアが
 今の美鈴の姿に絶望の表情を浮かべて

「嘘…だよね?…めーりん…」
 いつものように門の前に遊びに来たフランドールが
 今の美鈴の姿を見て、目のハイライトが消えていた  


「あ、あの…咲夜さん?お嬢様?妹様?」
 その様子に美鈴が何かを話そうとするが

「お嬢様…紅魔館の至宝が…」
「咲夜…形ある物は…いずれ消えるのよ…」
「あはは…そうだ、私悪夢見てるんだね?
 起きたらめーりんにおはようって言って貰えるんだよね?」

「さ、咲夜さーん!?お嬢様!?妹様!?」
「紅魔館の至宝が…美鈴の胸が…」
「柔らかかった美鈴の胸が…分厚い鉄板になってしまった」
「うふふふ…めーりんのふかふかの胸枕でお昼寝」

 三人とも、現実逃避をし始めていた 
 咲夜もレミリアもフランドールも皆今の美鈴の姿を認めたくないために
 目の光りが無くなっている三人に対して美鈴が声をかける

「あ、あの…もう少ししたら元の姿に戻りますよ?」
『えっ?』
 
 美鈴の言葉に咲夜とレミリアとフランが声をあげた瞬間
(ぷしゅ~)
「あ、もうそろそろ時間みたいですね」 
 ムキムキだった美鈴の体がまるで空気が抜けるように
 どんどん縮んでいく 
 そして、空気が全て抜けた頃には

「ようやくスペルカードの時間と
 さっき飲んだ『プロテイン』が切れたようですね」
 何時ものような華人小娘の姿の美鈴に戻った
「め、美鈴…」
「美鈴!」
「めーりん!」
 三人の目に再び光りが戻る

「『一時的に』ムキムキになるようにしてましたから
 もう、何時もの私ですよ?」

 そして、何時もの美鈴がそう言って三人に微笑むと
『うわ~ん!メーリン!』
 咲夜とレミリアとフランが全力で抱きついた 














 後に、レミリア・スカーレット氏がこう語る

「もし、美鈴が元の姿に戻らなかったら
 紅魔館の歴史はその場で終っていただろう」
 
 どうも、脇役です…

 どうしよう、美鈴をマッチョにしちまった!?
 没案として『100%中の100%!』って台詞使いたかったな…
 ああ、目の前に指弾が飛んでk

(脇役…死亡確認)
脇役
コメント



1.K-999削除
美鈴、紅魔館の行く末を左右しすぎだろwwwww
2.謳魚削除
流石は脇役さんトコの紅魔館ですね、依存っぷりが半端じゃないぜ。

>>「明治十七年のマッチョドラゴン」
黄昏さんトコの次回作スペカですね分かります。
3.名前が無い程度の能力削除
超人ハルクとリーグ・オブ・レジェンドのハイドを思い浮かべた自分は・・・wwwww
4.名前が無い程度の能力削除
美鈴がとうとう一線を超えちまったw
そして魔理沙の心にはトラウマものの傷がw
5.名前が無い程度の能力削除
>>100%中の100%!
そんな、後でひずみが来そうな台詞は止めなさいw
6.名前が無い程度の能力削除
王大人「死亡確認!!」
7.名前が無い程度の能力削除
魔理沙が今後紅魔館を訪れることはなかったという。
マッチョコワイマッチョコワイ
8.名前が無い程度の能力削除
>>「魔理沙さん…もしかしてまだ、マスタースパークが効くと思ってません?」

副音声で「おまえ…もしかしてまだ、自分が死なないとでも思っているんじゃないのか?」
って聞こえましたw
9.名前が無い程度の能力削除
魔理沙、スペカルール守れよ。
いつか隙間か巫女に排除されるぞ。
10.名前が無い程度の能力削除
魔理沙ざまぁwwwwwwwww美鈴大勝利!!!
脇役さんの魔理沙の小者っぷりは殴りたくなりますね^^
11.名前が無い程度の能力削除
脇役それプロテインちゃう!マッチョマックスペレーや!
12.名前が無い程度の能力削除
てっきりドーピングコンソメスープかと思った
よく考えたらあれは防衛じゃなくて逃走のアイテムだった
13.てるる削除
実は薬の調合を間違えて、元に戻らなくなってしまうのかと思ってました…

顔はめーりんでそれ以外がマッチョになってたら確かにトラウマだなぁ…
…このままさとりんのところに行くと…
(((゜д゜;)))

閃光の中ダブルバイセップスフロントで立つめーりん…
すてきだった
14.名前が無い程度の能力削除
( ゚∀゚)o彡゚マッチョメーリン ♪

( ゚∀゚)o彡゚燃え上がれ ♪

( ゚∀゚)o彡゚マッチョメーリン ♪

( ゚∀゚)o彡゚空に舞え ♪
15.名前が無い程度の能力削除
そして幻想郷最強を示す代名詞として「紅美鈴(マッチョ)」の名が人々の心に刻まれたのであった・・・。
・・・・・・って、いやだあああああああああ!!
美鈴よ、元に戻ってくれてありがとおおおおおお!!(泣
そして、見事でした!w
16.回転魔削除
せ、セーフだよ!戻ったからセーフだよ!!
17.名無しの権兵衛削除
まぁ 二次の魔理沙にはいい薬かも
スペカルール守ってるか微妙だしwww
18.名無しの権兵衛削除
追伸
「すごく伸縮する強靭な服」ってサイヤ人のあの…!!
19.名前が無い程度の能力削除
誰かを持ち上げるために、誰かを貶めるのは多少は仕方ない部分もあると思う。
けど、こう一方的だとなんだかな~て感じ。
20.名前が無い程度の能力削除
脇役氏の文章はなかなか面白くて好きなんだが、何か今回は引っかかる物があったなぁ……

確かにこれなら魔理沙は人としてゴミクズだなwwwwゴミでクズwwww消え失せるべき悪wwwwゴミクズ魔理沙wwww

でもこれを書けるんだから脇役氏はそんなに魔理沙好きじゃないんだろうな、ってのは分かった。
俺は魔理沙のキャラ好きなんだがな……

だったらお前が書けよって言われそうだなwww
21.名前が無い程度の能力削除
魔理沙が完全に悪役だが悲しいことに原作でもこんな感じだよなぁ…
これで少しは懲りただろうか。
いや、このスペルがある限りは誰も近づけないなw
22.名前が無い程度の能力削除
紅魔館の至宝が一時期とはいえ壊れるなんて、どんな悪夢だよw
紅魔館の住人が壊れかけるのも頷けるw

魔理沙は二次創作で都合よく美化されてるけど、原作の魔理沙はこんな感じだよね?
23.名前が無い程度の能力削除
泥棒描写については二次のほうが酷いけどなw
少なくとも侵入時マスパ撃つなんてのはないし。

まあ、美化とか壊れとかはほとんどのキャラに当てはまるからどうでもいいんじゃないかと。
あくまで二次創作なんだし。
24.名前が無い程度の能力削除
符名で笑わせてもらいました
副作用で美鈴の胸が縮むというオチを予想して戦々恐々としてましたが一安心と言ったところですかね
25.名前が無い程度の能力削除
さすが東方キャラで2番目に筋肉の似合う方!(1番は勇儀姐さんかな)
26.ヘルシア削除
魔理沙「マースータースパーク!!!!」

美鈴「何なんだぁ?今のは………」
27.名前が無い程度の能力削除
>>18
「驚いたな…確かにすさまじい進歩だ…」
「だがそのせいで、貴様は長年眠らせていた私の真の力を目覚めさせてしまった…」
「なぜ真の力を眠らせていたか教えてやろう…真の力を発揮するためには変身せねばならん、だが変身した姿は醜いのだ…」
28.きらり削除
魔理沙乙ー。マッチョ美鈴最高!