◇名前の話
道の端。
そこでは独りの妖怪が、外から流れてきた本を読んでいた。
「我が輩は、ネコである。名前はまだ無い……」
読んでいた本は、猫が主観の風刺的な物語だった。
そして最後まで名前をつけられる事もなく、生涯を終える猫に、妖怪はしみじみとした感慨を覚えた。
「私も名前がない……」
急に妖怪の少女は切なくなった。
妖怪としてそこそこの力を持っているけど、私には、名前がまだつけられていない。
タァー、と遠くで鴇(とき)が鳴いている。
あんな鳥にすら、名前はあるというのに……。
いくら本を読んでも、私は“私の名前”を見つける事が出来ない。
そういえば、前に人間が私の本を奪って逃げ込んだ先の……あの道具屋の店主には、どんな名前も判るのだという。
「…………」
そうか、ならばあいつに聞けばいいのかもしれない。
だけど、あの店主はとても偏屈で、商売道具にしか興味を持てない哀しい人間だという。
「──そうか!」
それならば、と思いついた妖怪の少女は、背中の羽をせわしなく動かしながら、早速その考えを実行に移すことにした。
香霖堂。
そこでは、店主である霖之助が、暇つぶしに道具の整理をしていた。そこに、
────カランカラ
「? いらっしゃ──」
「私を買って!」
妖怪の少女が勇ましくそう名乗り出た。
「だめかぁ……」
結局、道具屋の店主には「うちは生き物を扱ってはいないよ」と冷たく言われ、追い払われてしまった。
妖怪の少女はうなだれる。せっかく、名前を尋ねるのに良いアイディアだと思ったのに……。
名前とは、本の知識から得られるものではなく、人と人の繋がりの中で自然に得られることを、まだ妖怪の少女は気がついてはいなかった。
そして多くの人間と関わりを持った名前は記号に進化し、そうなると、また多くの者の記憶に刻まれるようになる。道具の名に付けられる事もあるだろう。
意識して多くの者と接するようになれば、彼女も相応しい名が得られる。そして初めて、人や妖怪に役立つ道具に成れるのだ。
タァー、と励ますように一声鳴いて、鴇が彼女の横をかすめていった。
◇妖精の話
霧の湖。
そこではそれなりに力のある大妖精と、それ以上に力のあるチルノが遊んでいた。
「キュっと、ふりかぶってバカーン!!」
「──……!!」
氷で作ったバットに打たれて、氷で出来たボールが飛んでいく。
チルノは満足そうにそれを眺め、大妖精に取ってくるように命令した。
自分でまた作ればいいとは思いつかなかったらしい。
「…………」
ウロウロと、魔法の森まで飛んでいった氷のボールを当てもなく探す大妖精。
そこに、仲の良い三人の妖精たちが通りかかった。
「呼ばれて!」「飛び出て!」「三月精!」
誰も呼んでいなかったが、暇だったらしい。
彼女たちは大妖精から事情を聞くと、実はすでに溶けてしまっている氷のボールを探すのを手伝う約束をした。
三妖精は宝探しもお手の物である、そういう誇り高い自負を持っている、と語った。
「あああー! ズルイ! なんでそんな楽しそうなことに私をまぜないのよ!」
なんで待っていたのか、その理由を忘れてしまったチルノが、4匹の輪に加わった。
いつしか、宝探しは隠れんぼに、隠れんぼは早食い競争に、巫女への悪戯競争に変わっていくのだった。そして休憩もとい転生。
──五つの行いが巡り流れ、繰り返される。
妖精とは、自然そのものの動きである。
彼女たちが活発に、そして絶え間なく遊び続けるこの幻想郷は、とても自然が豊かで生き生きとした場所なのだろう。
◇挟まれる話
月の世界。
果てなく続く岩と乾いた土の残骸。一見そこには何もないが、その裏では高度な文明が存在していた。
「──彼処の桃を100個集めてきて欲しいの。ええ、勿論時間は1時間以内で。宜しくね?」
月の貴人、豊姫に命令されて、兎はせっせと桃を掻き集めていた。そこで、
「──ああ!! 何しているのよ! それは私の桃じゃない! まったく、そんな事していないで、部屋の掃除でもしてなさい!」
月の貴人、依姫に命令される。彼女が示した部屋は、先程豊姫がいた部屋だった。
「…………」
兎は僅かな桃を抱えて部屋に戻る途中、一つうなずき、────脱兎の如く逃げ出す事を決断した。
そして安全圏に到達する直前に“脱走兎用”と表示された落とし穴トラップに吸い込まれる。
なにかに挟まれた場合、人も兎も大抵苦悩する。
時には逃げ出す選択を取る事も悪くないだろう。
ただその際は、よく確かめて欲しい。逃げた先には、挟まれる事以上に大きな穴が潜んでいるかもしれない。
◇悪の話
博麗神社。
巫女が留守にしている其処に、普通の魔法使いの霧雨魔理沙が訪れていた。
「…………」
周りに誰もいない事を確かめると、音をたてないように……そっと賽銭箱に近づいていく。
普段この場所を賑わせる妖怪達の気配すら、今はまったく無いようだった。
「……よし」
そして、賽銭箱の前に、魔理沙はどっかりと座り込んだ。そして帽子を外す。
静謐な境内に、涼しげな、哀しげな風がひゅうと吹き、彼女のお下げ髪を揺らした。
「…………」
外した帽子の中から、小さな酒瓶を取り出す。
一二杯にしか満たないであろうその酒は、世界で一つしかない希少なものだった。
砂糖茸(サトウダケ)。
魔理沙がそう名付けた、糖分がたっぷり含まれた茸から造られた茸酒は、元の茸が死滅してしまったため、おそらくもう二度とは出来ないだろう。
トクトクトク──……
それを惜しげもなく賽銭箱の中に注いで、わずかに残った分は、用意しておいた小皿に注いだ。
それを少し上にかざして、魔理沙は息をつく。
「よう。元気かアンタ」
どこか虚空を視るように、少女の瞳は前の神社を映してはいない。
「──まあ、大丈夫だよな。なんたってアンタ、“悪”霊だしな」
そう言って一気に杯を傾ける。世界で一杯だけのその酒は、今は世界にいないモノの為に捧げられた。
悪は決して滅びない。
たとえ、過去という世界に亡くなっているとしても、きっと自分が忘れた頃に甦る。
そう信じて、魔の理を学んだ少女は、ご無沙汰なあの存在を思い浮かべ、ただ待ち続ける事を誓った。
◇家族の話
人間の里。
そこにある寺小屋の近くで、博麗霊夢が、用済みの札をするりとしまっていた。
「──助かったよ」
「これぐらい、なんでもないわね」
異変を起こそうとし、子供たちを襲おうとした妖怪を、教師の慧音と、通りかかった巫女の霊夢が、鮮やかなるコンビネーションで片付けた。挟み撃ちとも言う。
気絶した妖怪を川に蹴り飛ばし、霊夢が振り返ると子供たちから歓声があがった。
「すげぇ容赦ねぇ!」
「ウワサどおりだ!」
「ミコこわーい……」
泣き出してしまった小さな子供を、慧音が「うんうん。あれは怖いよな」とあやす。
とりあえず霊夢は御札を一発投げつけた。それを頭突きではじく慧音。
「……まあ、もう帰るわね」
「ああ、もう帰っていいよ」
お礼だ、と重箱のようなお弁当を渡される。
少し霊夢は気分が浮き立った。そのまま空へと浮き上がる。
「まったくもう……」
お弁当をしっかり抱えて、霊夢は神社の方に飛んでいく。
途中ふと振り返ると、子供たちを、その親が迎えにきているところだった。
「…………」
霊夢はその光景をしばらく眺め、その後に貰ったお弁当を眺める。少し開けて見たら、芳醇な香りと鮮やかな色彩が広がった。
「家族がいっぱいよねぇ……」
うん、と一つ頷いて────巫女はさらに高く空へと舞い上がった。
博麗の巫女となる者は、それまでの家族を無くし、そしてそれ以上に多くの家族を手に入れてきた。
今日も楽園の護り手が、のんきに天を翔けていく。
その下を、白い米粒が落ちていった。
◇斬る話
冥界のお屋敷・白玉楼。
そこには剣術指南、兼庭師の魂魄妖夢と、その主である西行寺幽々子が暮らしていた。
「私も偶には妖夢に剣を教わりたいわ」
寝耳に水とばかりの幽々子の一言に、妖夢が愕然とし、次の瞬間には半霊と共に飛び跳ねた。
ついに自分も主人に認められてきたと思うと、妖夢は喜びではち切れんばかりであった。半霊も心なしか膨張していた。
早速、稽古の用意を調えると、妖夢と幽々子が対峙する。
主(あるじ)は真剣での勝負稽古を所望していた。ここは受ける他はないだろう。
「──やっ!」
呼吸一拍後の剣閃。それをゆらりと躱す幽々子。
そのまま廻り、攻守が逆転した。
「ふふ……」
主の撫でるような返しの刃に、妖夢は剣をもって“応”と答えた。
二人の真剣勝負は幽雅な美しさをもって、白玉楼の庭園を賑わしていく。そして、
「──はあぁああ!」
裂帛の気合を込めた妖夢の一撃が、ついに幽々子を捉える。しかし、その動きが止まった。
「……幽々子様?」
彼女の主は、刃を首に当てられた状態でも微動だにしない。いや、むしろその前から動いてなかった気がした。
「どうしたの? 妖夢」
幽々子はゆっくり微笑むと、とんとん、と自分の首を斬るように促す仕草をする。
とんでもない。幽霊10匹分の殺傷力を持つこの剣でそんな事をしてしまったら、例え幽々子様でも只では済まない。
「おやりなさい」
普段の幽々子からは信じられない程に冷たい声音が、妖夢に絶対の命令を下した。
「……ぁ……っ」
妖夢は喘ぎ、苦悩し、
しかし、まるで幽々子の声と瞳に操られるように。その命令を実行するために体が勝手に動いてしまう。
剣を改めて振りかざし、冥界の曇空に、刃の煌きが。
──そして血が舞った。冥界の庭園の一部を、紅く染める。
「……この刀に、幽々子様は斬れません」
片手で刃の根元を押さえ、妖夢は呻く様に呟く。手のひらから、ちろちろと、半人半霊の少女の血が流れ落ちていく。
楼観剣に斬れぬものはあんまり無い。
だがその“あんまり”の中でも、彼女にとって幽々子は、己自身を断ち切る事よりも難しい存在(こと)なのだった。
幽々子はおそらく妖夢の覚悟の程を見たかったのだろう。しかしこれでは、剣術指南どころか庭師すら失格だと言われても仕方が無い。
「──相変わらず、半人前ねぇ」
しょげている妖夢の手を、幽々子が手が包んだ。その周りに蝶が舞い。……血が止まる。
一匹だけ紅く染まった蝶が、何処かに飛んでいった。
「私はもう死んでいるのだから、大丈夫なのよ? 貴方は物事を正しく理解する事が、まだ欠けているわ」
それは厳しく、とても優しい声色だった。
妖夢の頬に一筋の雫が流れた。
つい、小さい頃を思い出してしまったのだ。
……ああ、そういえばあの人も常にこんな声だった気がする。
「だからこのくらい思い切りよくやらなきゃ──」
「え」
少し間合いを開けた次の一瞬、幽々子が三間を駆け抜ける。
迷いを断ち斬る白楼剣に、半霊を迷わず断ち斬られて、半殺しにされた妖夢が地面に突っ伏した。
◇宴会の話
博麗神社。
そこでは巫女を中心に、多くの妖怪達で賑わい、杯を交わし合っていた。
「一度は喧嘩してる様な連中ばかりが、よくもまぁ、こんなに集まるもんだな」
「お約束ってやつじゃない? まあ、楽しければいいじゃないの」
「それもそうだな」
黒い魔法使いがそう言って、巫女と杯を交わす。
造りたての御神酒は、まさに神の味がした。
「おぅー。呑んでるかぁ。呑まれてるかぁ。溺れてるかぁ」
鬼の一匹が寄ってくる。無尽蔵に酒が湧き出る瓢箪を肌身放さず持っている割に、他の酒まで飲みまくるのだから始末に負えない。
「人生に溺れている巫女とは違って、わたしゃ健康だからな。酒如きではこの霧雨の力を貶められぬゅ……いてて、頬引っ張るなよ」
「顔を酢ダコより真っ赤にしておいて何言ってるのよ。あー、そう言えば紫は? 後で来るとか言ってなかったっけ?」
「てきとぅに来るんじゃないかい? あー、酒が足らないもっともってこーぃ!!」
鬼のその大声で、周りの妖怪達の動きが止まる。
そして次の瞬間そのほぼ全員から酒をぶっかけられた。
「ぶえぇ! なぁにすんだ!!」
「ちょっと! この服どうしてくれんのよ!」
「うわぁーい」
巻き込まれた二人の人間が文句を言い。その周りをはしゃいだ鬼が回る。その様子を見て周りの妖怪達がゲラゲラ笑った。
そして絞って巫女酒と魔法瓶でも造ろうかい、という話題で盛り上がる。
「あやややや。どうも皆さんの射命丸です。取材に参りましたが、とりあえずお酒でも頂きましょうか」
「帰れ」
「帰れ!」
「かえれぇ」
全員から帰れコールを貰い、射命丸は「どうもどうも」と言いながら天狗舞というお酒を一気に飲み干す。酒豪の天狗でもすぐ酔える、実に縁起の良いお酒だった。
「──あらあら。随分と盛り上がっちゃってるわねぇ」
「げ」
「あら、来たの?」
「うぉおーい、ゆかりぃ! のんでるかぁ!!」
「まだ来たばっかりよ萃香。お酒貰うわね」
鬼の瓢箪から酒を注ぎ、一気に杯を傾ける紫。今日もその妖の味は絶品だった。
「そういえば、今日は稗田の当主が来ているみたいだよ」
横合いから、河童の少女が口を出した。おそらく今夜の頭の皿には、酒が入っている事だろう。
普段は紫に躊躇無く話しかける妖怪はあまりいない。紫はそう言う意味でも、宴会に出ることの意味を見出していた。今夜は紫もそれほど皮肉や歪曲的に応答しないよう、ただ楽しく過ごそうと考えていた。
酒の席は普段の自分とは違ったものを出しても、素直に受け入れられてしまうのが面白い。
「へぇ、珍しいわねぇ」
「うん。珍しいよね人間。──ほら、あそこ」
河童が指した方向では、こういった席では不慣れであろう人間の姿。周りの妖怪達にからかわれて戸惑っている様子がありありである。
多分、見知らぬ妖怪たちの事を一気に調べようと考えたのであろうが、これではその目的を果たすのはままならないだろう。
目の前ではお気に入りの二人の人間が、さきイカのほどよい固さついて口喧嘩していた。
「ふふふ……」
酒のつまみとしては質がよい。紫は鬼と会話をしながら、宴の様子を見守る。
「この扇(奥義)を持てば! 万夫不当の響き有りぃ!!」
「おぅー! いいぞいいぞ、その邪魔な服ごと吹っ飛ばせぇ!」
「ひょぇええ……」
珍しく酔っぱらっている天狗が、人間を追い回している。萃香も面白がって、それに加わりに行ってしまった。
鬼と天狗に追いかけられる人間の様子を、周りの妖怪たちが囃し立て、動きが巡る。
巫女と魔法使いが人間に助け船を出そうと飛び出して、そこからいつもの様な、楽しい喧嘩が始まった。
──宴も酣(たけなわ)である。
この酣というのは、盛(たけ)りが成る事を意味する。宴会で一番盛り上がる最盛時だ。闌、とも書く。
また、これからゆっくりと勢いが落ちていく様から、衰えそのものを意味する事もあるが、……今はただ、何も考えずに楽しむ事が肝要だろう。
紫は人間が作ったこの宴という文字はあまり好きではなかった。これは下に女が入っている事から解るように、女性が貴い人物に酒の入った皿……杯を差し出す様子を表している。つまりお偉い方へのもてなしの様子を描いたもので、今のような気軽な集まりを表現するには少し違和感がある。まあ、時代の流れと共に元の表現と食い違うのは仕方ないことだが……。
どうせなら、これからは宴会の宴の文字を変えて、“縁”会にしてみてはどうだろうか。多くの者達との絆を強化する、こういった集いには今はこちらの方が相応しい。
こんな下らない考えが思考の一つに巡ってしまうほど……八雲紫は酔っているようだった。ああ、今夜は本当に久(おもしろ)い──
「おーぃ! ゆかりぃー! 」
「なに一人でぼさっとしてるのよ。もう惚けた?」
「おお、大ボケだなあれは。植物の木瓜だ。あと過労というより過老によるものに違いない」
人間と妖怪の百鬼夜行。百夜の宴模様。
「ほら、早く。写真とりますよー」
「これは自信作なんです。河童の科学は世界一ぃ!」
今夜、その一枚が切り撮られる。
「はいはい。そんなに慌てなくてもいいじゃない」
紫は人間と妖怪たちが集合するその場所にむかう。人間や妖怪の一部はボロボロやら悲惨な格好だったが、まあ、勉強代として安いものだろう。
「じゃあ、いきますよ──河童のきゅうりぃ──」
カシャ。という音が鳴り響き、現実と写真の境界が象られた。
宴の写真。皆の顔が妖しく楽しく輝くその一枚は、いつまでも、幻想的に貴く有り続けるものだろう。
──そして、今や色褪せたその写真を眺めつつ、八雲紫は呟いた。
「ふふ……」
巫女と魔法使いの顔は特に可笑しい。今でも。いつまでも。
特に幻想の歴史に刻まれる事もなく、儚く消えていったあの子達。ただ、色鮮やかに、舞い散る桜のように。
あの時は花見のように、ただ眺めていただけだけど、こうして境界(かたち)に残るとまた違った趣がある。
「騒がしい時期もあったわねぇ」
「おーぃ! ゆかりぃー! 」
「なに一人でぼさっとしてるのよ。もう惚けた?」
「おお、大ボケだなあれは。植物の木瓜だ。あと過労というより過老によるものに違いない」
昔の写真を眺めていた紫を、萃香が呼び。霊夢が呆れ。魔理沙が皮肉った。
「はいはい。そんなに慌てなくてもいいじゃない」
写真を結界に仕舞い、紫が傘を廻しながら、現在の宴の輪に向かっていく。
その途中で、幻想郷を最も長く見守っていた妖怪は呟いた。
「ふふ……」
本当に幻想郷は、
「今も騒がしいわねぇ」
宴は繰り返される。
その意味が変わろうとも、その意義が変わろうとも、人が変わろうとも。
人々の幻想郷(願い)が在る限り、想いは萃まり、いつまでも続くことだろう。
これはそんな、東方の小さな話だった。
東方小話・完
道の端。
そこでは独りの妖怪が、外から流れてきた本を読んでいた。
「我が輩は、ネコである。名前はまだ無い……」
読んでいた本は、猫が主観の風刺的な物語だった。
そして最後まで名前をつけられる事もなく、生涯を終える猫に、妖怪はしみじみとした感慨を覚えた。
「私も名前がない……」
急に妖怪の少女は切なくなった。
妖怪としてそこそこの力を持っているけど、私には、名前がまだつけられていない。
タァー、と遠くで鴇(とき)が鳴いている。
あんな鳥にすら、名前はあるというのに……。
いくら本を読んでも、私は“私の名前”を見つける事が出来ない。
そういえば、前に人間が私の本を奪って逃げ込んだ先の……あの道具屋の店主には、どんな名前も判るのだという。
「…………」
そうか、ならばあいつに聞けばいいのかもしれない。
だけど、あの店主はとても偏屈で、商売道具にしか興味を持てない哀しい人間だという。
「──そうか!」
それならば、と思いついた妖怪の少女は、背中の羽をせわしなく動かしながら、早速その考えを実行に移すことにした。
香霖堂。
そこでは、店主である霖之助が、暇つぶしに道具の整理をしていた。そこに、
────カランカラ
「? いらっしゃ──」
「私を買って!」
妖怪の少女が勇ましくそう名乗り出た。
「だめかぁ……」
結局、道具屋の店主には「うちは生き物を扱ってはいないよ」と冷たく言われ、追い払われてしまった。
妖怪の少女はうなだれる。せっかく、名前を尋ねるのに良いアイディアだと思ったのに……。
名前とは、本の知識から得られるものではなく、人と人の繋がりの中で自然に得られることを、まだ妖怪の少女は気がついてはいなかった。
そして多くの人間と関わりを持った名前は記号に進化し、そうなると、また多くの者の記憶に刻まれるようになる。道具の名に付けられる事もあるだろう。
意識して多くの者と接するようになれば、彼女も相応しい名が得られる。そして初めて、人や妖怪に役立つ道具に成れるのだ。
タァー、と励ますように一声鳴いて、鴇が彼女の横をかすめていった。
◇妖精の話
霧の湖。
そこではそれなりに力のある大妖精と、それ以上に力のあるチルノが遊んでいた。
「キュっと、ふりかぶってバカーン!!」
「──……!!」
氷で作ったバットに打たれて、氷で出来たボールが飛んでいく。
チルノは満足そうにそれを眺め、大妖精に取ってくるように命令した。
自分でまた作ればいいとは思いつかなかったらしい。
「…………」
ウロウロと、魔法の森まで飛んでいった氷のボールを当てもなく探す大妖精。
そこに、仲の良い三人の妖精たちが通りかかった。
「呼ばれて!」「飛び出て!」「三月精!」
誰も呼んでいなかったが、暇だったらしい。
彼女たちは大妖精から事情を聞くと、実はすでに溶けてしまっている氷のボールを探すのを手伝う約束をした。
三妖精は宝探しもお手の物である、そういう誇り高い自負を持っている、と語った。
「あああー! ズルイ! なんでそんな楽しそうなことに私をまぜないのよ!」
なんで待っていたのか、その理由を忘れてしまったチルノが、4匹の輪に加わった。
いつしか、宝探しは隠れんぼに、隠れんぼは早食い競争に、巫女への悪戯競争に変わっていくのだった。そして休憩もとい転生。
──五つの行いが巡り流れ、繰り返される。
妖精とは、自然そのものの動きである。
彼女たちが活発に、そして絶え間なく遊び続けるこの幻想郷は、とても自然が豊かで生き生きとした場所なのだろう。
◇挟まれる話
月の世界。
果てなく続く岩と乾いた土の残骸。一見そこには何もないが、その裏では高度な文明が存在していた。
「──彼処の桃を100個集めてきて欲しいの。ええ、勿論時間は1時間以内で。宜しくね?」
月の貴人、豊姫に命令されて、兎はせっせと桃を掻き集めていた。そこで、
「──ああ!! 何しているのよ! それは私の桃じゃない! まったく、そんな事していないで、部屋の掃除でもしてなさい!」
月の貴人、依姫に命令される。彼女が示した部屋は、先程豊姫がいた部屋だった。
「…………」
兎は僅かな桃を抱えて部屋に戻る途中、一つうなずき、────脱兎の如く逃げ出す事を決断した。
そして安全圏に到達する直前に“脱走兎用”と表示された落とし穴トラップに吸い込まれる。
なにかに挟まれた場合、人も兎も大抵苦悩する。
時には逃げ出す選択を取る事も悪くないだろう。
ただその際は、よく確かめて欲しい。逃げた先には、挟まれる事以上に大きな穴が潜んでいるかもしれない。
◇悪の話
博麗神社。
巫女が留守にしている其処に、普通の魔法使いの霧雨魔理沙が訪れていた。
「…………」
周りに誰もいない事を確かめると、音をたてないように……そっと賽銭箱に近づいていく。
普段この場所を賑わせる妖怪達の気配すら、今はまったく無いようだった。
「……よし」
そして、賽銭箱の前に、魔理沙はどっかりと座り込んだ。そして帽子を外す。
静謐な境内に、涼しげな、哀しげな風がひゅうと吹き、彼女のお下げ髪を揺らした。
「…………」
外した帽子の中から、小さな酒瓶を取り出す。
一二杯にしか満たないであろうその酒は、世界で一つしかない希少なものだった。
砂糖茸(サトウダケ)。
魔理沙がそう名付けた、糖分がたっぷり含まれた茸から造られた茸酒は、元の茸が死滅してしまったため、おそらくもう二度とは出来ないだろう。
トクトクトク──……
それを惜しげもなく賽銭箱の中に注いで、わずかに残った分は、用意しておいた小皿に注いだ。
それを少し上にかざして、魔理沙は息をつく。
「よう。元気かアンタ」
どこか虚空を視るように、少女の瞳は前の神社を映してはいない。
「──まあ、大丈夫だよな。なんたってアンタ、“悪”霊だしな」
そう言って一気に杯を傾ける。世界で一杯だけのその酒は、今は世界にいないモノの為に捧げられた。
悪は決して滅びない。
たとえ、過去という世界に亡くなっているとしても、きっと自分が忘れた頃に甦る。
そう信じて、魔の理を学んだ少女は、ご無沙汰なあの存在を思い浮かべ、ただ待ち続ける事を誓った。
◇家族の話
人間の里。
そこにある寺小屋の近くで、博麗霊夢が、用済みの札をするりとしまっていた。
「──助かったよ」
「これぐらい、なんでもないわね」
異変を起こそうとし、子供たちを襲おうとした妖怪を、教師の慧音と、通りかかった巫女の霊夢が、鮮やかなるコンビネーションで片付けた。挟み撃ちとも言う。
気絶した妖怪を川に蹴り飛ばし、霊夢が振り返ると子供たちから歓声があがった。
「すげぇ容赦ねぇ!」
「ウワサどおりだ!」
「ミコこわーい……」
泣き出してしまった小さな子供を、慧音が「うんうん。あれは怖いよな」とあやす。
とりあえず霊夢は御札を一発投げつけた。それを頭突きではじく慧音。
「……まあ、もう帰るわね」
「ああ、もう帰っていいよ」
お礼だ、と重箱のようなお弁当を渡される。
少し霊夢は気分が浮き立った。そのまま空へと浮き上がる。
「まったくもう……」
お弁当をしっかり抱えて、霊夢は神社の方に飛んでいく。
途中ふと振り返ると、子供たちを、その親が迎えにきているところだった。
「…………」
霊夢はその光景をしばらく眺め、その後に貰ったお弁当を眺める。少し開けて見たら、芳醇な香りと鮮やかな色彩が広がった。
「家族がいっぱいよねぇ……」
うん、と一つ頷いて────巫女はさらに高く空へと舞い上がった。
博麗の巫女となる者は、それまでの家族を無くし、そしてそれ以上に多くの家族を手に入れてきた。
今日も楽園の護り手が、のんきに天を翔けていく。
その下を、白い米粒が落ちていった。
◇斬る話
冥界のお屋敷・白玉楼。
そこには剣術指南、兼庭師の魂魄妖夢と、その主である西行寺幽々子が暮らしていた。
「私も偶には妖夢に剣を教わりたいわ」
寝耳に水とばかりの幽々子の一言に、妖夢が愕然とし、次の瞬間には半霊と共に飛び跳ねた。
ついに自分も主人に認められてきたと思うと、妖夢は喜びではち切れんばかりであった。半霊も心なしか膨張していた。
早速、稽古の用意を調えると、妖夢と幽々子が対峙する。
主(あるじ)は真剣での勝負稽古を所望していた。ここは受ける他はないだろう。
「──やっ!」
呼吸一拍後の剣閃。それをゆらりと躱す幽々子。
そのまま廻り、攻守が逆転した。
「ふふ……」
主の撫でるような返しの刃に、妖夢は剣をもって“応”と答えた。
二人の真剣勝負は幽雅な美しさをもって、白玉楼の庭園を賑わしていく。そして、
「──はあぁああ!」
裂帛の気合を込めた妖夢の一撃が、ついに幽々子を捉える。しかし、その動きが止まった。
「……幽々子様?」
彼女の主は、刃を首に当てられた状態でも微動だにしない。いや、むしろその前から動いてなかった気がした。
「どうしたの? 妖夢」
幽々子はゆっくり微笑むと、とんとん、と自分の首を斬るように促す仕草をする。
とんでもない。幽霊10匹分の殺傷力を持つこの剣でそんな事をしてしまったら、例え幽々子様でも只では済まない。
「おやりなさい」
普段の幽々子からは信じられない程に冷たい声音が、妖夢に絶対の命令を下した。
「……ぁ……っ」
妖夢は喘ぎ、苦悩し、
しかし、まるで幽々子の声と瞳に操られるように。その命令を実行するために体が勝手に動いてしまう。
剣を改めて振りかざし、冥界の曇空に、刃の煌きが。
──そして血が舞った。冥界の庭園の一部を、紅く染める。
「……この刀に、幽々子様は斬れません」
片手で刃の根元を押さえ、妖夢は呻く様に呟く。手のひらから、ちろちろと、半人半霊の少女の血が流れ落ちていく。
楼観剣に斬れぬものはあんまり無い。
だがその“あんまり”の中でも、彼女にとって幽々子は、己自身を断ち切る事よりも難しい存在(こと)なのだった。
幽々子はおそらく妖夢の覚悟の程を見たかったのだろう。しかしこれでは、剣術指南どころか庭師すら失格だと言われても仕方が無い。
「──相変わらず、半人前ねぇ」
しょげている妖夢の手を、幽々子が手が包んだ。その周りに蝶が舞い。……血が止まる。
一匹だけ紅く染まった蝶が、何処かに飛んでいった。
「私はもう死んでいるのだから、大丈夫なのよ? 貴方は物事を正しく理解する事が、まだ欠けているわ」
それは厳しく、とても優しい声色だった。
妖夢の頬に一筋の雫が流れた。
つい、小さい頃を思い出してしまったのだ。
……ああ、そういえばあの人も常にこんな声だった気がする。
「だからこのくらい思い切りよくやらなきゃ──」
「え」
少し間合いを開けた次の一瞬、幽々子が三間を駆け抜ける。
迷いを断ち斬る白楼剣に、半霊を迷わず断ち斬られて、半殺しにされた妖夢が地面に突っ伏した。
◇宴会の話
博麗神社。
そこでは巫女を中心に、多くの妖怪達で賑わい、杯を交わし合っていた。
「一度は喧嘩してる様な連中ばかりが、よくもまぁ、こんなに集まるもんだな」
「お約束ってやつじゃない? まあ、楽しければいいじゃないの」
「それもそうだな」
黒い魔法使いがそう言って、巫女と杯を交わす。
造りたての御神酒は、まさに神の味がした。
「おぅー。呑んでるかぁ。呑まれてるかぁ。溺れてるかぁ」
鬼の一匹が寄ってくる。無尽蔵に酒が湧き出る瓢箪を肌身放さず持っている割に、他の酒まで飲みまくるのだから始末に負えない。
「人生に溺れている巫女とは違って、わたしゃ健康だからな。酒如きではこの霧雨の力を貶められぬゅ……いてて、頬引っ張るなよ」
「顔を酢ダコより真っ赤にしておいて何言ってるのよ。あー、そう言えば紫は? 後で来るとか言ってなかったっけ?」
「てきとぅに来るんじゃないかい? あー、酒が足らないもっともってこーぃ!!」
鬼のその大声で、周りの妖怪達の動きが止まる。
そして次の瞬間そのほぼ全員から酒をぶっかけられた。
「ぶえぇ! なぁにすんだ!!」
「ちょっと! この服どうしてくれんのよ!」
「うわぁーい」
巻き込まれた二人の人間が文句を言い。その周りをはしゃいだ鬼が回る。その様子を見て周りの妖怪達がゲラゲラ笑った。
そして絞って巫女酒と魔法瓶でも造ろうかい、という話題で盛り上がる。
「あやややや。どうも皆さんの射命丸です。取材に参りましたが、とりあえずお酒でも頂きましょうか」
「帰れ」
「帰れ!」
「かえれぇ」
全員から帰れコールを貰い、射命丸は「どうもどうも」と言いながら天狗舞というお酒を一気に飲み干す。酒豪の天狗でもすぐ酔える、実に縁起の良いお酒だった。
「──あらあら。随分と盛り上がっちゃってるわねぇ」
「げ」
「あら、来たの?」
「うぉおーい、ゆかりぃ! のんでるかぁ!!」
「まだ来たばっかりよ萃香。お酒貰うわね」
鬼の瓢箪から酒を注ぎ、一気に杯を傾ける紫。今日もその妖の味は絶品だった。
「そういえば、今日は稗田の当主が来ているみたいだよ」
横合いから、河童の少女が口を出した。おそらく今夜の頭の皿には、酒が入っている事だろう。
普段は紫に躊躇無く話しかける妖怪はあまりいない。紫はそう言う意味でも、宴会に出ることの意味を見出していた。今夜は紫もそれほど皮肉や歪曲的に応答しないよう、ただ楽しく過ごそうと考えていた。
酒の席は普段の自分とは違ったものを出しても、素直に受け入れられてしまうのが面白い。
「へぇ、珍しいわねぇ」
「うん。珍しいよね人間。──ほら、あそこ」
河童が指した方向では、こういった席では不慣れであろう人間の姿。周りの妖怪達にからかわれて戸惑っている様子がありありである。
多分、見知らぬ妖怪たちの事を一気に調べようと考えたのであろうが、これではその目的を果たすのはままならないだろう。
目の前ではお気に入りの二人の人間が、さきイカのほどよい固さついて口喧嘩していた。
「ふふふ……」
酒のつまみとしては質がよい。紫は鬼と会話をしながら、宴の様子を見守る。
「この扇(奥義)を持てば! 万夫不当の響き有りぃ!!」
「おぅー! いいぞいいぞ、その邪魔な服ごと吹っ飛ばせぇ!」
「ひょぇええ……」
珍しく酔っぱらっている天狗が、人間を追い回している。萃香も面白がって、それに加わりに行ってしまった。
鬼と天狗に追いかけられる人間の様子を、周りの妖怪たちが囃し立て、動きが巡る。
巫女と魔法使いが人間に助け船を出そうと飛び出して、そこからいつもの様な、楽しい喧嘩が始まった。
──宴も酣(たけなわ)である。
この酣というのは、盛(たけ)りが成る事を意味する。宴会で一番盛り上がる最盛時だ。闌、とも書く。
また、これからゆっくりと勢いが落ちていく様から、衰えそのものを意味する事もあるが、……今はただ、何も考えずに楽しむ事が肝要だろう。
紫は人間が作ったこの宴という文字はあまり好きではなかった。これは下に女が入っている事から解るように、女性が貴い人物に酒の入った皿……杯を差し出す様子を表している。つまりお偉い方へのもてなしの様子を描いたもので、今のような気軽な集まりを表現するには少し違和感がある。まあ、時代の流れと共に元の表現と食い違うのは仕方ないことだが……。
どうせなら、これからは宴会の宴の文字を変えて、“縁”会にしてみてはどうだろうか。多くの者達との絆を強化する、こういった集いには今はこちらの方が相応しい。
こんな下らない考えが思考の一つに巡ってしまうほど……八雲紫は酔っているようだった。ああ、今夜は本当に久(おもしろ)い──
「おーぃ! ゆかりぃー! 」
「なに一人でぼさっとしてるのよ。もう惚けた?」
「おお、大ボケだなあれは。植物の木瓜だ。あと過労というより過老によるものに違いない」
人間と妖怪の百鬼夜行。百夜の宴模様。
「ほら、早く。写真とりますよー」
「これは自信作なんです。河童の科学は世界一ぃ!」
今夜、その一枚が切り撮られる。
「はいはい。そんなに慌てなくてもいいじゃない」
紫は人間と妖怪たちが集合するその場所にむかう。人間や妖怪の一部はボロボロやら悲惨な格好だったが、まあ、勉強代として安いものだろう。
「じゃあ、いきますよ──河童のきゅうりぃ──」
カシャ。という音が鳴り響き、現実と写真の境界が象られた。
宴の写真。皆の顔が妖しく楽しく輝くその一枚は、いつまでも、幻想的に貴く有り続けるものだろう。
──そして、今や色褪せたその写真を眺めつつ、八雲紫は呟いた。
「ふふ……」
巫女と魔法使いの顔は特に可笑しい。今でも。いつまでも。
特に幻想の歴史に刻まれる事もなく、儚く消えていったあの子達。ただ、色鮮やかに、舞い散る桜のように。
あの時は花見のように、ただ眺めていただけだけど、こうして境界(かたち)に残るとまた違った趣がある。
「騒がしい時期もあったわねぇ」
「おーぃ! ゆかりぃー! 」
「なに一人でぼさっとしてるのよ。もう惚けた?」
「おお、大ボケだなあれは。植物の木瓜だ。あと過労というより過老によるものに違いない」
昔の写真を眺めていた紫を、萃香が呼び。霊夢が呆れ。魔理沙が皮肉った。
「はいはい。そんなに慌てなくてもいいじゃない」
写真を結界に仕舞い、紫が傘を廻しながら、現在の宴の輪に向かっていく。
その途中で、幻想郷を最も長く見守っていた妖怪は呟いた。
「ふふ……」
本当に幻想郷は、
「今も騒がしいわねぇ」
宴は繰り返される。
その意味が変わろうとも、その意義が変わろうとも、人が変わろうとも。
人々の幻想郷(願い)が在る限り、想いは萃まり、いつまでも続くことだろう。
これはそんな、東方の小さな話だった。
東方小話・完
なんとも趣があっていいですねぇ…
シリーズ、楽しませていただきました
挟まれる話とか誰がうまい事を言えとw
宴会の話で一瞬どきりとしましたが、これは実にいい話だ
今後も期待してます
素晴らしかったです。
今回は全体的にしっとりとした話が多かったように思われます。魔理沙、霊夢、宴会。
しかしその間に挟まれている幽々子さまは、あいかわらずというかなんというか……w
完結(?)お疲れ様でした。また楽しい作品を読ませていただいて、ありがとうございました。
これからも頑張ってください。
私は『春の話』『のむ話』『剣の話』『期待の話』が好きです。あと宴会の話に文が登場して文好きの私歓喜でした。
今後もネコんさんの活躍を期待してますじぇ。
一集が大体6~7話のペースですね。
一つ一つが勉強にも、励みにもなる作品でした。
また、楽しい時間を提供して戴ければ幸いです。
私の方からも提供できれば良いのですが、何分遅筆なもので・・・。
では、またどこかで。
何とも見ていて東方らしい感じでした
これからも期待してますね~
今回も堪能させて頂きました。縁を繋ぐ宴、と申しましょうか……私見で恐縮ですが今回の小話は縁にまつわるお話で纏められていた様に感じました。
幻想郷がこれからも宴と縁で溢れていますように。これからも頑張って下さいませ。