Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

ぼーかん者

2009/06/07 19:40:31
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 幸せはどこにあるのだろうか
人生とは複雑怪奇な迷路のようなものである
でもそれでいて至極単純明快
果たして幸せはどこにあるのだろうか
幸せはきっと苦行の果てに見つけるものなのだ
苦行から解放されたとき、幸せを手に入れることが出来るものなのだ

そんなことを考えながら幻想郷の空を優雅に漂っている
いつものように風に身を任せてのんびりとゆらゆらと実に気楽な遊覧飛行
見下ろす地上は新緑力強く
まさに万緑という言葉が相応しい

森に差し掛かれば今日も今日とて爆発音
平和の音だ
いつものように森に住む人間が何か騒動を巻き起こしているようだ
きっといつものように神社の巫女や森の人形使いあたりが巻き込まれているのだろう

 そんな日常の営みを上空から見下ろすという娯楽
これは空を漂うことが出来るものだけに許された特権なのだ
神様に感謝しなければならない
何の神だかは知らないが
そんなことを考えているうちにいつの間にかあたりが暗くなってきた
突如辺りに立ち込める黒雲がまるで何かを暗示しているようにも見える
どうやら一雨来そうな雰囲気だ
しかしまぁ雨にぬれると言うのも一興
ぬれたら木陰辺りに不時着してしばらく身を潜めていればいい
ただそれだけのこと
なんら慌てる事はない
何も慌てる事はないのだ
よく言うではないか
あわてる乞食はもらいが少ないと
なんてことを考えていたら急に風が強くなってきた
しかも山から吹き降ろす所謂颪タイプの強烈な風だ
当然風に身をゆだねていた自分の体は急激にスピードを上げて跳ね飛ぶ
目が回るがそれ以前に自分の体は果たして何回回ったのか
まるで無重力地帯のようにどこまでも節操なく跳ねて飛んでいく自分の体
回る景色がやがては洪水となり網膜に溶け落ちて感覚を支配する
濁流のごとき色の洪水だ
不意に何かに自分の体は叩きつけられ突如濁流は終わりを告げた
幸い大して傷みはない
なぁにこれも良くあることだ
何事も苦あれば楽あり
山があるからこそ谷がある
自然に身を任せていれば自ずとそうなってしまう
逆らうことなく流れに身を任すということはそれだけ危険も多いということだ

 どうやら自分は大きな木にぶつかったらしい
ここはどうやら妖怪の森のようだ
依然として風は強く時折小雨も混ざるようになってきた
ふと目の前に赤い服に緑の髪の少女が自分の目の前に立っていた
見た目こそは少女だが彼女はまさしく人外そのもの
その少女はおもむろに手を差し伸べてきた
そして両手で掴み取ると顔のそばまで持って来たかと思うと
珍しいものでも見るような眼差しでみつめ始めた
一体彼女は何がしたいのだろうか
特に言葉を発することもなくお互いにずっと見つめ合っている
傍から見たらなんと不思議と言うか奇妙な光景か
それにしてもこの人どこかで見たことがある
見たことがあるのだが思い出せない
如何せんこの幻想郷は見た目の似た奴が多すぎるのだ
皆の着ている服をシャッフルなんかしてみた日には誰が誰だかわけわかめ状態になること間違いない
それはそれで面白そうではあるが……
そのとき突然吹き荒れるような強風があたりを駆け抜けた

「あっ……!」

彼女が驚きの声を上げて気づいたときには自分はもう上空へと舞い上がっていた
どんどん彼女の姿が遠くなりやがて完全に見えなくなっていく
果たして天の助けか風の悪戯か……

ともかくこうして今日も幻想郷を風と共に漂い続ける
きっと明日も明後日も明々後日もこれから先ずっと漂い続けることだろう
漂う事に意味などない
意味があるのは強いて言えば自分が存在していると言う事実と
常に傍観者であると言う事実だ
それ以外の事象は総て付加価値に過ぎないのだ
たとえこの先どんな異変がこの幻想郷に起きようと
自分が表舞台に立つこと……ましてや異変の主役になることなど有得ないのだ



毛玉だもの
     ミ ミ 〃 〃 彡
   ミ          彡
  ミ  _____    ______ 彡
 ミ  T'ヒ_i´  ´ヒ_,!ア 彡
 彡      ,      ミ
  彡    ー─,-     ミ              
   彡,     ̄    ミ
     彡 ノ ノ ノ ミ ミ
B・G・M改めバームクーヘン
コメント



1.GUNモドキ削除
ああ、毛玉ですかwww
2.名前が無い程度の能力削除
毛玉ー!!
3.Taku削除
これは吹いた
4.のりまき削除
毛玉って・・・
5.苦有楽有削除
毛玉……
6.名前が無い程度の能力削除
毛玉て…
7.奇声を発する程度の能力削除
毛玉www