―――……私は、星熊勇儀が嫌いだ
背が高くて胸は豊満でスタイルが良く、顔も美人で性格も明るく姉御肌。
周りには必ずと言って良いほど誰かが居て楽しそうに笑っている。
彼女の笑顔はとても人懐っこくて美人なのに可愛くて………
―――……私には出来ない表情をする彼女が嫌いでとても妬ましかった
「…ィ?パルスィ!」
突然名前を大声で呼ばれ前を向くと勇儀が心配そうにパルスィを見つめている。
勇儀の燃えるような赤い瞳に覗き込まれ、つい彼女から目を逸らした。
「さっきはどうしたんだい?急に俯いて黙りこくって」
「どうでも良いでしょ!アンタには関係無いわ」
「ん~~…。まぁ大きい声出せるみたいだし、心配は無用みたいだね!」
ニッコリと笑う勇儀を緑眼で睨みながら「……妬ましい」とパルスィは呟く。
『最近やたらと私のところに来て……苛々するわ。ニコニコヘラヘラして、本当に妬ましくて妬ましい鬼女……!』
その苛々が顔に出ていたのか勇儀を見ると苦笑いに変わっていた。
苦笑いとはいえ笑っているのには変わり無く、苦笑いでさえも可愛く見える彼女にパルスィの苛々が等々頂点に達してしまった。
「~~~っ!何なのよ、アンタは!!」
「パルスィ…?」
「最近やたらと私の所に来て…、何なの!?私の周りには誰も居ない哀れな子と思って同情している訳!?自分の周りには沢山誰かが集まってるって自慢でもしたいの!?」
「違うぞ、パルスィ。私がお前の所に来るのは」
「触らないで!」
自分に触れようとする伸ばされた勇儀の手をパルスィを思いっきり叩く。
「痛っ」と声を漏らすと彼女は大人しく手を引っ込めたのだが…
それでもパルスィの気持ちは溢れ続け声を荒げつづける。
「美人でスタイルが良くて明るくて…!!!私が持っていないモノを全て持っていて……私に出来ない表情ばかりして!!どれだけ私を惨めな気持ちにしたいのよ!!!なのに、アンタは………」
次の言葉は紡がれる事は無かった。否、次の言葉は紡げないだろう。
理由は二つ、一つはパルスィが子供の様に泣いているという事と
もう一つは勇儀がパルスィを抱き締め彼女の顔を自分の胸に押し当てているから。
何が起きたのか分からないパルスィの耳元で優しい声色で勇儀は言った。
「パルスィ、私がお前の元に良く来るのは自分を自慢したいからじゃない」
「…………………」
「お前に逢いたかったから、お前が好きだからさ」
その言葉にパルスィは世界が揺らいだ気がした。
自然と体は強張ったが勇儀は力強く彼女を抱き締め、言葉を続ける。
「でも私の行動がお前を、パルスィを苦しめていた…」
「……………」
「すまなかった、パルスィ」
勇儀は本当にすまなそうな声色で謝罪した。
「…………私は」
パルスィは勇儀の腕の中で泣いた後の震えた声で静かに呟き始めた。
勇儀も勇儀で彼女が話し易くなるようにと抱き締める力を若干弱める。
「私はアンタが嫌い。スタイルが良くて美人で笑顔は可愛くて強くて周りに誰かが必ずいる星熊勇儀が大嫌いよ」
「…………」
「でもアンタが私に自慢する気じゃなかったって事は理解したわ、勘違いしてゴメンなさい」
パルスィからの謝罪に勇儀は赤いルビーのような瞳を丸くする。
まさか謝罪されるとは思っていなかったらしく、何とも形容し難い顔をしていた。
心底失礼な奴だとパルスィは思ったが不覚にも勇儀の形容し難い顔が面白くて…
ついつい頬を緩ませてしまった。
「……パルスィ、今、笑ったのかい?」
「え?………あ!」
「パルスィが笑った!私ははっきり見たぞ!微笑んだパルスィ可愛い!!」
誤魔化そうと口元を両手で覆うが、それでも勇儀は嬉しそうに笑い大声をあげる。
本当に本当に嬉しそうに笑い自分に抱きついてくる彼女が可愛く感じてパルスィは頬を赤くしながら小さく小さく呟いた。
「………アンタの方が可愛いわよ、妬ましい……」
「パルスィ可愛いぞ!可愛い!やっぱり大好きだ、愛してる!パルスィ!!!」
「耳元で叫ばないでよ!本当に妬ましいわね、アンタ!!」
等々頬擦りまでしてくる勇儀の頭と体を押しながら「放しなさい~~!」と言うが
パルスィを解放する気はさらさら無いらしい。
ならばと力ずくで放れようとするが鬼…しかも山の四天王と嫉妬の橋姫では力の差など一目瞭然で、暫く頑張ったがやがてパルスィは諦めた。
「……ねぇ、鬼」
「勇儀だ!そう呼んでおくれよ、パルスィ!」
「…………勇儀。アンタ私の何処が良かったのよ、何処に惚れた訳?」
「ん?全部だよ、全部に惚れたんだ」
その返答に「もっと具体的に!」と言うとパルスィを抱きしめたまま勇儀は少しだけ
唸って考えニッコリ笑った。
「まずその綺麗な緑の瞳が好きだ!それに白雪みたいな肌に太陽の光を集めたみたいな髪がとても綺麗でとても好きだね、そのつっけんどんしてる強気で気丈で嫉妬深いけどたまにほんのたまに見せる弱そうな所も守ってあげたくなるほど好きだ!後はなぁ……」
「あ~~~、もう良いわよ!言わなくて良いわ!!恥じらいも無く言えるアンタがとても妬ましいわ!!」
「それとお前の愛らしい笑顔が好きだよ、パルスィ!」
とびっきりの勇儀の笑顔を間近で見せられ再びパルスィは頬を赤く染める。
そしてふ、とある事に気が付きながらポツリポツリと言葉を紡ぎ始めた。
『私、もしかして……』
「……もし、まだアンタが私を諦めないと言うのなら」
『本当は勇儀のこと……』
「頑張って私を振り向かせて、アンタを好きにさせて見せなさいよ」
『嫌いじゃなくて、羨ましいだけだったのかしら……?』
パルスィの言葉を聞き、勇儀は一瞬驚いていたが
直ぐに何時もの…何時も以上の自信に満ちた笑みを浮かべ、緑眼を見つめた。
「言ったな、パルスィ!私はお前を必ず振り向かせて見せようじゃないか!!」
その自信に満ちた勇儀の言葉を聞いて彼女の腕の中でパルスィは呟く。
「………待っているわよ、勇儀」
『貴女なら私の嫉妬心を好きという感情に変えれると思うから……』
背が高くて胸は豊満でスタイルが良く、顔も美人で性格も明るく姉御肌。
周りには必ずと言って良いほど誰かが居て楽しそうに笑っている。
彼女の笑顔はとても人懐っこくて美人なのに可愛くて………
―――……私には出来ない表情をする彼女が嫌いでとても妬ましかった
「…ィ?パルスィ!」
突然名前を大声で呼ばれ前を向くと勇儀が心配そうにパルスィを見つめている。
勇儀の燃えるような赤い瞳に覗き込まれ、つい彼女から目を逸らした。
「さっきはどうしたんだい?急に俯いて黙りこくって」
「どうでも良いでしょ!アンタには関係無いわ」
「ん~~…。まぁ大きい声出せるみたいだし、心配は無用みたいだね!」
ニッコリと笑う勇儀を緑眼で睨みながら「……妬ましい」とパルスィは呟く。
『最近やたらと私のところに来て……苛々するわ。ニコニコヘラヘラして、本当に妬ましくて妬ましい鬼女……!』
その苛々が顔に出ていたのか勇儀を見ると苦笑いに変わっていた。
苦笑いとはいえ笑っているのには変わり無く、苦笑いでさえも可愛く見える彼女にパルスィの苛々が等々頂点に達してしまった。
「~~~っ!何なのよ、アンタは!!」
「パルスィ…?」
「最近やたらと私の所に来て…、何なの!?私の周りには誰も居ない哀れな子と思って同情している訳!?自分の周りには沢山誰かが集まってるって自慢でもしたいの!?」
「違うぞ、パルスィ。私がお前の所に来るのは」
「触らないで!」
自分に触れようとする伸ばされた勇儀の手をパルスィを思いっきり叩く。
「痛っ」と声を漏らすと彼女は大人しく手を引っ込めたのだが…
それでもパルスィの気持ちは溢れ続け声を荒げつづける。
「美人でスタイルが良くて明るくて…!!!私が持っていないモノを全て持っていて……私に出来ない表情ばかりして!!どれだけ私を惨めな気持ちにしたいのよ!!!なのに、アンタは………」
次の言葉は紡がれる事は無かった。否、次の言葉は紡げないだろう。
理由は二つ、一つはパルスィが子供の様に泣いているという事と
もう一つは勇儀がパルスィを抱き締め彼女の顔を自分の胸に押し当てているから。
何が起きたのか分からないパルスィの耳元で優しい声色で勇儀は言った。
「パルスィ、私がお前の元に良く来るのは自分を自慢したいからじゃない」
「…………………」
「お前に逢いたかったから、お前が好きだからさ」
その言葉にパルスィは世界が揺らいだ気がした。
自然と体は強張ったが勇儀は力強く彼女を抱き締め、言葉を続ける。
「でも私の行動がお前を、パルスィを苦しめていた…」
「……………」
「すまなかった、パルスィ」
勇儀は本当にすまなそうな声色で謝罪した。
「…………私は」
パルスィは勇儀の腕の中で泣いた後の震えた声で静かに呟き始めた。
勇儀も勇儀で彼女が話し易くなるようにと抱き締める力を若干弱める。
「私はアンタが嫌い。スタイルが良くて美人で笑顔は可愛くて強くて周りに誰かが必ずいる星熊勇儀が大嫌いよ」
「…………」
「でもアンタが私に自慢する気じゃなかったって事は理解したわ、勘違いしてゴメンなさい」
パルスィからの謝罪に勇儀は赤いルビーのような瞳を丸くする。
まさか謝罪されるとは思っていなかったらしく、何とも形容し難い顔をしていた。
心底失礼な奴だとパルスィは思ったが不覚にも勇儀の形容し難い顔が面白くて…
ついつい頬を緩ませてしまった。
「……パルスィ、今、笑ったのかい?」
「え?………あ!」
「パルスィが笑った!私ははっきり見たぞ!微笑んだパルスィ可愛い!!」
誤魔化そうと口元を両手で覆うが、それでも勇儀は嬉しそうに笑い大声をあげる。
本当に本当に嬉しそうに笑い自分に抱きついてくる彼女が可愛く感じてパルスィは頬を赤くしながら小さく小さく呟いた。
「………アンタの方が可愛いわよ、妬ましい……」
「パルスィ可愛いぞ!可愛い!やっぱり大好きだ、愛してる!パルスィ!!!」
「耳元で叫ばないでよ!本当に妬ましいわね、アンタ!!」
等々頬擦りまでしてくる勇儀の頭と体を押しながら「放しなさい~~!」と言うが
パルスィを解放する気はさらさら無いらしい。
ならばと力ずくで放れようとするが鬼…しかも山の四天王と嫉妬の橋姫では力の差など一目瞭然で、暫く頑張ったがやがてパルスィは諦めた。
「……ねぇ、鬼」
「勇儀だ!そう呼んでおくれよ、パルスィ!」
「…………勇儀。アンタ私の何処が良かったのよ、何処に惚れた訳?」
「ん?全部だよ、全部に惚れたんだ」
その返答に「もっと具体的に!」と言うとパルスィを抱きしめたまま勇儀は少しだけ
唸って考えニッコリ笑った。
「まずその綺麗な緑の瞳が好きだ!それに白雪みたいな肌に太陽の光を集めたみたいな髪がとても綺麗でとても好きだね、そのつっけんどんしてる強気で気丈で嫉妬深いけどたまにほんのたまに見せる弱そうな所も守ってあげたくなるほど好きだ!後はなぁ……」
「あ~~~、もう良いわよ!言わなくて良いわ!!恥じらいも無く言えるアンタがとても妬ましいわ!!」
「それとお前の愛らしい笑顔が好きだよ、パルスィ!」
とびっきりの勇儀の笑顔を間近で見せられ再びパルスィは頬を赤く染める。
そしてふ、とある事に気が付きながらポツリポツリと言葉を紡ぎ始めた。
『私、もしかして……』
「……もし、まだアンタが私を諦めないと言うのなら」
『本当は勇儀のこと……』
「頑張って私を振り向かせて、アンタを好きにさせて見せなさいよ」
『嫌いじゃなくて、羨ましいだけだったのかしら……?』
パルスィの言葉を聞き、勇儀は一瞬驚いていたが
直ぐに何時もの…何時も以上の自信に満ちた笑みを浮かべ、緑眼を見つめた。
「言ったな、パルスィ!私はお前を必ず振り向かせて見せようじゃないか!!」
その自信に満ちた勇儀の言葉を聞いて彼女の腕の中でパルスィは呟く。
「………待っているわよ、勇儀」
『貴女なら私の嫉妬心を好きという感情に変えれると思うから……』
( ゚∀゚)彡 勇パル!勇パル!
⊂彡
単純に、もっと過程が欲しい。パルスィがあっさり受け入れすぎてる。と、感じました。
まぁ、STGでの台詞のみが元なので、性格は主に二次なわけですが。