Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

夏に仕事をする神様

2009/06/02 02:23:37
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 そろそろ熱くなってきた今日この頃…

「…良い天気ね…」

 沢山の向日葵の中でフラワーマスターがのんびり日向ぼっこをしていた

 戦えば最恐の風見幽香ではあるが、そんな事はしない

 昔と違って今は争いよりも、
 
 遊びに来るちびっ子達の相手の方が面白いのだ

 日向ぼっこしながら今日もやってくると思われる

 ちびっ子達四人が来るのを待っていたら

「あら?」

 自分の近くに、一組の姉妹が通りかかっていた

 その姉妹の姿を誰かがみたら珍しいと思うだろう 

「本当に仕事熱心ね…」

 だが、風見幽香にとってその姿は珍しい物でもなんでもなかった

 
 
 遠くに居る二人も幽香の姿が見えたのだろう

 二人とも両手を振って幽香に挨拶をすると

 里のほうに向かっていった

 その光景を見て幽香がしみじみと呟いた
 
「…もうそろそろ、夏の季節なのね…」

 








 

 その姉妹が里にやってくると

 一軒の家のドアを叩く

 しばらくしてから、家の主が顔を出す

「慧音さんこんにちわ~」
「こんにちわ~」

 二人の姉妹が挨拶をすると家の主である

「ああ、待っていました…どうぞ奥の方へ」

 里の守護者である慧音が二人を自分の家に迎え入れた

「ようこそ…今年も待っていた、秋静葉殿、秋穣子殿」

 秋穣子そして秋静葉…
 二人とも秋を司る神である
 だからこそ、今の季節に居るのはおかしいはずであった
 だが、里の方では毎年この時期になると
 数日だけだが、二人の姿を見かけるのが常であった

 理由は単純明快

「それで?今年の畑の様子はどうなの?」
「育ちが悪そうな所と、何か問題になっていそうな場所はある?」
「此方にまとめてある…まず裏の田吾爺の畑なんだが…」

 この時期の野菜や果物の苗や芽の様子を見に来ているのである 
 
 慧音から里の畑の情報を聞き入れた二人は
「それじゃあ静姉…行こうか」
「うん、まずは裏の田吾爺の畑からだね」
 二人して畑の様子を見に行くのだ
 
「おお!穣子様と静葉様!…今年も来てくれましたか」
「勿論、この時期が大切だからね」
「なんまんだぶなんまんだぶ…」
「お、拝まなくって良いって…」
「家の畑も見て行ってもらえんかね?」
「うん、わかってる、後から向かうからね」

 二人が里の畑がある場所に向かうと
 畑で作業をしてる人達が秋姉妹に対して挨拶と敬意を表す
 それだけで、この二人がどれだけ里の人から大切にされているかが伺える
 

「ここだね、静姉」
「うん」
 二人が目的の場所にたどり着くと
 そこの畑の持ち主のお爺さんが二人に頭を下げる
「穣子様と静葉様!…どうかおらの畑をみてやってくだせぇ」
「わかってるよ、そのために来たんだしね」
「それじゃあ、早速…」

 秋静葉が水が張ってある畑に脚を入れて畑の中を歩く
 その傍で、秋穣子が畑に張ってある水を掬って少し舐める
「…ちょっと多すぎるかな?」
「ん…静姉もそう思う?」
 その畑の数箇所に秋姉妹が回ってから
 畑の持ち主のお爺さんの前に戻る

「…おらの畑は…」
「ちょっと水が多すぎるかな…」
「後、今年が終ったら、半分畑を休ませてあげて」
 
 二人の言葉にお爺さんが頷くと

「では最後に…穣子~お願いね」
「わかったよ~」

 秋静葉の言葉に秋穣子が頷くと
 秋穣子が畑の前で祈り始めた

「…豊穣が神『秋穣子』が命ずる…芽吹く季節に稔あることを…」

 一通り祈りが終ると、今度は秋静葉がお爺さんの前に向かい
 去年散っていった紅葉を灰にした物を手渡した
「これで今年も大丈夫…後、秋になったら
 休ませる半分の方の畑にこれを混ぜて耕しておいて」
「ありがとうございます…ありがとうございます」
 二人がそう言って頭を下げると
 畑の持ち主のお爺さんが深々と頭を下げて二人に礼を言う
 


「さあ、次の畑は何処?」
「今度はあっちだよ静姉」
 お爺さんと別れると、今度はまた別の畑に向かう
 そして、そこでも畑の様子を見て、お礼を言われる
 
 そのような事を繰り返して、気がつけば外は綺麗な夕焼けになっていた
「ありがとうございます!これで今年も無事に出来そうです」
「うんうん…きっと豊作になるよ」
「それでは、私達はこれで…」
 最後の畑の持ち主に挨拶をしてから
 秋姉妹達は引き上げる



「…疲れたね静葉お姉ちゃん」
「ん…でも、これが私達の大切な仕事だもん」
「そうだね…」

 夕焼けの空の中、二人は自分の住む家に向かって飛んでいく

「秋の収穫祭に向けて…」
「今の内にきちんと仕事をしておかないとね」

 夏が近くなってくるこの時期だからこそ
 秋姉妹には仕事があるのだ

 熱くなって来る数日の間の大仕事
 全ては秋の収穫の季節のために…


「さあ、明日もまた仕事があるよ穣子?」
「うん!静葉お姉ちゃんも覚悟しておいてよ?」

 二人は今日も頑張るのだ…
 どうも、脇役です…

 喰らえ!季節外れの秋姉妹ボンバー!
(前から秋静葉が飛びついてきて、後ろから秋穣子が飛びついてくる技)

 …秋だけじゃなくって
『ほぼ一年中この二人が働く機会があるのよ?』
 って言うお話です

 豊穣を約束するためには、収穫祭の前に呼ばないといけないのだが
 二人は呼ばれる前に里に向かい、豊作になる手助けをしているのだ
 だから、毎年収穫祭に呼ばれるのだ…

 冬に暗くなるのは…人に会えないから…


 別にそんな妄想をしてしまってもかまわんだろう?
脇役
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
秋姉妹のカリスマはんぱねぇ
2.名前が無い程度の能力削除
神様目の前にして南無阿弥陀仏を唱えるとはいい度胸だな田吾爺
3.謳魚削除
これがゴッドオブカリスマ……!
あと脇役さん、『季節外れの秋姉妹ボンバー』一人前下さい。
4.てるる削除
祖父母の手伝いで、畑仕事をやるような感じですね~。
収穫は忙しいですが、その前もいろいろと忙しいですし~。

あと、『秋姉妹ボンバー』一丁頼みます。
5.名前が無い程度の能力削除
秋静葉が畑の管理にどう関係があるのかと思ったら、確かに落葉養土の類は彼女の管轄っぽいですね。
目から鱗でした。
6.名前が無い程度の能力削除
たしかに豊穣を司る穣子であれば春夏秋冬いつだって仕事があるはずですね。
その季節季節の野菜や果物がありますから。
でも静葉は…
7.名前が無い程度の能力削除
マスター、秋姉妹ボンバーを一つ。
8.名前が無い程度の能力削除
うん!いい!すごくいい!
神様らしい秋姉妹は久しぶりに見たよ。人間やフラワーマスターに慕われる二柱に万歳!
9.GUNモドキ削除
秋姉妹って豊穣の神様ですから、実際物凄く重要な役割ですよねぇ。
ゲームの時みたくポンポンポンポン撃ち落としちゃあバチが当たるってもんですよ。
10.名前が無い程度の能力削除
もちろんかまいませんとも。
そして私にも秋姉妹ボンバーをぜひに。
11.名前が無い程度の能力削除
>こんにちわ
 こんにちは
12.名前が無い程度の能力削除
秋姉妹のカリスマ半端無いです。

あとマスター、こっちにも秋姉妹ボンバーを一つ。