Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

たしか。

2009/05/15 09:57:05
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最近紙粘土で神奈子様を作って遊んでいます。



~注意書き~

あらビックリ微グロ注意
バトル?もあるよ
多分カリスマじゃないかな
オリ設定だよ

以上が許容できる方のみお進みください。

~注意書き 終~












































パチリと、私は目を開けた。
眠っていたようだ、いけない…。
軽く頭を振って眠気を覚ます。

夢を見た。
ずっと、昔の話だ。
私がまだ、放浪の身だった頃。
身体一つで世界中を回っていた。
そしてある国で…

私は彼女に出会った。




















「こんばんわ妖怪。私に何か用?」



妖しく輝く満月を背負った、紅く幼い悪魔の少女。

用などなかった。そも、私は放浪の身。
訪ねる場所などあろうものか。
そこに寂びれた館があったから、一晩借りて休ませて貰おうと思い門をくぐっただけだ。

「あぁ、住人がいらっしゃいましたか。これは失礼を」
私は慇懃無礼に頭を下げた。
悪魔の少女はふん、と鼻を鳴らして私を見下ろした。
見下ろした、というのは、彼女が黒い翼を広げて時計塔の上に立っていたから。
「見慣れない奴ね。お前、何処の妖?」
「私ですか?私は――の出です」
「ふぅん」
尋ねておいて、さして興味もなさそうだ、と思った。別に構いはしないが。

「それで?」
彼女は先を促す。
――さて?私は何を答えればいいのか。
私の名前か?此処を訪ねた理由か?
しばしの逡巡を経て。

「お手合せ、願えますか?」

何故かこの言葉がぽろりと口からこぼれ出た。
うむ?しまったな。一晩の宿を頼もうかと思っていたのに。
最近手ごたえのある奴が居なかったから、力のありそうなこの少女を見てつい…。

「は、はははは、ははっはははははは!!」
彼女は嗤った。片手で顏を覆って、酷く可笑しそうに。
「なんと!名乗る名も持たぬような木っ破が!ツェペシュの末裔たる私に挑むか!」
おやおや。相当お怒りのようだ。殺気がこちらまで届いて来ている。
…うーん、想像以上にやってくれそうだ。

「いいわ!虫けらの様に踏み潰してやる!!」
「ではお願いいたしますね、お嬢さん」
私は拳を握り締め、時計塔から飛び降り矢の様に向かって来る彼女に相対した。



まずは一発。迎撃の為に気を籠めた拳をつきだす。
「ふっ!」
彼女は軌道を変えてひらりと身をかわした。私の右後方に着地。
「甘いわ!」
「いえいえ。ほんの小手調べですから」
背後をとられていては些かやり辛いので、私は其のまま突き出した拳を水平に薙いだ。
裂帛の気合を込めたその拳を彼女はやすやすと受け止める。
「ふん…そこそこ重いわね」
「それはどうも」
みしり、と掴まれた拳が悲鳴を上げた。
あ、不味いな。砕かれる。
そう思うより早く、私は力の限り腕を前に引いた。その勢いのまま彼女から距離をとる。
みぢりと音をたてて拳が外れる。紅い軌跡が宙に走る。肉を幾らか持っていかれたようだ。
…ふむ、この位ならすぐに再生できるか。
「…はっ!!」
削られた周辺の組織に気を流し込み細胞分裂を最速で行う。
傷はすぐにみちみちと肉が盛り上がり、痕も残さずに消え去った。
彼女はその間、追撃をするでもなくつまらなさそうに私の右手を見つめていた。
「…呆れた再生速度ね。蜥蜴みたい」
「失礼な。もう少し高尚なものですよ」
ぐぱぐぱと握ったり開いたりしてみせると、少女はため息をついた。
「頭でも吹き飛ばせば、とどめになるのかしらね?」
それは確かに。
「まぁ、流石の私も死ぬでしょうね」
私の言葉に彼女は口角を吊り上げる。
「それは良いことを聞いたわ。頭を狙うことにしましょう」
「止めて下さいよ」
「は、お前次第ね」
どうしろと。
頭を下げればいいのか?却下。つまらん。もっと闘りたい。
何か無いか?頭を吹っ飛ばされずにこの愉しい時を、もっと長く、永く。

あ、そうだ。

「こうしませんか。貴女が勝ったら、私を好きにしていい」
「へぇ?お前が勝ったら?」
「一晩泊めて下さい」
「は…」
おぉ、これは来たな。

「あははははははは!」

予想通り彼女は哄笑した。ツボに入ったらしい。
「一晩泊めろ!?あははははは!そんなもん幾らだって泊めてやるわよ!」
「ではそう言うことで。あ、好きにと言っても頭を吹き飛ばすのだけは止めて戴きたい」
「それは私が決めること。ははっ、どうしてやろうか」
…この少女は自分が勝つことしか考えていないのだろう。
「とりあえずお嬢さんが勝つにしても頭は残しといて下さいね」
無駄かもしれないが一応、保険で。
「わかった、わかった」
言質は取ったが、はてさて。

実際のところ、勝負は見えている。
残念ながら私にはこの少女は倒せないだろう。
打ち込んだ時の感覚で力の差はわかった。
私は学は無いが、こう言うことなら身体で判る。
放浪しながら幾度となく戦いを繰り返してきた身なのだから。
…最も、私より強い奴はそういなかったが。

だからと言ってやめるなどという選択肢は私には、ない。
さっきから高揚が全身を駆け巡っているのだから。

「ほらほら、さっさとやりましょう。

折角こんなに月が綺麗なのだから!」
私の思考を遮るように、夜空に彼女の愉しそうな声が響いた。





結果は、やっぱり予想通り。

まず私の左腕が引き千切られた。お返しに私は残った右手で彼女の両腕をガードごと砕いた。
するとどうだ。人の事を蜥蜴の様などと言っておきながら、それ以上の速度で彼女は腕を再生。
再生中の私に千切った左腕を拾い投げつけ、同時に飛び込みながら腹目掛けて抜き手を放って来た。
鋭い爪のせいで手首まで深々と腹に突き刺さるが、私は筋肉を絞めて動きを封じつつ顎に掌底を放つ。
ばごんと鈍い音を立てて彼女の頭が揺れた。その隙に手刀で刺さった右腕を叩き斬る。
距離を取って、コンマ一秒。抜こうか抜くまいか。
…抜かぬ。こぽり、と口から紅い雫。気にしない。
私は再び距離を詰め、彼女の細い首に手を伸ばす。
さしもの彼女も無くなった部位を再生するのは瞬時にとはいかないようで、いまだにその右腕は肘ぐらいで途絶えている。
この刻を逃してはならんと私は彼女を勢いよく地面に転がした。
馬乗りになって、残った左腕は足で押さえる。私の左腕も失われているので、右手で首を絞めた。
これでもう彼女は動けない。

はずだった。

「私の勝ちですかね?」
そう言ったのは私。

にたり。と笑ったのは、

彼女。



「やはり、甘い」



気がつけば、彼女の右腕はそこに。
…何故、と思えば。
腹に突き刺さっていた筈のそれは跡形もなく、ただ孔から左に私の体はぱっくり裂かれていた。
再生は無理でも、パーツさえあれば。
という、こと、か。



それから後は、記憶がない。















日差しに照らされ目覚めた私は、寂びれた館の前に仰向けで転がっていた。
此処は何処かと記憶を呼び起こそうとすると、全身の痛みにそれを遮られた。
故に、思い出すまでもなく。
「頭、付いてるよね…」
寝転がったままぺたぺたと自分の顔を触る。うん。取れてない、よかった。
次に確認したのは腹。塞がった腹を両手で押さえて、そこで漸く左腕が復活していることにも気がつく。
気を巡らせずに再生したにしては治りが早い。…付けといてくれたのか。
意外と優しい子だと感心していると、館の方から足音が一つ。

「起きた?」

「起きました」

日傘で日光が遮られた。覗き込む彼女の顔は陰になってよく見えないが、声の調子から愉しそうな様子が窺えた。
「やっぱり早いわね。お前、蜥蜴の妖怪なの?」
「だから違うと」
「ふぅん」
やはり彼女はどうでもよさそうである。どうでもいいが。

ねぇ、と彼女は口を開く。
「お前強いのね。少なくとも私が今まで出会った中では一番だったわ」
「はぁ。恐縮です」
まあ結局負けてしまったけれど。
と言ったら
「私が勝ったのは、昨夜が満月だったからよ。私は普通の妖怪より月の影響を受けやすいの。つまり昨夜は絶好調」
なんてこと。一月のうちで一日しかない日に当たってしまうなんて。
「運が悪かったんですねぇ」
「それがお前の運命。私に出会って倒される。避けえぬ道だったのよ」
「はぁ」
やはり運が悪かったようだ。

「それで、一晩考えたんだけど」
「何をですか」
「この館、そこそこ広い割に手入れをするのが居ないの。だからお前、使用人になりなさい」
「何で私が」
「お前、自分で言い出しておいて忘れたの?」
「…あ」
普通に忘れてた。
「…わかりました」
まぁ敗者は勝者に従うものだ。何より好きにしていいと言った以上はいかな要求にも応えねばなるまい。
頭を吹っ飛ばされなかっただけ、マシと言うものだ。

「では、あー…お嬢様、で宜しいでしょうか?」
「うむ。良いわよ」
私は寝ころんだまま…という訳にもいかず、なんとか軋む体を起こし彼女の前に跪いた。
「私は、紅美鈴と申します。失礼ながら、お嬢様の御名前をお伺いしても?」

彼女…お嬢様は誇り高きその名を。

「我はスカーレット家当主、レミリア・スカーレット。今より紅美鈴、お前を我が館に迎えよう――」



こうして私は、スカーレット家の使用人になったのだ。




















たしか。
修学旅行は一旦お休みさせていただいて。…すいません、ネタが浮かばないもので。

思いついたまま書いたら、少し毛色の違うものになりました。
キャラとしては神奈子様が好きなんですが、書きやすいのは紅魔館なんですよねぇ。
ごめんなさい、神奈子様。
YAMADA
コメント



1.謳魚削除
冒頭の※は「色んな要素が盛り沢山!但し期待し過ぎると痛い目を見るぜ!」って事でしょうか(何と失礼な……!)
美鈴大姐、『その出会い(それ)』はお嬢様に仕組まれた『運命(わな)』よ!
カリスマスカーレットは大好物ですが、
レ「(べ、別に一目惚れとかじゃないんだから!)」
等と心の内がテンプレの様なツンデレお嬢様だと尚、大好物です(だからどうした)
フラ&パチュ「世界を革命する狂気(ちから)を!」
小悪魔「ちょっ、それは不味いですって!」
みぃーっしんとぅっせんふぉーえばー、きっしんらぁべんとぅゆぁはぁー(初期ED)
性懲りもなくれぼりゅーしょんでした。
ぺこり。
2.名前が無い程度の能力削除
 最後の一行がひどいww
3.名前が無い程度の能力削除
うろ覚えかよ!ww
4.名前が無い程度の能力削除
落とすなwww